概要
『名探偵コナン』において最大の敵・目標といえる国際的な大規模犯罪組織で、政財界にもその魔の手は及ぶ。
総じて黒の衣装に身を包んで行動していることから、主人公・江戸川コナンは組織に所属している男性を「黒ずくめの男」と呼んでいる。
「黒ずくめの組織」は仮称で、本当の組織名は別にあるらしいが現段階では明かされていない。「黒の組織」と呼ばれることもある。
ちなみに「黒ずくめの組織」や「黒の組織」というのは、タイトルや特集で使われたり、コナンだけがそう呼称しているだけで、他のキャラは単に「組織」としか言っていない(特に灰原が「あなたの言う黒ずくめの組織」とよく言っている)。
幹部クラスはボスからコードネームとして、酒の名前を与えられる。
大きく分けて男性は蒸留酒・女性はワインやカクテル系という傾向がある。
なお、同じコードネームを別の人物から受け継いで名乗るパターンもある模様。
この組織の特筆すべき点としては、恐ろしいほど徹底した暗殺体制による警戒心と秘匿性の高さに尽きる。新入りは生物学的に開発された24時間経つと自然消滅する発信器を密かに仕掛けられる。幹部であろうと、あの方に不信感を持たれれば、見張りの人間が常に複数付けられ、発信器と盗聴器も複数付けられて行動を監視される。これまで組織に貢献してきた幹部であっても、ドジを踏めば内部粛正が行われる。裏切り者だけなく、外部の人間、例えば取引をした相手も利用価値がなくなって情報漏洩に繋がる可能性があると判断すれば等しく暗殺の手が回るなど、組織を脅かす要因は速やかに消していく。シェリーがいた薬品会社も彼女が組織から逃げ出した後、その会社の事を彼女がバラすことを危惧して焼き払った。彼女は淡々と自身が関わった他の組織の施設も潰されているわとコナンに説明している。
今まで彼らが「始末のGOサイン」を出して"対外的に"生き延びられた人間は一人もいない事からも、その容赦も隙も一切与えない姿勢が窺える。
それ故、今までFBIを始めとした幾つもの組織や人間が、この組織の情報を掴もうと調査・潜入を続けていたが、現在に至っても実態さえも掴めていない程。
幹部クラスは組織のNo.2であるラムのみ別格で、それ以外のメンバーは全員同格とされている。ただし、あの方との関係が深ければ他の幹部と比べていくらか立場が強いようである。
組織の目的
依然として不明だが、要人暗殺・金銭やプログラムソフトの取引・有名なコンピュータプログラマー集め、薬品開発のほか、半世紀前から何らかの「極秘プロジェクト」を進めている模様。青山剛昌先生曰く、組織の目的は「金の流れを牛耳ること」
読みは「アポトキシン よんはちろくきゅう」。開発コードの「4869」をもじった「シャーロック」と試作段階である事を合わせて組織からは「出来損ないの名探偵」と呼ばれていた。データが入れられたフロッピーのパスワードもそれにちなんだ、シャーロキアンでもなければ考えた付かない洒落たものになっていた。
組織が開発した死体から毒物が検出されない証拠の残らない毒薬。
……とジンは言っていたが、後述の偶発的な作用によって工藤新一が江戸川コナンとして行動することになった元凶である。続いて宮野志保(シェリー)も死亡することなく、灰原哀として行動することになった。灰原によれば、すでに新一は半世紀以上前から続く組織の極秘プロジェクトに深く関わっている。また、メアリー・世良も死なずに中学生ぐらいまで体が縮んだ。
服用者の偶発的な幼児化。ピスコの「素晴らしい!」「ここまで君が進めていたとは…事故死した御両親もさぞかしお喜びだろう…」という反応。人魚伝説の伝えられてる『美國島』にシェリーとジンとウォッカが訪れていた。灰原の「時の流れに人は逆らえないもの…それを無理矢理ねじ曲げようとすれば…人は罰を受ける…」発言、ベルモットの時が20年前から止まっている。
などの情報から、組織が目的としている薬は「若返り」「不老不死」「死者蘇生」のどれかではないかと考察されている。ただし、コナンが板倉の日記を見て死者を蘇らせる薬だと思っている事に対して灰原が「私の研究目的はそんな夢のような薬じゃないわ…この地球のほとんどの人間にはその価値を見出せない愚かしい代物…」だと死者蘇生を否定している。
組織の目的が「不老不死」であることは、原作者の青山が雑誌『ダ・ヴィンチ』2014年5月号に掲載されたインタビューにおいて否定している。
ベルモット曰く「こんな愚かな研究」を、19年前に組織に加入した灰原の両親である宮野厚司と宮野エレーナが引き継いだ。エレーナは「とても恐ろしい薬を作ってるの…ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてるけど…」と脅威を感じながらも厚司と願いを込めて「シルバーブレット(銀の弾丸)」と呼び、「その薬(シルバーブレット)を完成させるにはあなた達とお別れしなきゃいけないの」と灰原と姉の明美にに別れの理解を求めている。
なお、灰原は登場初期にAPTX4869を「組織に命じられて私が作った薬」と話していたが、両親が作らされた薬を復活させただけで、自分が本当に作らされていたのは別の薬だという。また、コナンに薬が使われた事で多くの命が奪われたと責められた際に「毒なんて作ってるつもりはなかった」とも語っている。
構成員
ボス
組織のボス。詳細の一切が不明であり、その正体についてはファンの間で様々な考察がなされていた。組織の人間(スパイ除く)からはあの方、ベルモットにはボスと呼ばれている。
ちなみに、『ストラディバリウスの不協和音』の冒頭でコナンの想像における例の黒タイツ姿で一応登場しているが、全く喋ってはいない。
後に工藤優作の推理により、この世にいないはずの大富豪である烏丸蓮耶だと推測される。優作曰く「この日本で最も強大な人物」とされ、コナンも名前を耳にした事がある人物だった。
幹部
「あの方」の側近にして、コードネームを持つメンバーの中でも別格とされる組織のNo.2。
組織内でも彼(または彼女)の人物像ははっきりしておらず、「屈強な大男」「女のような男」「年老いた老人」などと噂されており、それら全員が「影武者」に過ぎないとも言われているが、口を揃えて「片方がない」と言われており、過去に事故によって左右どちらかの眼が義眼になっているとされている。紳士的、或いは女性的といった丁寧な言葉使いで話す。
コミックス100巻にて正体が判明した。
新一にAPTX4869を服用させ、小さくした元凶。作中では主に作戦の指揮を執るリーダー的な立ち位置が多いが、実はキャンティやコルン達と同格である。
ただしNo.2のラムと直接面会できる立場であるため、組織内での信用度は他のメンバーよりも高いと思われる。
美國島の名簿にあった黒澤陣とは彼の事である。
ジンを慕い「兄貴」と呼んでいるが、上述のように組織内では同格である。
基本的にジンのサポートが主任務だが、組織の下位メンバーの指揮を執る事もある。
美國島の名簿にあった魚塚三郎とは彼の事。
「あの方」のお気に入り。本当の名前はシャロン・ヴィンヤードで、対外的にはクリスの母親となってるが両者は同一人物。性別を問わず他者になり済ませる変装の達人で変声機を使わずに他人の声を完璧に模倣できる。
腕利きの女性スナイパー。ガラが悪い。
カルバドスの一件から、ベルモットを嫌っている。
腕利きの男性スナイパー。寡黙だがターゲットの頭部を狙いたがるなど発言は物騒。キャンティが譲る場面が多いので意外にも主導権は彼にあるようだ。
同じくカルバドスの一件から、ベルモットを嫌っている。
脱走者
組織に所属していた科学者。
姉・宮野明美が殺害されたことで組織に反抗し、その後始末されかけるが、自害するために服用したAPTX4869の副作用により幼児化。組織から逃げ出し、現在は灰原哀と名乗っている。
組織からは裏切り者として追われるが、ミステリートレイン・ベルツリートレインにてシェリーに変装した怪盗キッドが、ベルモットの仕掛けた爆弾を乗せた貨物車両に乗り、その車両が爆発した一部始終をバーボンが見ていたため、表向きは爆死したこととなる。
ただし、ベルモットはキッドの関与により生存した事を察知している。
組織では末端中の末端。身軽さを買われて殺し屋としての教育を受けたが使い物にならず人体実験要員とされるところを脱走。追っ手と誤解して無関係な人間を3人も手にかけている。
その後警察に逮捕されて「悪いのはアイツら」と訴えるも組織のことを信じてもらえず、さほど深く関わっていなかったことと死刑判決が出たこともあって組織は手を引いている。
死亡者
長年「あの方」に仕えた古参の幹部。大手自動車会社の会長を表の顔に持つ。
宮野志保(シェリー)の両親の宮野厚司、宮野エレーナとは親しくしていたため、彼女が作っていた薬についても把握している。
カメラマンに暗殺を行う姿を撮られたため、情報が漏れることを危惧した「あの方」の命令を受けたジンに射殺される。死後、自宅も全焼している。
関西弁で喋るメンバー。ゲーム会社と裏取引を行っていた際に、取引相手の命を狙った者が仕掛けた爆弾によって爆死した。
キャンティやコルンと同じく狙撃による暗殺を主任務とするメンバー。
ベルモットの独断によって連れ出されジョディの暗殺を行おうとしたが、赤井に両脚を折られた上にベルモットにも見捨てられ、機密保持の為拳銃で自殺。
コルン曰く、ベルモットに惚れていたらしい。
10億円強盗事件の犯人・広田雅美。志保の姉。ハニートラップに引っかかりFBI捜査官である赤井を組織に引き入れた為、組織から危険視される。その後、組織から処分する理由付けとして、成功すれば志保と共に組織から抜けさせるという条件の仕事を言い渡され、10億円強盗という犯罪に手を染める。強盗は成功させたが、約束を反故された事を知り、10億円の場所を教えなかったため裏切り者としてジンに射殺された。
明美と志保の実父。マッド・サイエンティストとして学会を追放され、個人医院「宮野医院」を妻・エレーナと共に運営していたが、組織から勧誘を受けてラボに移り、薬を作らされる。志保が幼い時にエレーナと共に研究所の火災事故により事故死する。
明美と志保の実母。日本人とイギリス人のハーフ。個人医院「宮野医院」を夫・厚司と共に運営していたが、組織から勧誘を受けてラボに移り、薬を作らされる。志保が幼い時に厚司と共に研究所の火災事故により事故死する。
組織内ではヘル・エンジェル、地獄に堕ちた天使と称されていたようだが、志保に残したメッセージからコナンには「正真正銘の天使」と評されている。
キール捜索のため仮病で杯戸病院に送り込まれた組織のスパイ。
正体が露見したため車で逃走するが、追っ手の赤井への恐怖からそのまま拳銃自殺した。
その後彼の遺体は後に赤井とコナンによって、赤井の死の偽装工作に利用されたことが判明した。
派生作品オリジナル
劇場版
『天国へのカウントダウン』に登場。
コンピュータ会社「TOKIWA」の専務兼プログラマーだが、以前組織に関与していたことがあり、組織を裏切りデータを持ち去っていたためジンに射殺された。
名前の由来はレギュラーキャラの声優林原めぐみ、山崎和佳奈、神谷明から。
『漆黒の追跡者』に登場。
親同然に慕っていたピスコを殺された恨みからジンの失脚を狙っていた。工藤新一と指紋が一致したことからコナンの正体を見抜くも、ジンに見限られ、キャンティの狙撃を受け死亡。
『黒鉄の魚影』ではコナンの回想に登場。
『純黒の悪夢』に登場したラムの腹心。銀の長髪とオッドアイが特徴的な女性で、特殊な記憶能力と優れた身体能力を持つ。
記憶喪失中に少年探偵団と出会い、共に過ごしたことで改心。組織から足を洗おうと考えるが、裏切りを察知したジンにより、ヘリから無数の銃撃を受ける。少年探偵団を助けて死亡した。『黒鉄の魚影』ではウォッカが言及していた。
『黒鉄の魚影』に登場。コーンロウが特徴の男性。
キュラソーの死後ラムの側近になったらしく、組織内でさらに地位を上げようと、特にジンに対抗心を燃やしていた。他人を蹴落としてでものし上がりたい野心家。
特別編
- アラック
特別編第26巻に登場。
表の顔はアミリーンという名の歌手。標的の暗殺に失敗し、コナンに犯行を暴かれたことで警察に逮捕され、護送中の車内で歯に仕込んでいた毒薬を用いて自殺した。
なお、彼の自殺方法はコナン達も予測不能で阻止出来ない為か、本編やアニメオリジナルエピソードでは扱っていない非常にレアなケースである(その為、本編では服毒自殺をする場合はこの人物のようにコナン達の目の前で毒を飲もうとして阻止されるパターンしか扱っておらず、特別編に登場したオリジナルの構成員だったからこそ扱えたといえる)。
- ジュネリック
同じく特別編第26巻に登場。
シェリーを姉のように慕っており、一時はシェリーと共にAPTX4869の開発も手がけていた。シェリー脱走後、人間の記憶を自在に操る薬を開発し、自らもAPTX4869で幼体化して脱走、子供を事故で亡くした夫婦の実子に成りすまし、シェリーの記憶を操作することで彼女と姉弟として生きようと企むが失敗、自身がすべての記憶を失ってしまった。
実は劇場版を含めたオリジナルの構成員では唯一の生存者ではあるが、これは彼が子供(小学生)になっていた事が大きな理由といえる。
- 黒髭
特別編第35巻に登場。
容貌からもっぱら「黒髭」と呼称されていたが、コードネームは別にあった(詳細は不明)。表向きには世界的子役の主治医兼マネージャーだったが、実はウイルスの研究者で、シェリーの隣の研究室で致死率70%という強毒ウイルスを開発していた。
ウイルスの実証実験のため、豪華客船にウイルスを持ち込むが、彼に気付いたコナン・灰原・阿笠博士によって阻止され、失敗の責任からジンに死を通告される。その後、水死体となって発見された。
ゲーム
- ケイト=ローレン
PlayStation用『3人の名推理』に登場。
表の顔はセシリア共和国の通商大臣の秘書。通商大臣とその関係者の暗殺任務を受けるが、コナンの策によって失敗。最期はジンとウォッカに撃ち殺された。
NOC(スパイ)
潜入中
一度はFBIに捕らえられるが、正体が判明した事でFBIと協力関係になり組織に再潜入するも、あの方にFBIとの関係を疑われ、赤井の殺害を命じられる。遂行したことで現在は事なきを得ている。組織の命令でアナウンサーをしていたが、後に退職する。
キール曰く「情報収集及び観察力・洞察力に恐ろしく長けた探り屋」。組織が注意している人物等の調査を主任務とする。ベルモットの秘密を握っている数少ない人物の1人で、彼女から「組織随一の洞察力の持ち主」と評されている。
離脱者
宮野明美と恋人関係となり、本編の5年前から組織に潜入するも、2年前に同僚のミスにより正体が発覚し、組織を去る。「あの方」からは「シルバー・ブレット」と恐れられている。
殉職者
CIAの諜報員。日系二世のアメリカ人で、キールこと本堂瑛海の実父。
本編の4年前に瑛海を守るために、拷問した末に返り討ちにあった事を偽装し、瑛海に任務を託した後、拳銃で自害する。
警視庁公安部の公安警察官。安室(降谷)の友人。
本編の2年以上前に正体が露見し、ライ(赤井)に始末されたとされ、その事が安室が赤井に激しい憎悪を抱く要因となっている。
劇場版
- スタウト
『純黒の悪夢』に登場。MI6から組織に潜入していた。
ロンドンでコルンに射殺される。コルンとは仲が良かったらしく、射殺後にコルンは「スタウト、俺、信じてた。残念」と述べている。
- アクアビット
『純黒の悪夢』に登場。CSISから組織に潜入していた。
トロントのCNタワーでガイドをしていた途中、キャンティに射殺される。射殺後にキャンティは「ざまぁないね、スパイに相応しい死にざまだよ」と述べている。
- リースリング / レオナ・ブッフホルツ
『純黒の悪夢』に登場。BNDから組織に潜入していた。
ベルリンでジンに射殺される。本名はノベライズ版で判明。
その他関係者
- 広田健三(死亡)
10億円強奪犯の1人。本名は不明。
タクシー運転手で、運転技術を買われて広田雅美に雇われた。盗んだ金を独り占めにして姿を消したが、雅美から連絡を受けて先に合流した広田明に扼殺される。
- 広田明(死亡)
10億円強奪犯の1人。本名は不明。身長190センチメートルを超える大男。
荒っぽい性格だが、腕っぷしを買われて広田雅美に雇われた。雅美から連絡を受け、金を持ち逃げした健三と再会するが、彼に裏切られた怒りから彼を扼殺。その後、ジンとウォッカから睡眠薬と偽って渡された青酸カリを雅美に飲まされて死亡する。
- 板倉卓(死亡)
組織と契約させられたゲームのシステムエンジニア。45歳。
以前は映画の特殊視覚効果に携わっていたCGクリエイター。職業上、女優にはお馴染みの人物で、シャロン・ヴィンヤード(ベルモット)とは、ある映画でぶつかって犬猿の仲。
組織から開発中のシステムソフトに目をつけられ、そのソフトを作らされていた。海外へ逃亡するつもりだったが友人の相馬竜介から組織とは無関係に個人的な恨みを買っていた為、相馬に心疾患を利用され、殺害される。
被害者
東の高校生探偵。帝丹高校2年生。
トロピカルランドでウォッカと某社長の取引現場を目撃し、その最中ジンに殴り倒され、APTX4869を飲まされた事で幼児化し、現在は江戸川コナンと名乗っている。当初APTX4869の被害者リストには「不明」と記載されていたが、後にシェリーにより「死亡」と書き換えられる。
日本人とイギリス人のハーフで、世良真純を通してコナンに「領域外の妹」と名乗っていた女性。
正体はMI6の諜報員で、夫であり同僚の赤井務武に変装したベルモットとロンドンで対峙した際にAPTX4869を服用され、中学生くらいまで幼児化した。
- 羽田浩司(死亡)
17年前、チェス大会に出場するために渡米し、現地のホテルの自室内で何者かに襲われて死亡した日本の棋士。
APTX4869の被害者リストに「死亡」と記載されていた事と、さらにジンは彼の件を「ラムがしくじった仕事(ころし)」と称していた事から、組織が関わっている事が示唆されているが、室内に荒らされた痕跡や羽田自身が抵抗した痕跡があるなど、組織としては異例の事件。
- アマンダ・ヒューズ(死亡)
アメリカの資産家で、FBIやCIAにも顔が利く当時80歳超えの老婆。
浩司の大ファンで、直接の交流もあり、事件当日は同じホテルで宿泊していた事から、彼の部屋を一度訪れていたらしく、自室に戻った後に何者かに殺害される。死因は不明で、アマンダの部屋は浩司の部屋とは対照的に荒らされた形跡がなかった。
余談
冒頭でも述べられている通りその実態のほとんどは不明であり、多くの謎に満ちた組織である。
それゆえ、いくつもの大きな謎が存在しており、ファンの考察の話題になることもしばしば。
コードネームを酒の名前にしたのは、カッコいいから。
なんと最初に名前が付いたのはウォッカ。作画中に「こいつ『ウォッカ』って感じだよなぁ…」と呟いたら、アシスタントが「じゃあ、このノッポは『ジン』にしない?」と言うので「んじゃ それで!」と決まり、しばらく後に出た黒ずくめの女のコードネームを「『ベルモット』にしようよ!」と別のアシスタントが言うので「んじゃ それで!」と、実にいい加減に決められていたのだった(笑)と作者が『BLACK+』で明かしている。
映画『名探偵コナン』脚本を複数手掛けている櫻井武晴氏は、『純黒の悪夢』を書くときに、作者から組織の現状と目的を全て聞いており、『黒鉄の魚影』では現在の組織の状況を少し匂うように描写したつもり。組織のメンバーは自分たちのことを「黒ずくめの組織」とは呼ばないし、なにより一枚岩じゃない。これがじつは、先生から聞いた彼らの現状と行く末を暗示しているんです。と言っており、組織の今後を示唆されている。
ボスの正体
数ある『コナン』の謎の中でも最も有名かつ盛んに議論されているもの。
詳細はあの方を参照。
『まじっく快斗』の「謎の組織」との繋がり
『まじっく快斗』は『名探偵コナン』と世界観のつながりがあり、さらに主人公:黒羽快斗と敵対する「謎の組織」が登場する。
こちらは謎の宝石「パンドラ」を探しており、“ビッグジュエル”と呼ばれる宝石を次々と狙って世界規模で強盗犯罪を引き起こしているなど、かなり大がかりな組織であることがうかがえる。
果たしてこの「謎の組織」と黒ずくめの組織が同一の存在なのか、別の組織だとして何らかの繋がりがあるのかどうかも、ファンの間ではしばしば話題にあがるが、「最終決戦で怪盗キッドが合流する事はない」と作者が明言したことで、少なくとも前者の可能性は否定されたとみていいと思われる。
ちなみに、「パンドラ」を探す目的は不老不死にあるため、APTX4869の開発目的として否定されたものである。
危険な組織?
- 案外そうでもないんじゃないの?(林原めぐみ談)
組織の筆頭格でもあるジンとウォッカは、現在ではラスボス感あふれるシリアスな描写ばかりだが、実は第1話の遊園地にて二人そろってジェットコースターに乗っている。勿論、いつもの格好で。
遊園地を取引の場所に選んだのはいいが、取引相手が来ていることを確かめるために、変装すらせずわざわざジェットコースターに乗っているのである。
しかも、目暮警部に目をつけられたときには二人そろって「やべっ!」と慌てる始末。
元々『コナン』は、当時の『金田一少年の事件簿』等の推理漫画ブームの中でつくられた作品であり、『YAIBA』『まじっく快斗』等コメディよりな作品を書いていた作者もまさかここまで長期化・シリアス化すると想定していなかったのが一因。もし連載が長期化しなければジンも少しはコミカルだったかもしれない。
現在のジンは左利きとして設定されているが、この時点では右利きであり、まだ色々と細かい設定が決まっていなかった可能性も高い。
長期連載など考えていなかったため、ジンとウォッカのキャラクターデザイン自体合わせて30秒で決まったとも。
また、今作を再構築した『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』では上記のセリフはウォッカに改められ、ジンは予定外のことに内心で気まずさを感じるものの、態度や表情は冷静さを保ち、また「最悪の場合、目暮警部を含めた全員を撃つしかない」と冷酷な台詞も見せている。
- 幹部のスパイ率の高さ
コードネームのある構成員は幹部扱いなのだが、正体がFBIの捜査官であるライ・CIAの工作員であるキール・公安警察官であるバーボンとスコッチというように幹部クラスにスパイが多いことが指摘されている。
更に『純黒の悪夢』で抹殺された世界各国の諜報員も組織に潜入して幹部クラスになっていたため、もしかして黒ずくめの組織って過半がスパイで構成されているのでは?というトンデモ説が浮上してきた。
「あの方、ラム、ジン以外全員スパイ」「スパイ養成機関」などとネタにされることも…
……しかし。
それは逆に言えば、これだけ多くのスパイが潜り込みながらも全く全容が掴めていない組織ということでもある。その為、スパイの多さ=組織の得体の知れなさを強調する要素と取るファンも少なくない。
また、青山先生は「潜入者多いけど大丈夫なのか?」という質問に「大丈夫です」と答えている。
なお、赤井、ジョディ、キャメルと組織の一員かと怪しい描写をされた人物は逆にコナンの味方だったりする。
バーボン候補の3人に至ってはそのバーボン本人含め。