「星矢」×「異世界転生」
概要
脚本はサイトウケンジ、作画は上田信舟による『聖闘士星矢』(車田正美原作)の派生漫画作品。正式タイトルは『聖闘士星矢 冥王異伝 ダークウィング』
『チャンピオンRED』で2021年2月号から連載スタート。
公式での略称は『DW』。
公式で「異世界転生」を掲げてはいるが、主人公の時任翔一郎が死亡して冥闘士になり、エリシオンに転生した…という程度で、視点がもう一人の主人公、双子座の黄金聖闘士である時任惣次郎に移り、さらに次の事件も現代で発生するなど基本は現代の現実世界に移っており、昨今の流行のジャンルとしての異世界転生どころか、異世界要素も薄め。
作中でアテナに覚醒したカトレアが異世界に転生しちゃったみたいというセリフくらい。
どちらかといえば、本作の特徴はタイトルから推測できるように、主人公が冥闘士である点であろう。
アテナ軍とハーデス軍の聖戦が始まる中、偽神デミウルゴスの介入により歪められた聖戦を止めるべく、両陣営の一部が密かに手を組むというストーリーとなっている。
また、女性闘士が多く、冥闘士にいたっては作中でも何度か指摘されるが味方の冥闘士は翔一郎以外女性ばかりとなっている。
闘士の多くは私立グラード国際大学附属高校の生徒であったり、そこに潜入しており、明らかになっている面々のほとんどの年齢は高校生である。
舞台は街並みやスマートフォンなどが使われている点から現代と思われ、『聖闘士星矢』本編(以下無印)とは別の時空、別世界らしいことが作中でも言及されている(城戸光政の名前が出たり、カペラやジャミアンなどあまり理由なく登場している者もいる)。
一方で、アイオロスが登場。本来ないはずの無印との記憶が混濁し、死に際にはこの世界の事情自体に気付くという特殊な形で繋がりが示唆されているという謎もある。
なお、異世界転生としての一般的な要素が薄いのは前述したが、一巻のあらすじも
『普通の高校生だったオレが、事故に巻き込まれて目が覚めたらそこは冥界…。兄弟仲の良かった双子が、最強の冥闘士ワイバーンと、双子座の黄金聖闘士、宿敵に分かれて死闘を演ずることに! 衝撃の「異世界転生」星矢、始動!!』
なのだが、普通の高校生(天才ばかりの学園で相対的に普通という立場になっている)、オレ(オレも確かに使うが基本僕かつ一話連載時の同様の文章も僕)、死闘を演ずる(戦うのは3巻)と微妙にずれている。
キャラクター
各項目は陣営のトップやリーダー格以降は登場順に記載。
声優はドラマCDのもの。
主人公
前述のドラマCD販売サイトなどからダブル主人公と思われる。
アテナの覚醒と並んでデミウルゴス陣営からすれば必要だったそうだが、同時に二人して『運命を打ち砕く者』として警戒もされている。
時任翔一郎
CV:梅原裕一郎
天猛星ワイバーンの冥闘士。
私立グラード国際大学附属高校の二年生。
心優しく穏やかだが、かつて空手で相手を叩き潰すという獰猛さも持ち、本人もトラウマになり後ろ向きな性格になっている
以降はピアノに転向。そちらでも才能を発揮し、その評価でグラード大学附属高校に入学した。
月嶋夜姫に惹かれており、語学研修旅行でクルーズ中の爆発((後にデミウルゴスの『神の雷』だったことが判明)で彼女を救おうとして死亡。
その後、ワイバーンの冥闘士として目覚める。
覚醒が中途半端な状態ながらも地上や夜姫を守りたいとして戦いに身を投じ、詠斗との戦いで、これから敵と戦う以上は獰猛さに任せ逃げるのではなく、自分の意思で戦う決意をした。また、獰猛さは小宇宙の暴走やワイバーンの内なる声でもある。
一人称は僕だが、戦いを決意した時には「オレ」や「俺」に変わる。
ムッツリ。
時任惣次郎
CV:前野智昭
双子座の黄金聖闘士。
私立グラード国際大学附属高校の二年生。
翔一郎の双子の弟。幼いころから彼を気遣っていたが、同時に彼の優しさや強さに憧れており、お兄ちゃんっ子。
留学という形で修業を行い、黄金聖闘士となった。幼馴染でアテナでもあるカトレアの護衛という形で帰国。
親しいほかの黄金聖闘士たちからは優しすぎる点を指摘される程他人を気遣う性格。
アテナからも「強い愛と憎しみを同時に持つ」と作中でも言われた双子座であり、その上、双子の兄は双子座と因縁のあるワイバーンという状況に反して、歴代の双子座でも穏やかで、むしろほかの黄金聖闘士に悩まされたりもしている。
冥王軍(ハーデス軍)
アテナの攻撃(本当はデミウルゴスの『神の雷』)により冥界の民と冥闘士はほぼ全滅。以降、エリシオンに生き残りを移し、消滅した冥闘士の復活を待つ状況。
詳細は用語に譲るが冥闘士に器の人格が残り、人数も少なく、冥界三巨頭のうち一人しか自陣営に存在しないという状態で大幅に弱体化している。
後にハーデスは傍観を決めたため、実質的にはパンドラ陣営となっており、地上の支配を狙っていないことから自他ともに正義の冥闘士と冗談交じりに呼ばれていることもある。
CV:潘めぐみ
夜姫12歳の頃に彼女の弟、月嶋真宵に憑依して目覚めたが、不十分な状態での覚醒であり、真宵の性格も強く残り、冥闘士にもややフランク。
当初は冥界への攻撃をアテナによるものと考え、討とうとしていたが、夜姫の報告やモロスの存在から、自分の覚醒や聖戦がデミウルゴスとモロスの戯曲に過ぎないとして女神のアテナ同様干渉を控えることにした。
彼の覚醒が行えていないことや冥界からエリシオンへの転送などで扱える小宇宙が少なくなっている状況が現在のハーデス軍の弱体化の原因となっている。
自身が地上を支配するという方針は変わっていない様子。
こちらの二柱も覚醒が不確かで力を顕現できておらず、影として動くしかできない状況。
ヒュプノスはハーデスとパンドラの覚醒を行いパンドラに地上を託し、クロノスは自分たち双子神の権限を妨げられる神として兄神のモロスの存在を進言している。
月嶋夜姫
CV:本渡楓
今回の聖戦でのパンドラ。
パンドラとしての覚醒がハーデス同様不十分であり、冷静沈着な振る舞いをするが高圧的ではなく、冥闘士にもかつての学友という事もあり親しく接し、感情表現が苦手なだけ。
弱みを見せないようにふるまっているものの、普通の学生生活への憧れやカトレアの覚醒を望まない様子を見せ、優しい真宵や翔一郎の覚醒に聖戦の残酷さを嘆くことも。
しかし、パンドラとしての責任感も持ち合わせており、命令という形で翔一郎の戦いの後押しを行ったこともある。
パンドラの能力として荒ぶる冥闘士の魂を鎮める能力を見せた。
生前の翔一郎に惹かれた様子を見せ、冥闘士となってからも翔一郎が目覚める間の一年間も仕事の合間に気にかけていた。
翔一郎との関係はほかの冥闘士にはからかわれ気味。
時任翔一郎
天猛星ワイバーンの冥闘士。前述。
風花シャルロット
天霊星ネクロマンサーの冥闘士。
ハーデスとパンドラの覚醒の際に、ヒュプノスに連れられ同い年で目覚めた冥闘士として仕えるようになった少女。
忠誠心は高いが、同時に夜姫には友人としても接しており、彼女には普通の学生らしい生活も望んでいる。一般人を守り、自分が扱う怨霊や幽霊といった死者への敬意や優しさも持つ穏健な人物。
惣次郎とはカトレアの監視の際に接触し一度は戦うも、彼女側に邪悪な小宇宙が感じられなかった惣次郎に対し、彼女自身もあくまで冥闘士が聖闘士に倒されていることを探っていたため休戦。以降情報交換を行っている。また、自分をかばってくれたテセウスの語った世界や正義、誰かを守るという精神性に好感を持ち、互いに共感したまま別れている。
『神の雷』の際には詠斗に圧倒されるも、テセウスに助けられる。彼には助けられた身で命を投げ出すことを謝罪し、再会を希望しながらも夜姫を助けるために激流の海に飛び込み死亡。
その後、翔一郎の後に復活し、『神の雷』以降のパンドラ陣営に合流している。
戦闘シーンは多い方だが、相手が黄金聖闘士クラスなため苦戦気味。幽霊での監視など諜報的な活躍が多めとなっている。
パンドラ陣営の冥闘士としては、天霊星ネクロマンサーは無印出身でなくロストキャンバスに天霊星ネクロマンサーのビャクが登場しており、冥衣デザインもそちらから踏襲されている。
朱春風(シューチュンファ)
CV:釘宮理恵
天哭星ハーピーの冥闘士。
『神の雷』後エリシオンに転生した。
朗らかで人懐っこく、翔一郎と夜姫をサウナに誘い、フィンランドなら混浴は当たり前(場所はエリシオンだし二人は日本人だし彼女も名前からしてフィンランドとは関係ない)として恥ずかしがる二人や関係をからかうなど面白いことが好きなタイプ。
翔一郎と詠斗の戦いの最中から、自分たちを庇う翔一郎を見て彼が負けるはずがないと思うようになり、その際には「ワイバーン様」という呼称も使うようになっている。
当初は翼のみの装着と滅びの風の使用しかできなかった。
足手まといとなる自分を恥じたことで、冥衣のハーピーの冥闘士に促され自身の弱さへの怒りから憎悪の小宇宙に目覚めるが、そんな自分を心配する翔一郎に、彼にそんな顔をさせたいわけではない、共に戦いたいと願ったことでワイバーン=翔一郎のために戦う決意をし冥衣の魂と同化、全身の冥衣を纏うことに成功した。
以降はワイバーン様の一番の部下とも名乗っている。
- ハーピーの冥闘士
ハーピーの冥衣に宿る冥闘士。
自身の未熟さを感じた春風の前に現れ、彼女自身の怒りや憎しみを引き出すが、それだけでなく「怒りも憎しみもすべては我が主──ワイバーン様のためにあるべきだ」として彼の隣に立ちたいという春風と同調する。
シルエット的にも恐らく天哭星ハーピーのバレンタイン本人。
エステル・クセルクス
天獣星スフィンクスの冥闘士。
『神の雷』直後に目覚めたとのことだが、出番自体はパンドラ陣営の冥闘士の中では後発。
表情の変化に乏しく、余計な一言が多い性格と自覚しており、敬語で話すが「バリバリ」「ヤバい」など砕けた表現も混じる。
本格的な戦闘はないが、気配や小宇宙の遮断は鈴里を上回り、ヴァシリオスがある程度受けたとはいえ黄金聖闘士にも通じる技を扱うなど実力者と考えられる。
アテナ軍
アテナの覚醒が半端な状況なことを除けば物語開始時点では黄金聖闘士が揃うなど万全とも言える状態。しかし、詠斗だけでなくデミウルゴス陣営についた裏切り者の存在が示唆されている。
水鏡カトレア
今回の聖戦でのアテナ。
快活な少女で時任兄弟の幼馴染。
両親や兄とは交通事故(アテナの命を狙った襲撃の可能性があるとのこと)死に別れている。
『神の雷』でアテナとして覚醒したが、アテナからはカトレアの意思をそのままに歪んだ聖戦を止めることを託されており、知識などは不十分。
ただの女の子というベースもそのままなので、咄嗟に頭を下げてしまう、時にはだらける…と威厳は全く保てていない。
それでも皆に悲しい思いをさせたくないという思いは非常に強く、アテナとしての使命には意欲的。
聖闘士の犠牲や冥闘士との戦いも望んでおらず、特に相手が夜姫や翔一郎であったため、一時休戦となった際には喜んでいる。
- 女神アテナ
カトレアの覚醒の際に彼女と会話し、ただの女の子であるからこそ「歪んだ聖戦」を止めることができるとして、彼女の意思をそのままに託している。
後に射手座の聖衣を通じて時任兄弟、カトレア、夜姫と会話。偽神デミウルゴスの存在を伝えた。
カトレアと夜姫が規模の旗印であり、信頼できる仲間を集めるように告げる。
翔一郎にはかつて寄り添った強く気高い翼のように、黒い翼で夜姫を守るようにと託すなど別の時空の戦いを述べており、無印の戦いを経た城戸沙織と思われる。
教皇(名前不明)
教皇としてカトレアの補佐を行い、アテナ軍の指揮や潜入任務の人員選抜なども行っている。
アテナであるカトレアの性格や問題児寄りの黄金聖闘士に頭を悩ます描写が目立つ。
黄金聖闘士
時任惣次郎
双子座の黄金聖闘士。前述。
テセウス・ガヴラス
牡羊座の黄金聖闘士。
カトレアの護衛を行っていた黄金聖闘士の一人。
正義や人々を守る聖闘士としての誇りを持ち、争いを好まぬ冷静な性格。『神の雷』の際には、黄金聖闘士VS冥闘士という戦いにも、同じ黄金聖闘士でも邪悪な小宇宙を扱う詠斗を聖闘士とは認めず、人命救助をしていたシャルロットを庇う判断をしている。
そのうえで、自分の方が小宇宙でも劣ると分析しつつも、詠斗の憎悪がむしろ八つ当たりに近いと見抜き、クリスタルウォールでエクスカリバーを凌ぎ切り、反撃に転じて精神面で上回って見せた。
聖闘士としての使命を強く抱き、陣営を越えた判断もできる人物だが、女性と話すことが苦手。庇ったシャルロットにも冥闘士以前に女性という理由で話しかけないように頼んだほど。
また、シャルロットについては外見だけでなく、声や仕草、罪なき人々や大切な人の命を守るために命も賭けられる心の高潔さまで含めて美しいと強く評価、変な方向に動揺していた。
「美し過ぎるっっっっ!!!」
「おのれハーデス このような形で聖闘士の篭絡を試みるとは…!!」
牡羊座らしくジャミールで小宇宙を修行しており、超能力も持っている様子。
射手座の黄金聖闘士。
私立グラード国際大学附属高校の教師として、惣次郎とテセウスと共にカトレアの護衛についた。
惣次郎の聖闘士としての先生でもあり、共に修業した関係。
『無印』のアイオロスと同名なだけでなく、『無印』と記憶が混在。それにより苦しんでいた際に詠斗の襲撃を受け、何故か聖衣を呼び出せずに敗北し、この世界での存在自体が消滅した。
詠斗曰く、神話が始まる前に命を落とす宿命とデミウルゴスは語ったらしい。
消滅間際には、山羊座のシュラとの戦い以降の『無印』の自身の死を見て、本人もこの世界について何か掴み、惣次郎たちの運命を気にかけていた。
- サジタリウス
『無印』の銀河戦争時の姿(ガンダムっぽい見た目)。
アイオロスの死後、デミウルゴス陣営に操られており、記憶の改竄もあって12人の黄金聖闘士の一人としてカトレアの前には黄金聖闘士が揃った際に現れている。
翔一郎たちのアテナ襲撃に乗じてカトレアを狙ったが、残されていたアイオロスの魂を通じて女神のアテナがカトレアたちに語りかけ偽神デミウルゴスの存在を伝えるきっかけを生み、聖衣は元の形に組み変わった。
これによって惣次郎はアイオロスの存在を思い出している。
九頭龍詠斗
山羊座の黄金聖闘士。後述。
紅月姫
天秤座の黄金聖闘士。
カトレアの世話役。
惣次郎からはセンパイと呼ばれ、カトレアの世話や学園潜入の際にも女子生徒としての潜入を頼もうと思われるなど信頼されている。
女聖闘士であり、仮面をつけているがカトレアからスタイルがいいと評価された。
アテナから勝利ではなく「止められる」と託されたと言うカトレアの言葉を信じ、協力的な態度を取る。惣次郎同様にカトレアが緩い態度でいるのを許容しており甘やかしている。
『神の雷』の裏を気にかけ、黄金聖闘士が12人揃うはずがないのに揃っていたことへの違和感から記憶の改竄を疑っており、カトレアのことは自身も何があっても守ると決意している。
アイン
牡牛座の黄金聖闘士。
褐色肌。
クリマトーリオ
蟹座の黄金聖闘士。
酒を飲みながらトリスタンに幼馴染の三角関係でからかいに行き、冷たくあしらわれるおじさん。
獅子座の黄金聖闘士。
代々聖闘士の家系でエウラリア、トリスタンとは幼馴染。
潜入初日から女子にモテまくる爽やかなイケメンながら、アニメとコミックが好きで、作中ではジャパニーズアニソンオンリーのカラオケを披露した。
惣次郎やエウラリアに普段の振る舞いから潜入任務にはいまいち信用されなかったが、出会っただけで翔一郎がアテナを襲った冥闘士かつ三巨頭の一人と見抜き、それでいて悪意を感じないとして戦いも避け、カラオケの時も二人の冥闘士や近付く小宇宙に気を配るなど、実際は聡明な人物。
エウラリアのことは『愛しのエウラリア』と呼び、彼女に危害を加える相手を許さない一面もある。
レンゲ
乙女座の黄金聖闘士。
作中の黄金聖闘士では最年少。乙女座特有の五感については目を覆っており未来が見える。
蠍座の黄金聖闘士。
ヴァシリオスと同じく代々聖闘士の家系。紅月姫同様女聖闘士だが、仮面はない(仮面の掟の有無やそもそも幼いころから聖域にいるなどもあり紅月姫との差は不明)。普段はドレスで聖衣はアテナとの謁見の時すら装着せず戦闘のときのみ使用するが、普段の姿は仮初で聖衣を纏った際に真の姿とも呼んでおり拘りがあると思われる。
自信家だが、実際それに見合う才色兼備。気高くもあり、他者への称賛も惜しまない裏表のない人物。
その分なのか、カトレアの護衛となった際は礼儀作法を叩き込んでもいる。
ただ、女子生徒としての潜入を教皇や一部黄金聖闘士に不安がられ、それに対してアニメやコミックから日本の学生を予習済みとし、そのうえ結局は目立たないことを忘れている。ヴァシリオスと共に任務にあたる際には彼を不安がっていたが、彼女は翔一郎と対峙してもまったく不信感を抱かず、前述のようにヴァシリオスの方が気は回る方と思われる。
総じて、性格自体は大雑把な面がかなり目立つ。
幼馴染のヴァシリオスやトリスタンから好意を持たれているらしく、さらにルーカスをほぼ一目惚れさせて内面でも惚れさせるなどモテる様子。
ミーノスからは揺さぶりを兼ねてか、ルーカスが彼女の身体を支配したいと考えていたと伝えられた際には「殿方が美しいわたくしに様々な劣情を抱くなど当然」、「わたくしを手に入れるために切磋琢磨する姿勢こそが美しい」と発言しており、自覚はあるらしい。
作中では黄金聖闘士ではトリスタンから託された策でグリフォンの撃破という金星を挙げており、二度の戦闘で別々のスカーレットニードルのバリエーションも見せるなど活躍気味。
なお、見た目はお嬢様キャラなのだが同時に豊かな金髪は原作ミロと通じる点でもあり、誕生日も一緒など若干共通点がある。その差別化なのか大きな赤いリボンを装着前後でもつけている。
トリスタン
水瓶座の黄金聖闘士。
ヴァシリオスやエウラリアの幼馴染。
アテナとの謁見の際のセリフやエウラリアに対グリフォン用の策を授けたことから頭脳派らしく、天才を自称する。実際、エウラリアのグリフォン討伐は彼の策の存在が大きい。
クリマトーリオからは、ヴァシリオスとはエウラリアを巡る恋のライバルであり、三角関係であることをからかわれているが実際にそうかは不明。
アルフリード
魚座の黄金聖闘士。
魚座の聖闘士らしく薔薇を持つ。カトレアの護衛についた際には紳士的な対応を取っているという。
白銀聖闘士
聖域に報告に現れた聖闘士。
冥界三巨頭の小宇宙が見られた学園の監視を続けていた。自身の監視に気付いたシェディムに先に仕掛けるが生身の彼に聖衣を砕かれ敗北し全身複雑骨折。
要するにかませ犬だが、一般人の被害を避けるために黄金聖闘士級と理解しながら挑み、必殺技の解説もされるという地味に見せ場でもある。
偽神デミウルゴス陣営
地上も冥界も滅ぼして天上界も消し去る目的で動き、語学研修旅行での事故も『神の雷』として彼らが起こしたもの。
冥界への攻撃だけでなく翔一郎の死やアテナの覚醒も狙い、才能あるものの死とそれによる運命の支配も目的だった。
翔一郎、カトレア、惣次郎が強くなることを望んでいる様子。
黄金聖闘士や冥界三巨頭までも自陣営に引き込んでおり、独自の闘士、戯闘士も持つ。
偽神デミウルゴス
ハーデスも知らない神。
魂の輪廻を操り、地上も冥界も滅ぼして天上界も消し去ることを目的としている。
モロス
死を支配し、定義する神。双子神の顕現の妨害や冥闘士の覚醒を行っている。
ジュリアス・グリフィン
学園の中でも文武両道でトップクラス。次期生徒会長であり、強大な小宇宙の持ち主。
詠斗に語り掛ける影など彼がデミウルゴスと直接関係があると思われる描写も多いが…・
沖野鈴里
地狗星ライラプスの冥闘士。
ジュリアスに仕える。迅速の刃の持ち主。
真面目な性格だが同時に余裕もないと思われる描写が増えており、ジュリアスに面白そうだからとエステルとヴァシリオスのカラオケに巻き込まれており、マイペース気味な両者の戦闘にも動揺、聖衣側の眼もデフォルメされるなどギャグ描写にもなった。
本作オリジナルの冥闘士。
九頭龍詠斗
山羊座の黄金聖闘士。
本来の性格も一人称が僕で翔一郎を尊敬する素直な少年だったが、翔一郎が試合で攻撃性を見せて倒したことで復讐を決意する。
強さを求めデミウルゴス陣営についており、憎悪に満ちた小宇宙を纏う。
そして、翔一郎を自身のエクスカリバーで殺すことを目的としている。
ちなみに翔一郎が冥闘士として目覚めることはデミウルゴス陣営でも全く知らず、死んだ際には強さを求める理由を失い落胆していた。つまり、一般人でも構わずに命を狙っていた可能性が高い。
怒りに満ちたエクスカリバーで押し切る力任せな戦闘スタイル。
しかし、翔一郎がかつて苦戦した彼の強さは冷静な受けや捌きであり、そのために翔一郎は一方的に叩き潰すという選択しかできなくなった。実際のところ戦闘スタイルとの相性があまりよくなく、タイマンでは苦戦気味。
デミウルゴスの力を頼り、翔一郎が庇うのを承知で夜姫たちを狙うという卑劣な策を行い、その上敗北後もデミウルゴスに支援を求めるというどの神の闘士とも認めらない敗北を見せた結果、デミウルゴスからは見放され、聖衣の装着も解除された。
最後は一人称が僕に戻りながら、翔一郎にとどめを刺すように頼むがそれも叶えられずその場に残されている。
水鏡マツリ
天雄星ガルーダの冥闘士。
カトレアの兄。ジュリアスの小宇宙を恐ろしくも禍々しいと評した詠斗が、あまりにも圧倒的とさらに評価し動揺するほどの荒々しい小宇宙の持ち主。
シェディムから様付けで呼ばれ、ジュリアスとも対等に話すなどジュリアスに並びリーダー格としての扱いを受けている。
シェディム
“剣王騎”の戯闘士。
スーツ姿の男性。
正面から挑む相手を拒まないという騎士道を掲げる。
戯闘士最強の騎士でありライトニングプラズマと張り合って見せた。
初登場時とは髪型が変わっている。
セイリム
“宝王騎”の戯闘士。
学園の制服を着る女性闘士。
魔女を自称し、裏から画策することを自身の騎士道と呼ぶ。
仲間の分断や誘きだすためにグリフォンの覚醒を行うなど様々な手段を取る。
その他
久我山マサキ
翔一郎がトラウマから離れていることは気にしつつも、終生のライバルと指摘にかけている。
天貴星グリフォンの冥闘士。
ネクロマンサーのシャルロットの姿を見て、自分の知るハーデス軍ではないと判断し、夜姫たちには反旗を翻した。
あくまで現在のパンドラに従う気がないだけで、ハーデスへの忠誠は持ち合わせている。
自身の影響を受けて歪んだルーカスの望みとしてエウラリアを傀儡とするべく交戦。
しかし、既に対策を練っていた黄金聖闘士たちによってアンタレスまで喰らってしまい、魂すら危うくなったことで冥衣となり敗走。夜姫たちの小宇宙を狙う。しかし、その姿はグリフォンの信念もハーデスへの忠誠も欠けた闘士らしくない姿として、夜姫とシャルロッテに返り討ちにされ、夜姫に鎮められ彼女を「パンドラ様」と呼びながら眠りについた。
偽神デミウルゴス側ではないが、冥衣を通じて最も荒々しく冷酷なグリフォンの記憶を召喚するという歪な形で目覚めさせられ、間接的に彼らの策に利用されていた。
ルーカス・ハーゲン
本番では固くなってしまうため賞はとったことがないが、翔一郎やエウラリアも高く評価するピアノの才能の持ち主。翔一郎にとってはピアノに逃げた自分に話しかけてくれ、同じ先生から学んだ兄弟子。
エウラリアには一目惚れに近く、その上自分が彼女を思って作った曲の解釈も的確に言い当てられ、素敵な人だと惚れこんでいる。
彼女のような本来ならば手が届かない存在にも手が届くとミーノスの影響も受けて歪んだ願望となったらしい。
用語
『無印』から追加された設定や本作独自のもののみ
私立グラード国際大学
附属小学校が存在しており、メインキャラクターの多くは附属高校に通っている。
あらゆる才能の特待生を集めている学校。
実は小宇宙の持ち主を集める学校であり、両陣営の訳ありも融通が利きやすいとのこと。
城戸光政が生前創設したことが言及されている。
冥闘士
幽霊(ゴースト)よりも幻影(スペクター)と例えられる。
ハーデスの覚醒が半端な状況のため、冥闘士の復活は才能を持った死者に『星魂』を宿して復活させるという本作独自の手段を取っている。シャルロットの例から既に目覚めた冥闘士ならば同じ人間として蘇ると思われる。
空手の筋肉が落ちた翔一郎の肉体を筋肉質にするなど器を作り替える冥闘士としての特性はあるものの、本来の同じ魂での復活が行われず、器となる人格はそのまま残っている。
特に翔一郎は使命への理解すらない状況だった。
また、宿る意思は先代だけでなく時空や次元を越えるとも考えられている(これについては聖衣も同じらしい)。
翔一郎や春風は宿る魂の存在を感じ取っており、作中描写や扉絵からして彼らの場合は『無印』のものと思われる(本作の冥闘士はほとんど女性の都合上かつての冥闘士と性別が違うが、冥闘士として作り替えられると本来この辺りがどうなるかは作中でも不明)。
復活のスピードは遅れており、作中のハーデス軍の冥闘士は翔一郎以前に目覚めたのが17人、その後復活した翔一郎とシャルロット、もう一人なので総勢20名。なおかつ、冥闘士はモロスの手によりデミウルゴス陣営に既に何名か引き抜かれているらしく、黄金聖闘士クラスの冥界三巨頭がグリフォンは実質別戦力として暴れ、翔一郎たちは知らないがガルーダは既に覚醒の上裏切り済みとかなりの弱体化をしている。
戯闘士(クラウン)
デミウルゴスの闘士。各陣営から裏切った面々もデミウルゴスの闘士としての扱いを受けているので差はないと思われる。
四騎士と言われ、登場した二名が各々の騎士道を掲げている。
ドラマCD
チャンピオンRED創刊19周年の特別付録で一巻の内容を元にドラマCD(現在はdlsiteでダウンロード販売https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01226036.html)となった。
声優陣はキャラクターの項目に記載する。ナレーションは杉田智和