━━━俺は孤独を感じた時、宙を見上げたものだった。『エイリアンはいるのか』って。俺は間違った方向を見ていたんだ。
地球外生命体はある日突然、海の底からやってきた。━━━━
概要
太平洋の海底にできた次元の裂け目から突如現れた巨大生物。世界共通でKAIJUと呼ばれる。
姿かたちや能力は多種多様で、一種につき一体ずつしかいない場合も多いが、プロトタイプ的な体型や量産種もいる。共通しているのは《KAIJU BLUE(怪獣ブルー)》と呼ばれる青色の血液が流れていることと (最初期の怪獣であるトレスパッサーやフゥンドゥンなどのように、青以外の体内発光をしている個体もいるし、東京を襲ったイタク/アイタクのように緑色の血液をしている場合もある)、姿かたちが全く違うにもかかわらずDNAは同一なこと、そしてなぜか人口密集地ばかりを狙ってくることである。 多腕・多脚・カタツムリやシュモクザメを思わせる複眼など、昆虫やエイリアン的な特徴を備えている。
- ちなみに昆虫は、そのまんま巨大化できたら最強の存在になると言われている。
通常兵器はほとんど効果がなく、初期に出現した弱い怪獣でも核兵器を3発撃ち込んでやっと倒したというレベルの驚異的な耐久力を誇る。しかも、シリコンの体なので体重は非常に軽く、自重による崩壊もしない。さらに、海中だけでなく、陸上や空中から宇宙まで行動可能なメチャメチャな身体能力を持っている。
また、怪獣ブルーはアンモニアを主成分とする猛毒であり、人間が摂取するとものの数分で青い吐しゃ物を吐き散らして絶命する。怪獣が死ぬと自動自爆を起こして大量に流出して広範囲を汚染するため、その地域は人間が住めなくなってしまう。 大量の糞を垂れ流しもする。これらはすべてテラフォーミングのためである。怪獣ブルーは、怪獣の死後には発光具合が変動するが、その原理は不明。
これら二つの環境汚染から人類の生存圏を守るため、イェーガーが開発された。
情報を共有する能力があり、イェーガーと戦えば戦うほど、次からはより強く、イェーガーの弱点に精通した怪獣が現れる。さらに当初は半年に1体のペースだったのが、3ヶ月に1体、1月に1体、1週間に1体と出現頻度が上がり続けている。
強さと大きさから「セリザワスケール」を用いた《カテゴリー》でランク付けされており、数字が大きいほど強い。カテゴリー3が最強だった時期は人類が優勢だったが、新しい能力を持ったカテゴリー4が現れ始めてから、人類は滅亡の瀬戸際に追いやられている。体のサイズとスケールは比例しない。
形状として多い、というか雛型の一つと思われるのは、4腕または6腕で、2本ずつが融合して巨大な一組の腕を形成している事である。上腕に「隙間」があるのはそのため。体重は4桁t とゴジラシリーズやウルトラシリーズの怪獣に比べれば軽いが、これはシリコンやケイ素で身体が構成されているから。ただし、デル・トロによれば、この世界の1tは現実世界の30tに匹敵するらしいので、何と重さでも東宝シリーズの怪獣に引けを取らないことが判明した。
- 「怪獣の体重」を科学的に考察・設定した作品はこれが初なので、「ゴジラ vs ガメラ」なんかをやる時には、これに近い数字になるのではないだろうか(丁度、両シリーズの怪獣の体重を足して割った平均値に近い)。
- ゴジラの原点ともされる『原子怪獣現わる』のリドサウルスが、やはり簡単に攻撃できない存在としていたが、リドサウルスの設定がKAIJUに活かされたのかは不明。
なお、これらの怪獣は「体高」でしか大きさが表されていないため、これを「全長」と日本では表示していたり、勘違いするファンが世界中にいるが、実際はあくまで体高なため、ゴジラシリーズやガメラシリーズなどの怪獣たちよりも巨大である。また、劇中での描写から推測される驚異的な運動能力と知能から、日本の特撮界でも十分に通用するポテンシャルを秘めた強者ぞろいなのである。
これらの怪獣達は、後述の正体の為日本の怪獣の様に破壊的な飛び道具などは装備していない (用途に合わず、余計なエネルギーや資源などが必要になるため)。理論上は、怪獣ブルーを意図的に撒き散らせれば飛び道具の代用になるのかもしれない。
その他
ゲーム版ではバッチリ必殺技を使うし、体の発光はディズニー映画の『アトランティス 失われた帝国』にて見るような紋様になる。
ある携帯ゲームでは、それぞれのさらに上位形態が登場する(参照)。
主なKAIJU
パシフィック・リム
名称 | カテゴリー | 説明 |
---|---|---|
アックスヘッド | 不明(恐らく1) | →アックスヘッド |
「フンデゥン」 | 1? | 2014年2月5日にマニラを襲撃し、アックスヘッドと同じ様に多大な死傷者を出して、核弾頭を食らって死亡した。また、フンを排出したことによってマニラは、土壌汚染に苦しむことになった。外見は、カーロフに酷似 |
「カイセフ」 | 2(?) | 2014年6月1日にメキシコのカボサンルーカスを襲撃した史上3体目のKAIJU。市街地から遠ざけて核兵器で撃破しようとしたが、失敗。街を巻き添えにして撃破され、街の半分が放射能汚染で住めなくなった。劇中では空母で死骸が輸送されているところが描写されている。また外見がころころ変わる。 |
「シジャー」 | 2(?) | 2014年9月2日にオーストラリアのシドニーを襲撃したKAIJU。劇中では4体目のKAIJUとしか言及されないし、姿が映ることもない。駆逐には3日間を要した。 |
「カーロフ」 | 2(?) | 2015年4月23日にカナダのバンクーバーを襲った史上5番目の怪獣。フランケンシュタインの怪物のように額が長いことが特徴で、名前の由来もフランケンシュタインの怪物役のボリス・カーロフから来ている。特筆すべきなのはこの怪獣が初めてイェーガーに倒されたことである。ここから人類の反撃が始まった。 |
「ハードシップ」 | 2(?) | おそらくロミオ・ブルーの初出動日2015年12月15日にアメリカを襲撃し、ロミオ・ブルーと戦ったことが明らかになっている。上に突き上げた巨大な刀のような角が特徴。胴体は、ブレードヘッドに類似。劇中では、冒頭部分で一瞬映る。ただ、暗視装置で撮影されているためと画質が悪いためほぼ識別できない。 |
「レッコナー」 | おそらく2 | 2016年に香港を襲った。かつて、ハーク・ハンセンが搭乗していたイェーガー「ラッキー・セブン」に倒されたらしい。死骸はそのまま放置され、骨の周りは大量のバラックが建ち並ぶスラム街となっており第二の九龍城の様相を呈している他、頭骨は怪獣を信仰するカルト宗教の寺院になっている。 |
「オニババ」 | 2 | →オニババ |
「ヤマアラシ」 | 3 | 2017年にロングビーチを襲い、ジプシー・デンジャーに撃破された事以外は不明。ニュートン・ガイズラーが左腕にこの怪獣のタトゥーを入れている。ニュートン曰く「体重2500トンあるナイスなヤツ」。 |
「ナイフヘッド」 | 3 | →ナイフヘッド |
「ブレードヘッド」 | 4 | →ブレードヘッド |
「レザーバック」 | 4 | →レザーバック |
「オオタチ」 | 4 | →オオタチ(怪獣) |
「ライジュウ」 | 4 | 首の周りに開閉するヒレがついており、それで頭部を保護している。その名の通り、素早さと顎(ヒレ)の咬合力が非常に強く、噛み付き攻撃の威力は絶大。 |
「スカナー」 | 4 | カテゴリー4では最大級の134メートル。高速で泳ぎ、頭部に生えた巨大な2本角で相手を刺し貫く。 |
「スラターン」 | 5 | →スラターン |
パシフィック・リム:アップライジング
名称 | カテゴリー | 説明 |
---|---|---|
インサレクター | 不明 | 頭部に巨大な三日月状の角をもつKAIJU。白昼のサンタモニカに出現し、ストライカー・エウレカとハイドラ・コリンスィアンにより撃破される。出現は2022年と本作より過去であり、作中人物の回想という形での登場。 |
ライジン | 5 | →ライジン |
ハクジャ | 4 | →ハクジャ |
シュライクソーン | 4 | →シュライクソーン |
メガ・カイジュウ | 13 | →メガ・カイジュウ |
映画に登場していない怪獣も特徴的である(参照)。
余談
当初のプロットでは、より多数のカテゴリー5のKaijuが登場する他、より恐竜やドラゴンのような姿の敵も多かった。コミックス版でも特徴的な見た目の怪獣たちが登場した(①②)。また、スカナーもカテゴリー5だった(参照)。
『アップライジング』にはPPDCのモニターに表示されていた怪獣のマークの中に
- 『ガメラ』のギロン、ジグラ、ガメラ、ギャオス、ジャイガー
- 『ゴジラシリーズ』のバトラ、ガイガン、バラン、バラゴン、エビラ、MUTO
- 『ウルトラマン』のアントラー
- 『ポケモン』のガルーラ
- 『大怪獣ヨンガリ』のヨンガリ
- 『クローバーフィールド/HAKAISHA』の怪獣
が確認されている。
関連動画
(2017年版のゴジラの大きさが318m以上に修正される可能性がある)
関連タグ
ヨモツモノ:口の中が青く発光し、腕に青いラインを持つ巨大な人口怪獣である点がKaijuを先取りしている。
ガメラ怪獣・ヨンガリ・ゴジラ怪獣・HAKAISHA:『Uprising』で討伐されたリストに含まれているが、ガメラやヤンガリーやバトラの様な存在が含まれていることに不快感を覚える人も国内外にいるとされる(参照)。
ゴジラ2016・怪生物・プライマー (『地球防衛軍』シリーズ)…Kaiju の影響が見られる例
アバター(Kaijuは惑星パンドラの生物との類似点が目立つ)
正体(ネタバレ注意!)
異世界に存在する知的生命体「プリカーサー」が生み出した生体兵器であり、いわば「生体機動ロボット」。
プリカーサーはあらゆる星の資源を食いつぶしては棄てるを繰り返して発展してきた。彼らはかつて恐竜時代の地球にやってきたが、環境に適応できなかったため断念。そして幾数万年の時を経て人間により大気が汚染されて住みやすくなったのを見計らって怪獣を生産し、送り込んだのである。
DNAが同一なのはクローン培養という方法で「量産」されているからであり、怪獣ブルーが猛毒なのもそれで大気や土壌を汚染することによって地球をプリカーサー達により適した環境へと「改良」するため。
ちなみに、怪獣たちは生み出されてからプリカーサーによって互いに殺し合いをさせられ、生き残った怪獣が更に調整されて送り込まれてくるらしい。
彼らの世界「アンティヴァース」には量産された怪獣の幼体が大量に用意されており、未だ本格的な侵攻には至っていない。