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絶滅したのは、アンタ達人間のせいなんだよ!!」

「そんな相手と、仲良く友達になんかなれると思う?」 第29話

概要

わんだふるぷりきゅあ!』に登場するキャラクター。ニホンオオカミ(日本にかつて生息した絶滅種)の幽霊怨霊のような存在。ガオウの部下の一人。名前は柘榴石からとられている(アニメージュ2025年2月号より)。

人間界に送り込んだはずのガルガルがいなくなったことに業を煮やしたガオウによって、トラメと一緒に冥界から呼び戻された。

もともとはメスのニホンオオカミだが、遠吠神社にある狛犬の像に憑依することで姿を実体化。作中では、女性の人間の姿に変身して行動することが多い。

一人称は「あたし」。名前の由来は、宝石の一種である「柘榴石(ガーネット)」だと考えられる。

ガルガルの卵に闇をまとわせるトラメに対し、ザクロは外で目についた動物に闇をまとわせ、ガオガオーンを呼び出す。

闇をまとわせる対象は、アニマルタウンにいる野生動物だけでなく、ペットニコアニマルも含まれる。

ガオガオーンを呼び出すときの口上は、「獣達よ、闇を纏って吼えなさい!!」。

ザクロはガオウに対して、崇拝よりも恋愛感情を抱いている。彼にプロポーズされる妄想をしては、嬌声を発するという可愛らしい一面もある。

センシティブな作品

同じガオウの部下であるトラメとは、そのガオウへのアピールを巡ってよくケンカをしていた。

ただ、そのケンカは小学生レベルのくだらないものが多く、過去シリーズの敵組織のような険悪な雰囲気ではない。

容姿

獣形態

(イラスト右)

黒い毛に赤い毛が混じったニホンオオカミ。鬼火を封じ込めた宝玉を紐で首から下げている。なお、ガオウやトラメも同じ宝玉を持っている。

人間態

センシティブな作品

血の気が少し薄い肌を持つ妙齢の美女。獣らしいギザ歯が特徴的。

目は赤く、目尻には赤いアイシャドウが入っている。口紅も赤。

髪は赤毛のロングヘアーで、毛先にピンク色が入っている。頭の右上にお団子を作っており、それをで留めている。簪の飾りには、宝玉が使われている。

左耳には金色のイヤリングをしている。

紺地に赤がアクセントとして入った、ミニスカートのような短い着物が特徴。袖部分は着物から分かれている。

帯は濃い赤色で、紫色の線が入っているものを使用し、上にピンク色の紐を結んでいる。

結び目は蝶々結びで、2つに分かれた紐の先には赤い玉がついている。

着物の下には、暗灰色のぴったりしたアンダーウェアを着用している。アンダーウェアは全身タイツで、手の指先だけ穴が開いている。

足元は、紺色のつま先が分かれたオーバーニーソックス靴下と、厚底の下駄を履いている。

全体的に露出の少ない服装だが、どこか花魁くのいちを思わせる妖艶な雰囲気がある。

生前の姿

生前は紅色を基調とした毛並みに比較的鋭い目つきが特徴のニホンオオカミであった。

余談

演者について

演者の中原麻衣氏は「トロピカル〜ジュ!プリキュア」のアウネーテ / キュアオアシストロピカルパラダイス以来3年ぶりのプリキュアシリーズ出演で、本作は敵キャラ役での再登板となった。

ちなみにアウネーテも(トロプリ本編では)幽霊に当たる存在だった。

劇中での行動

「人間共と動物は元来敵同士なことを、人間と共に今を生きる動物達にもすべからく分からせてやるべき」との考えから、手始めに知覧友真のペット・チンチラのこてつをガオガオーン化、あまつさえ破壊活動を「大事なお勉強だ」と言い切って憚らない等非道な面を見せた。ちなみにここで名前を名乗っている。

インドゾウのさくらのガオガオーンを止めようとするキリンシマウマエランドに対して「あたし達は仲間だろ!!?」と返して、人間以外の動物達への仲間意識は一応持ち合わせている模様。

ユキを含んだ公園にいた複数の猫達を可愛がるものの、猫達からは嫌われている模様で威嚇され、ボス猫からは攻撃されていた。

その後、ボス猫をガオガオーンに変える。ガオガオーンが浄化された後は「早く帰って傷口洗おうっと・・・」とつぶやきながら撃退していった。

ガオウが中々目覚めないことで「ああ゛あ゛ぁー!!!ときめきが欲しい!!!」と不満を口にする。ときめきを求めて海岸へと繰り出すが、右を向いても左を見てもイチャつくカップルばかりという状況に立腹、たまたま上空を飛んでいた野生のトビをガオガオーンにして、鬱憤を晴らしながら暴れさせる。プリキュア達との戦いの最中、目をつけた兎山悟を誘拐して口説こうとしていた。

最終的に犬飼いろはと彼がいい感じになって、恋のキューピッドみたいになってしまうが、「やっぱりガオウ様が1番!!」と言いながら撤退していった。

「あぁ〜退屈・・・。ガオウ様はいつになったらお目覚めに・・・。え…ガオウ様?ガオウ様がお目覚めに!!?ワオーン!!!!」

眠りから覚めたガオウの元に駆けつけて力を使い過ぎた彼の代わりにアブラコウモリのガオガオーンを召喚する。

ガオウ「済まん、ザクロ・・・」

「いえ!むしろ大歓迎です、ガオウ様!ここはあたしにお任せを!!」

風起こしをしてくるアブラコウモリを見て、「ガオウ!めっ!こんなのわんだふるじゃないよ!」と言うワンダフルに「ちょっとあんた!!ガオウ様に生意気言うんじゃないよ!!あんた達の相手はガオガオーンだよ!!!」と怒鳴り、周囲一帯をコウモリに有利な闇で覆い、「暗闇で人間のあんた達に勝ち目は無いよ!」と大口を叩くが、元が犬と猫なので夜目が利くワンダフルとニャミー相手では暗闇など何のアドバンテージにもなり得ず、容易く位置を見抜かれてしまう。ガオガオーンが浄化された後はプリキュア達を睨みつつガオウと共に撤退した。

岩場でガオウを見つめて「ガオウ様ってここからの景色がお好きなんですか?昔もよくここで遠吠えしてましたし・・・、や〜ん♡!!黙っている姿も格好良い〜!!♡ガオウ様、またいつかあの素敵な美声を聴かせて下さ〜い!!今でもいいですよ!!」と幸せそうに呟いていた。

トラメの方は退屈そうにして遊びに行ったのだった…。

「忌々しい光・・・。元はあたし達の縄張りだったのに・・・」と不満そうに呟くが、トラメは「ガオウ様が復活すればみんなオイラ達の遊び場さ!!」と嘯く。

その言葉を聞いて元気を取り戻したザクロは「くっ、そしたらガオウ様といっぱいお散歩するの〜♡!!」と言って、一緒に行きたがるトラメと言い合いになる。

「ダメよ!2人っきりで行くんだから!!」

アニマルタウン演劇発表会の会場で「人間共が集まっているわね…」と嬉しそうに呟く。

演劇を見てウルフェンという狼に惚れるが、本物の狼の役を演じていた女の子であることを知り、「えぇ!!?狼じゃないの!!?よくもあたしをがっかりさせてくれたわね!!」と木に立って偶然見つけた家のエボシカメレオンのガオガオーンを召喚する。

プリキュア達は姿が見えないカメレオンのガオガオーンに戸惑うが、ニャミーのキラリンキツネの力を借りてワンダフルをメイクブラシに変身させてその擬態を無効化させ、姿が見えたところをリボンバリアとリリアンネットで縛られ、駆けつけたニコの力によって浄化される。

「これもガオウ様以外の狼に現を抜かしたせい!?ごめんなさいガオウ様〜!!」と謝罪しながら退散した。

「……あぁ、ガオウ様……」

町の公園を当てどなくさまようザクロ。ふと目に付いたアツアツカップルのアハハウフフな姿に、ため息と諸共に魂まで抜けかける程の精神的ダメージを負う。「ガオウ様…」

「あぁ…手編みの贈り物か…ガオウ様もああいうの、嬉しいのかな…?」

        《もちろんだよ、ザクロ!》

        《わお〜〜ん♡》

「いいなぁ…あたしにも編み方教えて欲しい……ハッ!

に…人間から教わるなんてダメに決まってる!!…でもガオウ様が喜ぶなら…いやダメだって!!」

学校の屋根の上から見る家庭科教室の様子に、羨望とプライドの狭間で忙しなく葛藤する。

「うぅ…こんなもんガオウ様に渡せるワケない……」

まゆ「編み物に興味があるの?

「…プリキュア!」

枯れ枝と蔓で編み物の真似事をしてみても、何が出来るでも無く泣いていたところ、まゆに声をかけられる。学校敷地内をトボトボ歩いているのをつけられていたのだ。

彼女に手編みの道具を渡してガオウの好きなところを聞いて来たまゆに、ガオウの好きなところを楽しく語るが、

ユキに「あなたが誰に恋しようと勝手だけど、だからって何しても良い訳じゃない…、ガオウは自分の為に罪のない動物達を傷つけてる…」と言われて「違う!そんなんじゃない‼︎ガオウ様は懐が深くて仲間を何よりも大切にするお方だ!」

「ガオウ様は自分の身を犠牲にしてでも仲間を守る…そんな愛情深い狼なんだ…」と言い返す。

「あたしはガオウ様のためなら何だってできる!ガオウ様が望むのは…こんなことじゃない‼︎人間共の世界を壊すことだ‼︎」と棒針を片手で圧し折りながら言い放ち飼育小屋へ跳び去り、サワガニに闇を纏わせガオガオーンを召喚する。

ワンダフル、フレンディ、ニャミーはカニのガオガオーンが吹いた泡で身動きが取れなくなるが、いくら切られても結び直すと決意したリリアンの強力なネットとキラリンパンダの催眠術でガオガオーンは無事に浄化され、ニコの回復魔法によって元気を取り戻した。悔しがるザクロに変身解除したまゆに「一緒に編み物しない?」と誘われるが、「何度も言わせるな!あたしは敵だ‼︎」と言い放されてしまう、ニャミーに「ガオウが優しい心を持っているって言うなら何故罪のない人や動物を傷つけるの?人間の世界を壊してそれでガオウが幸せになるの?」と問われるが、「黙れ!あんた等にガオウ様の何が分かる⁉︎」

と言い残し撤退していった。

まゆは「私、ザクロやガオウ達ともっと関わっていきたい、怖い思いをするかもしれない、拒絶されるかもしれない、でもみんなの思いを紡いでつないでいきたい…、分かり合う為に…」と決意するのだった…。

山中の洞窟にて狼形態でガオウに寄り添い眠っていた。

「トラメが!?まさかプリキュアに…」

ガオウにトラメが逝ったと聞かされ愕然とするザクロ。「ガオウ様!あたしは最後までお供しますよ‼︎どこまでだって‼︎」と宣言する。

プリキュアを懲らしめれば、ガオウ様のお気持ちも少しは…と考え、森の中を狼形態で疾駆していたが、町に出てもめぼしい動物が見つからず苛立つザクロ。

そんな中、迷い着いた『Pretty Holic』前で、クリスマスツリーの輝きに心惹かれる。

「…きれい…」

ユキに「綺麗よね?それ。」「ガオウに見せたいんでしょ?」「好きな人には自分が素敵だと思うものを見せたくなるでしょ?」と言われ「お前には関係ないことだよ…」と反論するザクロだが、言葉に力が入らない。そこにいろは達が乗るソリを引いて来たニコアニマルのトナカイを、これ幸いとばかりにガオガオーンと化す。

「ガオウ様の為! 行け!ガオガオーン!!」

空を自在に駆け回り、突撃で路面をえぐるトナカイのガオガオーンの角が標的と定めたのはリリアン…だがその背後にはクリスマスツリーが!跳んで避けたリリアンが「しまった!」という顔をするが早いか、それ以上に狼狽していたのは誰あろうザクロだった。あわやという所でニャミーシールドが突進を食い止める。

ニャミー=ユキは吐露する。

ザクロと“まゆと自分だけが世界のすべてだと思っていた頃の”自分は同じだ、と。

「でも、この世界は、わたしとまゆだけが生きているわけじゃない。

この世界は、色んな生き物が互いに関わり合いながら生きている。

色んな思いと笑顔が集まっているから、世界は可愛くきらめいている。

ザクロも……そんな世界が似合うと思う!」

ガオガオーンが浄化され、踵を返しかけたその背中に「クリスマスパーティーに来ない?」と声をかけられた。プリキュア達の笑顔に、在りし日の同胞の姿が重なる。 「みんな…」

しかしザクロは、込み上げる郷愁を「グッ…!」と噛み殺し、

「あたしがいなきゃ、ガオウ様が独りに……!!!」 そう言って姿を消した。

ニャミーは「仕方ない…でも構い続けるから…」と呟くのだった。

山中の針葉樹、その天辺に立ち町を見下ろすザクロ。

新年の清冽な空気さえも身の毒に感じるとでも言うのか

「…何さ…キラキラしちゃって…」 と忌々しげに吐き捨てる。

仲間の無念を晴らす為にのガオガオーンを召喚するガオウに

「ガオウ様!ガオウ様は仲間の無念を晴らす為と言うけれど、

こんな事をしても…、いいえ!何をしても仲間は戻ってきません!」

そうザクロは諫言する。

「忘れろと言うのか!?仲間を奪われた怨みを…この胸に燃え続ける、怒りを!!!」

「それは…でも、この町を壊して、人間達を苦しめても、ガオウ様は幸せになれない!

あたしは…!ガオウ様に幸せになって欲しいんです!」

と、彼を説得しようとする。かつては激情に任せ反発していたが、ニャミーが言った言葉はずっとザクロの心中に引っかかり続けていたのだ。

だが、そんな彼女の悲痛な願いも虚しく

「幸せなど要らぬ…

オレの望みは仲間の無念を晴らす事。それまで、立ち止まる事はない…!!」

と言い捨てられてしまう。

絶望と諦観に苛まれつつ、それでも主の望みを叶えるべくザクロは狼ガオガオーンと合流・下山する。

「ガオウ様の為に…」

そう自分に言い聞かせながらガオガオーンに指示を飛ばすザクロの表情が、ひどく辛そうだと気づいたリリアンとニャミーは、彼女と対話を試みる。

「色んな生き物が関わり合って、色んな想いや笑顔が集まってる。

そんなこの世界が、嫌いじゃないんでしょ…?」

「本当は壊したくない…だから辛いんじゃないの?」

「…!!!……それでも…やらなきゃいけないんだ…ガオウ様の…望みの為に…

だから!だから全部壊す!全部!全部!全部!全部!

ガオウ様を苦しめるこんな世界は全部!!ガオウ様の為に…仲間の為に…!」

血を吐く思いで言葉を絞り出すザクロに、ガオガオーンと応戦中のワンダフルは言う。

“仲間が大好き”という一点において、ザクロもガオウも自分達もみんな一緒だ、と。

そしてフレンディも、どれほど拒まれようと友達になる事を諦めたくはない、と。

「ザクロ…わたしはあなたのガオウへの想いを繋げたい」

「あたしの…?」

「あなたのその可愛い気持ちがあれば、この世界を煌めかせる事ができるわ」

「そんな事出来るワケ…」 ない、なんて言わせるものかとばかりに食い気味な勢いで

リリアンは「できるよ!」と言い切った。

ガオガオーンは浄化されたが、暗雲は未だ晴れない。

「怒りの炎は簡単には消えないよ…アンタ達は、まだわかってない…」

いよいよガオウ率いる狼ガオガオーンの群れによる大攻勢が始まらんとしていた…!

大量の狼ガオガオーンを連れたガオウの前に跪き、命令を果たせなかった事を謝罪するが、

「ザクロ、すまない…辛いを思いをさせて…」

「あとはオレがやる」

と思いやりの言葉をかけられる。

ガオウはニコと対決し、彼女からニコダイヤを奪うが、ニコも反撃してガオウのアイマスクを割る。すると、ガオウの顔が崩れていき…、中から人間が現れる。実は今まで活動していたガオウの正体は、過去の時代でオオカミ達と仲良くしていた人間の青年・スバルであった。プリキュア達が驚愕する中、ザクロはばつが悪そうな表情で黙っていた。

人間への復讐を果たそうとするスバルを止めるため、彼の力の源である宝玉を奪おうとするプリキュア達だが、そこに再び立ちはだかる。

「どうして…?街を壊したくないんじゃなかったの!?」

「だとしても それをガオウ様が…スバルが望むなら!!」

プリキュア達にガオガオーンを仕向けている間、自身はキュアニャミーに蹴りを喰らわせる。ニャミーから「あなた、スバルの事知っていたわね?」と問われると、

「当たり前さ、惚れた相手を間違えるわけないじゃない!!」 と断言。

ザクロは最初から今の『ガオウ』の正体がスバルであった事を知っていたのだ

「知っていてどうして!?人間は嫌いだって…」とリリアンに問われると、

「スバルは特別さ!」 と反論。

自分達オオカミを最後まで守ってくれたスバルへの想いを語り、

「そんなスバルを…1人きりにできるワケないだろ!!!」

と訴えた。

するとフレンディが「人間とオオカミ達が仲良くしていた」事実に喜びの声を上げる。

プリキュアの連係プレーでガオガオーン達は鎮められ、何度傷ついてもオオカミと友達になる事を諦めない彼女らのひたむきな心を前に

「ダメだ… あんた達やっぱ…嫌いになれないよ…」

と遂に根負けし、プリキュア達と和解を果たす

するとワンダフル・フレンディに抱き着かれて困惑していたが、まんざらでも無かった。

そしてガオガオーン達諸共自分をプリキュア・エターナルキズナシャワーで浄化して貰う…が、浄化されたのはガオガオーンのみで、ザクロは浄化されていなかった

自分だけ浄化されなかったことに疑問を抱くが、

ニャミーから「ここまで来たなら、最後まで付き合いなさい」と言われる。

「でも…スバルはあたしじゃダメなんだ…」 と弱気になるザクロだが

「諦めないで!好きなんでしょ!?惚れた相手ってさっき自分で言ってたでしょ!!?」

「何だいアンタ!?急に何の話だい?!!」

リリアンに猛然と食いつかれてタジタジに。

《たとえ人間の世界を壊しても、仲間が戻るワケじゃない…

  こんな事、望んでやるようなヤツじゃないんだ……スバル…》

フレンディ「助けよう…一緒に!」

ワンダフル「いっしょに!」

「……ああ!!」

そして、スバルを止める為に、いや助ける為にプリキュア達と協力するのだった…。

第49話

森林と化したアニマルタウンの中、眠りから目覚めたプリキュア達と合流、スバルがいる鏡石前へ。生物の頂点に立つニコの力を以てしても、命の理を覆す事など不可能と諭されたがスバルは逆上、ニコダイヤの欠片を己が身に取り込み獣面人身の巨大怪物に成り果てた。

フレンディの説得にも聞く耳持たず、周囲への攻撃を激化させるスバルだが、そんな中でワンダフルがフレンディを庇って昏倒。それを見た途端にスバルは頭を抱えて慟哭し出した。

「あの時と同じ…」

リリアン「あの時って?」

眠りから醒めないこむぎの頭を優しく撫でながらザクロは話を続ける。

「スバルは、あたし達オオカミを守る為に、行動を共にしていた…

でも、ガオウ様は…そんなスバルを守る為に…命を落としてしまったんだ…

ガオウ様を喪って、群れは散り散りになり…あたし達オオカミは追い詰められていった…

でも、スバルは…あたし達を守る為…最後まで戦い続けてくれたんだ…」

語り終えるのとほぼ同時に、スバルの絶叫が一層激しいものとなる。腰帯で自らを縛り上げる姿が尚更に痛ましい。

「スバルやめて!もういい!

これ以上あたし達の為に怒ってくれなくていいんだ!

このままじゃ、あんたが…!」

ザクロの訴えも、スバルの耳には届かない。彼が人間達以上に憎くて許せなかったのは、他ならぬ自分自身だったのだ。そしてニコダイヤの力を一身に集め過ぎた彼は自らを攻撃しながら巨大な繭状に変化してゆく。

周囲に吹き荒ぶ暴風からフレンディとこむぎを庇いながら、ザクロはスバルへ呼びかけ続けた。

「スバル!誰もあんたを怨んでなんかないよ!

トラメもあたしも、ガオウ様だって!!」

果たしてスバルの魂の行方は、そしてザクロの想いは──!?

第50話(最終話)

「ガオウ…さま…」

エターナルキズナシャワーによって人間態に戻ったスバル。その眼前に表れた本来の頭領の姿にザクロも驚きを隠せない。

両手をつき、かつて守れなかった事を詫びるスバルだが、長らく傍にいながらずっと苦しい思いをさせてしまったのは自分も同じだと謝り返すガオウ。ガルガルやガオガオーンの口を借りて訴えかけてはいたが届かなかったのだと。

ニャミー「怒りや憎しみに囚われていると、大切なものが見えなくなってしまう…」

リリアン「だから、気づかなかったんだね…」

ガオウは告げる。身勝手な人間は大勢いたが、友と呼んでくれる者もいた。種の壁を越え、力を尽くしてくれる者達もいた。無念がないとは言い難いが、スバルの存在によって、その優しさによって、我等の魂は救われていた、と。

スバル「ガオウ…!!!」

だがそんな時、無情にもニコダイヤを封じ込めた宝玉に亀裂が走り、スバルもガオウも実体を保てなくなる。二人に残された時間はもう無い、まだ話したい事があるというのに…

どうにかできないのか、どうにか───!!!

見かねたワンダフルがスバルとガオウを「ぎゅ───────────っ!!!」とハグ、フレンディもそれに続くのを見て、ニャミーとリリアンにも加わるよう促すザクロ。『あたしにはムリだ、あんた達だからこそ出来るかも知れない事だ』とでも言いたそうに。そして悟と大福、更にメエメエとニコまで加わる事によって、幾ばくかの猶予時間ができた。

「スバル…お前と会えて、よかった…大好きだ…!」

「ガオウ…オレも大好きだ…これまでも、これからも、ずっと…!」

幾星霜の時を経てようやく交わし合えた二人の思い、届いた本当の声。

ザクロもまた、スバルの傍らに跪き、自らの想いを告げる。

「あたしも…大好きだよ…!」

その途端に宝玉の中で揺らめいていた鬼火も霧消、ザクロは生前の、紅い毛並みの狼の姿に戻っていた。まさに“その一言”こそ、彼女が現世に残した最後の未練であったかの様に。

「よかった…よかったね…!!!」

「そうね…」

リリアンは感涙に咽び、ニャミーはそんな彼女を優しく支えていた。

響くトラメの遠吠え。仲間達と共に迎えに来たのだ。スバルとガオウに一足後れてザクロも山の彼方へと駆け出す。ニャミーとリリアンに「ありがとう…」の一言を残して…。

なお、彼女が依り代にしていた狼の狛犬(と狼ガオガオーンの素体に使われた卵形の石像)も、トラメや仲間達と同じ場所…遠吠神社の境内に戻されたとEDのエピローグで描写されている。

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