「世界だろうがなんだろうが、ぶち当たる壁は正面からぶっ飛ばす!」
「戦いの後に残るのはカードだけだ…」
「アルティメットだか何だか知らないが…俺は既に究極を超えている」
概要
公式表記は「仮面ライダーディケイド 激情態」。
映画『仮面ライダーディケイド 完結編』で登場した、仮面ライダーディケイドの新たな姿。
世界の破壊者という使命を受け入れた門矢士が変身するディケイド。ディケイドの本当の姿・真の姿とする資料もある(コンプリートフォームが真の姿とされている資料もある)。
仮面ライダーとその世界を破壊するために、ライダーカードを使って手当たり次第にライダー狩りを行い、ほぼ全てのライダーを倒してカードに封印した。
顔にある、目の役割を持つパーツ「ディメンションヴィジョン」が鬼や悪魔のような形相をしており、色合いも緑色からエメラルドグリーンに変化している。また、額にある小さなパーツ「シグナルポインター」も黄色から紫色に変化している。
ディケイド/門矢士を演じた井上正大は、「最終回ではまだ覚悟が決まっておらず、襲ってくるライダーを撃退するだけだったが、何度も襲撃されるうちに撃退ではなく『完膚なきまでに叩き潰す』スタイルに変わっていった」とコメントしていた。
スペック
身長 | 192cm |
---|---|
体重 | 83kg |
パンチ力 | 5t |
キック力 | 10t |
ジャンプ力 | 30m |
走力 | 100mを5秒 |
パンチ力などの基本スペックは通常よりやや向上しているが、劇的に高いわけではない。(スペックだけならコンプリートフォームが全ステータス上回る)
しかし近接戦は通常よりも遥かに強くなっており、(当時)平成最強と名高いアルティメットクウガとの戦いでは、肉弾戦のみで追い詰め、FFRを行い突撃して心中を図ろうとするクウガに挟まれながらもライドブッカーでバラバラに切り裂き勝利した。
能力
最大の特徴はカメンライドせずとも他の仮面ライダーの能力を自在に使いこなすという所。
作中ではクロックアップとインビジブル(つまり高速移動+透明化)を用いてスーパー1とカブトを瞬殺し、仮面ライダーJに対してもG4の保有する対艦ミサイル『ギガント』とカイザのサイドバッシャーを組み合わせたミサイル攻撃で圧倒した。
さらに戦闘スタイルも、格闘戦では首を締め付けたり倒れた相手に対して踏みつけを繰り出したりとより暴力的なものに変化し、襲撃してきたライダーを「FINAL FORM RIDE」系統のカードで強制的に変形させて自らの武器にして使い捨てたり、不意打ちをするといった勝つためには手段も選ばないダーティーなものになっている。おのれディケイドォ!!
この他にもディレクターズカット版では襲撃してきたライダーの攻撃を受け止める際に腕のみの部分変身なども披露しており、変身前を狙って倒すということも難しいことが示唆されている。
また、冒頭のシーンの描写では、FINAL ATTACK RIDE DECADEが強化されているようにも見受けられる。
通常10枚しかカードが出現しなかったファイナルアタックライドが、相手に着弾するまで無限に出現するようになっているのである。相手がどれだけ逃げようと執拗に追跡する便利な技となっている。受ける側からすればたまったものではないが。
まとめると激情態の能力は
であることがわかる。こりゃ勝てんわ。
ゲーム作品への出演
仮面ライダーバトライド・ウォー
事件の首謀者であるカラスを名乗る男が、人々の記憶が具現化される空間においてディケイド激情態のボディを纏い、仮面ライダーNEW電王・仮面ライダースカル・仮面ライダーエターナルとともにラスボスとして襲い掛かってくる。
続編となるバトライド・ウォー2及びバトライド・ウォー創生ではプレイアブルで参戦。
劇中のようにカメンライドする事なくクウガ~キバの技を使う事ができ、ギガントも使用可能となっている。
シティウォーズ
サービス終了一ヶ月前にレイドボスとして滑り込みでまさかの参戦。
黒幕の手でシティウォーズの世界に召喚させられ、ジオウ及びネオディケイドと対峙した。
当初はネオディケイドを自分の偽者と認識し、二人まとめてカードにした上でシティウォーズ世界も破壊しようと暴れ回る。
しかし、令和の力をそれぞれ宿した未知なるコンプリートフォームと自分の力を纏った魔王を目の当たりにして、終わるはずのライダーの物語が続いており、またマゼンタのベルトを巻いた偽者は本当に未来の自分であった事を悟る。
背後の事情も概ね理解した上で、この世界における役割を未来の自分に託して去って行った。
「お前が持つディケイドのウォッチ……失くすなよ。」
「俺の……ディケイドの物語が確かにあった証拠だからな。」
立体化
S.H.Figuartsシリーズでは、映画公開から半年後に通常ディケイドの頭部も付属して激情態が立体化された。
2016年には真骨頂シリーズの通常ディケイドに伴い、今度は激情態が頭部を付属される形でこちらも真骨頂としてアーツ化した。
仮面ライダージオウの食玩フィギュア、装動RIDE PLUSでは、激情態はジオウ関連作品に一切登場していないにも関わらず当然の如く収録されている(オプションパーツという形でネオディケイドの頭部・ドライバーを差し替えて再現できる)。しかもギガントまで付いてくる。おのれディケイド!
更に玩具オリジナルではあるが、ネオディケイドライバーを装備した激情態にする事も可能。おのれディケイド!お前は一体何なんだぁ!!
玩具化
劇中ではカメンライド・ディケイドのカードで変身する特殊形態のような位置づけのため、激情態を表す変身アイテムが当時は存在しなかった。
その後、仮面ライダーウィザードのウィザードリングで初の玩具化。
10年後には仮面ライダージオウで激情態のライドウォッチも登場している。
そしてCSMディケイドライバーver.2の発売に伴い、劇中未登場のカードを収録した「CSMライダーカードセット EXTRA」で激情態のライダーカードが誕生した。
玩具オリジナルではあるが、初登場から実に12年越しの玩具化である。
余談
スカイライダー撃墜時に使用したFARにはディメンションキック説とディメンションブラスト説がある。
これについては、DVD等で映像をスロー等でよくよく確認すると「ブラスト」の様に見える(キックなら当然ディケイド自身が突っ込んでくるはずだが、攻撃はただの光でディケイドの姿は一切見られない。足先の光が強すぎて見えなかった可能性もある)。
ただ、関連書籍では「ディメンションキック」と言う記述もあり、ガンバライド等のゲームでもディメンションキックとなっているため、公式設定ではキックであるようだ。
そもそも、劇場版公開当初は、撃墜シーンの直後に爆心地から現れるディケイドの姿(=蹴ったまま着地したと言う解釈が可能)のせいか、「キック」と解釈する視聴者が非常に多かった。初出が劇場版であってスロー再生などできず、DVDが出るまでの間にその誤解が広まって定着してしまっていた。
そのため、公式側にもこの誤解が逆輸入的に取り入れられた、もしくは連絡の齟齬等で公式側も同じように誤解してしまった、という可能性がある。
あるいは逆に、本来はキックのつもりだったがCG処理の過程などにミスがあった可能性あり、劇場版の映像が誤りで関連書籍やゲームの内容が正しい。
ガンバライジングではディケイドがエネルギーの塊になって突撃する技になり、劇場版の映像と各方面の設定記述をうまく融合させている。
仮面ライダー図鑑でも全身を発光体と化して突撃するディメンションキックの変則技と位置づけられた。
関連項目
ダークヒーロー アンチヒーロー 仮面ライダーダークディケイド
オーマジオウ:激情態と同じく主役・サブの垣根を越えたあらゆるライダーの能力を有しており、姿を変えることなくそれらを行使できる。
激情態→スーパータトバコンボ/ロケットステイツ