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塔の上のラプンツェル

とうのうえのらぷんつぇる

ディズニーの3D長編アニメーション映画。2010年11月24日に公開された(日本では2011年3月12日に公開)。
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概要編集

グリム童話の『ラプンツェル』を原作とした、ディズニー長編3Dアニメーション映画。原題は『Tangled』(結び目などがもつれた、からんだという意味)。

音楽は、アラン・メンケンが担当。挿入歌「輝く未来」はアカデミー賞ゴールデングローブ賞などにノミネートされ高い評価を受けた。

「輝く未来」でランタンが無数に空を舞うシーンは幻想的と評判。

魔法にかけられて』『プリンセスと魔法のキス』の自虐コメディ的な作風から原点回帰して王道のプリンセスストーリーを描き、ラプンツェルのコロコロ変わる表情とフリンとのロマンスで人気を博した一方、「毒親からの解放」にスポットを当てた作品としても知られている。


「ラプンツェル」はウォルト・ディズニーが生前に映画化を企画していたが、「原作が短すぎる」などの理由で見送られ、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品第50作目に満を持して映画化された。ただし、原作とはストーリーや人物設定が大幅に変更され、ほとんど別作品と言ってもいい。

長年ディズニーのアニメーターとして活躍したグレン・キーンが初めて企画の立ち上げから製作総指揮まで務めた作品でもある。

ディズニーアニメ映画では初の3D作品。当初グレンは2Dでの制作を希望していたが、予算の都合で2Dをできる限り再現した3Dに変更された。


当初のタイトルはそのまま『ラプンツェル』であったが、前作の『プリンセスと魔法のキス』が高い評価を得たにもかかわらず、収入がディズニー側にとって低かったこと、またプリンセスと強調しすぎたことで男子層から支持を得られなかったことにあると考えた同社が、男女双方へ映画を売り出すために、男性主人公のフリンを強調し、タイトルを『ラプンツェル』(Rapunzel)から『タングルド』(Tangled)に変更した。


ディズニースクウェア・エニックスのコラボレーションゲーム作品「キングダムハーツ3」にキャラクターやステージが登場している。

2018年にはシュガー・ラッシュ:オンラインにてウェブサイトのプログラムキャラクターとしてラプンツェルが他のディズニープリンセスと共にゲストとして登場している。


グレイテスト・ショーマン」のマイケル・グレイシーを監督にした実写化が報じられている。


物語編集

誰も知らないの奥深くにそびえるの中で育ったラプンツェルには、どんな病気をも癒やす魔力を秘めた金色の長いを持っている秘密がある。秘密を守るために塔に隠れているラプンツェルは、誕生日から見える飛ぶ無数の『灯り』を不思議がり、もっと近くで見たいと思っていた。


18歳の誕生日が迫ったある日、彼女は母親マザー・ゴーテルに「へ出たい」とお願いするが、「外は危ない」と説き伏せられてしまう。出かけていくゴーテルを見送りながら落胆するラプンツェルだが、そこへ予期せぬ侵入者が現れる。

お城盗みを働き、追っ手を逃れて塔によじ登った泥棒フリン・ライダーを縛り上げることに成功したラプンツェルは自信をつけ、盗品のを隠して取引を持ちかける。

――自分を「灯り」のある所まで連れて行き、それが済んだら塔まで送り届けること。


軟禁同然の生活だったラプンツェルは外へ出るなり大はしゃぎ。指名手配の身であるフリンと森を抜けて城下町へと向かう。一方、ふとしたことからラプンツェルの脱走を知ったゴーテルは、彼女を塔へと引き戻すために策をめぐらせる。


登場人物編集

ラプンツェル編集

ラプンツェル

声:マンディ・ムーア(吹替え:中川翔子/歌:小此木麻里)

美しい金髪を自在に操る、心優しい少女。70フィート(凡そ21メートル)にも及ぶその髪には特別な力が秘められている。

「外には髪の力を狙う悪者たちがいる」とゴーテルに教わってきたため、18年間で一度も塔から出ていない。不自由な生活とは裏腹に好奇心旺盛で、パスカルと塔での暮らしを楽しみながらも外に憧れ、「空を飛ぶ『灯り』をこの目で見たい」というを抱いている。

読書料理音楽など多趣味な中、部屋の壁にを描くのが一番の趣味であるが、大作揃いのために余白のスペースはなくなる一方。

護身用に使っているフライパンは、作中最強の攻撃力を誇っている。

18歳の誕生日の前日、フリンと出会ったことをきっかけに、夢を実現させるべく塔の外へと踏み出す。


フリン・ライダー編集

フリン・ライダー

声:ザッカリー・リーヴァイ(吹替え:畠中洋

数々のトラブルを切り抜けてきた、国で一番の大泥棒。

王女を盗んだ罪で衛兵に追われる中、身を隠そうと侵入した塔でラプンツェルと出会う。

女性を魅了する誘惑顔が得意だが、ラプンツェルには通用せずに戦利品を隠され、彼女を灯りが現れる場所まで連れて行くことになる。

指名手配中であるため、見つけた似顔絵は片っ端から引き剥がしていく。

世間知らずのラプンツェルには振り回されるばかりだが、彼女のひたむきさに触れるうちに自分を見つめ直し、誰にも話したことのない秘密をラプンツェルに打ち明けていく。


マザー・ゴーテル編集

「塔の上のラプンツェル」より/ゴーテル

声:ドナ・マーフィ(吹替え:剣幸)

ラプンツェルの育ての親で、塔に出入りするただ一人の人間。ラプンツェルの長い髪を昇降機がわりにして塔に出入りする。

隠し事があるかのように、ラプンツェルを塔の中に閉じ込めてきた。外の世界がどんなに恐ろしいことに満ちているか、自分が娘をどんなに大事に思っているか、そしてラプンツェルがどんなに無力かを言い含めている。

圧倒的な声量でコミカルな曲から不安をかき立てる曲まで歌いこなす芸達者。

(当然だが、リンク先ネタバレ注意!)


パスカル編集

パスカル

声:フランク・ウェルカー

ラプンツェルと暮らす小さなカメレオン。体の色を変化させたり、舌を伸ばすことができる。

ラプンツェルにとっては唯一の遊び相手であり、何でも話せる大切な友達。

好奇心旺盛で、塔の外でも遊びたい。ラプンツェル以外の人間を警戒しており、ゴーテルから隠れたりフリンに不信感を抱いたりする。


マキシマス編集

マキシマス

声:ネイサン・グレノ

城の警護隊長を乗せて走る、危険知らずで仕事熱心な白馬。剣術の心得があり、正義感と忠誠心が強い。リンゴが大好物。

のように優れた嗅覚を持つが、それでもラプンツェルの塔へ続く道は見つけられなかった。

乗り手がいなくなってもフリン追跡に執念を燃やすが、彼を追った先でラプンツェルと出会い、彼女の優しさに懐いてしまう。ラプンツェルの夢のため、フリンとも一日かぎりの協力関係を結ぶ。愛称は「マックス」。


酒場の荒くれ者たち編集

街外れの酒場「かわいいアヒルちゃん」を根城にしている。

フックの片手を持つフックハンド(声:ブラッド・ギャレット/吹替え:岡田誠)、大きな鼻のビッグノーズ(声:ジェフリー・タンバー/吹替え:石原慎一)、大男ウラジミールなど、強面の荒くれ者ぞろいだが、それぞれピアニストの夢や恋を夢見る純粋な心などを隠し持っている。

賞金目当てにフリンを捕えようとするが、彼を庇ったラプンツェルの言葉に感化されてを語り合い、衛兵から匿って秘密の通路を教える。


スタビントン兄弟編集

声:ロン・パールマン(吹替え:飯島肇

フリンと一緒に冠を盗み出した共犯者の双子の兄弟。

追っ手から逃げる途中でフリンに裏切られ、復讐のために彼を狙う。

途中でゴーテルに言葉巧みに誘われて協力することに。


警護隊長編集

声:M・C・ゲイニー(吹替え:佐山陽規

衛兵の隊長。愛馬マキシマスと共にフリンを追跡する。

マキシマスの優秀さを高く買っている様子。


国王と王妃編集

に浮かぶ王国国王王妃

昔、子供を身ごもった王妃が重い病に倒れ、国王はどんな怪我や病気も癒やす『魔法の花』の捜索を命じた。

花は発見され、奇跡的な回復を遂げた王妃は王女を出産した。しかし何者かに王女がさらわれて心に暗い影を落とすが、王女の帰りを願って国を挙げランタンを飛ばしている。


続編編集

2012年に短編アニメーション映画『ラプンツェルのウェディング』が発表された。

2017年には映画本編と短編映画の中間となるテレビシリーズ『ラプンツェル ザ・シリーズ』をディズニーチャンネル他で放送。


関連イラスト編集

ぜったい逃がさない♥ラプンツェル

塔の上のラプンツェル花はきらめく


関連タグ編集

映画 ディズニー ディズニー映画 ラプンツェル


カリオストロの城 FF9:囚われのお姫様を軽薄な男が外に連れ出す、など舞台設定が似ていると言われることがある。

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