本項はネタバレがある為、閲覧の際は御注意下さい。
魔王について
いくつかの決まりと法則が存在している。
上位魔人の内、特に強大な力を得たものの少数が、魔王と呼ばれている。ただし、必ずしも邪悪というわけではない。
リムルが加入する前までは、『十大魔王』と呼ばれており十人の魔王がいたが、リムルが加入するときの騒動で、一人は死亡、二人が脱退して八人になり、ギィが人間のつけた今までの呼び名が気に食わなかったのをいい機会としてリムルに(強制的に)考えさせた新名、『八星魔王(オクタグラム)』と呼ばれるようになる。
「十大魔王」が定着したのは、かつて魔王達の宴において「自分たち魔王の集団の名義を決める」ことを議題にした際、幾度にわたって宴を開いて議論するも人数が減ったり増えたりそもそも建設的な意見が出なかったりで全然決まらず、このすったもんだを人間側が「魔王達の軍議」と勘違いしつつ察知したことから人間側が「十大魔王」と呼び、魔王達もそれに倣った(飛びついた?)かたちで決まった。
そのため欠員が出て八名になった折、既存の魔王全員が新たな名義の考案に渋い顔を浮かべ、リムルがあっさり「八星魔王」の案を出して決定したときにはディーノが前回の議論の冗長さを愚痴っている。(因みにラミリスは最初「八大魔王」を提案したが全員に圧をかけられている)
魔王の世代
大まかに三世代に分かれている。
まず最古の魔王としてギィ・クリムゾン、ミリム・ナーヴァ、そしてラミリスが挙げられる。歴史上、この三名が初めて魔王と認知された。
第二世代としてルミナス・バレンタイン、ディーノ、ダグリュールが加わる。実質的にこの第二世代までが魔王として固定メンバーとなっており、以降に加わった第三世代にあたる魔王達は実力的に劣っている事が多く、戦闘による死亡等で入れ替わりが発生している。
基本的に魔王と言えど全員が同等の実力ではない。
魔王の決まり
魔王として正式に認められるには、最低三名以上の他の魔王からの承認が必要。勝手に自称した場合は武力により実力を試され、実力が足りなければ攻め滅ぼされる。
なお、魔王に規定人数はなく一定の実力があれば良いので、十人以上でも以下でも良い。500年周期で生じる聖魔大戦で脱落者が生じて10人以下になったところに新参者が穴に入り込んでくるというのが繰り返される中でいつしか十人が上限となったのとされる。
魔王の存在意義
元はギィがヴェルダナーヴァと約束した「人類が自滅しないように適切に管理」するための役職。
人類そのものを直接管理するのがギィのライバルであるルドラの役目であり、ギィはそれに対して脅威として君臨する事によって生まれる人類全体の恐怖による団結を促すのが目的であり、その為にギィは魔王を管理する者として『十大魔王』もとい『八星魔王(オクタグラム)』を設けていた。
しかし当の『八星魔王(オクタグラム)』の名づけ親であるリムルが打ち出した『絶対的な力を持って『自分達の自由と安寧を脅威から守ってくれる絶対的な主(ヒーロー)』として振るまい、そこから来る感謝の念を核とした共生と忠義の関係を築く』という方針が『団結力とも言い換えられる『人間の反発』を無くす代わりに『恩義と忠誠』による、悪く言えば『人間を魔王の存在に依存させる』方が生産性も良く安定性が優れている』と証明された事をきっかけに方向転換する。
次いでリムルが方向性は異なれど同じく人類との共生圏を創り出していたルミナスと朋友になった事を始めとし、次第に魔王の管理者は『ギィだけの役職から事実上のリムルとの共同、そしてやがてはリムルへの禅譲』に近い形で移り行く事になる。
魔王種と真なる魔王
魔王種とは、魔王になる資質がある存在である。
魔王の内、十大魔王だったフレイやカリオン、クレイマンらが該当する。別の魔王種を取り込む事で自分が魔王種を獲得する事も可能。妖精族や巨人族のように聖属性を司る種族は有すことはできない。
その魔王種という種を発芽させるための養分として大量の魂を生け贄に魔王への進化(ハーベストフェスティバル)を経る事で、真なる魔王へと覚醒する。
本当の意味での魔王とは、この真なる魔王(覚醒魔王とも呼ぶ)の事を指す。
真なる魔王になるには様々な条件がある。(合計魔素量や保有スキルなど)
すなわち魔王とは選ばれた者がたどり着ける領域という意味が強く、文字通り王の立場に就いているとは限らない。
- 魔王への進化
魔王種が人間や魔人の魂を刈り取り吸収する事で真なる魔王へと進化する作用。必ずしも自らが殺す必要はなく自分の意思を込もっていれば代行者に行わせたり、他者が事前に確保していた魂を同意の上で受け渡すことでも可能。
取り込みが完了すると強制的に睡眠状態に陥るため、完了するまで危険に晒されるが(この状態の相手を殺害することで自分が魂の必要量を満たすことも可能)完了するとあらゆる体質・能力が強化される。
名づけ親の関係といった魂の系統に連なる魔物にもその進化を祝う祝福(ギフト)を授かり同じく眠りに経て新たな能力を得て、上位個体においては更なる上位存在へと進化できる。
尚、眠りを克服して起きたまま進化する者も時々いる。
しかしながら魔王は出し抜き合いを防ぎ合い、大抵はこの段階に至る前に死亡するので覚醒魔王になれた者は本当に限られた者しかいない。
勇者との縁
勇者も特別な存在であり、勇者を名乗ると因果が巡るとされている。そのため、勇者となれば必ず対となる魔王が存在する。
ルミナスにはグランベルと言う勇者との縁が存在した。
シズを救った勇者やマサユキにも縁がある魔王が存在すると思われる。
なお、レオンは勇者であり魔王であるという自己完結を果たしており、ラミリスも勇者の素質がある者に精霊の加護を授ける役割を持つという例外。
魔王達の宴(ワルプルギス)
魔王三名以上の承認で行われる魔王同士の話し合い。主に近況報告や各勢力の体勢について検討し合う場であるが最古の魔王であるラミリスによると元はギィ、ミリム、ラミリスによるただのお茶会だったらしい。欠席すると情勢の把握に出遅れる可能性は高いので強大な立場を有する魔王の行動を制限できる数少ない事柄という面もある。「三名以上の承認」というシステムは魔王が七名の時の名残。
なお、連れてこれる従者は最大二人。その理由は「新参の魔王が主力の配下を百名連れて参加した結果、他の魔王の逆鱗に触れて皆殺しにされた」というもの(従者に仕える従魔はカウントされず抜け穴とできる)。力なき魔人の参加も不許可。
八星魔王(オクタグラム)
リムルが加入して八人になった時に彼がつけた呼称。ちなみに十大魔王と言うのも、話し合いでどんな名前が良いのか何年も考えている間に人間側が勝手につけた呼称であり、第二世代までの魔王たちには不満な呼び名だった。
ギィに脅迫めいた形で命名権を押し付けられたリムルが、天を仰いだ時に夜空の星々を見て即興で付けた名称だが、魔王たちに好評で即可決される。
リムル=テンペスト
種族 | 竜魔粘性星神体(アルティメットスライム) |
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所属 | ジュラ・テンペスト連邦国 |
二つ名 | 聖魔混世皇(カオスクリエイト) |
CV | 岡咲美保 |
最も新参の魔王。
『八星魔王(オクタグラム)』の名づけ親でもある。
基本は非常にお調子者で人間社会との融和を求めている。
しかし、魔王への覚醒と正式な襲名に至るまでの事件を経て自らの『楽園』を害する者に対しては冷酷非情になる事を一切厭わぬ凄みを持つ人物に変貌。
彼の『人間を絶対的な力で庇護し、その派生として多種多様な恩恵を授ける事による共生』という方針は、魔物と人間との融和に繋がる等最終的な自己への利益還元等の打算もあっての事だが、統治者としての実力は本物であり、短期間で優秀な人材を次々と傘下に加え、自国を他の追随を許さぬ程の武力を誇る巨大軍事国家へと成長させている。
能力は『シエル』と『虚空之神』という二つのスキルを活用した別人格による最適な行動をとりながら、自身の体内に取り込んだ事象を解析して再現するというものであり、この秘密を知っているのは盟友のヴェルドラを含めたほんの一握り。
ラミリス
種族 | 妖精族(ピクシー) |
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所属 | 迷宮(入り口はテンペスト領内) |
二つ名 | 迷宮妖精(ラビリンス) |
CV | 春野杏 |
最古の魔王の一人。
普段はお調子者で魔国連邦の迷宮を管理しながら賑やかに過ごしているが、東の帝国との戦争では警告を無視して迷宮に侵攻してきた兵士達に無慈悲なる罠(考案はリムルだが)を浴びせかける等、最古の魔王としての冷徹な一面も見せる。
迷宮を創り出してその中の事象を自在に掌握できる権能を持つ。
ミリム・ナーヴァ
種族 | 竜魔人(ドラゴノイド) |
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所属 | 失われた竜の都 |
二つ名 | 破壊の暴君(デストロイ) |
CV | 日高里菜 |
世界の創造主たる竜種ヴェルダナーヴァの実の娘。
普段は元気なアホの子と言った振る舞いを見せるが、本質は『暴君』の異名に違わぬ危険性と戦闘能力、そして長い年月を過ごした老獪さを併せ持った最古の魔王に相応しき実力者。
世界の創造主の実の娘に違わない、圧倒的な戦闘能力を持つ。
ギィ・クリムゾン
種族 | 悪魔王(デヴィルロード) |
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所属 | 白氷宮 |
二つ名 | 暗黒皇帝(ロード・オブ・ダークネス) |
CV | 石田彰 |
原初の赤(ルージュ)たる最古の魔王。
かつてヴェルダナーヴァに決闘を挑み惨敗する(最も世界の創造主に対して戦いという場に上がれる事自体相当規格外なのだが)も、その際に彼と友誼を結んだことから魔王の役職が生まれた。
文句なしに最強の魔王であり、その所業から人間社会から非常に恐れられている。
一方彼自体は強者には等しく誠意を見せており、人間を「愚か」と言いながらも彼らの生む文化等には好意的である。
ルミナス・バレンタイン
種族 | 真血魔霊姫(ハイ・ブラッド) |
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所属 | 神聖法皇国ルベリオス |
二つ名 | 夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア) |
CV | Lynn |
手段や方向性は異なれど、リムルと同じく『人類と魔物の共生圏』を作り上げていた魔王。
態度は尊大で自信過剰。
リムルとは最初それぞれの傘下組織である西方聖教会と魔国連邦関連の揉め事があったものの、それが解決した後は『人類と魔物の共生圏』というヴィジョンを確立している者同士で朋友となる。
戦闘能力は魔物でありながら一神教を纏めている者として神聖魔法にも明るい。
レオン・クロムウェル
種族 | 人魔族(デモンノイド) |
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所属 | 黄金郷エルドラド |
二つ名 | 白金の剣王(プラチナムセイバー)・白金の悪魔(プラチナデビル) |
CV | 福山潤 |
リムルと同じく異世界人出身の魔王。
幼馴染の少女を救出するべく奔走し、その果てに魔王となった。
リムルとは当初シズの悲劇に関する事で因縁を有していたものの、お互いの事情を知るにつれて和解。
一方で自身が倒した筈のカザリームとの因縁で思いもよらぬ事態にも巻き込まれる事になる。
ディーノ
種族 | 堕天族(フォールン) |
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所属 | 魔国連邦 |
二つ名 | 眠る支配者(スリーピング・ルーラー) |
CV | 小林裕介 |
始原の七天使の一柱。
星王竜ヴェルダナーヴァの命で地上の監視を行っている監視者(本人はその役割を忘れるほどに堕落している)。
元々ダグリュールの所でニート生活をしていたが、無一文になり追い出され、テンペストに移住した。
元は天使と言う身の上故にリムル達と望まぬ形で敵対する羽目になるが、紆余曲折を経て迷宮攻略時に魔国連邦側に正式に戻った。
ダグリュール
種族 | 真なる巨人 |
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所属 | 不毛の大地(聖虚ダマルガニア) |
二つ名 | 大地の怒り(アースクエイク) |
CV | 小山力也 |
太古の悪神。
その昔地上で暴れまくっていたが、それを見かねたヴェルダナーヴァに敗北し、改心。
現在の性格は非常に温厚で理性的。クレイマンの詭弁に対しても正確に論点を突いた質問をしていた。
大戦ではある理由で天使側に寝返るもヴェルドラに完敗し、身動きが取れなくなる。
その直後に天使側のフェルドウェイの目的が世界の破壊と判明した事で己の失策を悟り、息子達に後を託し眠りについた。
元魔王
かつて魔王と呼ばれていたが魔王ではなくなった者。自ら魔王の座を降りた、あるいは死亡した者。昔からメンバーの入り替わりは激しいらしい。全員、魔王種である。
カリオン
種族 | 光霊獣 |
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所属 | 獣王国ユーラザニア |
二つ名 | 獅子王(ビーストマスター) |
CV | 内匠靖明 |
500年前に誕生した魔王のひとりで、獣人を統べる武闘派の王。
クレイマンの策略でミリムと一戦交えることになったが、そのミリムに実力で到底及ばなかったことを痛感し、クレイマンの死後に魔王の座を返上、ミリムの傘下に入ることを宣言した。ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国戦で覚醒。
フレイ
種族 | 空霊鳥 |
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所属 | 天翼国フルブロジア |
二つ名 | 天空女王(スカイ・クイーン) |
CV | 大原さやか |
有翼族の女王にして、カリオンと同時期に誕生した魔王のひとり。
クレイマンの件の後、カリオンと同じく力不足を理由に魔王を辞し、ミリムの配下となった。カリオンと同じくナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国戦で覚醒。
クレイマン
種族 | 妖死族(デスマン) |
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所属 | 傀儡国ジスターヴ |
二つ名 | 人形傀儡師(マリオネットマスター)・喜狂の道化(クレイジーピエロ) |
CV | 子安武人 |
400年前に誕生した新参の魔王。目的のために様々な策を用い、テンペストに干渉してきた。
リムルを陥れるために魔王達の宴を催すが逆に自身が追い詰められてしまい、リムルに敗れ魂ごと吸収されて消滅した。
カザリーム
魔王として勢力を広げる最中、魔王となる以前のレオンに挑むも、一蹴されてしまい死亡する。
妖死族の特性として肉体は滅んでも星幽体として生き永らえており、色々あって魔国連邦に身を寄せている。
ロイ・ヴァレンタイン
種族 | 吸血鬼 |
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所属 | 神聖法皇国ルベリオス |
二つ名 | 鮮血の覇王(ブラッディーロード) |
CV | 水中雅章 |
ルミナスが信用する三公の一人で千五百年に渡ってルミナスの影武者として魔王の代理を務めていた。双子の兄であるルイはルベリオスの法皇を担当。ルミナスに仕える大貴族であり十大魔王の中でも劣らぬ実力者であったが、ラプラスに遭遇した時に殺されてしまう。
元はルイとは同一の存在。狂暴すぎてトラブルが絶えなかったため、ルミナスによって2人に分かたれていた。死亡の結果、力はルイの元へと戻っている。