比叡(艦隊これくしょん)
ひえい
概要!入れて!行きます!
イギリスの工廠で完成した金剛とは違い、国内の工廠で生まれた国産艦(ただし、大半の部品は金剛に同じくイギリスのヴィッカース社に外注したもの)。
金剛が輸入品のため、初の国産超弩級戦艦、そして艦これにおける国産艦の最古参は比叡となる。
更に言うと、海軍建造(横須賀海軍工廠)の金剛型も比叡のみだったりする((金剛は英国のヴィッカース社、榛名は川崎造船所、霧島は三菱長崎造船所。共に民間の造船所である)。
比叡は、ロンドン海軍軍縮会議によって武装解除され練習艦となった時期もあったが、元戦艦という事で風格も申し分なく、連合艦隊所属ではなかった為スケジュール的にも余裕があった事から昭和天皇が乗艦する御召艦(現代で言えばお召し列車のようなもの)として利用された。
更にその回数が最も多い戦艦でもある事から、御召艦と言えば比叡の名前が真っ先に挙げられる程だったという(展望台の設置など専用の改造も施されている)。
こうした経緯から、ビッグ7として名高い長門とはまた違ったベクトルで、当時の国民から愛されていた戦艦である(その他、終戦工作に尽力した井上成美提督や、昭和天皇の実弟高松宮殿下など、多くの心ある軍人にも愛された)。
軍縮条約の終了後には姉妹と同じく近代化改装を行って現役復帰し、太平洋戦争では、貴重な高速戦艦として運用され戦場でその生涯を閉じた。
この現役復帰の大改装では、大和型戦艦の実験として艦橋を一新。
それまでの積み重ね式の艦橋から近代的な塔型構造へと変化しており、彼女自身もゲーム中の図鑑内でのコメントでこの事について触れている。
なお復帰後も書類不備から「練習戦艦」のまま登録され、修正されないまま戦没したというなんとも彼女らしい(?)逸話もあったりする。
容姿!頑張るから!見捨てないでぇー!!
服装は金剛型共通の巫女服を意識した和装に、袴をイメージしたミニスカートを合わせたもの。
他の姉妹とは違い、彼女だけが太い帯を締めチェック柄のスカートを履いているのだが、このチェック柄は「タータンチェック」と呼ばれるイギリスの伝統的なスカート(紳士用)にも用いられるもの。
狙ったものかは定かではないが、純英国製の姉を差し置いての謎の英国要素である。
(比叡山延暦寺にちなんで、寺院建築の格子戸をイメージした柄かもしれない。だとしても、艦娘には珍しい仏教要素である)
艤装は伊勢型にも通じる、斜め四方に延びたアームが砲塔を保持したクロスボーンガンダムのような形状のもの。恐らく大和型の実験として砲塔が全て別々の向きへ可動する点を模したものである。
アニメでは榛名、霧島と共に通常時はカード絵の榛名の様な船型で、戦闘時にX型へ変形するギミックになっていた。
司令には、恋も!性格も!負けません!
金剛が提督LOVEなだけあって、「司令には、恋も!戦いも!負けません!」と司令(プレイヤー)に対してライバル宣言をしている。
が、他のシスコン勢とは違い提督の事などアウトオブ眼中といったフシはなく、ましてや提督の事を目の敵にしているわけでもなく、その言動からはむしろ提督を上官として信頼している様子が随所に見られる。
MVP取得時には「私の活躍見ていてくれました? そう、なら頑張った甲斐がありました!」と嬉しそうに述べるなど、明るく素直で嫌味の無い性格であるが、「気合!入れて!行きます!!」や、「んぅ… はっ!何ですか!?寝てません!寝てませんてばぁーっ!」などと、基本的には子供っぽくてアホの子である。(比叡はアホかわいい)
また、小破時に「ひえー!」とダジャレを言ったり(狙って言っているかは不明だが…)と、愛嬌のある台詞が多い。
しかし、アニメでは駆逐艦の島風に対して、
「そうだ!旗艦は金剛姉様よ!」、「人の話を聞けー!」 と怒鳴るなど、意外に後輩に厳しい一面も。
夜戦、弾着観測射撃時の「私、頑張るから……見捨てないでぇ~!!」という攻撃時の自虐的な台詞は、他の台詞同様ハイテンションな為に史実を知らない人にとってはただのギャグにしか聞こえないが、元ネタの「機関室全滅の報に基いて総員退艦と注水弁開けを命じられるも、後にそれが誤報で機関室は健在であったと判明。だが時既に遅く沈んでいった」という悲惨な末路を知る提督にとってはかなり心をえぐる内容。なお、この時雷撃処分も命じられているが、実際に行われたかどうかは公式記録になく不明である。
一見姉妹の中で一番ぺったんこのように見えるが、中破絵ではサラシの下にかなりしっかりとしたふくらみを確認できる。
やっぱり血は争えない。
ちなみに入手時の本人の言によると「金剛お姉さまの妹分」との事で、いわゆる血の繋がった妹ではないのではとの解釈もある。
元ネタの金剛は英国生まれ、比叡は日本生まれだからだと考えると合点がいく話ではあるが、榛名は図鑑内で自分達金剛型戦艦を「四姉妹」と説明しており、公式メディアでもその扱いは「実の姉妹」となっている。
そもそも姉妹艦と言うのは同型艦の事を指し、多くの艦娘は「実姉妹」という解釈で台詞やキャラクター付けがなされている(榛名もその一人である)が、金剛型に限らず生まれ(造廠)も育ち(所属)も違う艦は多く、姉妹艦を「姉貴分」「妹分」とする解釈もあながち間違いではない。
比叡と榛名の場合、同じ艦級の中で解釈に違いがあった為にややこしい事になっているが、両者の発言の指すところは全く同じである。
ただし、ひとつだけこの条件を満たすものがある。
金剛型4隻の名は海上自衛隊はるな(II)型護衛艦およびこんごう(III)型護衛艦に受け継がれる。
が、はるな・こんごう・きりしまがいずれも三菱重工長崎造船所製であるのに対して、ひえいは石川島播磨重工東京第2工場製である。
つまり文字通り1隻だけ“生みの親”が違う事になる。
しかし、海自艦の旧海軍艦からの襲名は金剛型に限った話ではなく、この為比叡だけがこれに影響されている理由が不明となる。
関わりの深い艦
お姉様と呼んで深く慕っている。
同型かつ部品が同じイギリス製なので、言うなれば他の妹より血の繋がりが濃いからかもしれない。
しかし、一方では史実で金剛と一緒に出撃した回数が少ない(むしろ霧島と組んで出撃した事が多い)。それ故の反動からシスコンのイメージが強化されたのだろうか?
はたまた金剛型コルベット艦でも二人が姉妹であった由縁だろうか?
いやはや、実は次の代で1人だけぼっちにされたからかもしれない(「はるな(II)」「こんごう(III)」「きりしま(II)」は三菱重工長崎造船所で、しかも同造船所が最初に建造した軍艦が戦艦霧島である。「ひえい(III)」は石川島播磨重工東京第2工場)。
なお、3人以上の姉妹艦ではあまり姉妹への言及はなく、姉様LOVEの比叡は割と例外的。
あえて仲間を上げるなら古鷹と加古(『艦これ』では分けられている青葉と衣笠も太平洋戦争勃発時には事実上同型艦だった)。
ノリがライトなせいか他のシスコン艦娘と比べて健全な印象を受けるが、ゲームに実装されている台詞において、金剛に言及したものが占める割合はかなり高く、特に二次創作においては病的なまでに慕う様子が描かれる事も多い。
かの第三次ソロモン海戦において、航行不能に陥った比叡から司令官阿部弘毅中将らが移乗している。
また比叡の雷撃処分を雪風が行ったとする説もある。→ゆきひえ
竣工して間もなく、御召艦だった比叡の供奉艦を務めた事がある。
観艦式で供奉艦を務めた事こそないものの、雪風と同じく比叡の最期の時も共にいた。実際に比叡の雷撃処分を命じられたのは彼女ら第二七駆逐隊だった(前述したように実際に行われたかどうかは記録になく不明)。
比叡の戦没後、元乗組員の多くが乗っている。「乗艦を失う悲しみは二度と繰り返さない」という気持ちから訓練や制裁は戦艦並に非常に厳しかったと言われ、その甲斐あって大淀は終戦間際まで損害を受ける事がなかった。
1936年の改装の際に大和型戦艦の新装備のテストのために艦橋や艦内装備が一新されている。
『鶴翼の絆』では実際に彼女との絡みが描かれており、装備テストの事にも触れられている。
二次創作において
ゲーム内のイメージを踏襲して、基本的にお姉様LOVEである。往々にしてその愛は重過ぎて(変態比叡さんとか)、金剛も扱いに困っている事があったり。