「絶滅したのは、アンタ達人間のせいなんだよ!!」
「そんな相手と、仲良く友達になんかなれると思う?」 (第29話)
データ
概要
ガオウの部下の一人。人間界に解き放ったはずのガルガルが消えていることに業を煮やしたガオウによって、トラメと共に冥界から呼び戻された(つまりは幽霊や怨霊のような存在)。
本来の姿はメスのニホンオオカミだが、遠吠神社の狛犬像に憑依する形で実体化。作中では女性の人間態に変身して行動することが多い。
一人称は「あたし」。
ガルガルの卵に闇を纏わせる相方のトラメに対し、ザクロは出先で目についた適当な動物に闇を纏わせ、ガオガオーンを呼び出す。
闇を纏わせる対象は野生の動物以外に、ペットも含まれている。
ガオガオーンを呼び出す際の口上は、「獣達よ、闇を纏って吼えなさい!!」。
トラメとの出撃回数については、第44話までの時点でほぼ五分五分(卵に闇を纏わせてばかりでは、玩具対応アニマルのストックがなくなってしまうという事情もあるかもしれない。実際、ニコガーデンのアニマルは第44話で全員救出された)。
ガオウに対しては崇拝というより恋心を抱いており、彼にプロポーズされる妄想をして嬌声を上げる乙女チックな面もある。
トラメとは、そのガオウへのアピールを巡って、何かと衝突していがみ合っている。しかし、過去の敵組織に見られるような殺伐さはなく、子供の喧嘩同然の低レベルな争いである。
容姿
獣形態
(イラスト右)
黒い毛並みに赤毛が混じったニホンオオカミ。ガオウ・ザクロ・トラメ三者が共通で所持している鬼火を封じ込めた宝玉は、紐で首から下げている。
人間態
トラメと同様に血色が悪く、獣らしいギザ歯が特徴の妙齢の美女。
目の色は赤で、目尻に赤いアイシャドウと口紅といった化粧を施している。
赤毛のロングヘアーで、髪先には薄いピンク色が入っている。頭の右上にあるお団子は簪でまとめており、簪の飾りには宝玉が使われている。
左耳には金色のイヤリングをつけている。
服装は紺に赤がアクセントとして入ったミニスカート風の着物が特徴。袖部分は分離している。
濃い赤色に紫色のラインが入った帯を締め、帯の上のピンク色の紐は後ろで蝶結びにしている。2つに分かれた紐の先には、赤い玉がついている。
着物の下にはピッタリとした暗灰色のアンダーを着用している。アンダーは全身タイツで、指の部分だけ穴が空いている。
全体的な露出は少ないものの、どこか花魁やくのいちを思わせる妖艶な出立ちである。
余談
演者について
演者の中原麻衣氏は「トロピカル〜ジュ!プリキュア」のアウネーテ / キュアオアシス、トロピカルパラダイス以来3年ぶりのプリキュアシリーズ出演で、本作は敵キャラ役での再登板となった。
ちなみにアウネーテも(トロプリ本編では)幽霊に当たる存在だった。
動向
「人間共と動物は元来敵同士なことを、人間と共に今を生きる動物達にもすべからく分からせてやるべき」との考えから、手始めに知覧友真のペット・チンチラのこてつをガオガオーン化、あまつさえ破壊活動を「大事なお勉強だ」と言い切って憚らない等非道な面を見せた。ちなみにここで名前を名乗っている。
インドゾウのさくらのガオガオーンを止めようとするキリンやシマウマ、エランドに対して「あたし達は仲間だろ!!?」と返して、人間以外の動物達への仲間意識は一応持ち合わせている模様。
ユキを含んだ公園にいた複数の猫達を可愛がるものの、猫達からは嫌われている模様で威嚇され、ボス猫からは攻撃されていた。
その後、ボス猫をガオガオーンに変える。ガオガオーンが浄化された後は「早く帰って傷口洗おうっと・・・」とつぶやきながら撃退していった。
ガオウが中々目覚めないことで「ああ゛あ゛ぁー!!!ときめきが欲しい!!!」と不満を口にする。ときめきを求めて海岸へと繰り出すが、右を向いても左を見てもイチャつくカップルばかりという状況に立腹、たまたま上空を飛んでいた野生のトビをガオガオーンにして、鬱憤を晴らしながら暴れさせる。プリキュア達との戦いの最中、目をつけた兎山悟を誘拐して口説こうとしていた。
最終的に犬飼いろはと彼がいい感じになって、恋のキューピッドみたいになってしまうが、「やっぱりガオウ様が1番!!」と言いながら撤退していった。
「あぁ〜退屈・・・。ガオウ様はいつになったらお目覚めに・・・。え…ガオウ様?ガオウ様がお目覚めに!!?ワオーン!!!!」
眠りから覚めたガオウの元に駆けつけて力を使い過ぎた彼の代わりにアブラコウモリのガオガオーンを召喚する。
ガオウ「済まん、ザクロ・・・」
「いえ!むしろ大歓迎です、ガオウ様!ここはあたしにお任せを!!」
風起こしをしてくるアブラコウモリを見て、「ガオウ!めっ!こんなのわんだふるじゃないよ!」と言うワンダフルに「ちょっとあんた!!ガオウ様に生意気言うんじゃないよ!!あんた達の相手はガオガオーンだよ!!!」と怒鳴り、周囲一帯をコウモリに有利な闇で覆い、「暗闇で人間のあんた達に勝ち目は無いよ!」と大口を叩くが、暗闇でもワンダフルとニャミー相手では暗闇など何のアドバンテージにもなり得ず、容易く位置を見抜かれてしまう。ガオガオーンが浄化された後はプリキュア達を睨みつつガオウと共に撤退した。
岩場でガオウを見つめて「ガオウ様ってここからの景色がお好きなんですか?昔もよくここで遠吠えしてましたし・・・、や〜ん♡!!黙っている姿も格好良い〜!!♡ガオウ様、またいつかあの素敵な美声を聴かせて下さ〜い!!今でもいいですよ!!」と幸せそうに呟いていた。
トラメの方は退屈そうにして遊びに行ったのだった…。
「忌々しい光・・・。元はあたし達の縄張りだったのに・・・」と不満そうに呟くが。トラメに「ガオウ様が復活すればみんなオイラ達の遊び場さ!!」とアドバイスされる。
その言葉を聞いて元気を取り戻したザクロは「くっ、そしたらガオウ様といっぱいお散歩するの〜♡!!」と言って、一緒に行きたがるトラメと言い合いになる。
「ダメよ!2人っきりで行くんだから!!」
アニマルタウン演劇発表会の会場で「人間共が集まっているわね…」と嬉しそうに呟く。
演劇を見てウルフェンという狼に惚れるが、本物の狼の役を演じていた女の子であることを知り、「えぇ!!?狼じゃないの!!?よくもあたしをがっかりさせてくれたわね!!」と木に立って偶然見つけた家のエボシカメレオンのガオガオーンを召喚する。
プリキュア達は姿が見えないカメレオンのガオガオーンに戸惑うが、ニャミーのキラリンキツネの力を借りてワンダフルをメイクブラシに変身させてその擬態を無効化させ、姿が見えたところをリボンバリアとリリアンネットで縛られ、駆けつけたニコの力によって浄化される。
「これもガオウ様以外の狼に現を抜かしたせい!?ごめんなさいガオウ様〜!!」と謝罪しながら退散した。
「……あぁ、ガオウ様……」
町の公園を当てどなくさまようザクロ。ふと目に付いたアツアツカップルのアハハウフフな姿に、ため息と諸共に魂まで抜けかける程の精神的ダメージを負う。「ガオウ様…」
「あぁ…手編みの贈り物か…ガオウ様もああいうの、嬉しいのかな…?」
「いいなぁ…あたしにも編み方教えて欲しい……ハッ! に…人間から教わるなんてダメに決まってる!!…でもガオウ様が喜ぶなら…いやいやダメだって!!」
学校の屋根の上から見る家庭科教室の様子に、羨望とプライドの狭間で忙しなく葛藤する。
「うぅ…こんなもんガオウ様に渡せるワケない……」
まゆ「編み物に興味があるの?」
「…プリキュア!」
枯れ枝と蔓で編み物の真似事をしてみても、何が出来るでも無く泣いていたところ、まゆとユキに遭遇する。学校敷地内をトボトボ歩いているのをつけられていたのだ。
彼女に手編みの道具を渡してガオウの好きなところを聞いて来たまゆに、ガオウの好きなところを楽しく語るが、
ユキに「あなたが誰に恋しようと勝手だけど、だからって何しても良い訳じゃない…、ガオウは自分の為に罪のない動物達を傷つけてる…。」と言われて「違う!そんなんじゃない‼︎ガオウ様はふところが深くて仲間を何よりも大切にするお方だ!」
「ガオウ様は自分の身を犠牲にしてでも仲間を守る…そんな愛情深い狼なんだ…」と言い返す。
「私はガオウ様のためなら何だってできる!ガオウ様が望むのは…こんなことじゃない‼︎人間共の世界を壊すことだ‼︎」と棒針を片手で圧し折りながら言い放ち飼育小屋へ跳び去り、サワガニに闇を纏わせガオガオーンを召喚する。
ワンダフル、フレンディ、ニャミーはカニのガオガオーンが吹いた泡で身動きが取れなくなるが、いくら切られても結び直すと決意したリリアンの強力なネットとキラリンパンダの催眠術でガオガオーンは無事に浄化され、ニコの回復魔法によって元気を取り戻した。悔しがるザクロに変身解除したまゆに「一緒に編み物しない?」と誘われるが、「何度も言わせるな!私は敵だ‼︎」と言い放されてしまう、ニャミーに「ガオウが優しい心を持っているって言うなら何故罪のない人や動物を傷つけるの?人間の世界を壊してそれでガオウが幸せになるの?」と問われるが、「黙れ!あんた等にガオウ様の何が分かる⁉︎」
と言い残し撤退していった。
まゆは「私、ザクロやガオウ達ともっと関わっていきたい、怖い思いをするかもしれない、拒絶されるかもしれない、でもみんなの思いを紡いでつないでいきたい…、分かり合う為に…」と決意するのだった…。