概要
Brave group(旧Unlimited)運営の元2018年3月6日から2021年2月7日まで活動していたバーチャルYouTuberのグループ。
都内の高校にあるゲーム部に所属する4人組という設定で、中の人の性格や素性が透ける事が魅力のバーチャルYouTuberと、シナリオで動く漫画やアニメのキャラクターの両方を兼ね備えた性質を持つ。
メインはゲーム実況で、実況動画では生配信のパーティーゲームや各キャラが担当している一部ゲームを除き、演者による実況とゲームプレイを別々の人間で行う「二人羽織」による収録形態(夢咲楓として「バンビー」がプレイする、など)を採用。
その他ショートコント(通称:茶番劇)や生配信、歌ってみたなど。
なお各メンバーの演者は2019年の夏以降いわゆる「2代目」に変更されており、以下より交代騒動までの記述はキャラクター設定を除き基本的には「初代」に関する記述である(各メンバー個人記事も参照の事)。
騒動まで
チャンネル開始後まもなく、AbemaTVで配信されていたポケモンの対戦番組「P-Sports」、ニコニコ生放送で開催された「バーチャルYouTuber人狼」、キズナアイ主催の『マリオカート8』の大会「キズナアイ杯」などに出演したり、『崩壊3rd』公式Twitterでも紹介されたりと多方面から注目を集めていた。
個人・企業問わず他のバーチャルYouTuberとの交流も盛んに行い、道明寺晴翔の宿敵ヤミクモケリン、キズナアイ杯で優勝した歌衣メイカ、にじさんじゲーマーズ所属で、同じくゲーム実況で活動する笹木咲、サントリー公式VTuber燦鳥ノム、さらにはミライアカリ、ヨメミの制作にかかわったVTuber界の鬼才「アニメ娘エイレーン」や、もこう、ライバロリ、キズナアユ(あゆみん)、はんじょう、はじめしゃちょーなどのゲーム実況者やYouTuber(「バーチャル~」ではない)に至るまで、様々な相手と共演した。
所属部員
※全員高校1年生
- 夢咲楓(ゆめさき かえで)
部長にして創設者 一癖も二癖もある部員たちのまとめ役のはずだが、
ショートドラマでは暴走する頻度が高く、ファンからは「陰キャ」「一番キャラが安定しない」とよく言われる。
普段は年頃の女子高生らしく明るくお茶目だが、勝敗のあるゲームでは割と負けず嫌い。
ゲーマーとしての実力も高く、部員たちからも強い敬意を集めるエースプレイヤー。
- 道明寺晴翔(どうみょうじ はると)
ゲーム部副部長で、投稿する動画のサムネイル作成や動画編集などを担当している。
ゲームの腕はかなり立つうえ、中二病かつナルシストで、他者への尊大な態度が目立つが、それとは裏腹に、自身のTwitterのリプにも丁寧に返信をしているところから、「本当は良い子」とする声が多数。
同じくVTuberとして活動する妹・道明寺ここあを溺愛している。
得意ゲームは『スプラトゥーン』をはじめとするFPS・TPS作品。
特にエイム力(照準精度)は他方のゲーマーからも高く評価されている。
- 風見涼(かざみ りょう)
男子部員 。ゲームへの知識が豊富なため、未プレイ勢にも分かりやすく解説してくれる。
穏やかな性格で、基本的に誰に対しても丁寧な言葉遣いだが、晴翔とは親友という関係から言動が緩くなったりする面もある。
こうした性格から「ゲーム部の良心」と評されている一方、漫画アニメの趣味がエグ目だったり、好物のメロンパンが不足すると禁断症状を起こすなど、狂人じみた側面が露呈。
得意ゲームは『大乱闘スマッシュブラザーズ』、『ぷよぷよテトリス』。
- 桜樹みりあ(さくらぎ みりあ)
女子部員。明るく活発なゲーム部のムードメーカー。
自分の顔に自信を持っており「みりあちゃんの可愛さは世界一チイイイイ」というハッシュタグを自身で作成したあざと可愛い系。
同じ女子の楓や親切な涼とは仲がいいが、道明寺晴翔とは反りが合わず、日頃から「ハルカス」と呼ぶなど喧嘩が絶えない(但し、ここぞのタイミングでは信頼している)。
しかし「バーチャルYoutuber人狼」企画では労いの言葉をかけられて感謝する一面も見せた。
得意ゲームは楓と同じく『ポケットモンスター』。
呼称表
道明寺ここあはゲーム部のメンバーではないが、便宜的に記載複数ある場合は多用する呼称を先に記述。
一人称 | 夢咲楓 | 道明寺晴翔 | 風見涼 | 桜樹みりあ | 道明寺ここあ |
---|---|---|---|---|---|
夢咲楓 | 私 | 晴翔君 | 涼君 | みりあちゃん | ここあちゃん |
道明寺晴翔 | 部長 | 俺 | 涼 | みりあ・アホピンク | ここあ |
風見涼 | 部長 | ハル君 | 僕 | みりあちゃん | ここあちゃん |
桜樹みりあ | 楓ちゃん | ハルカス・晴翔 | 涼君 | みりあ | ここたん |
道明寺ここあ | 夢咲先輩・楓先輩 | お兄ちゃん | 風見先輩 | みりあ先輩 | 私 |
実況タイトル
- ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン
- シャドウバース
- スプラトゥーン2
- 大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_U
- ぷよぷよテトリス
- 崩壊3rd
- モンスターストライク
- リトルナイトメア
- あつまれ!おえかきの森
- ワンナイト人狼
- テリアサーガ
- マリオカート8 DELUXE
- ポケモンカード
- スーパーマリオパーティ
- 御城プロジェクト:RE
- ピカチュウげんきでちゅう
- Gang Beasts
- ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ
これ以外にもホラーゲームやフリーゲーム、さらに自分たちを題材にした二次創作ゲーム「七月のゲーム部」でも遊んでいた。
関連イラスト
関連タグ
バーチャルYouTuber バーチャルYouTuberのグループタグ一覧
ミライアカリ、電脳少女YouTuberシロ、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん、ときのそら、富士葵、猫宮ひなた、ばあちゃる、燦鳥ノム、もこ田めめめ、アニメ娘エイレーン、ヨメミ:動画やイベントで共演したVTuber。
ヤミクモケリン、叶(にじさんじゲーマーズ):道明寺晴翔の宿敵。
道明寺ここあ:道明寺晴翔の妹で、「ここあmusic」で活動している音楽系VTuber。
あおぎり高校ゲーム部、音霊魂子、水菜月夏希、石狩あかり:もう一つのゲーム部。
デザインを手がけている絵師が同じという縁があるからか、積極的に遊びに来ている。
ゲーム部騒動
4人によるチャンネル活動というユニークなスタイルや、ゲーム実況、ショートコント、配信などのバリエーション豊かな企画などで人気を博し、界隈を牽引するまでに成長したグループだったが、一連の炎上と、演者と視聴者を軽視した運営の対応で衰退していく事になり、以降のVTuber業界に暗い影を落とす事になる。
運営によるパワハラ発覚
平成31年(2019年)4月初頭、中の人(演者)と思われる人物のツイッターで、他スタッフへの不満と、今までいじめやパワハラなどを受けていたことや、キャラクターボイスとしての仕事を辞退することなどを示唆するツイートが投稿された。
これらのツイートは瞬く間に拡散され、運営会社である「株式会社 Unlimited(旧名:株式会社バーチャルユーチューバー)」に不信の目が向けられ、それまで毎日続けられていた動画投稿がしばらく途絶えてしまった。
そして4月8日、ホームページに「ゲーム部プロジェクトに関するご報告」という声明が掲載され、運営が演者に行っていたいじめを認め、待遇の改善をすると発表。
しかし、肝心のいじめを主導していた責任者の処遇については触れられておらず、視聴者の間ではずっと運営への不信感が募っていた。
声優交代
ひとまず収束したかに思われた約2か月後の6月4日、先述の演者の一人が「だめだった 結局何も変わらなかったな」とツイートし、他3人の演者のフォローを一時的に外すという不可解な行動を起こした。
運営への不信感が再び高まる中、6月27日に投稿された【アニメ】ゲーム廃人が夏を満喫しようとした結果【リア充】で桜樹みりあの演者を、7月7日に投稿された【アニメ】好きな人より背が低い男ってどう思います?【恋愛相談】で道明寺晴翔の演者を、なんの告知もなく入れ替えてしまった。
この件を受け視聴者はもちろん、同業者たちからも運営のやり方を疑問視する声が挙がり、チャンネル登録者数が僅か1日で27,657人も減るという、VTuber史上かつてない異常事態が起こる。
その後しばらく、なんの説明もないまま動画が投稿され続けたが、7月17日にゲーム部プロジェクト公式ページに「私たちがゲーム部プロジェクトを立ち上げた経緯と、ゲーム部プロジェクトが目指す未来について」というタイトルの声明文を発表。
しかし、
- 「弊社が目指しているのは、VTuber というよりも、どちらかといえばCTuber(キャラクターユーチューバー)という表現の方が、適切なのかもしれません。」
- 「ゲーム部プロジェクトとしての目指す姿やそのための会社・声優スタッフ(※演者の事 以下同)のあるべき役割について検討を重ねた結果、今回新声優スタッフへの交代に至った次第となります。」
など、演者の解雇に至るまでの経緯や運営の目指す理念の説明が不十分で矛盾に満ちていたために炎上。
続いて8月27日、同じく公式ページに「ゲーム部プロジェクトをご視聴いただいている皆様へ」というタイトルの声明文が掲載され、残り2人の演者も8月31日を最後に入れ替えると発表。
やはりこの声明文にも演者の解雇を決めた「主要関係者で行った協議の結果」の具体的な内容や、いじめに関する記載はなかった。
しかも、以降の投稿動画すべての概要欄にスタッフと、VTuberの界隈では前例のない演者の名前とツイッターアカウント、さらには演者の代わりにプレイしているプレイヤー名まで記載するとしたのである。
これらの変更は視聴者にとって到底受け入れられるものではなく、9月1日の全演者解雇の動画投稿で5,431人も減ってしまうなど、チャンネルやツイッター登録解除と動画再生数の減少に歯止めがかからない状態となった。
根本的な解決はされないままで強引に新体制でのスタートが切られた結果、歌イベントへの参加をゴリ押すかのように参加する運営に向けての批判が爆発。それに加えて発売したVTuberをテーマにしたゲーム「ブイブイブイテューヌ」へのゲスト出演の採用で更なる評価を落とさせたとしての不満(これは出演を承諾したゲーム部のメンバー及び運営やコンパイルハートも騒動を理解しているはずでの降板処置をしなかった点で両サイド一番批判が多かった)、関わりの深かったあおぎり高校への風評被害が発生。
さらに同時期「低評価が多すぎてYouTubeに嫌われました」という、視聴者を煽るような動画を投稿し(これには低評価が2.6万も付いた)、様々な方面への軋轢を生む事になった。もはやこの時点では誰が「ゲーム部」の原作権を握っているのか分からなくなる状況になり、旧声優との原作権力との乖離が著しくなっていったのである。
個人チャンネル
令和2年(2020年)1月頃からは、部員4人が各々の個人チャンネルを開設。
代わりにメインチャンネルの動画の投稿数が目に見えて減少し、そのことについて釈明する動画も投稿されたが、視聴者が納得できる内容ではなく、多くの低評価が付くことになる。
その後も動画の投稿頻度は低下し続け、4月末に投稿された動画を最後に、ゲーム部チャンネルとしての配信や動画投稿がストップし、以降は個人チャンネルでの生配信が主な活動内容となっていった。
夢咲楓と桜樹みりあは生配信やASMR、歌ってみた動画などで活動を続けたが、道明寺晴翔と風見涼は4月頃を最後にYouTubeでの活動が完全に途絶え、Twitterやボイス販売等に顔を出す程度になった。
活動終了
2020年6月16日には株式会社UnlimitedがBrave groupへ社名変更を発表。演者やスタッフへのいじめを主導していたと思われる当時の運営トップ『れそ(上西恒輔)』は退任処分となった。しかし「マスコミやネットニュースの大々的な報道」「声優陣のグループ及び単独活動のモチベ低下」「ブイブイブイテューヌの参加による批判」の煽りから時既に遅く、同年12月31日、運営より弊社所属キャラクターに関してのお知らせという声明が発表され、2月7日の生放送を最後に夢咲楓、風見涼、道明寺晴翔の三名の活動を終了。これにてゲーム部プロジェクトの活動が終了する事になった。
同時に運営会社を同じくする風見唯花、柊彩香、朝倉日向の活動終了も発表。活動継続は桜樹みりあのみとなった。
なおその後2021年9月17日桜樹みりあとクレア先生は、株式会社ハイウェイスターの新設音楽レーベルへ移籍し、音楽を中心に活動している。
2021年2月8日に『れそ(上西恒輔)』が違法アップロードサイト「同人あんてな」の運営にも関わっていた事が発覚するという珍事があった(結果は2020年12月で和解していた)。
2021年3月29日の質問動画で当時、同僚のあおぎり高校メンバー音霊魂子によると「気づいたときには(Brave groupから)いなくなってた」内情を答え、2023年10月31日の記事サイト「PANORA」でBrave groupの代表取締役である野口圭登氏は当時の経営幹部達(れそ)に「すみません、辞めてもらえないでしょうか」とクビにする状況を作っていた事を公言。れそ(上西恒輔)はBrave groupをクビにされていたことが判明した。
余談
実際には活動終了だけで影響が収まった訳でもなく、間接的に2021年以降にはこの件に対してYouTube運営本部が新ゲーム部グループ側に便乗してしまい、すべての動画から低評価の数を見れないようにしてしまうという全世界のYouTube界への禍根を残す結果も間接的に生まれてしまった。また、新声優後にポケモンの動画をアップロードできなくなったのは、任天堂が配信に関するガイドラインを強化し、Vtuberの企業が任天堂に正式な許諾契約を出さずに任天堂のゲームを配信した動画を配信することができなくなり(主に2020年以降)、Brave Groupは任天堂と直接契約を結ぶほど本気でゲーム配信を行う立場ではなくなったことも原因である。ただし、ぶいすぽっ!は2022年に活動体制を再編したことにより、任天堂ゲームの配信が可能となった。
結局のところ、この事件がきっかけで、Vtuberは実際に配信を担当する俳優以外が、担当キャラの版権を操縦することができなくなってしまい、いい意味ではVtuberがリアルに活動する様子を中心にとらえられるようになったが、悪く言えばこのシステムが芸能界と同じ「リアル」ものになってしまい、Vtuberにフィクション性や架空の物語を前提としたストーリー性を構築することができなくなってしまったともいえる。
外部リンク
Peing - 質問箱 -(鈴木翠@Unlimited広報)
月刊 UNLIMITED 作品詳細 - ゲーム部プロジェクト
野口圭登(Twitter) - 株式会社Unlimited代表取締役
橋本直人(Twitter) - ゲーム部プロジェクトプロデューサー
一野瀬満月(Twitter) - 二代目夢咲楓役
一野瀬満月(Twitter) - 二代目夢咲楓役(サブアカウント)
有馬京哉(Twitter) - 二代目道明寺晴翔役
石渡智実(Twitter) - 二代目風見涼役
宮丸ゆめみ(Twitter) - 二代目桜樹みりあ役