概要
なんらかの理由で作者が書き進めることを中断したこと。
多くの場合作者の死去により作品が中断することを指し、連載がスローペース〜休止になっている間に作者が亡くなってしまった場合も多々ある。
作者が生前にアシスタントや親交のある他作家などに完結を託している場合や、『グイン・サーガ』シリーズのように作者が「他作者による派生作を認める」と遺言している場合はまだいいが、それもできないまま急に亡くなってしまった場合はどうしようもなくなってしまう。
作者が健在の場合でも、本人がこれ以上書くやる気、または書ける気を完全に失った事により放棄と引退を表明した「断筆」や、問題行動を起こした末の営業停止で絶筆となるケースも少数ながら存在する。
主な絶筆作品
作者の逝去によるもの
- あまねあたためる(佐渡川準)
- イタズラなKiss(多田かおる)
- 奴隷戦士マヤ(このどんと〈鴨下幸久〉)
- 天然あるみにゅーむ!(こむそう)
- 学園黙示録 HIGH SCHOOL OF THE DEAD/皇国の守護者他佐藤大輔原作作品
- かつて魔法少女と悪は敵対していた。(藤原ここあ)
- 傀儡師リン(和田慎二)
- 鮫島、最後の十五日(佐藤タカヒロ)
- ルードヴィヒ・B/ネオ・ファウスト/グリンゴ(手塚治虫)
- はてな☆イリュージョン(松智洋)
- よいこの黙示録(青山景)
- えむえむっ!(松野秋鳴)
- 金色夜叉(尾崎紅葉)
- 明暗(夏目漱石)
- トリニティ・ブラッド(吉田直)
- キミオアライブ(恵口公生)
- 雑草家族(小路啓之)
- 風の聖痕(山門敬弘)
- 警察署長(たかもちげん)
- たとえ灰になっても(鬼八頭かかし)
- てっぺん(小成たか紀)
- ベルセルク(三浦建太郎):ただし現時点では処遇未定となっている。
- グッド・バイ(太宰治)
- 殿さまとスティッチ(和田洋人)
- 風雲児たち(みなもと太郎)
作者の断筆によるもの
作者の不祥事によるもの
※作者が2人以上の場合、1人のみが不祥事を起こした例を含む
- アクタージュ(原作担当の不祥事)
- 本日わたしは炎上しました(原作担当の不祥事)
- 二度目の人生を異世界で(原作担当の不祥事)
絶筆作品を他者が書き継いだ例
- ゼロの使い魔:生前に作者が残したプロットを志瑞祐が完成させた。
- グイン・サーガ:「誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」という作者の遺志が明示されていたため、複数の作者により書き継がれている。
- まりんこゆみ:原案者が生前プロットを作画担当者に託して完結させた。
- 屍者の帝国:伊藤計劃の残した草稿を遺族の了解のもとで友人の円城塔が仕上げ、クレジットは連名となった。
- サイボーグ009:作者石ノ森章太郎の長男である小野寺丈が小説版として完結させた。
- のび太のねじ巻き都市冒険記:作者藤子・F・不二雄が残した構想ノートを基にむぎわらしんたろうが完成させた。
- クレヨンしんちゃん:作者の臼井儀人の死後、アシスタントらが執筆を継承することになった。臼井の遺したストックが尽きたところで本家としては連載終了となり、その後「臼井儀人&UYスタジオ」名義の「新クレヨンしんちゃん」と改題されて連載再開となっている。
- ゴルゴ13:もともと分業体制が確立されていたため、原作者のさいとう・たかをがいなくなったとしても連載継続に支障は全くない状態であった。そして「自分抜きでも続いていってほしい」というさいとうの希望から、関係者の手によって連載を継続すると公表され、特に何もなく連載は継続となっている。
絶筆が用語として登場する作品
絶筆が危惧される作品
- 七都市物語、薬師寺涼子の怪奇事件簿等(田中芳樹)
- 陰陽師、餓狼伝等(夢枕獏)
- 涼宮ハルヒの憂鬱等(谷川流)
- BASTARD!!(萩原一至)
- HUNTER×HUNTER(冨樫義博)
- D.Gray-man(星野桂)
- ケロロ軍曹(吉崎観音)
- 十二国記(小野不由美)
- 銀河鉄道999(松本零士)注:区切りはついているものの実際は休載中
- PARマンの情熱的な日々(藤子不二雄Ⓐ)
- 最遊記(峰倉かずや)
- バガボンド(井上雄彦)
- ガラスの仮面(美内すずえ)
- スレイヤーズ(神坂一)
- ファイブスター物語(永野護)
※他にもあれば追記よろしくです。
そう評される原因はいくつかあるが、主に「公式から続編のアナウンスが無い」、「数年~数十年単位での遅筆・停筆」、「いつまでたっても物語収束の気配が無い」、権利関係のこじれなどの「大人の事情」、「作者の体調悪化」、『パタリロ!』などのような「作者の高齢化」があげられる。
なお『とある魔術の禁書目録』や『名探偵コナン』等のような、人気だが話を膨らませすぎたり引き延ばしすぎだと言われがちな長寿作品も危惧される事がある。
しかしこれらは現在もペースの衰えなく刊行され続けているため、該当するかは微妙なところである。