「全てのケミーと仲間になる!それが俺の夢だ!」
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。本作の主人公。
富良洲高校に通う、17歳の普通の高校2年生。加治木亮とメインヒロインの九堂りんねはクラスメイト。勉強はできないが、運動は得意(冬映画では、期末テストで全教科赤点レベルの点数を叩き出してしまい、その件で母・珠美と喧嘩してしまった)。
ガッチャードライバーとライドケミーカードを使い、仮面ライダーガッチャードに変身する。
口癖は「ガッチャ!」(動詞のように「ガッチャする」と言うこともある)。
銀杏蓮華からは「お宝ちゃん」と呼ばれている。
人物像
定食屋を女手一つで切り盛りする母・珠美の手伝いを最優先する孝行者の好青年。
「自分だけの何か=ガッチャ」を探し求めており、本当にやりたいことをまだ見つけられていない。店の厨房を利用して創作料理を作るなど毎日「ガッチャ」を探し続けている。
平和な日常を送っていたが、ある日バッタのケミー・ホッパー1と出会い、そしてホッパー1とスチームライナーにウロボロス界へと連れられ九堂風雅からガッチャードライバーとライドケミーカードを託されたことで、「仮面ライダー」となった。
そして錬金術へガッチャを見出し、錬金アカデミーへ入学。「全てのケミーと仲良くできる世界」と「大物錬金術師」を夢にマルガム退治へと参加していく。
性格
好奇心旺盛かつ明るく前向きな性格でテンションは高め。それに加え人を思いやる優しさも持ち合わせているため、他人に対して壁がある人物や子供ともすぐに仲良くなれる。
そんな優しさと共に自分の信じることを貫く姿勢や型破りな一面もあり、納得のいかないルールや掟に関しては疑問を呈したり、誰かのために破ってしまうこともある。
しかし、修学旅行に向かう際ケミー達を留守番させるなど変なところで真面目。
「ガッチャ」を探すことに関して本人は至って真剣だが、周囲からはやる気がなくフワフワしているように見られることも多く、クラスメイトからはからかわれることもあり、りんねからは度々呆れられている。
また、意外と根に持つタイプなのか馬鹿にされた相手に対しては「一言文句言ってやらなきゃ!」と後をつけたりする一面もある。
加えてケミーに興味関心が偏っていて人間に対してはやや無関心な節があり、基本的にマルガムを倒した後は傷ついて倒れた悪人は放置、無視してケミーと挨拶を交わすことがほとんど。時には一瞥もくれずバイクで走り去ることすらある。悪人相手とはいえ少し対応がドライにも見える。
しかし、実際は自分に冷たい態度をとった人や先程までマルガムだった悪人であっても命の危険が迫った際には、身を呈して庇ったり、必死に助けようとする上、自分を散々痛めつけた相手であってもその人物を躊躇無く消し去るような行為に対しては「命をなんだと思ってるんだよ!」と激昂する等、ライダー主人公に相応しい、どんな相手や命も大切に思う確かな正義の精神の持ち主であるとも言える。
因みに料理の腕に関しては、見た目こそ非常に美味しそうだが、りんねには「微妙」と評価をされたり、スパナには「まずい」「食えたもんじゃない」と酷評され(と言いつつもスパナはなんだかんだ完食した)、果てには、クロスウィザードやケルベロスマルガムにも微妙な反応をされる始末で特に後者は微妙な反応をされた挙げ句に雑に捨てられる等、あまり味の評価はよろしくない模様。
父親は冒険家として海外を渡り歩いており、全く帰ってこない。元々は定食屋も彼が始めたものだが、新しい夢を見つけて旅立ってしまったため、自分勝手にも見える父親には悪感情こそないものの、流石に思うところがある様子。
新米錬金術師兼仮面ライダーとして
ケミーへのスタンスは一緒に戦う仲間や対等の友達であり、そのため危険であることは理解しつつも、彼らと一緒に進む未来を目指すようになる。
錬金術師としては日が浅く、錬金アカデミー入学試験の際にカマンティスとオドリッパの「質量の違う2枚のライドケミーカードの重さを釣り合わせる」という課題に対して、カマンティスに重量を増やして貰いオドリッパには痩せてもらうという理論ガン無視の規格外なやり方で通る、仮面ライダーになって日も浅いため荒事には慣れておらず、生身でスパナに押される、ケミーと仲良くなるために錬金アカデミーへ入学したは良いが舞い上がってしまい、そのせいで自分はおろか一般市民も危険に晒してしまうなど、まだまだ未熟な面が散見される。
しかし上記の入学試験時のような既存のルールに囚われない発想力、マルガムとの初敗北で己を顧みてアッパレブシドーに認められるために道場で竹刀を素振りしたりするなど、努力家な一面を見せており、決して遊び半分ではなく、自分のやりたいことに妥協せず真剣に取り組んでいる。総じて成長の余地がある未完成の少年と評価される。
スパナには料理の腕も錬金術師としても全部負けてる事は本人としては不覚ながらも認めており、いつの日か追い越して見返すことを新たな目標として定める。
ちなみに肝心の戦闘能力に関してはベルトとりんねの人質交換でケミーライザーにカードを挿入した状態で渡したり、戦う相手が同情の余地のない悪人なので、基本的に敵を圧倒するのに躊躇や容赦が無かったり(対峙したマルガムは三姉妹含め反撃すらさせずに撃破まで追い込んでいる)と未経験の割には異様に力を使いこなしており、上記の柔軟な発想力と合わせることで足りない戦闘経験を補っている(この部分はスパナも不本意ながら認めている様子)。
そのため、視聴者からは(口癖がケミーの鳴き声を連想させるという点もあり)人型のケミーなのでは?という疑惑が持たれている。
転機
自分なりのガッチャを求め、描いた夢や理想に向かって走り続ける純粋な姿勢はケミーだけでなく、りんねたちにも良い影響を与えていたが、第12話にて恐るべき試練が立ちはだかる。
これまでの人間とは違う、力に魅入られた人間の狂気。錆丸が変身させられてしまった仮面ライダードレッドから向けられる無機質な殺意。
生まれて初めて死を意識するほど心身共に完膚なきまで傷付いた上に敗走し、スパナから錬金術師の厳しい現実を叩き付けられたことでやり場のない怒りと後悔に打ちひしがれるも、これまでの日常や夢を諦めない宝太郎は錆丸の救出を改めて決意するのだった。
しかし、ユーフォーエックスから授かったエクスガッチャリバーの真の使用方法が分からず、英語の授業中に居眠りをして「エクスガッチャリバーで錆丸ごとドレッドを斬ってしまい錆丸が消滅してしまう」悪夢を見る、キッチンいちのせの常連客がいつも頼むメニューを忘れてしまい別の客の所に置いてしまうなどその憔悴っぷりは目に見えて明らかだった。
そんな状態の中でも宝太郎はエクスガッチャリバーの真価が錆丸を救う鍵だと信じ、その方法を見つけるため、直接ユーフォーエックスと接触して聞き出そうとし、りんね、加治木、蓮華、ミナト先生の協力を得てついにユーフォーエックスと接触。相互理解を経てユーフォーエックスからその使用方法を教えてもらいレベルナンバー10のケミーを仲間にすることに成功し、ユーフォーエックスの力を借りて仮面ライダースーパーガッチャード・クロスユーフォーエックスへと変身。
その力でドレッドを撃破し、錆丸の救出を果たしたのだった。そして、レベルナンバー10のケミーを仲間にしたことで自信がついた宝太郎は改めて全てのケミーと仲間になる決意を固めた。
続く第14話、第15話ではエックスレックスと相互理解を経て仲間となり、クロスエックスレックスに変身。りんね達錬金アカデミーの仲間や交流を深めた人たちの想いを受け取り、仮面ライダーガッチャードの真価を理解すると敵であるクロトーをも救い出してドレッドを撃破した。
しかし、エックスレックスから覗かれた記憶にはホッパー1と仲良く遊んでいる幼い頃の自分が映っていたが果たして…。
『最強ケミー★ガッチャ大作戦』では、前代未聞とも言える複数のレベルナンバー10による多重錬成を果たし、仮面ライダースターガッチャードに変身。ギーツと共に黒幕へ挑む(第16話での前回のあらすじにも登場)。
第16話では、オロチマルガムによって仲間や街の人々が石化され自身も追い詰められる中、見たことの無いオレンジ色のガッチャード、仮面ライダーガッチャードデイブレイクが現れ、「俺に全てを任せるか、お前が未来を掴むか」と突然選択を迫られる。宝太郎は立ち上がり「自分の力で未来をガッチャする」と決意を固め再変身。オロチマルガムを撃破して石化した仲間や街の人々を元に戻した。
続く第17話では、ムーンマルガムに苦戦していたところを再びデイブレイクに助けられ、今の宝太郎ではムーンマルガムを倒せないことを突きつけられ、同時にこれから起こりうる未来を宣告される。その言葉通り恩師として信じてたミナトが裏切り、錬金アカデミーも冥黒の三姉妹に占拠されてしまった。
- 第18話
新学期も始まるがミナトが学校に居ないことになっており、新しい世界史の先生の言葉がミナトの声に聴こえる等錆丸がドレッドにされた時以上に憔悴していた。錆丸達がムーンマルガムに囚われたことを知り、交戦するも撃破には至らずまたもや取り逃がしてしまう。状況を打破するためにデイブレイクからガッチャーイグナイターを託されるもそれを拒否し「助けられるだけでなく自分の力は自分の手でガッチャしたい」という意志を宣言する。
そして、ガッチャーイグナイターの錬成の鍵となる「宝物」を手にするためデイブレイクタイムロードの力で過去の世界に送られる。
紆余曲折を経て過去の自分が錬金術で生み出したゴーグルを譲渡してもらうが、過去の自分と接触したことでデイブレイクタイムロードが限界に近づいていたようで現代に戻される。現代に戻ると、自身とケミーの友情を再確認すると共にグリオンを止めるべく覚悟を決め、宝物のゴーグルを媒介にガッチャーイグナイターを錬成する。
「いつでもみんなを助けられる、希望を照らすメラメラのガッチャードに俺はなりたい!...いや、なってやる!!」
そして、デイブレイクも知らない新たな姿ファイヤーガッチャードに変身し、ムーンマルガムを撃破することに成功した。
デイブレイクが帰還した後、戦いが終わって救出されたりんね、錆丸、蓮華と共にミナトや錬金連合と関係ない新たな組織「キッチンいちのせ連合」を結成し、グリオンを倒すため再始動した。
過去(ネタバレ注意!)
エックスレックスに覗かれた記憶の正体…それは10年前に何らかの形でウロボロス界に入り込んでしまいケミー達と遊んでいたこと、その際にグリオンと風雅の戦いに巻き込まれ、その被害からケミー達を守るため果敢に身を呈して守ろうとしたこと、その姿を見た風雅からこれ以上戦いに巻き込まないように記憶を消去されたという彼の失われた記憶だった。
先行登場
ライドケミーカードの状態のまま跳び回るホッパー1を追いかけていた。そんな彼の姿を見た神様は「幸せになれよ」と呟き、温かく見守っていた。
余談
- 最近のライダー作品では珍しく、名前よりも苗字で呼ばれることが多い主人公。
- また、ヒロインを苗字で呼ぶのもシリーズ全体でかなり珍しい。
- 前作『仮面ライダーギーツ』の主人公浮世英寿や同時期のスーパー戦隊である『王様戦隊キングオージャー』の主人公ギラ・ハスティーのとの差別化を図るため、本作の一ノ瀬宝太郎は「等身大の少年」というキャラ付けがなされた。
- 高校生主人公のライダー変身者は如月弦太朗、天空寺タケル、常磐ソウゴに続いて4人目だが、令和ライダーでは初である(過去にも、ライダーに変身する高校生キャラは存在していたが、何れもサブライダーである)。
- 尚、前作の主人公も今世で初めて仮面ライダーになったのは高校生の時ではある。
- 「カード」「ヒーロー」、口癖が「ガッチャ!」「2枚のカード」「錬金術」などの要素から発表時には『遊戯王デュエルモンスターズGX』の主人公・遊城十代との共通点が話題となり、各種ニュースサイトでも取り上げられていた。因みに、十代を演じたKENN氏は30分前のプリキュアでバッタがモチーフの悪役を演じている。
- 仮面ライダーシリーズの中では(スーパー戦隊シリーズにも言えることだが)アニメキャラのような口癖を持つ非常に珍しい人物である(強いて言えばプリキュアシリーズとか)。
- 宝太郎の創作料理作りに関しては、オーディションの際に料理審査を設けるなど最初から設定されていたものであり、第1話の「きゅうりハンバーグ柚子胡椒マヨ」は本島氏がオーディションの際に作った「きゅうりハンバーグ明太マヨ」をさらに発展させたものである。
- 劇中ではりんねやスパナ含め周囲から微妙な反応をされているが、りんね役の松本麗世女史は「美味しい」「全部食べたいくらい」と絶賛している。
- 宝太郎が創作料理を作る際に唄っている鼻歌は渡辺美里の『My Revolution』。第15話のキッチンいちのせでのクリスマス会ではついに鼻歌の域を超えてカラオケで堂々と歌い上げた。'80年代の懐メロという2000年代生まれの高校生の選曲にしては時代錯誤だが、母親の影響だろうか?
関連タグ
仮面ライダーガッチャード ︎︎錬金術師(仮面ライダーガッチャード)
令和ライダー主人公
浮世英寿 → 一ノ瀬宝太郎