概要
概要どおり犬型の獣人を指す。
姿形は同じイヌ科動物である狼人の狼要素を犬に置き換えた感じの容姿をしている。
ジャッカルや狼などのイヌ科獣人は古代エジプト神話にまでその存在を遡る事ができるが、明確にイヌ科獣人と定義できる存在は既に古代ギリシャで考え出されており、ヘロトドスの『歴史』などの古文書では「キュノケファロス」(チノセパリック)という名前で紹介されており、生息地に関してはエチオピアだのインドだと言われていた。
中世ぐらいまでこういった犬頭人存在が信じられていたようで、マルコ・ポーロの「東方見聞録」やジョン・マンデヴィルの「東方旅行記」にも登場し、前者ではアンダマン諸島、後者ではインドネシアのジャワ島に生息するなど幻獣というよりも異民族として扱われている。
キリスト教の伝承にも犬頭人は登場し、キリスト教に改宗した「クリストフォロス」という聖人がそれである。彼は犬の頭を持つ民族の生まれで強い信仰心を持っていた彼はキリスト教の布教を脅威に感じたローマ帝国に捕らえられて処刑されたが、その信仰心は人々の心に根強く残り、5月9日を記念日(正教会準拠)とする聖人の名に数えられるようになったという。
近代の創作では人類の歴史と共に犬に品種も増えた為に、伝承で見られる狼に似た容姿だけでなく、プードルやチワワなどの可愛らしい犬人も散見されるようになった他、本来は犬とあまり関係のなかったコボルトが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』にて犬頭の獣人として描写されるようになってからはファンタジー作品で犬人扱いされる事も多くなった。なお、彼らの存在が描写される際には道具を扱う種族という都合上、人と同じ5本指である事が多い。
この他、犬耳や犬の尾を持った人間という獣要素の少ないタイプも存在している。(いわゆる犬娘がそれ。)
登場する創作
アニメ
- のび太の大魔境/のび太とアニマル惑星/のび太のワンニャン時空伝:犬人や猫人が登場するドラえもんの劇場用作品。
- 名探偵ホームズ:登場人物が犬人(犬に一言ある押井守いわく「わんわんもの」)のアニメ。
- ワンワン三銃士:同上。
- ディズニー:犬を擬人化したグーフィーが登場している。
漫画
- のらくろ:日本人を犬人化し軍隊生活を描いた漫画作品。
- ドリフターズ:菅野直を「空の神様」と崇拝する獣人の一部族として登場。
- おざなりダンジョン:獣人の一種族「Inumoarukeba」として登場。メインキャラのキリマンはこの種族出身。
- ザ・ムーン:犬そっくりなケンネル星人が登場。
- ONEPIECE:モコモ公国の獣人ミンク族の中に犬のミンクがいる。イヌアラシとワンダが該当。
ゲーム
- ブレスオブファイア:「Ⅱ」に「野馳り(のばせり)族」と呼ばれる犬人のボッシュ、「Ⅳ」にサイアスが登場。
- プラネットライカ:火星人との「顔の契約」によって地球人全てが犬の顔になったという世界を舞台としたADVゲーム。
- LUNARシリーズ:辺境に住む獣人「ドッグマン」として登場。
小説
- 高丘親王航海記:上記の「東方旅行記」をモチーフにした東南アジアに住む種族。
- 無職転生:犬の特徴を持つ獣族「アドルディア族」が登場。メインキャラにはプルセナ・アドルディアがいる。
特撮
- 鉄人タイガーセブン:ムー原人の中に一族の誇りを持つ犬原人がいる。
- 特捜戦隊デカレンジャー:犬人のようなアヌビス星人のドギー・クルーガーが登場。
- 海賊戦隊ゴーカイジャー:犬や狼のような宇宙人が改造された行動隊長のバウザーが登場。
コボルトが犬人として描写される作品
- 魔法戦隊マジレンジャー:冥獣人四底王の冥獣人コボルトのブルラテスはブルドッグの獣人としてデザインされている。
- ダンジョン飯:古代魔術で犬に人の魂を混ぜ込み創造されたと考察される亜人。作中登場するのはクロのみだが、設定では様々な犬種の姿をした部族がいる。
- オルクセン王国史:犬種をモデルにした、姿の各個体差が大きい魔種族。
関連タグ
犬 犬娘 犬女 ワードック コボルト/コボルド キュノケファロス 化け犬 人面犬