概要
本名:平尾勇(1937年12月24日~2017年7月21日)
日本の歌手、作曲家。ミッキー・カーチス、山下敬二郎とともに「ロカビリー三人男」として人気を博した。
歌手として『ミヨチャン』や畑中葉子とのデュエット曲『カナダからの手紙』などでヒットを飛ばす一方、作曲家として『よこはま・たそがれ』(五木ひろし)、『瀬戸の花嫁』(小柳ルミ子)などを手掛け、ジャンルを問わず活躍した。
来歴
1937年12月24日、東京市牛込区(現在は東京都新宿区)に誕生。
1945年、藤沢市(神奈川県)に転居。湘南学園小学校に転入。
1953年、湘南学園中学校に進学。ジャズ教室に通う。
1957年、慶應義塾高等学校を中退し、チャック・ワゴン・ボーイズ(その後オールスターズ・ワゴン)に入る。ジャズ喫茶「テネシー」に出演した際、渡辺美佐(渡辺プロ社長)と井上梅次(映画監督)にスカウトされ、渡辺プロ入り。同年に公開された映画『嵐を呼ぶ男』(監督:井上梅次)に出演。
1958年1月、『リトル・ダーリン』(キングレコード)でソロ・デビュー。3月にリリースしたエルビス・プレスリーのカバー『監獄ロック』はヒットしミッキー・カーチス、山下敬二郎と「日劇ウエスタンカーニバル」で活躍し、「ロカビリー三人男」として人気を博した。7月にリリースした『星は何でも知っている』も大ヒット。
1960年、『ミヨチャン』が大ヒット(1969年にザ・ドリフターズが『ミヨちゃん』としてカバー)。
1965年、拳銃不法所持で逮捕。平尾がハワイから持ち帰り、帰国後「日頃、興行でお世話になっているから」と複数の暴力団組長にプレゼントした。『おもいで』がヒット(1966年に布施明がカバー)。作曲家として『霧の摩周湖』(布施明)、『愛するってこわい』(じゅん&ネネ)、『渚のセニョリーナ』(梓みちよ)などをヒットさせた。
1968年、結核を患い、結核療養所だった健康保険岡谷塩嶺病院に入院。これを機に作曲家としての活動に重点を移す。
1969年、2度にわたる大手術を経て、およそ1年の入院の末に退院。以降、肺疾患が慢性化した。
1971年、曲を提供した『よこはま・たそがれ』(五木ひろし)、『わたしの城下町』(小柳ルミ子)などがヒット。
1972年、曲を提供した『瀬戸の花嫁』(小柳ルミ子)などがヒット。『必殺仕掛人』(朝日放送)のOP・EDの作曲を手掛ける(以後、1977年の『新必殺からくり人』まで『必殺シリーズ』のテーマ曲を手掛ける)。
1973年、曲を提供した『夜空』(五木ひろし)、『草原の輝き』(アグネス・チャン)などがヒット。
1974年、曲を提供した『星に願いを』(アグネス・チャン)などがヒット。平尾昌晃音楽学校(現・平尾昌晃ミュージックスクール)を創立し、狩人、畑中葉子、川島なお美、石野真子、松田聖子、川崎麻世、大沢逸美、森口博子、芳本美代子、倖田來未などを世に送り出した。
1978年、畑中葉子とデュエットした『カナダからの手紙』がヒット。『熱中時代』(日本テレビ)第1シリーズの主題歌『ぼくの先生はフィーバー』(原田潤)、『銀河鉄道999』(フジテレビ)の主題歌『銀河鉄道999』(ささきいさお・杉並児童合唱団)、『コメットさん(大場久美子版)』の主題歌『キラキラ星あげる』(大場久美子)の作曲を手掛ける。
1979年、『レッツゴーヤング』(NHK)で1年間司会を務める。『熱中時代・刑事編』(日本テレビ)の主題歌『カリフォルニア・コネクション』(水谷豊)の作曲を手掛ける。『必殺仕事人』(朝日放送)のOP・EDの作曲を手掛ける(以後、1982年の『必殺仕事人Ⅲ』まで『必殺シリーズ』のテーマ曲を手掛ける)。
1980年、『熱中時代』(日本テレビ)第2シリーズの主題歌『やさしさ紙芝居』(水谷豊)の作曲を手掛ける。
1984年、川口オートレース場のテーマソング『ぶっちぎりの青春』(ささきいさお)の作曲を手掛ける。
1985年、『必殺仕事人Ⅴ』(朝日放送)のOPの作曲を手掛ける(以後、2009年の『必殺仕事人2009』まで『必殺シリーズ』のテーマ曲を手掛ける)。
2003年、紫綬褒章受章。
2005年、自主レーベルのHMSレコードを立ち上げ、平尾昌晃ミュージックスクールの優秀な生徒をデビューさせた。
2015年、肺癌が判明。体力面を考慮して手術は回避。
2017年、5月から約1か月入院。7月に肺炎の疑いで再度入院。7月21日、容体が急変し死去(満79歳没)。年末に第59回日本レコード大賞特別功労賞が贈られた。