基礎データ
進化
キリンリキ → リキキリン
概要
『ポケットモンスター金銀』が初出のキリンの様な姿のポケモン。
分類も「首長ポケモン」だが、現実のキリンほど首や脚は長くなく、食べるのも草や木の芽等の地表の植物である。
どの国の名称でも回文になっているのが特徴で、アニメ版でもニャースが「上から読んでも下から読んでも“キリンリキ”」と驚くシーンがあったりする。
一般的にキリンを「長頸鹿」と表記する中国語でも日本語版に倣って「麒麟奇」となっている。
『ポケットモンスター金銀』の開発が発表されたばかりの当初の試遊台では『UBじみた前後対照の双頭ポケモン』としてデザインされていた(尻尾側のツノは一本である)。
その後、細い棒状の尻尾の先に球体をくっつけたような形になり、色分けのみ中央を境に反転させる現在の姿に改められ製品版や各メディアで登場に至った。
結果、後ろ側の頭は尻尾の先の別ゲームのアレに似た小さなものとして残存し、図鑑で説明されているのもその事ばかり。
尻尾側の脳はあまりにも小さい為、思考能力や理性を持たず、不用意に後ろから近づいた者の音や匂いに反応し、本能的に噛みついてくる。ピンチに陥ると不思議な力を発揮するともされており、こちらの頭もエスパー技が使える模様。
不思議で異様な身体構造だが、本体が食事をすると連動して口を動かす等かわいらしく見える一面もあってか、より多くのユーザーに受け入れられやすいデザインになっている。
また、神経程度の消耗しかしない為、全く睡眠を必要とせず、キリンリキはこの尻尾で24時間周囲の警戒にあたれる(はやおきを特性に持つあたり、本体も睡眠時間が短いのだろう)。
ピンチに追い込まれると、尻尾が不思議な力を使って敵を追い払うと有るので、実はサイコパワーの発信器官となるのもそちららしい。タイプもノーマル・エスパー(エスパーが後ろ側)なので、そうなのだろう。
技として「かみくだく」や「サイコファング」も使用可能な扱いから、顎の力もそれなりにある様だ。
Pokemon GOにおけるシャドウポケモン化した場合、きっちり尻尾の目も赤くなる。
色違いはピンク色の部分が青くなる。
生息地の傾向としては43ばんどうろ(ジョウト)やリッシ湖のほとり、自然保護区、サファリゾーン(ホウエン)といった水辺のある森林付近が多い。現在のシンオウでは普通に野生種として確認されているが、ヒスイ地方時代には生息しておらず、外来種だと考えられる。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
70 | 80 | 65 | 90 | 65 | 85 |
初のノーマル・エスパー複合タイプとして登場した。この組み合わせはエスパーの弱点であるゴースト技を無効化でき、ノーマルの弱点であるかくとう技も等倍に抑えられる為、相性が良い。
もっとも、ジョウトの無進化ポケモンにありがちな、能力が低く安定してしまっている。耐久面などゴースト技を受け流したところで、普通にサブウェポンで押し切られ兼ねないレベルであり、エスパー統一パでも組んで、ようやく需要が産まれるかどうかが実情である。
器用なタイプ同士の複合からか、「じしん」や「ふいうち」(第4世代限定)等、珍しい技もちらほら覚えるものの、悲しいかな最も高いステータスは「とくこう」である。頑張って物理特化にしたところで、弱点として残るむしタイプやあくタイプに有効な技に限って抜けているので、簡単に止められる事態には変わりがなかったりする。
もちろん、様子見のつもりで放たれる「とんぼがえり」や「はたきおとす」(第6世代~)で致命傷を負ってしまう点も、一般的なエスパータイプのポケモンと何ら変わらない。
しかしながら、第6世代のバトル施設ではラジュルネが使用してくるなど強豪トレーナーの中にも一定の使用者はいる。
だが、「せいしんりょく」と「ミラーコート」ないし「ふくろだたき」を両立させられるのはキリンリキだけの個性でもある。
第5世代では隠れ特性として「そうしょく」を手に入れ、キノガッサやモロバレルに安定して勝てる可能性が見えたものの、「ふいうち」との両立ができない等、依然として課題は多い。
第7世代では、『USUM』にて有用な「サイコフィールド」と「サイコファング」を習得し、後者は物理型の新たなメインウェポンになった。
第9世代にて進化系のリキキリンが登場した事で、ポケモンSV以降からしんかのきせきが適応になった。
その他のメディアでは
ポケモンマスターズ
チャーレム(スモモ)、フーディン(ナツメ)、ドータクン(ネジキ)とエース級が軒並み他のトレーナーのエースになっている為、暫定的にジムリーダーや四天王のパーティ採用率が低いゴヨウのエースになっている。使う技もねんりきになきごえと本家だと初歩中の初歩技でしかない構成。
幸いにもバディーズわざは『エピローグへと導くサイコキネシス』となっているので決して弱いというわけではない。
フォローしておくと本家(BDSP版)では起点作り用(ひかりのかべとトリックルーム要員)のポケモンとして登場し、早めに倒しておかないと後続のポケモンたちで無双される事も珍しくないほど油断ならないポケモンではある。しかし、強化パーティでは技範囲が広く、役割のはっきりしているエルレイドに取って代わられるのであった…無念(これはそもそも壁要員として既にバリヤードがいるからである)。
アニメ
無印編
2000年7月13日放送の第156話「キリンリキ!エスパーポケモンのむら!」(脚本:冨岡淳広)ではチェリー(CV:かないみか)のポケモンとして登場(CV:愛河里花子)。
ブレンタウンの慣わしでチェリーがゴーストタイプ対策に連れている(ゴーストタイプ側が打点技を持っていなければゴーストタイプが完封できるのでチョイスは良い…尤もこれはどくタイプ持ちであるゴース系統に限った話である)。
得意技はみらいよちとなっており、エスパー技を反射するミラーを持つロケット団の巨大ゲンガーに立ち向かった。
劇場版第3作『結晶塔の帝王』ではリンのポケモンとして登場。詳しい解説もそちらで。
AG編
2004年5月27日放送の「ポケモンコンテスト!ルイボス大会!!」(脚本:富岡淳広)ではコンテスト参加者のソノタのポケモンとして登場。
AG編第126話「予備選スタート!マサムネ登場!!」(脚本:十川誠志)ではマサムネの一番手として登場したが、ヘイガニにあっさり負けてしまった。
DP編
2009年9月17日放送の「ダンジョン攻略!?谷間の発電所!」(脚本:大橋志吉)ではコトネが倉庫の扉を破って脱出するためにダブルアタックを指示したが、効果は上げられなかった。
余談
元々の企画では「ノーマル・あく」タイプで分類は「がったいポケモン」だったらしい。自力で「かみくだく」等を覚えるのはその名残と思われる。
趣味的に見ても、無難なデザインに収まってしまってインパクトが薄れ、却って関心を集められなくなってしまった感は否めない。次世代以降は明確にゲテモノ路線を狙った尖ったデザインも見られるようになった為、その意味でも産まれる時代が悪かっただろう。
しかし、20年以上経った『ポケモンSV』にて、遂に念願の追加進化を果たした。
関連イラスト
関連タグ
ポケモン ポケモン一覧 GSC ノーマルタイプ エスパータイプ
クアッガ:ある意味、そっくりさん。
オシツオサレツ:児童文学『ドリトル先生』シリーズに登場する動物。双頭の鹿というところで、当初企画の姿に近い。