概要
古武術の抜刀術が、型の流麗さを追求する武道として昇華されたものである。
刀が鞘に収まった状態で構え、そこから刀を抜いた勢いで一撃を加え、そして再び刀を鞘に戻すまでの一連の所作に特化している。流派によっては、居とは座っているという意味で、立って行うものは立合であると説明している場合もある。
今では一瞬の内に刀を抜き放つ技のように理解されている事が多いが、元は「(相手と近い間合いでは不利な)鞘に収まった長刀で、短刀を持った相手にいかに勝つか」という目的で考案され、やがてゼロ距離の技術である柔術と、遠間の技術である剣術や棒などに対し、そのバランスが拮抗した中間距離を制する技術として発展したものである。居合という技術の開祖林崎甚助が夢によって神託を得たという伝説があるため、居合の流派には「夢想」という文字が付く流派が多い。各剣術流派では剣術・槍・柔などに並んで併修されていた技術の一つであり、居合のみから成り立つ流派が生まれたのは戦後の事である。
様々な居合術の中でも、全日本剣道連盟居合は「居合道」として、各地で道場や学校の部活動として定着している。他に抜刀術から派生した武術として抜刀道があるが、型の美しさを追求する居合道に対し、抜刀道は一撃必殺の技を競うもので、似て非なるものである。
ただし剣道の竹刀よりも危険な金属刀を練習レベルから用いる事もあって剣道よりは敷居が高くかつ基礎技術として剣道を経由してから習う場合も少なく無い。
創作での扱い
時代劇では『座頭市』で、主人公の市が仕込み刀による抜刀術を用いており、ここが火付け役となったと思われる。
アニメでは、モンキー・パンチ原作の漫画『ルパン三世』に登場する石川五ェ門が斬鉄剣による華麗な抜刀術を劇中で度々披露していたことから定着していった。同時に『居合だったら銃弾でも車でも斬れる』という誇張表現も定着させた。
ゲームではSNKの対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』で、それまで拳主体だった同業界に『真剣での勝負』を持ちこんだことから、居合を扱うキャラクターが徐々に勢力を拡大させていくこととなる。
居合の極致とは……?
よく居合を極めたことの表現として「斬られたこともわからない」や「いつ抜いたかもわからない」といった、速さや技術に関して取り沙汰されることがあるが、これは正しくはない。
前述通り、居合とは遠間を支配する剣術とゼロ距離を支配する柔術の中間の領域を制する技術として発展した。つまり、居合の支配する間において極められた居合によって相手を制すると云うことは相手に「抜かせず、投げさせず」というもはや刀を抜かずして戦いに勝つという次元を可能にするのである。
関連タグ
居合に関連する作品・キャラクター
漫画・アニメ
ゲーム
- 橘右京(格闘ゲーム:『サムライスピリッツ』シリーズ)
- 黒河内夢路(同上)
- 御名方守矢(格闘ゲーム:『月華の剣士』シリーズ)
- 高嶺響(同上)
- ジョニー(格闘ゲーム:『ギルティギア』シリーズ)
- 朱鷺宮神依(格闘ゲーム:『アルカナハート』シリーズ)
- 不律(格闘ゲーム:『アカツキ電光戦記』シリーズ)
- ムラクモ(同上)
- 琥珀『MELTY BLOOD』シリーズ
- 川澄舞(格闘ゲーム:『EternalFightZero』シリーズ※【キャラ元はギャルゲーのヒロイン】)
- 上杉謙信(アクションゲーム:戦国BASARA)
- 石田三成(同上)
- 明智光秀(アクションゲーム:戦国無双シリーズ)
- 柳生宗矩(同上)
- 佐々木半兵衛(アクションゲーム:『立体忍者活劇 天誅』、『立体忍者活劇 天誅 忍凱旋』)
- 陣内(アクションゲーム:『天誅参』、『天誅 忍大全』)
- ガイ・セシル(RPG:『テイルズオブジアビス』)
- アスベル・ラント(RPG:『テイルズオブグレイセス』)
- 雪華(『ソウルキャリバー』シリーズ)
- αパトロクロス(同上)
- 終盤のシタン・ウヅキ(RPG)『ゼノギアス』
- 雷電(MGS)(アクションゲーム:『MGR』)
- バージル(アクションゲーム:『デビルメイクライ』シリーズ)
- サムエル・ホドリゲス(アクションゲーム:『MGR』)
- リンディス(RPG:『ファイアーエムブレム 烈火の剣』)
- 斑鳩(閃乱カグラ)(アクションゲーム:『閃乱カグラ』シリーズ)
- 周泰(アクションゲーム:『真・三國無双』シリーズ)
- 居合アーサー(格闘ゲーム:『アルカナブラッド』)
- トウカ(アダルト・RPG:『うたわれるもの』シリーズ)
- 秋山凜子(アダルト・RPG・アクションゲーム:『対魔忍アサギ』シリーズ)
※追加があればお願いします