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  1. 扇いで風を起こす道具
  2. 人名などの固有名詞

概要

細く削ったの「骨」をと呼ばれる留め具で一端で留め、そこに蛇腹状に折った「扇面(せんめん)」と呼ばれる紙を張ったもの。

うちわは文明発祥の頃から世界各地で発明されているが、扇・扇子は日本発祥で世界に広がった道具である

奈良時代から平安時代初期までは、元は細く平たい木簡のようなを用いた檜扇(ひおうぎ)という木製の扇が主流であった。ただ、この頃の扇はどちらかと言えばメモ帳としての用途が強く、涼を得るのは二の次であった。

これが、時代が下って平安時代中期以降になり、骨に紙を張った扇子が誕生した。ただし、この頃の扇面は片面のみでもう片面は骨が丸見えであり、両面に紙が貼られるのは中世に中国で改良されたものが逆輸入されてからである(これを日本では唐扇と称した)。日本・中国の扇子は大航海時代に西洋にも輸出され、西洋の宮廷文化の中で絹やレースを貼った洋扇に発展する。

一般的には無地、祝い事などには豪華な絵扇や日の丸の扇を用いる。

また慶事・弔事に応じて、骨の色や扇面を変えるのもマナーの一環となった。

用途

涼の獲得

扇いで風を起こし、暑さをしのぐ。現在の扇子の主要用途。

コミュニケーションツール

口元を隠す、ものを指す、叩いて鳴らす、挨拶の際に自分の前において結界を成す、お盆の代わりとするなど、単なる納涼の道具にとどまらず、日常・公式の場のコミュニケーションにおいて様々な使い方をし、相手との礼儀や意思を通すのに一役買っている。

技芸の小道具

古くから舞踊の小道具として用いられ、神楽狂言などの舞手が様々なものを表現するための万能の道具として使われていた。

これは落語にも受け継がれ、扇だけで徳利などなど、一席のあいだに登場する無数の道具を表現してみせる。

弓道などでの射的の的としても使われる。平家物語にも、那須与一屋島の戦いで海上の船に掲げられた扇を撃ち落とす有名な話がある。

また、講談では音を出す専用の張り扇を用いる。漫才ツッコミに用いられる手製の扇も「ハリセン」と呼ばれる。

武器

木片を束ねた扇が、折り畳み式の盾として機能することは、室町時代には知られていた。戦国時代には、骨を木や竹だけでなく鉄や青銅にしたものが作られるようになり、これらは軍扇と呼ばれる。武田信玄で有名な軍配同様に盾としてだけでなく、小型の鈍器としても扱われるようになり、江戸時代には鉄扇術という護身格闘術も確立された。

今日、骨の先端を研いで刃物にした鉄扇がアニメやゲームで時折見かけるが、護身用の武器として、また日常生活で使える道具として、刃付きの鉄扇は実際にはそこまで普及しなかったと思われる(忍者は使っていたかもしれないが)。

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