概要
1965年のシリーズ第1作から1980年の昭和シリーズ完結までの8作(というか大映が倒産するまで)に登場する。
古代アトランティス大陸に生息していたという下顎から突き出した大きな牙が特徴の巨大な亀。
『宇宙怪獣ガメラ』(というかパラレル世界を舞台とするダイジェスト版)に登場するのは別の個体とされ、しかもどうも元はただのミドリガメだったようで、正義の宇宙人の力によって勝手に怪獣にさせられたのだとか(この世界では商用キャラクターとしてのガメラが存在する)。この個体は、宇宙海賊ザノンの船に特攻して消息不明になったとされるが、とある漫画ではアトランティスの技術を利用して蘇生され、徳間ガメラの姿を手に入れ、歴史改変のために過去に送られたとされている。
データ
身長 | 60m |
---|---|
全高 | 不明 |
体長 | 不明 |
甲羅長径 | 不明 |
甲羅短径 | 不明 |
体長 | 不明 |
重量 | 80t |
年齢 | 約8,000歳(『宇宙怪獣ガメラ』での個体は不明) |
飛行速度 | マッハ3(宇宙空間ではマッハ50以上)※ |
水中潜航速度 | 150ノット |
歩幅 | 20m |
出身地 | 古代アトランティス大陸 |
好きな食べ物 | ミサイルや核燃料、石炭や石油、雷なども含む、ありとあらゆる熱エネルギーやそれを発生させる物質 |
嫌いなもの | タマネギ、ニンジン |
趣味 | モンキーダンス |
能力 |
※厳密な最高速度は不明。『ガメラ対大悪獣ギロン』にて言及されている。
特徴
核兵器搭載機の墜落によって北極の氷の中(初代ガメラの劇中ではアトランティス大陸は北極にあったということになっている)から覚醒し、(たぶん腹を空かせていたので)日本へ上陸して暴れまわる。
寒さに弱いとされるが、北極で冬眠していたことと、宇宙空間にも平気で耐えるので、あくまでもバルゴンの冷凍攻撃のレベルに弱いということだと思われる。
後年では完全に子供たちの味方、正義の怪獣となるガメラだが、この時は徹底的に街を破壊し、逃げ遅れた人々を火炎噴射で焼きはらっている。しかし、この時点でも子供にだけはなぜか優しいのであった。しかしいくら子供には優しいと言ってもあまりにも暴れまくるため、人間側の作戦で火星行きロケットに乗せられて宇宙に追放される。
が、『ガメラ対バルゴン』冒頭でロケットが偶然隕石と衝突、脱出したガメラは自力で地球まで帰ってきてしまった。地球に帰ってくるなりまたしても暴れ出すのだから困りものである。だがこの際は敵のバルゴンが実質的な主役だったため、ガメラの出番は少なめで、最終決戦でバルゴンを倒した後はどこかへと去っていった。
その後『ガメラ対ギャオス』で子供の味方という描写を決定づけ、人間には敵意を示さなくなる。
これ以降はほとんどの作品で「子供の味方」「人間の味方」というスタンスが明確に作中に表れており、人間社会に害を為す怪獣や宇宙人から子供たちを護るために戦うようになる。
なお、たまたま(という名の大人の事情または別の何か)だが黒部ダムを三回も破壊している。
裏設定
ガメラが恐ろしい怪獣として描かれた『大怪獣ガメラ』や『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』の初頭でも、後年に出版された書籍には以下の裏設定が掲載されており、ガメラも人間の被害者だったとも言える部分がある。
- ガメラは人間に誤解され続けた
- 巨大さ、見た目、子供が好きだったり人間を助けようとするため人間に近づく、人間にとっての生命線である熱エネルギーや電気や原子力などを食糧源として好む。
- 人間だけでなく、動物や悪でない怪獣も助ける
- ある日、氷河期だったこともあり、エネルギーが不十分なだけでなく寒さが苦手にもかかわらず、ガメラは子供を災害から助けるために北極圏に向かった⇒体内の熱エネルギーがかなり低下していたので付近に火山を探したが見つからず、アトランティスのエネルギーを欲した⇒アトランティス側からしたらガメラはエネルギーを奪う「害獣」である⇒ガメラはあまりにも強すぎるし、兵器で攻撃しても逆に熱エネルギーをもっと欲しがる⇒(第一作の「Z計画」と同様に)隔離・封印することに決定⇒ガメラを氷原におびき出して罠を発動、巨大な氷の落とし穴に封じてさらに上から氷を投入した⇒すでに空腹状態だったガメラは氷によってさらに熱エネルギーを奪われて、氷が北極圏の弱い太陽光を遮り近くに火山もないために回復もできず、氷河期の気候がさらに状況を悪化させた⇒ガメラは8000年間も空腹状態にあり我を忘れるほどの飢餓状態にあった。
- 核爆発によって氷から脱出できたガメラは、核爆発のエネルギーで少し回復し、この時代の人間の技術力を察知したのと、空腹に耐えられずに付近の船を熱エネルギーと電気を吸収するために襲った。
- 人類を襲ったのも人間を攻撃していたのではなく、街を攻撃して火災や爆発や漏電などを起こしてエネルギーを摂取するためであり、兵器からも熱エネルギーを摂取するためにわざと暴れて自衛隊や各国の軍隊をおびき寄せた。
- 『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』で黒部ダムを襲ってエネルギーを摂取して一息つき、『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』を経て飢餓状態から解放されて本来の穏やかさを取り戻したので、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降は積極的に人間を助けに現れる様になった。
- 『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』でも、本来はバルゴンに凍らされた人間を助ける場面が予定されていた。
身体機構
最大の特徴である甲羅は現実のカメと違って無数の鱗で覆われており、腹は網目模様になっている。顔つきは眼が虚ろで見ようによってはのんびりとした印象だが、一方で鋭い頭の形や牙の並んだ口は凶暴な印象を与え、独特な雰囲気を醸し出している。
二足で立って歩くこともあるが、どちらかというと前足を地面につけて四足バルゴンとの対決では珍しい四足同士のバトルを(部分的に)繰り広げた。手足はそれほど大きくなく弱々しさを感じさせるが、実際には怪力で、ジャイガーなど自身と体重差の大きい相手でも楽々と投げ飛ばせる。
また、重力の異なる別惑星上とは言え、体操のオリンピック選手に匹敵するウルトラC級の技を見せるほど身体能力が高い。
顎の力も強力であり、バルゴンを琵琶湖に、ギャオスを富士山の火口に強引に引きずり込んでいる。
手先も器用らしく、物を掴んでそれを振り回したり投げ飛ばしたりといった芸当も可能。
時にその丸い体を利用して自ら車輪のように転がって相手に体当たりをしかけることもある。
知能は非常に高く、人間の兵器や構造物の用途を瞬時に理解して効率的に使用し、さらには宇宙船を修理したり人間の言語をも聞き取れると思しき描写もある。
なお、血液は緑色なのに目が赤く充血しているのは理由が不明。
口から吐く巨大な炎が最大の武器で、この炎は水中や宇宙空間でも燃焼し、優れた文明性を持つ宇宙人の円盤を数秒で破壊するなど有効打となる条件さえ揃っていればかなりの威力を発揮する。
威力は調節が可能らしく、火力を弱めることで溶接用のバーナー代わりにする描写もある。
資料によっては、火炎噴射は熱線であり、甲羅から電撃を発し、手足の爪には敵を痺れさせる毒があるともされている。
手足を引っ込めた穴から炎を猛烈に吹き出して浮上・飛行することが出来、さながら円盤のようにマッハ3の速度で飛び回る。また、足部分からの噴射のみでも速度は落ちるが飛行可能。宇宙空間では亜高速にまで達する(なお、足のみからの噴射のジェット飛行が生まれた経緯は要は火薬の節約であった。そのため、初披露作品ではごくごくわずかな戦闘の補助的な使用のみで使われた)。
体重80tだが、なんと5万tの船を持ち上げて投げる事ができるとされている。つまり体重の数十倍の物を持ち上げる怪力を持つ。
好物もまた炎で、燃え盛る炎を口から吸い込んだり、石油や石炭など燃えそうなものを好んで食べる。熱エネルギーを含むものならほぼ何でも吸収の対象であり、ミサイルや原子爆弾の熱、果ては敵の放つ破壊光線すら好物に含まれるが、そういったものには貪欲な所もあり、他に目的があってもをそれらを見つけるとたちまち意識を持って行かれてしまう(ジャイガーの復活を阻止しにきたのに、近くの火山の噴火にたまらずホイホイされていってしまう→ジャイガー復活)ことから、もしかしたら集中力というか食欲への耐性が低いのかもしれない。
鉄よりも強い細胞組織を持つとされ、惑星間の移動も難なくこなすなど過酷な環境にも耐え、長時間、水中や宇宙空間などでも無呼吸で活動ができる。生命力も非常に高く、腹部を貫通されても相手になお挑みかかる。
弱点は低温で、劇中でバルゴンの冷凍液に敗北した際に「冷たい温度に弱い」と言われており、自衛隊の冷凍爆弾を受けた時も短時間活動を停止しているが、自然解凍しただけで復活できる。
怪獣シリーズの主人公にふさわしい能力を持つが、一方で大きさの割に妙に体重が軽い。身長2mまで縮めると立方根でたったの3Kg。計算上、紙で折った同じ大きさの折鶴より軽い。この身軽さも体重の軽さによるものかもしれない。
一方ではタマネギとニンジンが嫌いであるとされる(公式プロフィール)。
ただし、これは子供と共有できる感覚を持っていることの表れでもあろう。
関連タグ
昭和ガメラ:作品についてはこちら。
ヨンガリ:親戚的な存在。