概要
同一人物が、参加する作品や活動において、ペンネームや芸名など普段名乗っている名前とは異なる名前を使うこと、また別の名前そのものを指す。
主に芸能人や各種クリエイター、アーティストなどの名義を指す。
事情は様々だが、「本業とはイメージを変えたい、名前から先入観を与えたくない」、「仕事の契約の都合や本業との兼ね合いで普段の名前が出せない」、「ドラマやコント、番組の企画などの『役柄』として名乗っている(アニメなどのキャラクターソングも含まれる)」、「複数人の共同ペンネームやゴーストライターなど、個人名を出せない事情がある」などの実例がある。
もちろん、特に深い意味はなく、なんとなく変えてみたという場合や、期間や場所を限定したネタで変えていることもある。
ほかにも、名義を完全に変更して活動を続けていても、旧名義とは大人の事情で別人扱いになっているため実質別名義になっているケースがある。
以下に、一般芸能人、作家や漫画家など出版関連、声優の「別名義」について実例ととも紹介する。
芸能人の場合
- 別分野での活動にあたって名称を使い分ける
- 芸人などが架空のキャラクターとして別人を演じ、舞台以外でもその名前を使っている
- グループ内での名義と、本人たちのソロでの活動名が別
- 歌舞伎役者や落語家など、本人の元の名前とは別に過去の人物の芸名を襲名して使っている。
- 香川照之(本名、俳優)と九代目市川中車(歌舞伎役者として)
出版、エンタメ関連
- 覆面作家など、特殊な事情が存在して本来の名義を出せない場合。
- 共同ペンネーム
- 作品の方向性に合わせて、性別や国籍を別人のように装う
- 『HARAKIRI』のJ.S.スタインバーグ(宮路武)や『ゾイドバトルストーリー』のロイ・ジー・トーマス(立山誠浩)等。
- 活動内容や分野による使い分け
- 他の仕事との兼ね合い、契約上の都合
声優の場合
アダルト作品での別名義
一般向け作品を中心に活動している声優が、いわゆるエロゲや、R-18のドラマCD、OVAなどに出演するときは、別名義を使うのが大半である。また、その逆の場合でも同様である。
この場合、アダルトにおける名義は裏名や裏名義、源氏名、場合によっては生き別れの双子(声はよく似ていても名前が違うので「きっと双子なのであろう」というジョーク)と呼ばれることもある。
裏名が使われる理由としては、既に担当している仕事の契約の都合や、各人が所属する声優事務所などの意向で「声優のパブリックイメージを守る」という側面が大きい他、未成年(特に小さい子供)の視聴者・プレイヤーが多いような作品に出ている声優の場合、彼らが出演作を調べたときに18禁作品にたどり着かないようにするための配慮であるとされる。
ただし、濡れ場の演技がないときや、出番自体が少ないゲスト扱いの時は変えずに出演する場合はあり、例えば『恋と選挙とチョコレート』の緒方恵美などが挙げられる。
さらに、一条和矢や山口勝平、緑川光のように、子供向け作品に(レギュラーで)出ていながらアダルトでも名義を変えないという強者もいる。
声優によっては一般⇔アダルトというだけでなく、作品ごと、会社ごとに変更して10以上の名義を持っている場合もある。名義ごとに演技の方向性を変えたり、メディアへの露出度を変えたりして、完全に別人として振る舞うことも少なくない。中には、全年齢向けにメディアミックスがされてもそれ用の名義を新たに使ったり、裏メインの人が表用の名義を使うこともある。
ただし、演技は変えることはできても、声質は変更が困難であるため声優ファン、特にダメ絶対音感と呼ばれる「声優の声質を完全に聞き分けることのできるファン」の前ではバレバレであり、またそれらの作品の全年齢版が制作される場合は表の名前に戻すことがほとんどであることから、本人たちが公表していなくてもその事情を察することは難しくなく、前述の通り若手を中心とした昨今は同一名義での活動も徐々に伸長状態にあったり、中には元々の芸名や過去に演じた役にちなんだ裏名にしていたり、顔出しでイベントに出ていたりなど、本人があまり隠す気がないこともある。
しかしながら、裏名を無闇矢鱈に詮索し、おおっぴらに話すのはマナー違反であるため、たとえば別作品に出演している際に「あの作品に出ていた○○(裏名)だ」と騒ぎ立てるようなことは控えるべきである。
もしどうしても気になるという人は一人でひっそり検索してください。ちなみに、表の名義で調べたはずがサジェストでうっかり裏名義が出てきてしまうこともある。
一般作品の別名義
兼役で別名義が使われることがあり、特にメインキャラを担当している声優がモブ、ゲストキャラを兼任する際に使われることが多い。
有名なものでは『ONEPIECE』の麦わらの一味の声優が使う「粗忽屋」というものがある。他にも『金田一少年の事件簿』では小杉十郎太の「杉田鏡一」、森川智之の「烏賊杉八郎太」、小野健一の「菅生六之進」などの変名があった。
また、元のキャラクターが変装している、別人として振る舞っていることを演出するため、声優自身も別名で登場することがある。例えば、上述の『金田一少年の事件簿』では、百々麻子がある回で別名で出演している。
蒼月昇のように本人の意向で上記とはまた別の理由で使われたものもある。