巨大化が、止まらない。
概要
1986年にアメリカでリリースされたミッドウェイゲームズ(2009年に倒産。現在の権利者はワーナーブラザーズ)制作のアーケードゲーム『RAMPAGE』を実写映画化したモンスターパニック映画。
※原作ゲームに関しては後述
監督ブラッド・ペイトン、主演と製作総指揮にザ・ロックことドウェイン・ジョンソン。
あらすじ
違法な遺伝子組み換え実験を行っていた宇宙ステーションが事故で崩壊し、実験サンプルの入った容器が地上に落下。サンプルに感染した動物たちが巨大化・凶暴化してシカゴで大暴れ!
登場人物
- デイビス・オコイエ(演:ドウェイン・ジョンソン/吹:楠大典)
サンディエゴの野生動物保護区に勤める霊長類学者。軍の特殊部隊出身で、国連の密猟対策組織に所属していたことも。ジョージとは種族を超えた親友のような関係を結んでおり、彼を救おうと奔走する。
2年前までエナジー社に所属していた遺伝子工学者。自分の研究が悪用されるのを防ごうとして窃盗の容疑で逮捕されたことがある。ニュースを見てジョージの事を知り、オコイエに協力しようと駆けつける。
- ハーベイ・ラッセル(演:ジェフリー・ディーン・モーガン/吹:若本規夫)
とある政府機関の捜査官。オコイエたちを連行しようとするがジョージのせいで乗っていた飛行機が墜落。その際オコイエに命を救われ、以後は彼らの行動を支援する。
- クレア・ワイデン(演:マリン・アッカーマン/吹:深見梨加)
生物兵器を開発するために宇宙ステーションで実験を行っていたエナジン社のトップである女性社長。経営者としての才覚と手腕、胆力を持っているが、弟のブレッドからは「正気じゃない」と言われるレベルで冷酷非情な性格であり、サンプルの回収と隠蔽をはじめ、目的の為なら手段を選ばない。
例を挙げるだけでも…
- 過去にケイトが家族の治療の為に進めていた研究を悪用し、巨獣誕生の原因を作るも、それを破棄しようとしたケイトを窃盗罪で刑務所送りにし、結果、ケイトは弟の最後を看取る事が出来なかった。この事は、クレア自身も覚えてはいたものの、罪悪感は全く抱いてはいなかった。
- 巨獣の暴れまわる崩壊寸前の宇宙ステーションから、脱出しようとする研究員に対して、サンプルを回収しなければ地球への帰還を許可しない。
- PMCを使いもみ消そうとするも逆に全滅して余計な被害を出す。
- シカゴをはじめ、アメリカ各地が大混乱になるのを承知で、自身の利益の為に、特殊な低周波で巨獣たちをシカゴへと誘導し、その過程で各地に甚大な被害を与える。…etc
悪女も此処まで来ると、最早清々しさを覚える。当然作中でケイトにある意味で利用される形で因果応報な最期を迎えた。
エナジン社のトップでクレアの弟。あまり頭は回らず、宇宙ステーションが崩壊し、エナジン社が大損害を受けた際は、その模型を破壊して八つ当たりする等、子供っぽく、思慮も浅い性格。
はっきり言ってしまえば、『大きくなっただけの子供』そのものの人間で、エナジン社の上級幹部ではあるものの、実際は滅茶苦茶な姉の言いなり状態の腰巾着も同然である。
自分たちが誘き寄せた巨獣によりシカゴが破壊されていく中、常軌を逸した行動を続けるクレアにとうとう愛想を尽かし、社の悪事の証拠をハーベイに渡し自身だけ逃げおおせようとするが…。
登場怪獣
CRISPR(クリスパー)という技術によって作られた感染性の遺伝子サンプルには、ゲノム編集により複数の生物の遺伝子が組み込まれており(死ぬまで成長を続けるサメ、成長速度が速いシロナガスクジラ、強靭な外皮を持つカブトムシ、高速で走るチーター、治癒力が強いトゲマウスなど)、感染した生物は急激に巨大化し高い回復力と生命力を誇るようになるが同時に急激な成長による飢餓から非常に凶暴化してしまう。なお効果はわずかにガスを吸った程度でも発現し、さらに取り込んだ量に比例して巨大さなどは増す様子。また、コウモリの反響定位によって特定の低周波電波に反応するようになっており、全く別の生物同士でも争うことなく発信源を目指すようになる。
この体躯と体型で高層ビルを登るのは、おそらくは原作の再現。原作では、基本的に全員が獣人であるため、ジョージ以外はかなり見た目が異なる。原作では、人間やエイリアンがモンスター化したキャラクターもいる。
豪腕猿獣ジョージ
全長12.1m、体重9.06t。
世界で一匹だけのアルビノのゴリラ。母親を密猟者に殺され、自分も危ないところをオコイエに助けられたという過去を持つ。知能が高く、手話で下品なジョークをかましてはオコイエに突っ込まれることも。巨大化によって理性を失い暴走するが、終盤には解毒剤を投与されて正気に戻り、オコイエとタッグを組んで他の2頭と戦う。しかし解毒剤を受けたことや吸った量が少なかったからか他の2頭に比べ小柄であり苦戦する。
- 原作ではアルビノではない。
- キングコングシリーズの『コングの復讐』のゴリラも白い。
- 実在する世界的に有名なアルビノのゴリラの「スノーフレーク」へのオマージュも込められているのかもしれない。
滑空餓狼ラルフ
体高14m、全長26m、体重13.8t。
ムササビの様な皮膜で空を飛び、尻尾を振って槍のようなトゲを飛ばしたりと、ハイブリッドな進化を遂げた狼。変異による凶暴化で仲間である群れの狼達も見境なく皆殺しにしたが、シカゴで吠えかかってきた犬には同族意識が甦ったのか一吠えするだけで済ました。
両棲爬王リジー
体高18.5m、全長68.5m、体重150t。
チタンよりも固いウロコを備え、ドラゴンや恐竜の如く背中と尻尾を皮骨で武装した巨大な雌のワニ。アンキロサウルス系またはドエディクルスのような尻尾のハンマーと、イノシシまたはバビルサを思わせるような牙があり、エリマキを思わせるエラもあるので長時間の水中潜航も可能。爬虫類の成長スピードに加え、他の2頭が破損したサンプル容器から噴出したガスを吸っただけなのに対して彼女は容器ごと丸呑みしたため、3頭のなかで最も大きい。
- 原作ではトカゲのキャラクターであり、ワニのキャラクターは雄のクロックが別にいる。
ラット
冒頭にて宇宙ステーションを壊滅させた実験用のネズミ(ラット)。ヒグマ並みに巨大化しており、ラルフ同様背中の体毛がトゲ状になっている。最終的に宇宙ステーションの爆発に巻き込まれ死亡するが、直前まで脱出ポッドを攻撃し続けたため大気圏突入時に爆発し、遺伝子サンプルが各地に落下する結果になってしまった。
- 原作では、ラリー、カーティス、レットという3体のネズミ型モンスターがいるため、そのどれかだと思われる。
原作となったゲーム
映画の原作となった『RAMPAGE』は、1986年にバリーミッドウェイが販売した1画面固定アーケードゲームで、特定の建物を全て破壊しつくせば1ラウンドクリアである。3人同時プレイが可能。
映画とは異なり、ゲーム中に登場する巨大動物3体は元々人間だったという設定。
ゴリラのジョージ(原作では通常のゴリラ同様、毛が黒い)はビタミン実験により、恐竜(映画ではワニとされた)のリジーは放射能を浴びたことにより、オオカミのラルフは食品添加物により変異した生物である。
そのため、体力が無くなると人間に戻る。その際、多人数同時プレイ中ならば他のプレイヤーの操る動物に食べられてしまうことも・・・。そうなる前に体力回復する必要があり、食物や人間を食べることで回復する。
日本では、日本のメーカーによるライセンス販売はなく輸入販売のみであったため、あまり世に出回らず知名度も低い。
反面、本国アメリカでは続編も作られるほどで、Apple、Atari2600、Atari7800、Amiga、コモドール64、ZXスペクトラム、マスターシステム、NES、AtariLynx、PlayStation、ゲームキューブ、PlayStation2、Xboxなど多数に移植がなされている。