曖昧さ回避
- イタリア半島のトスカナ地方にかつて存在した都市国家群。
- 『ファイアーエムブレム 封印の剣』および『烈火の剣』に登場する国家の名称。
実在のエトルリア
紀元前8世紀頃から繁栄を始めたが、共和政ローマの従属国として組み込まれる形で消滅した。
エトルリア人は元々別のどこかの地域からイタリア半島北部へ移り住んできたと考えられており、そのルーツも含めていまだに謎が多い。彼らが用いていた言葉(エトルリア語)も、文字こそギリシア系アルファベットを用いていたため音読することは可能だが、言語そのものが他の既知語のどれとも関連性を見いだせない「孤立した死語」であり、古墳等からの発掘遺物資料が多い割には解明が進んでいない。‥‥どれくらい謎なのか、というと、
1848年にトスカーナの遺跡で古代エトルリア人が使っていたサイコロが発掘され、そこには1~6までの数を表わす語(数詞)が刻まれていたのだが、どの単語が1~6のどの数に対応しているかがわからず、発見後百数十年が経過した今もなお完全には確定していない
有様だったりする(θu=1、zal=2、ci=3、maχ=5は他の資料によって証明、もしくはほぼ見解が一致しているが、残るhuθとśaの「どっちが4でどっちが6?」問題が未決着)。
王政ローマの後期の王はエトルリア人やエトルリア系とギリシャ系の混血であり、優れた土木・建築技術を有したエトルリア人技師による都市改良で住民の支持を集めていた。
共和政ローマ時代にもユニウス・ブルータス一族のようにエトルリアに起源をもつ貴族が一定の勢力を張る、イタリア半島を二分した内乱である同盟市戦争ではルキウス・ユリウス・カエサル(ユリウス・カエサルの伯父)による市民権付与の約束でエトルリア系の同盟市民がローマに付いた事で決着が付くなど影響力を残していたが、同時にローマのラテン語の受容等独自文化を失っていった。
農業、土木、建築、工芸、商業を問わず平時は極めて勤勉な民族で、最盛期には地中海世界で人口当たりの富は最高と推測される程の生産力を誇っていたが、祭日には一転して享楽的になり、貴族や富裕層が後援する選手や楽団による催し物を男女一緒になって楽しんだ。
剣闘士もエトルリア起源と見做されていた時期があったが、近年の研究では剣闘士の起源は南イタリアでエトルリア人は寧ろプロレスを好んでいたらしいとされている。
ローマを含むラテン文化圏やギリシャ文化圏の多くの国では女性は貞淑さと謙虚さを重視されていたが、エトルリア人は女権が強かった事も特徴である。
エトルリア系の彫刻では夫婦像が墳墓等から多く発見されており、愛妻家が称賛されると同時に、家庭の中では正妻の地位が夫とほぼ同等として扱われていた事を窺わせる。
また、上流階級の主婦は夫同様に客人を招いて宴会を主催する権利が認められており、女は宴会を主催する事はおろか出席すら憚られていたギリシャ文化圏とは一線を画していた。
若い女性の体育が奨励されていた事も特徴で、デートの一環として全裸を晒して夫や恋人とレスリングなどのスポーツを行う習慣も有った。
また、全裸美女=生命の象徴という通念が有ったので、夫が戦争や旅行に旅立つ際には全裸で性行為を行って生還と武運を祈る事が妻の大事な役割であった。
その為、ローマ人やギリシャ人の立場から書かれた文章ではエトルリア系の女子は好色で遊び好きなイメージを抱かれている事も有る。
『ファイアーエムブレム』シリーズに登場する国家のエトルリア
エトルリアとは、エレブ大陸でも最大規模の国土と長い歴史を誇る大国。最古にして最大の王国。大陸一の文明国で洗練された華やかな文化を持つ。
王都アクレイアに世界一の豪華な王宮を構え、王冠に二頭の獅子を国章としており、それぞれ大陸有数の騎馬部隊を率いる騎士軍将と魔道部隊を率いる魔道軍将、それらを束ねる大軍将で統率された大国に相応しき大部隊を保有する。
名称は紀元前の地中海付近に存在した都市国家エトルリアが有力。エトルリアは古代ギリシャとは異なる独自の文化を持ち、後の古代ローマへも活かされる高い建築技術など高度なエトルリア文化を誇った。
モルドレッド王の代ではなかなか世継ぎに恵まれず、年老いて生まれた王子が落馬事故によって急死して以来、国王は抜けがらのようになり、宰相が国を好き勝手に動かしている。
八神将である聖女エリミーヌを祭った聖女の塔がシンボルであり、西方に浮かぶ辺境の島々でも豊富な地下資源の発掘が進んでいるが、こちらも同じく貴族の横暴が続いている。
なお通信闘技場の開催地はエトルリアの王都アクレイアで、王国での催しものとなっている。