「そうだ。僕は特別な人間なんかじゃない……
けど、僕は自分のできる事をする!」
概要
本作の主人公。23歳。 一人称は「僕」と「俺」の両方を使う。
かつてはTPC輸送部に所属していたが、3年前にデシモ星系人の仲間と思われる異星人の母船に拉致されそうになったサワイ総監を救出したことから、その勇敢さと判断力を買われてGUTSに配属された。
超古代人の遺伝子を受け継いだ「光であり、人である」存在だったことから、ゴルザとメルバが巨人像破壊のためにティガのピラミッドを襲った際、巨人像の一つと融合して変身アイテムスパークレンスをかざし、ウルトラマンティガに変身する。
当初は光になることに戸惑う局面もあったが、戦いの日々の中で徐々に「自分にできること」として意味を見出してゆく。
温厚な性格で高い能力と向上心を持つが、誰かの自由を奪う者に対してははっきりと怒りを露わにしたり、自分が正しいと信じたことについては例え仲間と論争をしてでも筋を通す強い情熱も併せ持っている。同僚のヤナセ・レナとは序盤からいい雰囲気であり、後に結婚し、子供も生まれている(後述)。
時には他の隊員のように際立った専門技能が無いことにジレンマを抱いたり、ウルトラマンになれなければ自分は無力な存在なのではないかと思い悩むこともあったが、最後は「ウルトラマン」としてではなく「人」としてできることをするという答えに行き着いた。
ちなみに、何故かシンジョウ隊員と一緒にガッツウィングに乗ると十中八九墜落してしまうというジンクスを抱えており、「墜落コンビ」と呼ばれていて劇中でも2人で「これで何機目だ?」とぼやく場面が存在する。
ガッツウィング2号をキングモーラットの攻撃で落とされた時には、修理してから戻ってこいと命令を受けた。
テレビ本編最終決戦で一度は邪神ガタノゾーアの前に敗れ、ティガは再び石像と化し、ダイゴも謎の空間でクリスタル状の物体の中に閉じ込められてしまう。しかし、最後まで希望を捨てなかった世界中の子供達の光を得てグリッターティガとなり復活。ガタノゾーアを打ち破り、闇に支配された地球を救った。この戦いでダイゴは全ての力を使い果たし、ティガに変身する力を失った。
劇場版『THE_FINAL_ODYSSEY』
本編最終話後はレナと共に世界中を旅していたが、ルルイエの闇の巨人の復活で再び戦いに身を投じる事になる。本作ではカミーラに渡されたブラックスパークレンスでティガダークに変身。戦いの中で徐々にかつてのティガの姿と力を取り戻す。
デモンゾーアとの戦いの後はレナと結婚し、植物栽培の研究のために火星へと旅立った。その際に次作の主人公アスカ・シンとすれ違う形で初邂逅を果たしており、その際に心の中で彼にエールを送っていたことからこの時すでに彼が光を継ぐ者であると見抜いていたことが分かる。
他作品での活躍
最終章に登場(それ以前にも劇場版で名前や写真でのみ登場している)。レナとの間に娘のヒカリも誕生している(さらに外伝「古代に蘇る巨人」ではツバサという息子が主人公として登場、ヒカリの弟に当たる)。
ゼルガノイドとの戦いで負傷し、火星を彷徨っていたアスカを救出した。その後、アスカに「戦うことの意味、人としてできることは自分自身で見つけ出すしかないんだ」と教え諭す。その時の会話内容から、互いにウルトラマンであることに気づいていたことが示唆されている。そして、このダイゴの助言を受けたアスカは「ウルトラマンとして生きる」という道を選び、結果的にかつてのダイゴとは逆の道を選んだと言える。
尚、ウルトラマンダイナ=アスカは歴史の教科書にも記載されネオフロンティアスペースの全住民に正体が知られているのに対し、ダイゴはティガであったという事実が厳重に秘匿されている(アスカはスフィアとの決戦の際にダイナへと変身する姿が中継されていた)。
ダイナの劇場版『光の星の戦士たち』にもティガが登場するが、このティガはあくまで人々の希望が実体化したものであり、ダイゴが変身したティガとは別の存在とされている。
ちなみに後付けではあるが、上記の『THE_FINAL_ODYSSEY』でウルトラマンの力を取り戻している為、設定上はティガへの変身は可能ではないか?と見解するファンもいるが
スタッフインタビューにおいて「火星へ移住するまでの、戦士ダイゴとしての終息を描いた」と語られていることから、変身能力は失っているようだ。
劇場版にティガが登場。ダイゴは登場しないが、設定上はダイゴ本人が変身したものとされている(脚本の初稿では、ダイゴとアスカがラストシーンで変身を解除して登場する出番が書かれていたが長野氏とつるの氏の両名とも予定がつかなかったという事情もある)。
後日談として描かれた小説『超時空のアドベンチャー』では、とある理由で現役時代のダイゴとアスカが邂逅し共に戦うこととなった。
主人公として登場。『ティガ』本編とは別の世界のダイゴ。
横浜市の観光課に勤務する公務員で、アスカや我夢とは幼馴染みという設定である他、ウルトラ4兄弟の変身者にそっくりな人物達とも知己である。
幼い頃から宇宙飛行士になりたいという夢を持っていたものの、現実を考え、レナのそばにいたいと思っていたこともあり諦めていた。遅刻をしたり仕事中に居眠りをしたりとデスクワーク時の勤務態度は真面目とは言い難く、上司のムナカタから叱責されるシーンもあった。その一方、外での海外からやって来た視察団への対応の仕事ぶりは真面目である。
黒い影法師やスーパーヒッポリト星人の侵略行動にいち早く気づき、事態を打開すべくこの世界に迷い込んできたヒビノ・ミライ=ウルトラマンメビウスと共に奔走する。
作中終盤ではウルトラマンとして活躍している別世界の自分の記憶が宿ったことでティガへの変身能力を手に入れ、ダイナ、ガイアやウルトラ兄弟と共にスーパーヒッポリト星人率いる怪獣軍団や黒い影法師らと戦った。
事件解決後、念願の宇宙飛行士となり、ラストシーンでは我夢と藤宮が開発した宇宙船に搭乗し、M78星雲への旅へと出立していった。
ちなみに、劇中の描写からネオフロンティアスペースのダイゴよりも年上である事が伺える。(この世界のダイゴは少なくともウルトラマン放送前に生誕している一方で、ウルトラマンティガの時代設定が2007年から2010年を舞台にしており、そちらの世界のダイゴは1980年代頃の生まれである為。)
ティガが登場しており、今作に登場するウルトラマン達は設定上「各々の世界からやって来た本人」とされているためダイゴが変身している可能性が高いが、V6のメンバーでもある長野氏のスケジュールの都合によるものか、声は長野氏ではなく声優の村上ヨウ氏が担当しており、また他のウルトラマンと比べると特徴的な台詞があまりなかったため真相は不明。
ちなみに同映画のBlu-rayに付録されているブックレットには「GUTSという特捜チームのマドカ・ダイゴ隊員が変身しました。」と、一条寺友也の文面で紹介されていたりする。
掛け声は放送当時に収録された真地勇志氏のボイスが流用された。
余談
長野自身が一番好きなウルトラマンは『ウルトラマンA』らしく雑誌やテレビで度々強い愛着を語っており、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』ではエースの主人公・北斗星司役の高峰圭二と共演している。また、小学校2年生の頃に「リアルタイムで『ウルトラマン80』を見ていた」と語っている。
実は平成ウルトラマンのメビウス以前の主人公の中で、本編終了後に客演(ただし変身はしない)したのは彼のみである。ただし、同じ役者にまで範囲を広げれば、Xネクサスの客演会に『ネクサス』の主人公孤門一輝役の川久保拓司氏と、『マックス』の主人公トウマ・カイト役の青山草太氏が当時の配役ではないものの、それを彷彿とさせる役で出演している。ちなみに彼ら本人の客演も存在しない)。
これは、ダイゴが「人として生きる」と決めた意味合いが強いからだと思われる(事実、『ダイナ』での客演はダイゴとしての登場であり、ティガには変身しなかった)。また、『光の星の戦士たち』や『古代に蘇る巨人』でも当初の企画ではダイゴが出演する予定だったが、スケジュールの都合がつかず、登場しなかった。
この為、ティガに変身しているのは、ダイゴとは別人物であるとされる事が多い(上記のように別世界から呼び寄せられたり連れ去られて来たという場合はその限りではないが。それでも代役が務めている事が多い)。
この他、そもそも長野氏本人が『ウルトラシリーズにはマドカ・ダイゴとして出演したい』と希望していたり、劇場版でティガの変身能力を失った設定に対する尊重があるからという見方が出来る。別時空を旅しているアスカとは異なり、安易にパラレル設定を濫用されてもファンは納得しないという背景もあるのだろう。長野氏がジャニーズ事務所所属である為、ギャランティやスケジュールが厳しいという事情も考えられ、様々な要因からダイゴの顔出しが難しくなっている事がわかる。
『古代に蘇る巨人』や劇場版『ウルトラマンX』にて、アムイや玉城ユウトと言った、ティガの新たな変身者が現れたことも、こういった背景が影響しているものと思われる。(皮肉にも、ダイゴが劇中で言っていた『人間は自分自身で光になれる』という言葉を体現したとも言える)
「ダイゴ」という名前は当時円谷プロ制作部に所属していた渋谷浩康の考案である。名字の「マドカ」は「円谷の子どもだから」という意味で、その一字である円から取られた。ちなみに後者は脚本を担当した長谷川圭一によれば、「ダイゴ」が名字か名前か長らく決まらなかったことや長谷川自身もイメージが出来上がってからでは違和感が生じるため反対的だったため、スタッフ間でフルネームを付けるのは永久に封印することにしていた。しかし、レナとの結婚が描かれることや名無しの権兵衛ではかわいそうだと監督の村石宏實が案じたことにより決まった。
2021年に、ティガとウルトラマンゼットをメインに置いた総集編番組『ウルトラマンクロニクルZヒーローズオデッセイ』が放送開始。
久しぶりのティガメインを置いた番組放送にファンは歓喜していたのだが、(おそらくジャニーズ事務所絡みの)大人の事情の問題があったためか、第1話目から長野氏の演じるダイゴの登場場面がまさかの全カットという恐るべき事態が発覚(また、その余波なのかは不明だがつるの剛士氏演じるアスカ・シンも同様の事態が発生している。ちなみに、過去にはウルトラマンコスモスの春野ムサシ役の杉浦太陽氏も誤認逮捕により登場シーンがカットされ、毎日放送制作のウルトラマンでそういった事態を経験していないのは『ガイア>』のみになってしまった)。
同番組開始の直近で長野氏が不祥事を起こしたわけでも、ましてや長野氏がダイゴを演じた事を黒歴史にしたいわけでもないのに、そのティガの変身者でもあり『ティガ』の番組における功労者とも言える長野氏の演じるダイゴを(たとえ流用映像の流用でも)テレビで再び見ることを期待したファンの期待を裏切る結果(主人公であるためになおさらである)となり、番組と言うよりジャニーズ事務所に対する不満を露にする人もいるとか…(見逃し配信の感想欄やtwitterでも、ダイゴ隊員の登場場面カットにと不満を抱くファンが続出している。
その一方で、提供クレジットやサブタイトル表示画面等がティガのオマージュだったりと、ファンをニヤつかせるものもある。
ちなみに昨今では長野氏と同じジャニーズ事務所所属のアイドルグループである嵐は公式アカウントを作りつつPVやライブ映像をYouTubeに配信し、下記のように長野氏が所属するV6が歌った主題歌「TAKE ME HIGHER」のPVもavexのYoutube公式チャンネルにアップされている。
これらの事を考えると、大人の事情という言葉も逃げ口上にも見えてしまうのも無理はないだろう。
しかし、そんな大人の事情の中で奇跡は起きた。
何とS.H.Figuartsの真骨彫ウルトラマンティガの宣伝PVで、マドカ・ダイゴを演じた長野博氏が登場したのである。
こちらでは当時ティガのスーツアクターを担当された権藤俊介氏も登場し、両者が共に映るシーンもある。
マドカ・ダイゴの本格的な客演では無いが、長野博氏の登場にはSNSをはじめ、多くの者達が反応され、テレビのニュース番組でも話題となった。