機体データ
型式番号 | RGM-86R |
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所属 | 地球連邦軍 |
開発 | カラバ、アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18m |
本体重量 | 38.6t |
全備重量 | 56.2t |
ジェネレーター出力 | 1,560kW |
スラスター総推力 | 81,200kg(109,000kgとする資料もあり) |
センサー有効半径 | 10,900m |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材、一部ガンダリウム |
固定武装 | 60mmバルカン砲×2、ビーム・サーベル |
携行武装 | ビーム・ライフル、シールド |
オプション装備 | 肩部ミサイルポッド、腰部2連大型ミサイルランチャー |
概要
地球連邦軍の汎用量産型MS。グリプス戦役勃発によって第1線から離れたジムⅡをエゥーゴ・カラバ主体で改修した機体で、第二次ネオ・ジオン抗争まで連邦軍の主力量産機として運用された。
グリプス戦役勃発以前、連邦軍は次世代の主力量産機としてジムⅡとハイザックを大量に投入したが、この2機は開発途中で連邦軍上層部と各メーカーの癒着によって性能面に不満が生じる形になってしまった。そのため、これら2機を置き換えるためのさらなる次世代機開発プロジェクト『ジムⅢ計画』が発足し、その過程で落選したパーツがアナハイム・エレクトロニクスのワグテイルユニットなどで使用された。
本計画が本機に及ぼした影響等の詳細は不明ながら、その後にグリプス戦役終結に伴う政権交代と同時にティターンズ主導の兵器開発が軒並み中止・凍結あるいは統合され、官立工廠の規模縮小とアナハイムへの開発委託拡大、コストパフォーマンスに難があったネモの生産中止等が重なった事もあり、アナハイム社が開発する新型量産機完成までの繋ぎとして本機は実戦に投入される事となった。
機体解説
既存機種であるジムⅡからの改修を前提としているため、やはりコストパフォーマンスを無視できない設計ではあるものの、先に勃発したグリプス戦役が地球連邦政府内の軍閥戦争であったが故に連邦軍は人的資源を消耗しきっており、さらに同時期のMSは単機の性能を徹底的に底上げする事によって恐竜的とまで称される進化を遂げつつあったため、そういった当時の情勢に最低限対応し得るレベルのポテンシャルを秘めた機体として本機は仕上がっている。
最大の特長はガンダムMk-Ⅱやバーザムからの技術転用で、バックパックをMK-Ⅱの簡易量産モデルに変更する事によって機動性の強化に加えGディフェンサーとのドッキング機能を新たに獲得。また、機体の3割強をこれら2機と同型のパーツに換装し同時に装甲材質も一部にガンダリウム合金を組み込んでいる。ただしガンダムMk-Ⅱの目玉技術であるムーバブルフレーム構造はジム・クゥエル同様、腕部にのみ限定して採用され脚部はショックアブソーバーを追加するに留まっている。
この改修の結果、カタログスペック上はガンダムMk-Ⅱとほぼ同等の性能を発揮できるほどになったのだが、先述の通り本機は新型量産機完成までの代替え機であるために総生産数はジム系の中では少なく約800機程度に留まった(ただし、地上宇宙共に大規模な総力戦を展開した一年戦争時の生産数が異常なだけであり、ネオ・ジオン側も抗争末期に少数生産の量産機を投入しているため、むしろ同時期の最多生産機と考える方が自然であったりする)。
宇宙世紀0093年の第2次ネオ・ジオン紛争においては、ロンド・ベルの増援としてνガンダムと共にアクシズの落下を食い止めるべく奮闘している。
その後の宇宙世紀0096年には護衛の必要な補給艦や連邦政首都ダカール、トリントン基地をはじめとした最新鋭機の配備が行き届いていない辺境地域を中心に配備され、主に指揮官用の機体として袖付きやジオン残党軍に抵抗を行っていた。
武装
本機は新型機導入後やネオ・ジオンの重モビルスーツに対抗する事を設計段階から想定し、中遠距離から支援機としての運用する為のマウントラッチを有している。その為、先述のGディフェンサー以外にもラッチに装備可能な重装備が存在すると思われるが、現時点では下記の大型ミサイルのみが確認されている。
頭部バルカン砲
連邦系モビルスーツの標準装備とも言える60mm機関砲。
ビーム・サーベル
ガンダムMk-Ⅱが使用していたものの簡易量産型(Mk-Ⅱは腕部にビーム兵器用エネルギー供給経路が無い為独自動力を内蔵する必要が有ったが、本機は供給経路が有る為省略し簡易化)で、出力は0.4MW。バックパックのフレキシブルバーニアスラスターに2本を装備する。
主力量産機でサーベルを2本標準装備している機体は実は本機が初めてだったりする(ジム系モビルスーツに視野を広めてもジム・コマンド系列や陸戦型ジム、ネモ等に限られている)。
ビーム・ライフル
ジムⅡやネモの運用したBR-S-85-C2のマイナーチェンジモデル。
装備の軽量化の他、出力は百式のBR-M-87と同等の2.8MWへと強化されたが、エネルギー供給は当時主流となりつつあったEパック方式ではなく、一年戦争期と同じく内蔵E-CAP方式であり、また取り回しを重視したショートバレルの小型ライフルである為内部構造に余裕が少なく継戦能力などに問題が残っている。後期はEパック方式を採用したライフルも出回っているが、ごく少数の生産となった。ジェガンのライフルを装備した機体もあったようだ。
肩部ミサイルポッド
両肩に装備可能なミサイルポッド。
計8発の中型ミサイルを内蔵したノーマル・ミサイルポッドとマイクロミサイル30発を内蔵するオプション・ミサイルポッドの二種を換装して運用することになる。支援機運用時の主兵装であり、後にスターク・ジェガンがノーマルポッドと同系統のミサイルを採用している。
腰部大型ミサイルランチャー
サイドアーマーに外付けされるオプションの大型ミサイル。
主にアクシズ製の重モビルスーツや対艦攻撃を想定している。
なおHGUCのガンプラでは白と赤のカラーリングだが、ZZと逆襲のシャアの本編では一瞬だがビームライフル同様黒いカラーリングとなっている事が確認出来る。
シールド
主力量産機ご用達のガンダリウム合金製ラージシールド。
ジムⅡが使用したものをそのまま引き継いでおり、ジェガン登場後はミサイル内蔵の新型シールドが採用された事もあって、連邦軍伝統の大型十字マーク付きのシールドを装備した量産機は本機で最後となった。ちなみにジェガンのシールドも使用が可能であり、アイリッシュ級戦艦「オアシス」所属機や漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』でラー・カイラムに合流したルナツー守備隊所属機等で使用が確認されている。
ビームジャベリン
ガンダムが使用していたものから伸縮機構を排除した量産モデルで、メイスのように見える。
ダカール守備隊所属機がジオン残党軍のジュアッグと対した際に使用。直前にネモのビームサーベルが防がれている為、ジムⅢ>ネモな印象を植え付けている。
関連動画
バリエーション
ヌーベルジムⅢ
ガンダムセンチネルに登場。型式番号RGM-86R。
ジムⅢの中で新規に設計・開発された機種。詳細はヌーベルジムⅢを参照。
ジムⅢ・ディフェンサー
「ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 審判のメイス」に登場。型式番号RGM-86+FXA-05D。
ジムⅢにGディフェンサーを装備した機体。
ガンダム[グリンブルスティ]との連携を想定し、サラミス改級「デルフォイ」に二機配備されたが、Gディフェンサーを装備した分機体が大型化し、それに伴い大型のMSハンガーが必要となる為、母艦の格納庫を圧迫してしまうという結果を招いている(一応ディフェンサーを分離した状態でなら大型ハンガーは必要ないはずだが、コア・ファイターがない上に分離した状態だと返ってスペースが圧迫しかねないため合体した状態で格納したほうがマシ、と言う考えに行き着いたようである)。
しかし、機体性能の向上は確かな物であり、[グリンブルスティ]との連携で小惑星基地「ダモクレス」を占拠したネオ・ジオン残党の運用するシュツルム・ディアス、リゲルグ、ハンマ・ハンマ等と渡り合っている。
劇中では披露しなかったが、Gフライヤーへの変形機能も備えているようである。
早期警戒型ジムⅢ
PCゲーム『機動戦士ガンダム リターン・オブ・ジオン』に登場。型式番号RGM-86EW。
ジムⅢを早期警戒型に改修した機体。強力な索敵システムを搭載したバックパックが特徴であり、後方支援用にミサイルも内蔵している。そのため、コストパフォーマンスに問題が生じ、少数の生産に終わった。
なお、PCゲーム『機動戦士ガンダム アドバンスド・オペレーション』では、同コンセプトの機体「EWAC-ジムⅢ」(型式番号RGM-86E)が登場している。
ジム・ナイトシーカー(ヴァースキ大尉機)
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。型式番号RGM-79V。
連邦軍の特務部隊「ナイトイェーガー隊」隊長ヴァースキ大尉の搭乗機。
詳細はジム・ナイトシーカーを参照。
ジムⅢビームマスター
TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』に登場。
ユッキー(ヒダカ・ユキオ)の愛機で、ジムⅢベースの後方支援機。
名が示す通りビーム兵器を増設しており、主武装のチェンジリングライフルは多彩な攻撃が可能となっている。
射撃時の安定性を確保するために、脚部に強化が施されている。
詳細はリンク先を参照。
ジムⅢ・パワード
漫画『機動戦士MOONガンダム』に登場。
ベテランパイロット用の改造機で無重力空間での白兵戦を主体としている。
頭部には複合センサーを内蔵した耐弾仕様のバイザーユニット、胴体部に耐ビームコーティング仕様の増加装甲、両肩に強化されたショルダースラスターを装備する。これらの改修で上半身のボリュームが増した為、「パワード」と言う名が与えられた。
ロンド・ベル所属のクラップ級巡洋艦ラー・ギルスに配備された。
またFSWS計画の流れをくむ重装甲・重火力強化パーツを装着したジムⅢ・パワードFAも存在する。
GBG専用機
漫画『機動戦士ガンダムF90FF』に登場。
一年戦争時代から存在している傭兵集団GBGの保有するカスタム機。
通常より出力がアップされ、全身が黒で塗装されている点は共通しているが、仕様はそれぞれ異なっている。フルアーマーガンダムの増加装甲(腰部装甲のみ形状が異なる)を装備した機体とノーマル機とヌーベル・ジムⅢをベースに肩部ミサイル・ポッドと腰部大型ミサイル・ランチャーとスタークジェガンのバックパックを装備した機体がある。またそれぞれフルアーマーガンダムの2連装ビーム・ライフルまたはガンダムMk-Ⅱのビーム・ライフル、ジェガン(裏面にビーム・サーベル2基)またはガンダムMk-Ⅱのシールドを携行している。
宇宙世紀0112年に、ランデッガー重工のCEOであるオイエル・ランデッガーの依頼で試験中のガンダムF90を襲撃しオイエルの搭乗するMSティグリスと一騎討ちするように仕向けた。
立体物
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。 ビームライフルを構えたモデルとなっている。※現在、入手困難
HGUCシリーズにラインナップ。劇中同様の装備が同梱されている。
ガンプラに於けるこぼれ話
- 本放送当時未発売に終わったが、1/144・GMⅡのパーツに新規パーツを追加して発売予定だった。また、ZZ後半に登場したドワッジやリゲルグと言った過去MSのリファインが多かったのも、バンダイの事情で、新規開発コスト抑制、及び旧製品の再利用と言った後のタカラ(現・タカラトミー)の勇者シリーズのトランスフォーマー製品のリデコや、劇場版ロボと同様の事を行っていた。
- 平成に入り、HG-UCでGMⅢはGMⅡとのパーツと共用で発売され、GMⅡ-HGUCの開発当初からGMⅢとの金型・パーツの共用を念頭に設計されていた事で、旧製品で実現しなかった仕様が実現した。
関連イラスト
関連タグ
ジム 陸戦型ジム ジム・コマンド ジム・キャノン ジム・ライトアーマー ジム・スナイパー ジム・ナイトシーカー