楽曲情報
作詞:秋元康
作曲:杉山勝彦
編曲:石原剛志、杉山勝彦、麻尾悠太
概要
『歩道橋』は、乃木坂46の37thシングル。2024年12月11日発売。同年11月10日24時より先行デジタル配信開始。同月14日放送の「ベストヒット歌謡祭2024」でテレビ初披露となった。
同年11月9日に公式Youtubeチャンネル「乃木坂配信中」にて選抜発表を行い、そのまま千葉県千葉市美浜区中瀬の友好広場と「円形のステーション」(分かりやすく言うと幕張メッセのすぐそば)で初披露となるパフォーマンスを行った。『乃木坂工事中』での選抜発表よりも先行する形で披露するのは31stシングル『ここにはないもの』以来約2年ぶりとなるが、今回は選抜発表も『乃木坂工事中』での発表よりも先行して行うため史上初の事態となった。後に同月11日(10日深夜)放送回で初選抜、選抜復帰、センターとなったメンバーへのインタビューも加えたダイジェスト版が放送された。
このような形式のため、生配信前から『ここにはないもの』が卒業シングルとなった齋藤飛鳥と同様に人気メンバー(専ら3期生)の卒業シングル及び最後の表題センター曲になるのではないかと懸念するファンが多かったが結局何も無かった。
センターは遠藤さくらが34thシングル『Monopoly』以来4度目のセンターとなった。単独センターは27thシングル『ごめんねFingerscrossed』以来3度目。
本作では、奥田いろはが初の選抜入り、林瑠奈が『ここにはないもの』以来約2年(6作)ぶりの選抜復帰を果たした。奥田の選抜入りにより5期生で選抜未経験メンバーは岡本姫奈のみになり、全体で見ても選抜未経験メンバーは岡本と矢久保美緒のみとなった。
一方、冨里奈央と菅原咲月は選抜落ちとなってしまった。両者共に前作『チートデイ』のミート&グリートにて30部完売を達成しており外仕事もある程度充実していたことから、「未完売のはずの林と奥田が完売の菅原と冨里を差し置いて選抜入りする理由が分からない。」と憤慨する菅原・冨里推しのファンが相次ぐ事態に。(とはいえ、アンダーの記事も参照してほしいが選抜入りの基準はミーグリだけではないことは留意してもらいたい。林も奥田も同年に外仕事で成績を残しており、歌やダンスの実力も考慮すると選抜入りの可能性は十分にあった。インタビューでも、林は「選抜に入りたいという気持ちは人一倍強かったし、これまで頑張ってきたという自負はあった。」とコメントしている。)
向井葉月は本作活動期間中の卒業となるが、本作への不参加を表明している。
曲調は、杉山氏お得意のピアノベースのバラード調となっており、5thシングル『君の名は希望』、16thシングル『サヨナラの意味』、26thシングル『僕は僕を好きになる』、グループの代表曲の1つである『きっかけ』を彷彿とさせるようなものとなっている。
歌詞も「選択」をテーマに自分自身の人生に悩む主人公が「歩道橋」という名の岐路に立ち、様々な葛藤を抱えながらも未来に向かって進んでいく姿を連想させるものとなっている。
この「主人公」は、卒業する向井、今後自身の将来を見据えなければならない現メンバー、これから加入する6期生それぞれに当てはまるといえる。
今回、珍しく前2作と比較すると乃木坂46らしい真っ当かつ儚さや憂いを感じることが出来る歌詞だったことから、「秋元先生、ついに本気出したか。」「もうちょい早めにそういうの書いてくれよ。」といった反応が相次いでいる。
衣装・パフォーマンスは『ここにはないもの』を彷彿とさせるような演出がなされており、初解禁時にはそういった反応も相次いでいた。(その分、「卒業ソングではないか」と心配して疑い出すファンも増えてしまったが…。)
ジャケ写の背景にあるモノクロの市松模様は池田瑛紗によるデザイン。メンバーがジャケ写制作に関与するのは史上初である。
オリコンによると、初日売上は36万枚を記録し1位を獲得。その後、初週売上48.4万枚を記録し1位を獲得。
Billboardでは、初日売上52.7万枚を記録し1位を獲得。その後、初週売上60.9万枚を記録し1位を獲得。
初日売上に関しては、オリコンでは前作と比較すると1.5万枚減となっている。一方のBillboardでは2.7万枚増となっており、集計方法の差異がこれまで以上に如実に出る結果となった。
初週売上に関しては、前作と比較するとオリコンでは2.6万枚減、Billboardでは4.2万枚減となり、ファンからの評価と反比例する形でオリコンでの売上は前2作超とはならずハーフミリオンを切ってしまい、コロナ禍以降では『Actually…』以来の40万枚台となり、櫻坂46の10枚目シングル『I_want_tomorrow_to_come』にも僅差で敗れる事態となってしまった。
これは田村真佑と筒井あやめの通算400部完売による握手会・ミーグリ免除(筒井は一部のみ本シングルで枠が適用)と向井の不参加による影響が大きく、こうなるのは時間の問題だったこともあり致し方ないと言える。
売上の減少自体は前作から免除となる4期生メンバーが出始めたことで問題となっていた。そのため、現状乃木坂46にのみ存在する免除制度の是非や他の坂道シリーズへの免除制度適用の是非もコミュニティ内で議論されている。櫻坂・日向坂との比較もこの点をハンデの有無として捉えるファンも一定数おり、「フェアじゃない限り同じ土俵には立たない」「比較自体野暮でしかない」との声もある。
その他にも、次作での6期生参加を期待する声もある。
MV
監督は映画『ソラニン』、『ホットロード』、『アオハライド』、『青空エール』、『思い、思われ、ふり、ふられ』等を担当した三木孝浩が担当。
MVはKアリーナ横浜や東京都江東区有明と青海を繋ぐ「夢の大橋」(『仮面ライダーW』最終話でも使用されたロケ地)、東京中央区銀座にある「昭和通り銀座歩道橋」(ときめき橋歩道橋)、中央区晴海の晴海大橋等複数の場所で撮影が行われており、「冬」をテーマにした演出が多用されている。
スタジオ撮影では実際にスタジオ内の空気を-7℃に設定したため、メンバーがあまりの寒さに悲鳴を上げたほど。
ヒット祈願
センターの遠藤が学生時代吹奏楽部所属だったことから、遠藤・梅澤美波・筒井あやめ・小川彩の4人が全国大会出場経験のある強豪校・八王子学園八王子高等学校吹奏楽部の皆さんと共に表題曲『歩道橋』の演奏にチャレンジ。
ただ、発表会が6日後であるため練習期間がたったの6日しかないことに加え顧問の高梨先生に楽譜が届いたのも初日という超ハードスケジュール。これには普段温厚な遠藤が自身の経験も踏まえて「ありえない」と珍しく怒るほど。
生徒もまだ完全に覚えきれていないため、高梨先生からの厳しい指導を受ける羽目に。(尤もこれが通常通りらしいが。)
遠藤は部活でもやっていたクラリネットを担当。梅澤はマリンバ、筒井はビブラフォン、小川はスネアドラムを担当。
遠藤以外の3人は初挑戦(梅澤は元々楽器演奏経験自体無し。筒井はギターとピアノ、小川はドラムを多少やったことがある程度。)のため苦戦しており、特に梅澤は楽譜が読めないわ初日から仕事の都合で離脱するわとてんやわんや。まさに前途多難の初日となった。その後も個人練習や部員からの指導による練習が続き、筒井、梅澤は楽譜を覚えながら慣れない楽器に悪戦苦闘しつつも徐々に上達していった。2人と比較すると食らいついていた小川が遠藤と共に全体練習に数回参加することもあった。とはいえ、小川も苦手なドラムロールに苦戦していた。
一方の遠藤は、6年のブランクがあったにもかかわらず序盤で感覚を取り戻しており、成長スピードを考慮して顧問の高梨先生から一部パートのソロ演奏を任された。当初は「えっ…?いや…。」と困惑しながらも覚悟を決めて承諾した。
そして迎えた本番当日。三井アウトレットパーク多摩南大沢の野外ステージで一般のお客さんの前での披露となり、時期的に冬だったこともあり寒さに耐えながらの挑戦となったものの、全員最後まで演奏をミスなくやり切り、ヒット祈願は成功。
1週のみの放送であったが4人には本番までかなりの重圧がかかっており、スタジオでヒット祈願の様子を見た賀喜遥香は涙。ただ、最後に「右も左も分からない中…。」と一言添えたため、個人練習中に左右と「L」「R」の判別ができず一瞬左右盲でパニックになっていた梅澤がダメージを受けた。
後日、ディレクターズカット版が「乃木坂配信中」で公開され、スタジオ収録時のコメントの尺が増えている。(※その分、練習風景はカット。)
関連タグ
変わらないもの:奥華子による楽曲でアニメ映画『時をかける少女』挿入歌。サビ前のコード進行がそっくり。ちなみに、この曲は元メンバー・大園桃子お気に入りの楽曲であり、『超・乃木坂スター誕生!』では奥がゲスト出演し井上和とともにデュエットで歌唱している。