ジェフ(ヒューマンバグ大学)
じぇふ
愚問…裏切り者を殺しにきたのだ…圧倒的に潰れるがいい
CV:酒味たろう
マッド・カルテルの本部に属するトップクラスの武闘派戦闘員。異名は「鉄巨人」。
京極の轍に登場している。
ポリネシア出身のオーストラリア人である。
ジェフという名前とオーストラリア人であることから、名前のモデルは2000年代に阪神タイガースで活躍した元プロ野球選手のジェフ・ウィリアムスの可能性がある(こちらはキャンベラ出身)。
性格
麻薬が入った麻袋を投げて攻撃するなど豪快かつ無骨な性格。「圧倒的」が口癖。
これはフランス兵に「この実験によって我が国は圧倒的な力を手にする」と言われた事が所以であるが、同時に彼の復讐心を言い表している。
「醜く足掻くのは美学ではない」という持論を持っている。
仲間意識は皆無に等しく、死んだ仲間の遺体を前にしても「しくじれば死ぬ、ただの日常」「死ねば無能、ただそれだけ」と城ヶ崎賢志や反町琥治郎を思わせる冷徹なセリフを吐き捨てている。これは組織に貢献したファビアンへの手向けとして、遺体を故郷に送ったダヴィッツとも対照的である。
一方、家族を奪った仇を討った組織への忠誠心は凄まじく、大人になってから望んで組織に入った点も異例だと言える。
能力
得物は二箇所に湾曲した極太のトゲが付いた棍棒。ジェフが持つと名前の通りの「鬼に金棒」である。
異次元とも呼べる力とタフネスさを売りにした、攻撃重視のパワフルな闘い方をしている。
圧倒的な筋力がウリの武闘派であり、そのパワーは大量のヤクが入った麻袋を4袋同時に投げれるほどである。また、ヤクの運び込みという重労働をたった一人で行ったにもかかわらずほとんど疲労していないことから、持久力もかなり高いと思われる。
戦闘では、異常な耐久性に加え、どのような劣勢もひっくり返す一発を持つ。耐久力は戸狩玄弥や海瀬将悟に犬飼鷹四郎、パワーは祇園織文や紅林二郎を思わせるものがあるが、これはポリネシア人の身体能力と、不退転の覚悟が精神を支えている為である。
特にタフネスに関しては凄まじく、伊集院茂夫・瓜生龍臣・鶴城史之舞・鵺兄の「バグ大四天王」、戸狩や海瀬、祇園などの他の耐久力に定評のあるキャラが霞んで見え兼ねない程であり、視聴者からは作中一位との呼び声も多い。
何しろ、放射能被曝して榊原周同様余命僅かな状態にもかかわらず、巨大な爆風を受け、肩など全身に銃弾11発以上、背中を刺されて鼻を潰されて耳を飛ばされて袈裟斬りを2発もらい、顔面を斬られて脚を斬られ、膝を折られても最後に5発の銃弾で脳を破壊されるまで倒れずに戦い抜いた。(ダヴィッツ曰く普通なら10回は死んでる)
更に言えば、脳を破壊されても即死せずに思考回路が働いた上で、喋って遺言まで遺している。
また執念も凄まじいものがあり、自分は傷を負いすぎてもう助からないと悟ったら塩とドラッグ(最後の魔法)を使って戦場に復帰し、最期はタンタンを道連れにしてみせた。
最期の闘いで、余命を全てベットしたジェフは、恐らく作中最強クラスの強さであり、伊集院や瓜生クラスの実力者でも、軽傷で完封するのは厳しかったと思われる。
また、百田吾郎と同じく大柄な図体に反して俊敏であり、その俊敏さは、並みの実力者どころか、下手をすれば上位の実力者も圧倒するほど。
ダヴィッツに比べると力と耐久力でゴリ押ししているような印象が見られるが、ダヴィッツがあまりに狡猾過ぎて霞んでるだけであり、我妻京也やエイジらのように様々な搦め手にも精通しており、作戦立案能力を合わせれば穴がないと言っても良い。
さらに配管の構造や機能、役割に精通しており、奇襲や罠を仕掛ける際にはそれらを遺憾なく発揮する頭脳を見せる。
なお、組織に入る前は高度な教育機関やプログラムとは無縁の平和な生活をしていたが、組織に入ってから猛勉強したと思われる。
- 2024年11月29日の動画(ジェフ)
仏領ポリネシア諸島出身で、両親と美しい妻であるアメリアと共に幸せに暮らしていた。
そんなある日、島を支配していたフランス軍によって、近海で核実験が行われた(一応、酔っ払いの軍人が島から出るようわざわざ警告してくれていたのだが核実験についてぼかしていた為、母国愛の強いジェフは取り合わなかった)。それからというもの、健康そのものだった島の住民は被曝症によってバタバタと倒れ、ジェフの両親も帰らぬ人となる。
現地の自治政府が、核実験の影響だと訴えるも、何の補償も受けられず、妻までもが白血病に倒れる。
不治の病に手の施しようもなく、ただ安らかな死を待つだけの絶望の日々を送る中、マッドカルテルボスのモンテロと出会う。
モンテロは麻薬農園を放射能で汚染したフランス軍の壊滅の為、直に訪れたが、ジェフの身体能力を見出すと共に、ジェフの身の上話に思う所があったのか、壊滅作戦を手伝わせる。
そして報酬という名目で一袋の麻薬を貰い、後日、麻薬の鎮痛作用により、苦痛から解放された妻は安らかに息を引き取る。
こうして家族全員を失ったジェフは、マッドカルテルに身を寄せようとするが、モンテロに待っていたと言わんばかりに、直々に歓迎を受けるのだった。
そして、マッド・カルテルの一員となるのだった。
「頼む 誰か助けてくれ…」
「ただ泣いていましたが…やるべきことが見つかりました」
「家族と海の怒りを背負い 奴らを圧倒的に破壊する これです」
初登場。
麻薬を密輸するためメキシコから派遣されファビアンJr.やパクと合流し、麻薬を船に乗せる。そして、麻薬を船内に運び込むがその間に裏神のトップ香坂慎太郎が襲撃しにきてパクと交戦していたため、船内から出てきて香坂に数十キロはあろうかという麻袋を4袋投げつけた。最終的には人数不利を悟った香坂が撤退したことで戦闘は終わり、自分たちも撤退した。
「さあ、この島国の文化を変えようか」
日本に派遣された武闘派の一人、パク・ソジュンが殉職したことによる緊急会議に参加。パクの死に対しては「しくじれば死ぬ。ただの日常よ。」とダヴィッツと同様に冷淡な態度を見せる。そして、そのまま続けてパクの遺品となった大量のダイナマイトのストックを発見したことを他の武闘派にも共有、パクの仇討に名乗りを上げたファビアンJr.にダイナマイトのストックを譲渡した。
その後、場面は変わり裏神傘下の半グレ組織を襲撃した際には、圧倒的な怪力で4・5人の構成員を窓の外に放り投げて戦意を喪失させ、強引にマッド・カルテル傘下に引き入れた。
「何を食っている。戦闘者として軽すぎる!」
- 2024年8月24日の動画(久我虎徹)
ファビアンJr.の計画のため戦場の真下の下水道に爆弾を仕掛けて、鳳崎桔平と深瀬大也に重傷を負わせた。そして、自身もファビアンJr.と動けない鳳崎を守る深瀬の戦いに参戦した。
「圧倒的な破壊というものを教えよう」
- 2024年9月9日の動画(久我虎徹)
自身の戦闘能力やファビアンとの連携力の高さで深瀬をどんどん追い込んでいく。
しかし、深瀬が粘った影響で鳳崎の参戦を許してしまう。
鳳崎の掌底をまともに喰らうも程なく復帰。だが、舎弟の森川や幹部のタンタンの加勢で不利な状況となる。
その後、ファビアンが深瀬の殺害に成功して撤退を選択したことにより共に撤退した。
「しぶといと言うなら粉々にしよう」
- 2024年10月16日の動画(久我虎徹)
鳳崎に討ち取られたファビアンJr.の遺体を見ても、パクが死亡した時と同様「死ねば無能。ただそれだけのことよ」と冷淡な反応を見せた。
「だが認めねばなるまい。裏神、難敵だ」
- 2024年11月1日の動画(久我虎徹)
ダヴィッツとの会議の後、持ち前の配管などへの知識で麻薬の梱包作業を監視するタンタンを地下室ごと水責めにする。しかし、救援に来た香坂に一瞬の隙を突かれて扉を爆破されてしまいタンタンが脱出したため、2人と得物の棍棒を手に相対した。
「敵が何人いようが変わらん。一掃するのみだ」
マッド・カルテル 怪力無双の鉄巨人 VS 裏神 魅力的なトップ 麻薬梱包所での激突!
- 2024年11月13日の動画(久我虎徹)
香坂・タンタンと睨み合うジェフ。
最初に動いたのは裏神側。銃撃を浴びせてくる。ジェフは一度身を隠して周囲を確認。近くにあった廃材置き場の鉄板を使い、タンタンへ接近。手傷を追いながらもビルの奥へ追いやり、手榴弾でその入り口を爆破して閉じ込めた。こうして香坂と一対一になる。
圧倒的に破壊すると宣言するも香坂が俊敏な動きとカウンターの斬撃で翻弄。一方的に血まみれになってしまう。それでも倒れず、香坂を押し出してダイナマイトを仕掛けていた場所へ誘導、道連れ爆破に成功する。
成功した後、持ち前のタフネスで香坂を襲うもいずれも決定打にならない。香坂からの一際強烈な斬撃を喰らい、絶体絶命となってしまう。
その時、ダヴィッツが乱入して発砲。
予想外の攻撃に一瞬こちらの警戒を解いた香坂に満身創痍ながらも襲い掛かり、腹部へ棍棒をクリーンヒットさせる。
香坂への意趣返しは成功するも片膝を付くのが精一杯で満足に動けない状態に。
「もらったぞぉおおお!圧倒的に潰れろぉおおおおお!」
- 2024年11月22日の動画(久我虎徹⇒香坂慎太郎)
タンタンが戦線復帰して発砲してきた為、ダヴィッツ共々物陰に隠れることに。動くことが出来ずただじっとしていることしか出来なかった。
そんな中、香坂が更なる狂気を纏って立ち上がる事態になってしまう。
「圧倒的な…しぶとさを見せる」
- 2024年11月29日の動画(久我虎徹⇒ジェフ)
ダヴィッツと香坂・タンタンの攻防が繰り広げられる中、意識を保つのもやっとながら自身の生い立ちを振り返り、香坂から受けた傷だけでなく自分も亡き妻・アメリアと同じくフランス軍の核兵器の放射線を大量に浴びていたことで、裏神の麻薬梱包所襲撃前に既に余命幾許もなかった事が発覚。そして自身に時間がないことを再度認識して覚悟を決める。
バンドで腹を縛り、「最後の魔法」と称した故郷の塩と白い粉末(貰った麻薬か?)を混ぜた物を服用する。凄まじい咆哮と共に覚醒すると棍棒を手に物陰から姿を現わす。
そして、タンタンと激突することになる。
(体よ…もう少しだけ我慢してくれ)
「母なる海よ 私に最後の力を」
「さあ…行こう相棒 これが最後だ」
「マッドカルテルへの恩義はこの命をもって返す」
マッド・カルテル 怪力無双の鉄巨人 最期の特攻
2024年11月30日の動画(久我虎徹)
ドラッグによる痛覚の麻痺とドーピングを得て、最後の戦いに挑むジェフ。
タンタンによる銃撃を幾度受けて尚も止まる事を知らずに驀進し、強烈な一撃を浴びせる。
ダヴィッツと二対一の構図に持ち込むも、タンタンに両腕を撃たれた事により、腕力を失ってしまう。タンタンがダヴィッツを銃撃している所で距離を詰め、彼の両脚を棍棒でひしゃげさせる。
しかし、タンタンの特攻によって至近距離に呼び込む事を許してしまい、頭部に5発の銃撃を受けてしまう。
タンタンの攻撃に耐えきれず遂に命が尽きることを悟り、異国の地で今は無き故郷や家族たちを思い返し、ふるさとの地で愛する者達に囲まれて生涯を終えたかった儚い願いを抱きながら、その命を散らした。
だがタンタンもダヴィッツの攻撃の前に落命した。
彼同様、日本に派遣されたダヴィッツ、パク、ファビアンJr.は三者とも、生き残るためならばどんな卑怯なことも辞さなかったが、彼は最後の最後まで己の美学を貫き通し散った。
フランス軍の罪業
フランスは1966年~1996年にかけて、自国領ポリネシアなどで核実験を行い、多くの被曝者を出した事は事実である。
この当時は東西冷戦でアメリカとソ連が競って核実験を行っていたが、フランスはアメリカや(百年戦争からの因縁がある)イギリスと対立関係になると1966年にNATOを脱退。以降は西側諸国とは袂を分かち、自国の軍事力だけで自国を防衛していたという背景があった。
冷戦終結後も依然として懸念は残ったが、1996年に包括的核実験禁止条約に署名。しかしフランスは2024年12月現在でも290発の核兵器を保有している。
又、特撮作品『ウルトラマンタロウ』にはムルロアという宇宙大怪獣が登場しているが、この怪獣の名前はジェフの生まれ故郷であるフランス領ポリネシアに実在するムルロア環礁(珊瑚礁でできた島)から取っている。
怪獣ムルロアには核兵器に対するメッセージが込められている。またトロン爆弾の発射実験を行った某国はフランスを暗に揶揄しており、さらに劇中では「フランスは今回の実験に反対だった」と言う皮肉めいた台詞も出てくる。
マッド・カルテルの武闘派の中でも不遇な半生
裏神を壊滅するために派遣されたマッド・カルテルの武闘派の中でも一際に悲惨な人生を送ったとSNSでも散見されている。
アジア人である事を理由に酷い差別を受けてきたパク。母国語で話す事さえ許されず、アイデンティティーを捨てざるを得なくなった挙句に両親を喪ったファビアン。組織に拾われるまでストリートチルドレンとして過ごし、入った後も訓練やミッションで苦楽を共にした友達を全て喪ったダヴィッツ。彼らの半生も悲惨だが、ジェフは核兵器の実験に巻き込まれた末に両親と最愛の妻を奪われてしまい、愛する故郷で生涯を終える事はおろかもう一度帰ることすらも叶わないまま異国の地で死亡してしまった事から、「可哀そう」や「不遇」と同情するリスナーも多かった。
核実験さえなければ、妻のアメリアと多くの子供を儲け、ほぼ間違いなく良き父親として、賑やかな大家族を構えていたと思われる事から、我妻京也と比較しても理不尽な半生を送ったと言える。
仲間の死を前に吐き捨てるなど、冷徹な性格に変貌した経緯が描かれていないという指摘もあったが、恐らくアメリアの死により、血も涙も枯れ果ててしまったのだと思われる。
ジェフに限った話ではないが、ヒューマンバグ大学に登場するキャラの中でも、愛する家族や婚約者がいたキャラ、心から好意を抱いた事のある大半は外道の行いや予期せぬ事故でそれを喪っている。同時に、敵対組織によって本人の命を奪われてもいる。
ヒューマンバグ大学 マッド・カルテル 京極の轍 哀しき悪役 バーサーカー
榊原周 - 戒炎幹部。不治の病に冒されていた共通点がある。ちなみに榊原は胃癌だったがジェフは恐らく妻と同じ白血病と思われる。
イヌワシ - エルペタスのトップランカー。意外と共通点が多く、家族を失った後に殺し屋組織に入り、短期間で出世した点が共通する。イヌワシは財界人のコネクションと名声を活かして望んで「訓練生」としてエルペタスに入り、ジェフは恵まれた体格をモンテロから見出され、厚遇を受けた点は異なるものの、専門的な知識を身に着ける為に努力を重ねた点は共通する。
冨樫宗司、西園寺健吾、工藤清志、城戸丈一郎:最後の最後まで執念を見せつけた点が同じ。
我妻京也 - 正反対の半生を送ったが、敵側に遺体を回収され、我妻は婚約者の、ジェフは妻の墓に埋葬された点が共通する。