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マイネルグロン

まいねるぐろん

2018年生まれの日本の競走馬。主な勝ち鞍は2023年東京ハイジャンプ、中山大障害、2024年阪神スプリングジャンプ。2021年のオークス馬ユーバーレーベンと同年の新潟記念を制覇したマイネルファンロンの叔父。2023年度JRA賞最優秀障害馬。
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概要編集

マイネルグロンは、日本の現役競走馬2023年東京ハイジャンプ中山大障害2024年阪神スプリングジャンプの勝馬。

ゴールドシップ産駒初の障害重賞馬である。



プロフィール編集

名前マイネルグロン
英字表記Meiner Grand
品種サラブレッド
性別
毛色青鹿毛
誕生日2018年6月7日
ゴールドシップ
マイネヌーヴェル
母父ブライアンズタイム
生産ビッグレッドファーム(北海道新冠町)
馬主サラブレッドクラブ・ラフィアン
調教師高橋祥泰(美浦)→青木孝文(美浦)

馬名「グロン」はフランス語「気高い、雄大な」の意味。


父はGⅠ6勝を挙げた、迷馬にして名馬ゴールドシップ。父父ステイゴールドは多数の障害競走実績馬が居り、その最たるは「障害競走の絶対王者」オジュウチョウサンである。

母マイネヌーヴェル(父ブライアンズタイム)は2003年フラワーカップ(GⅢ)の勝馬、叔父に2011年の中山グランドジャンプ覇者マイネルネオス(父ステイゴールド)がいる。

また、半姉にマイネテレジア(父ロージズインメイ)がおり、2021年優駿牝馬(オークス)の勝馬ユーバーレーベン(父ゴールドシップ)とその兄で同年の新潟記念を制覇したマイネルファンロン(父ステイゴールド)は姪と甥に当たる。

このため、父方にも母方にも父ステイゴールドながら中山グランドジャンプ勝ち馬のいるという障害競走界の超良血であり、結果論とはなるが、障害競走を走るために産まれてきた競走馬と言われても不思議ではない血統の持ち主である。



経歴編集

デビュー前編集

2018年6月7日、北海道新冠町ビッグレッドファームにて母マイネヌーヴェルの10番目の仔として生まれた。

馬主は、クラブ法人のサラブレッドクラブ・ラフィアン、JRA美浦トレーニングセンターの高橋祥泰厩舎に入る。

一口募集価格は30万円(100口)。


デビュー~3歳編集

デビュー戦は2020年9月12日、2歳新馬戦(中山芝2000m)丹内祐次騎手を鞍上に出走、出遅れて12着という結果になった。2戦目は3着と盛り返した。3戦目から柴田大知騎手に乗り替わったが、出遅れ癖が出てしまいなかなか勝ち上がれないでいた。3歳に入った2021年、3月にラフィアンの代表取締役岡田繁幸氏が亡くなるが、同父で同い歳の姪ユーバーレーベンがミルコ・デムーロ騎手を背にオークスを制覇する中、グロンは未勝利戦で苦戦しており、同年の9月5日事実上ラストチャンスとなった未勝利戦(新潟芝2200m)、ここでも出遅れ癖が出てしまい2着という悔しい結果になった。泣きの1回で鞍上にミルコ・デムーロ騎手を迎え10月3日、1勝クラス(中山芝2200m)に出走するも7着に終わってしまった。ここで陣営はグロンの障害転向を選択、12月19日に転向初戦を迎え結果は4着で3歳を終えた。


4歳編集

2022年1月9日障害転向2戦目、鞍上に過去父父ステイゴールドの主戦を務めていた熊沢重文騎手を背に2着。その後、高橋祥泰調教師が2月28日付けで定年を迎え引退したため、青木孝文厩舎に転厩することとなる。転厩後初のレース、障害転向3戦目、鞍上五十嵐雄祐騎手で待望の初勝利を挙げた。順調に行くと思いきや、美浦トレセンでプール調教中に転倒、眼を打ちつけて右眼窩骨折を負ってしまったが、幸い視力には問題がなかったが怪我が完治するまで4ヶ月の休養を余儀なくされた。

7月休養明け初戦、初の重賞挑戦となる新潟ジャンプステークス(J・GⅢ)は9着と苦い結果になってしまった。その後はOP戦で2着、3着と好走、4歳を終えた。


5歳編集

2023年は未勝利戦で鞍上を務めた五十嵐雄祐騎手と共に障害OP戦2連勝を挙げる。その後夏場は合う番組がないということで全休。しかし、ここでもアクシデントが発生、放牧先で牧柵の破片が首に刺さってしまったのだという。

アクシデントがありつつも休養後、復帰戦となる10月15日東京ハイジャンプ(J・GⅡ)。出走馬にこの年の中山グランドジャンプを制覇したイロゴトシ、前年の中山大障害覇者ニシノデイジー、障害重賞2連勝中の同い歳ジューンベロシティがいる中、鞍上に石神深一騎手を迎えレースへ挑んだ。序盤は中位からスムーズに飛越、徐々に順位を上げてゆき、2番手で最終直線に入ると逃げ粘っていたホッコーメヴィウスを捉え、2馬身差をつけ、重賞初制覇。この前日に全妹ヴァイルマティも勝利を挙げており、兄妹揃って亡き母に捧げる勝利となった。

ちなみにゴールドシップ産駒の重賞制覇はこれで6頭目であり、初年度産駒のブラックホール札幌2歳ステークスを制覇して以来の牡馬の重賞馬、同時に産駒初の障害重賞制覇となった。また、グロンを管理する青木孝文調教師にとっても初めての重賞勝利となった。

次走は12月23日に行われる中山大障害 (J・GⅠ)に出走。鞍上石神深一騎手から「これで勝てなかったら乗り役が悪い」と言われており、陣営からも太鼓判を押され1番人気に支持されることとなる。レース序盤は、中段に控え、いつも通りのスムーズな飛越で徐々に順位を上げていき、先頭のニシノデイジーとビレッジイーグルとともに後続を突き放し、最終周回、向正面の竹柵を越えたところでニシノデイジーを捉えて先頭へ、そのまま前年王者に10馬身差を付け、勝利。年間無敗の称号とJ・GⅠ馬の称号を手にし、ゴルシ産駒初のGI牡馬になった。また、管理する青木孝文調教師にとって、前走に続き初のGⅠタイトルをもたらしたことになる。ちなみに本レースのタイムは 2015年の中山大障害の勝ち馬アップトゥデイト と同じである。







6歳編集

2024年は春の大一番である中山グランドジャンプを目標として、3月9日に行われる阪神スプリングジャンプ (J・GⅡ)へ出走。鞍上は前回に引き続き石神深一騎手。今回も1番人気を背負い、スタート。道中4、5番手を追走、3〜4コーナー中間の生け垣を飛越し先頭に立ち、後を追うエコロデュエルを7馬身引き離して圧勝。新王者としての意地と力の差を見せつけた。


4月13日に行われた中山グランドジャンプでは単勝1.1倍。恐ろしいのが2番人気のイロゴトシが連覇の可能性があるにもかかわらず単勝12.2倍であり、一桁人気の馬が一頭という状況であった。楽勝か少なくとも馬券内は確実と思われていたにも拘わらず6着であった(1着イロゴトシ)。1986年以降のJRA・GⅠ競走にて単勝1.1倍の馬が敗れたのは1998年スプリンターズSタイキシャトル(3着・1着マイネルラヴ)以来26年ぶりのこと。しかも馬券圏外・着外(6着以下)は史上初であった。しかも、入線後に鞍上の石神騎手が下馬。その後JRAより競走中に右前肢跛行を発症していたことが発表された。レース直後の石神騎手のコメントでは、「スタートがもともと速いタイプではないが、その後の行きっぷりがよくなかった。大竹柵を飛んでから、余裕がなくなってしまいました。最終障害を跳んで、脚を痛めてしまいました」と残し、無事に復帰してほしいと心配する言葉も残した。その後、検査した結果、右前深屈腱炎で全治9カ月以上と診断された。元々、最終追い切りの取材にて、阪神のレース後に右前脚球節の捻挫があったが今は全く問題ないというコメントがあり、盤石のなかでの不安要素が一応あったが、それがここで表面化する結果になってしまった。クラブの会報では、経過は良好と伝えられている。

12月21日の中山大障害では落馬につき競走中止。他2頭の馬が落馬により競走中止となった。




余談編集

うっかりさん?編集

2023年、夏場は全休していたマイネルグロン。放牧先で隣に牝馬がいると思いこんで馬っけを出しながらブヒブヒ鳴いていたところをラフィアン公式から暴露されてしまった。その後更新された近状には、相手が牡馬だと気づき鳴くのをやめたことが書かれていた。グロンが馬っけを出すほどの相手は誰なのか、一部ファンの間では同時期に放牧に出されていた同父のマイネルズコットではないかと言われているが真相は謎のままである。前述した牧柵の破片が首に刺さったエピソードも含め、実はうっかりさんなのではとファンたちから疑惑を持たれるようになった。


青木孝文とビッグレッドファーム編集

マイネルグロンを現在管理している青木孝文調教師は、19歳で馬の世界に飛び込み、軽種馬育成調教センターでの研修を終えたのち、1番最初の勤務先がグロンの生まれ故郷であるビッグレッドファームだった。青木調教師が牧場所属当時、お世話になった先輩がグロンの母マイネヌーヴェルの担当をしていた方であり、時を経て、縁が巡り厩舎初の重賞制覇に繋がったと思うと非常に感慨深いものがある。



関連タグ編集

競馬 競走馬 21世代 ステゴ一族

ゴールドシップ

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マイネルファンロン:半姉の仔で歳上の甥

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