概要
仮面ライダーファイズが使用するオートバイ。型式番号SB-555V。
スマートブレインの子会社「スマートブレイン・モータース」が開発した可変型バイク。当初は花形によってファイズギア一式とともに園田真理へと届けられていたが、ファイズの装備を乾巧が所持することなってからは、他の装備とともに巧が当初から所持していた赤いバイク(車種はオートバジンのものと一緒)と交換する形で譲られる。
それ以降にも巧が免停になった時やファイズの力を一時放棄した時など度々、真理が乗っている。
専用コードを入力することで人型のバトルモードに変形する。
左ハンドルは、ミッションメモリーを挿すことでファイズエッジとして抜刀可能になる。バトルモードへ変形した後でも抜刀できる配置になっている。
劇中ではスマートブレイン社のCMに登場している為、市販されていることがわかる。レンストのフレーバーテキストでもそのことについて触れられている。
流石に市販品がバトルモードへ変形はしない…はず。指令で変形させて突然、人々を殺戮なんてことをスマートブレインが考えたり、オルフェノク支援用に発売されてなければ…だが。
設定のみだが、後継機種のオートバジン2も開発されている。
バトルモード
オートバジンの人型戦闘メカ形態。
ビークルモードでの前輪『バスターホイール』は左腕に装着され、盾にもガトリング砲にもなる万能武器となる。
肉弾戦での戦闘力もかなりのものであり、設定上は単純な殴り合いならばファイズより強い。事実、悪の怪人(カクタスオルフェノク)が変身したファイズをボッコボコに張り倒すシーンもある。
また背面の後輪『スクランブルローター』と踵の『スーパーサイレンサー』により飛行やホバー滑走が可能であり、ヘヴィな見た目に反し機動力も高い。
劇中では自動的にバトルモードへ変形し、ファイズのピンチに駆けつけたり、戦えない人達を守る盾になったりする。常に巧の相棒のような存在として彼のサポートをし続けてきた。
しかし、最終回でファイズにファイズブラスターを届けるという活躍を見せた直後にアークオルフェノクが発射したエネルギー弾を胸に受けて木っ端微塵に破壊されてしまった……。
なお、このケースはあくまで相手が悪かっただけでゴルドスマッシュの直撃をバイクモードで受けても無傷なぐらいには頑丈である。
会話などは不可能だが、作中の描写を見る限り「ファイズギアの所有者に従う」「所有者に危険が及ぶ場合、自己判断により変形し護衛を行う」「所有者がギアを第三者に強奪・使用された場合、強奪者ではなく所有者の指示を優先する」などの基底プログラムが組み込まれていると思われる。
海堂直也が一時的にファイズギアを使っていた際にはきちんとアシストしている辺り、人を見る目はあるのかもしれない。
またオートバジンが協力した相手にはオートバジンを運転する描写があるという共通点が存在するため、「搭乗した者を味方と認識する」といったプログラムが組まれている可能性もある。
巧を献身的に支えつつ、時にフレンドリーファイアをやらかして引っぱたかれるドジッ子属性から、一部ファンからは「バジンたん」と呼ばれ、萌えキャラ的な扱いを受けていた(巧役の半田健人氏も公認の愛称)。しかし、その後は的確にオルフェノクに弾丸を当てていることから学習能力は相当に高い。
巧自身、真理から譲り受ける際に「あのバイク俺にくれ。気に入った」と語っており、なんだかんだ愛着はあった様子。
当然2足歩行が可能ではあるのだが、自分の足で歩くのは好きではないのか歩行するシーンが非常に少なく、走るシーンに至っては皆無。近距離でも専ら先述のホバー移動を行うことが多い。「歩くより飛んだほうが速い」などのロボットらしい合理的な判断なのかもしれないが…。(もちろん大人の事情もあると思われる)
バイクから変形する人型ロボットを登場させる案は実は『仮面ライダークウガ』のころから存在していた。しかしスーパー戦隊シリーズとの兼ね合いからなかなか採用されず、本作品で新規性を打ち出すために採用されたという経緯がある。
スペック
ビークルモード
全長 | 2100㎜ |
---|---|
全幅 | 880㎜ |
全高 | 1260㎜ |
重量 | 207㎏ |
最大出力 | 450馬力 |
最高時速 | 380km/h |
バトルモード
全高 | 2050mm |
---|---|
握力 | 8t |
パンチ力 | 7.6t |
キック力 | 9.5t |
走力 | 100mを5.8秒 |
最高飛行時速 | 70km/h |
最高飛行高度 | 地上30m |
最高出力 | 2500馬力 |
客演
『仮面ライダーディケイド』
一話にて、ディケイドがファイズにカメンライドし、「アタックライド オートバジン」を発動することでディケイドの愛車マシンディケイダーがオートバジンに変身、光夏海を護衛した。
『仮面ライダー大戦』
乾巧の愛車として登場。神敬介の預かっていた少女・マリをタイガーロイドの攻撃から守るという一瞬ながらも美味しい活躍を見せてくれた。続く3号、4号でもバイク役として登場している。
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』
終盤の戦いで登場。この時はファイズがオートバジンに乗ったままクリムゾンスマッシュを発動するという荒業を披露していた。
『パラダイス・ロスト』
真理を守るためにファイズと連携してエラスモテリウムオルフェノク激情態に攻撃を行うが、針による攻撃を胴体部分に受けたことにより大破してしまった……。
また、同作で初登場したライオトルーパー専用のオートバイ「ジャイロアタッカー」はオートバジンの量産型として開発されたものとされる。
『パラダイス・リゲインド』
ポスタービジュアルでは、(ピンぼけしてるが)ポスター下の超手前に鎮座していた。
本編で破壊された後、残骸をスマートブレインが回収・修復したのか再生産したのかは不明だが、AI含めてスペックは元のまま。
劇中では殆どビークルモードのまま巧が乗りこなしていたが、最終決戦にて巧の操作無しで自らバトルモードで駆け付けた。
ゲーム作品
基本的にバトルモードで登場することが多い。
PS2版『仮面ライダー555』
隠しキャラクターとして登場。
クライマックスヒーローズシリーズ
1作目では特定のステージのみ使用可能。
『W』からプレイアブルキャラとして使用できる。
『オーズ』からファイズのサポートキャラとしても使用できる。
『フォーゼ』ではプレイアブルキャラからリストラされた(ファイズのサポートとしては登場している)。
第3弾でSPカードとして登場。
スキャンすると相手に現在体力に応じた割合ダメージを与える効果だったが、第7弾でオートバジンが攻撃する演出が追加されオートバジンの攻撃でダメージを与える効果になった。
第8弾でSRSPカードとして登場。こちらは第3弾のものに加え相手のAPを減らす効果も持っている。
シャバドゥビ弾でSPカードの仕様が変更されたため演出はなくなったが、バトルサポーターとして登場している。
ボトルマッチ1弾にてファイズのLRの必殺技演出として登場した。
2からサポート専用のキャラとして選択できる。
立体物
- DXトイ「RHF ファイズ&オートバジン」に同梱。劇中同様ビークルモード⇔バトルモードへの変形が可能だが、バトルモードでの可動範囲が狭いのが欠点。
- S.I.C、S.I.C極魂にてラインナップ。ビークルモード⇔バトルモードへの変形が可能(前者は昭和感溢れるまるで『がんばれ!!ロボコン』に出てくるようなずんぐり体型で、後者は劇中のプロポーションそのままのアレンジとなっている)でバトルモードでの可動範囲は非常に広いのだが、一部の可動部の耐久値が低いため扱いには注意が必要。
- 作例ではファイズエッジとバスターホイールを同時に構えており、その様はまるで騎士のよう。
- 食玩「超可変ファイズマシン」にラインナップ。劇中同様のギミックが再現されているが、手首の角度は固定されている。
- SHフィギュアーツにてラインナップ。劇中同様ビークルモード⇔バトルモードへの変形が可能で各種オプションパーツが付属している。
- 10年後の2024年にパラダイス・リゲインドの公開に合わせ再登場。こちらはビークルモードのみで変形には対応していないが、その分バイクとしての造形に力が入れられている。ファイズギアボックスやボックスを固定するロープを模したパーツなどが付属。
- 食玩「SHODO-X」の第二弾にてラインナップ。劇中同様ビークルモード⇔バトルモードへの変形が可能となっている。 A-SideとB-Sideで分割される形で販売される。 また拡張パーツを用いることで、バトルモードへの完全変形が可能となりオプションパーツにより同シリーズのファイズのアクションの幅を拡げることができる。
余談
- 名前の由来は「オートバ(イ)+人」でほぼ間違いないと思われる。
- ただし、英語表記は「Auto Vajin」となっている。(オートバイは「autoby」)
- 「autoby」自体和製英語ではあるが、その語源は「autobike」や「autobicycle」であるとされているため上記のような由来であれば「Auto Bajin」でないとおかしく、意図的にVとした可能性がある。「vehicle」や「variable(可変)」、ローマ数字の「Ⅴ(=5)」などを意味しているのかもしれない。
- また「auto(自動・自動車)+馬+人」でオートバジンの機能を示していると捉えることもできる。
- ただし、英語表記は「Auto Vajin」となっている。(オートバイは「autoby」)
- ベース車両はホンダのXR250。この車両は仮面ライダー剣のブルースペイダー、仮面ライダーガタックのガタックエクステンダー、仮面ライダー電王のマシンデンバードなど、多くのライダーマシンのベースに使われている。
- このベースとなったXR250は車体が非常にスリムなため、変形に対応したフィギュア玩具の製作では、ビークルモードのデザインを優先するとバトルモードが細身になりすぎてしまい、バトルモードのデザインを優先するとビークルモードがずんぐりむっくりになってしまう、という問題があり、製作側の苦労が窺える。
- 乾巧役の半田健人氏によると当時撮影用のオートバジン(ビークルモード)は複数台が製作・使用されていたようで、パラダイス・リゲインドの撮影時はそのうちの1台が運良く動いてくれたおかげでバイクシーンを撮ることができた、とのこと。(フィギュアーツTVより)
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