大赦
たいしゃ
神世紀の四国を守る神樹を祀る組織。四国の統治も行っており、作中では元老院という政治中枢と思われるものが登場している。
バーテックスに対抗するため、勇者システムを開発・導入し、勇者を送り込み支援しているのも大赦である。そのため、総理大臣をしのぐ権限を持つとされており、その気になれば中学生を留年させることも可能らしい(園子が言っただけなので、本当かどうかは謎)。
すなわち神世紀時代の四国は、大赦の意向が各所に影響する宗教国家にして、バーテックスの脅威を背景に300年もの間事実上の戦時独裁体制となっていたことがわかる。
組織
職員は複数の伝統ある家系と神官が中心となって構成されており、設定上は乃木家と上里家がツートップを成す。神官は全員がメイン画像にあるマークを描いた仮面で素顔を隠している。
勇者を支援するとは言っても、それは最優先目的である人類の生存圏維持のためであり、目的のためには非情な処置も辞さない組織の冷徹な面が、物語の各所で見え隠れする。
組織全体の勇者に対する方針が世界を救う(維持する)ための生贄というものであり、巫女、防人らに対しても、その基本方針は変わらない。
徹底した秘密主義を取っており、勇者の詳しい活動内容については勇者自身にも口出しを禁じており、それを知った者は大赦に消されるという噂まで流れているほど。バーテックスの存在や四国以外の世界の状況が隠されていたのも大赦の意向と思われる。書物も例外ではなく、例え勇者が記した『勇者御記』であっても重要機密に関わる部分は容赦なく検閲で塗り潰している。
組織の詳細そのものが謎に包まれている事に加え、指導者や幹部といった存在が作中に一切登場しない(それらしき人物は元老院のシーンで一応登場している)事、先述したように神官が仮面で素顔を隠している事も、謎めいた雰囲気に拍車をかけている。
この秘密主義によって、世間に共有されるべき情報や資源を独占する形体が良しとされてしまっており、未来ある少女達を平気で犠牲にして己らが生き永らえている搾取的な構図が構築されているといえる。
それに加えて、複数の名家の同族経営による実質的な組織の私物化が行われている節もある。乃木家当主に至っては、己の一族に過度な義務感を背負わようとする意向によって、秘密主義を後押しする言動をしたこともある。
とはいえ神官であっても、その姿勢に疑問を抱く者は少なからずいる。
また信仰心の強さが仇となったのか、神樹に選ばれた存在たる勇者達の反抗など想定すらしていなかった節がある。そのため、満開の大きな代償を勇者達に隠して戦わせていた事で複数の勇者の暴走や反抗を誘発させてしまうと手も足も出ない状態に陥ってしまい、勇者達自身に解決を任せるしかなかった。
ただし彼等は決して私利私欲で動いているわけではなく、全ては神に対する厚い信仰心と人類の未来のことを最大限に考えてのことである。実際、神樹の教えである“人に優しく”を広めた甲斐あってか、「極悪人は存在を疑う感じ」「基本はみんな大らかで優しい人ばかり」になっている事が『花結いのきらめき』のコラボイベント「Timeless_Friendship」で語られている(ただし『勇者の章』での描写から犯罪者がいない訳ではない様子)。
世界のために少女達を犠牲にしてしまったのも、彼らなりに最善を尽くして尚そうするしかなかっただけという結果論であり、選択肢がなかったのは彼らも同じなのだ。勇者達も過去の勇者達の行いからそれを知った事で、『勇者の章』以降は大赦に異を唱える事こそあれど咎めるような真似はしていない。『楠芽吹は勇者である』によれば、真実を隠した結果として悲劇を起こしてしまった事は身に染みたようで、奉火祭の生贄や神婚の依頼の際は可能な限りの事を伝えている。
ちなみに、このような謎めいた組織ではあるが総合窓口が存在し、専用のメールアドレスもあるらしい…が、肝心の窓口の存在を知らない勇者もいた…これは『花結いのきらめき』のお正月イベントで初めてその存在が明らかになったのだが、園子にメールを誤爆されている(しかも夏凜の晴れ着写真付き)。
その1周年記念イベントでは、さらにダンスホールも所有している事が判明している。
花結いの章27話で語られた所によると、大赦の職員もまた神樹の世界へ招かれており、その結果「いろいろハッチャけた」らしく職員向けの季刊誌まで発行するに至っている。
また、花結いの章24話では、勇者達が大赦から支給されたクレジットカードを持っている事も判明している。
ゲームシステムとしては、2018年1月のアップデートで「大赦ポイント」という要素が追加され、戦闘でたまったポイントに応じてアイテムやカードと交換できるようになっている。設定上はアイテムやカードは大赦が用意しているらしい。1ヶ月で稼いだポイントはリセットされるので、ご利用はお早めに…
『大満開の章』では「スーパーTAISYA」なる店が存在する事が判明している。スーパーの運営もしていたのか…?(国営企業みたいなものと考えれば不思議な事ではないが)
組織のモデルとしては、詠唱する祝詞や友奈の携帯に表示された「大赦ほんちょー」などから出雲大社教と神社庁(神社本庁)だと思われる。宗教の種類としては神道系であるらしいことが、物語各所の描写から読み取れるが、勇者システムのある用語のように仏教の影響も一部に見られる。
西暦の時代は「大社」という名で活動していた。
ちなみに、現実の「大社」というのは出雲大社(地の神側)や春日大社(天の神側)に代表されるように、著名な神社の総本社のような場所である。一方で本来大社と自称できるのは出雲など極一握りの神社で、諏訪大社(地の神側)などを始め、全国の大社は大社号を自称するようになってからそれほど経っていない。また一部例外を除くと地の神・国津神が祀られる神社は「大社」、天の神・天津神が祀られる神社は「神宮」と呼称されることが多い。
これを踏まえると、元々政治とは無関係な宗教家であった神官一族が四国の政治運営に参画し、神樹の存在をバックボーンにして絶大な発言力を有するようになったとも考えられる。
西暦時代は勇者やバーテックスの存在が一般にも知られているなど、事情が違う事もあり、神世紀時代ほど秘密主義な組織ではなかった。また、コミカライズのオマケでは「食べて勝つ」という戦意高揚メニューとして「バーテックスまん」なる中華まんもどきが考案されていたことが語られており、友好的な方向からも人心を集めようとしていた模様(ちなみにこのバーテックスまん、うどんの国の国民性が炸裂した結果「中身の具がうどん」という炭水化物×炭水化物メニューと化し、企画倒れに終わったらしい)。
ただ、人々の不安を煽るまいと情報操作を行ったり、勇者の神秘性を保ちたいという名目である勇者の存在を隠蔽しようとした等、この頃から秘密主義の姿勢が見え隠れしている。
西暦の戦いの終結時に、安芸真鈴ら有力な巫女達を率いて事実上の革命を起こし組織改革に着手した上里ひなたによって現在の名に改められる。これには、ほぼ降伏に近い形での和睦で人類の命脈を辛うじてつなぐことができたことから「敵に人類の存続を【赦】された」という屈辱を忘れないため、という意味合いがあった。
しかし、長い時の中でその改名の意味が薄れ、組織が硬直化・劣化していく可能性はこの時点から危惧されていたことが、後に女性神官のひとりの口から語られている。
そして、大きな秘密を守らなければならないという掟が形骸化したまま受け継がれ、300年という長い時間で隠蔽体質の強化に繋がり、歪になっていった。
なお、神官が被る仮面はまだこの頃には見られない。いつ頃なのかは不明ながら少なくとも大赦に改められて以降に用いられるようになったのがわかる。
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過去の考察が見つかったので載せておきます。 のぎゆ以前のものなのでその時代の情報は含んでおりません。 (ツイート貼り付けなので文が少し変かもしれませんがご了承下さい) 実はきれもゆ的にもかなり大きな考察なので先の展開を少し予想している 方の参考にもなればうれしいです。 ※きれもゆHPはこちら→http://www.kiremoyu.com/ ※各話へのリンクはこちら http://kiremoyu.com/#!story/c1p9k4,501文字pixiv小説作品 - 草凪朱音-ガメラ-の勇者御記~戦姫と勇者の二重奏XDU外伝~
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