ジェームズ・ガン
じぇーむずがん
知る人ぞ知るB級映画会社「トロマ」仕込みのホラーやブラックジョークを得意とし、持ち味をそのまま活かした『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で知名度を上げた。
監督のみならず脚本、出演、音楽、製作まで手がける。
兄弟にプロデューサーのパトリック・ガン、脚本家のブライアン・ガン、俳優・作家のマット・ガン、俳優のショーン・ガンがおり、特にショーンは自身が手掛ける作品の常連である。
1966年8月5日生まれ。ミズーリ州セントルイス出身。
1996年、『トロメオ&ジュリエット』で監督デビュー。脚本・製作総指揮・出演を兼ねていたが、監督としてはノンクレジット。
2000年、女優のジェナ・フィッシャーと結婚(2008年に離婚)。
2006年、『スリザー』でメジャーデビュー。
2014年、「マーベル・シネマティック・ユニバース」第10弾である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で監督・脚本を務め、第41回サターン賞などを受賞。その後、続編となるシリーズも同様に手掛けた(詳しくは後述)。
2022年、女優のジェニファー・ホランドと再婚。「DCユニバース」幹部就任。
映画
『トロメオ&ジュリエット』:1996年
『スリザー』:2006年
『スーパー!』:2010年
『ムービー43』「Beezel」:2013年
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ:2014年/2017年/2023年
『ザ・スーサイド・スクワッド』:2021年
『Superman: Legacy』:2025年
プロデューサーのみ
『ブライトバーン』:2019年
アメコミとの関係
自身の出世作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の公開前は主役となるヒーローチームは他のMARVELヒーローに比べてとても低く、2014年当時は負け戦という下馬評もあった。
しかし「スペースオペラに懐メロを使う」という画期的な演出が評価され大ヒット。どちらも一躍メジャーとなり、2017年にシリーズ2作目となる『リミックス』も公開され、さらに主役チームが客演する『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』にも関わり、完結編となる3作目も2020年には公開される予定であった。
しかし2018年にマーベル・スタジオの親会社であるディズニーが、'08~'12年ごろの彼のTwitterにおける過激な下ネタなど不適切なツイートしていたことを問題視し、解雇されてしまった。
背景には日ごろからドナルド・トランプ政権(当時)への批判を繰り返していた彼に対し、それをよしとしない右派メディアが過去ツイートを掘り返したという経緯があったが、当人がツイートについて既に謝罪済みだったうえ、ディズニーが一方的に解雇を決めてしまったことに不服の声が上がり、GotGのキャスト陣も巻き込んで大きな騒動に発展した。
この間にワーナー・ブラザーズに雇われ、MARVELのライバル会社であるDCコミックの「DCユニバース」の映画『ザ・スーサイド・スクワッド』とドラマ『ピースメイカー』を制作。
これを機に中心人物が不在だったDCユニバースのリーダーとして、新設される「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任した。
一方、GotGシリーズは後任の監督も決まらずストップしていたが、2019年に無事ディズニーと再契約。スペシャルドラマ『ホリデー・スペシャル』を挟んで、3作目『VOLUME 3』が2023年に公開された。
ちなみに『エンドゲーム』に関与できなかったことで、主役チームが勝手に別のヒーローと合流する最後を迎えてしまったが、そのヒーローの映画で無事別れられたため、当作の監督に感謝している旨を語っている。
※余談だがその監督は『ザ・スーサイド・スクワッド』に出演していたりする。
常連出演組
MCU・DCユニバースに含まれる作品を始め、いわゆる「ジェームズ・ガン組」と呼んで差し支えない俳優が相当数いるため、ここで列挙する。
※アルファベット順
名前 | MCU | DC | その他・備考 |
---|---|---|---|
チャック・イウジ | ハイ・エボリューショナリー(第3作) | クレムゾン・マーン | |
ダニエラ・メルシオール | ウラ(第3作) | ラットキャッチャー2 | |
ジェニファー・ホランド | Kwol(第3作) | エミリア・ハーコート | 自身の妻 |
ネイサン・フィリオン |
| 『スーパー!』 | |
ショーン・ガン | 自身の実弟 | ||
マイケル・ルーカー | ヨンドゥ・ウドンタ | サヴァント |
その他
実は日本の特撮作品の大ファンという一面も持つ。
特にウルトラシリーズは3~4歳の頃に熱中していたことから特に思い入れが深く、シリーズが55周年を迎えた際には、自身のTwitter上にてお祝いのコメントを発表している。
また、2022年公開の『シン・ウルトラマン』についても放映を楽しみにしている旨を書いている。
他にも仮面ライダーシリーズも好きらしく、アメリカで配信が始まった際には「仮面ライダー」がトレンド入りしたことを祝福した。
なお、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」以前は、(評論家やコアな映画マニアの評価は高かった作品も有るが)赤字映画を連発しており、実生活もかなりすさんだモノとなっていた所で、MARVELスタジオから大抜擢を受け、MCU史上に残る大ヒット作を製作する結果となった。
負け犬監督が負け犬チームの作品を作ったら人生の大逆転を成し遂げた訳である。