物質にはすべて毒性があり、毒性のないものはない。量が毒か薬かを区別する ―― テオフラトゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバトゥス・フォン・ホーエンハイム
現実世界における毒
主に自然界に生息する動植物が自己防衛や狩猟のために保有していることが多い。
時に毒を持った生物に自らを似せることで外敵を遠ざける生物がいるほか、人間が動植物から毒を抽出して利用することもある。
自然界以外においても毒は存在し、主に人工的に生成された化学物質であることが多い。
また、薬も用法を間違えば体にとって毒となる危険性がある。
人間にとっては狩猟の補助と言う健全から暗殺と言う手段まで非常に多くの毒が用いられてきた。
特に解毒、検出の技術は毒の発見より遥かに遅れて発展してきたので、分かっていないだけで相当多くの毒が暗殺に用いられてきたと考えられている。
毒を持つ主な自然の動植物
- 哺乳類…カモノハシなど
- 鳥類…ピトフーイなど
- 蛇…マムシ、キングコブラ、エラブウミヘビなど
- その他爬虫類…アメリカドクトカゲなど
- 両生類…ヒキガエル、ヤドクガエル、イモリなど
- フグ…テトロドトキシンと呼ばれる神経毒を持つ。トラフグ、ドクサバフグ、キタマクラなど
- その他魚類…ゴンズイ、オニダルマオコゼ、アカエイなど
- 昆虫…スズメバチ、マメハンミョウ、マツカレハ幼虫、チャドクガなど
- 蜘蛛…クロゴケグモ(ブラックウィドウ)、セアカゴケグモなど
- その他節足動物…ムカデ類、サソリ類、スベスベマンジュウガニ、など
- 軟体動物…ヒョウモンダコ、アンボイナガイなど
- その他無脊椎動物…ハブクラゲ、オニヒトデ、イイジマフクロウニ、ウミケムシなど
- キノコ…テングタケ、ドクツルタケなど
- 植物…トリカブト、スズラン、ヒガンバナ、ウルシ、ウメなど
- 細菌…アオコ、腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌、コレラ菌、ボツリヌス菌など
蛇や虫が毒を持つイメージが強いが、哺乳類や鳥類も毒を持つものがある。
また、クラゲやフグなどに代表されるように、海には毒を持つ生物が多い。
創作における毒
現在ほど情報技術の発達していない時代では、存在するのは分かっていてもどのような毒が存在するのかは医者以外碌に分かっていなかったので、童話などを筆頭に魔法のような扱いを受けていた。
例としては白雪姫の毒りんごで、これはもちろん魔法の毒であるが、解毒の手段が愛の口づけであり死には至らないなど現実には到底有り得ない毒である。
(ちなみに原典での解毒の手段は「毒を持った物を物理的に取り除く」というものであり、近年の作品で有名な「愛の口づけ」という手段は別の童話から取られた要素である)
しかし推理小説などで毒を利用したトリックが登場してくると、ミステリーにおいては現実に存在しない毒を使ってはならないと言う掟が徐々にできはじめ、創作においても対象年齢が高い作品では薬により解毒が可能な物と言う扱いが出始め魔法のような扱いは最早なされていない。
ゲームにおける状態異常としての毒
キャラクターのHPが徐々に減少する、オーソドックスな状態異常として扱われる。
現実で言うところの出血毒に近い。脅威度はピンキリ。
視覚的には体色が毒々しく変化する、あるいは頭から毒々しい色(主に緑か紫)の煙や泡が吹き出すなどの形で表現される。
パワーアップ版として「猛毒」が別に存在する事も定番となっている。
毒に関連した主な架空のキャラクター
※「毒属性」も参照。
- バブルスライム(ドラゴンクエストシリーズ)
- メディスン・メランコリー(東方Project)
- イーオス、ゲリョス、ギギネブラetc.(モンスターハンターシリーズ)
- 毒吹きアゲハ(世界樹の迷宮シリーズ)
- ココ(トリコ)
- どくタイプポケモン 攻撃より守備に優れたタイプで、例外もあるが相手をじわじわと弱らせる戦法が得意。
- 毒蛾(ドロヘドロ)
- 柳龍光(バキ)
- ポイズン(VIPRPG)
- 白ピクミン(ピクミンシリーズ)
- マゼラン(ONEPIECE)
- 二星龍(ドラゴンボール)
- ファン(ストリートファイターⅤ)
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