解説
フロント73区に建造された高等教育機関。ベネリットグループが運営し、ベネリット内の有力企業トップの子供達も生徒として在籍している。入学条件はグループ傘下の企業推薦。校章は横を向いた鳥のようなデザインで、翼を広げた猛禽に似ている。
パイロット科(P)、メカニック科(M)、経営戦略科(S)の各専科があり、特にパイロット科はエリートとして一目置かれている様子。また学生達のモビルスーツが多数持ち込まれ運用されている。
フロント管理社の監視下にあり、異常事態が認められた際には学園への直接的な介入が行われる。
学園と名がついているが、通常の学校のような教育機関とは違い、ベネリットグループの私塾に近い存在である。そのため性質も今日で言う公的な学校というよりは、ベネリットグループの社員候補育成のための研修校のようなものであると考えられる。
設備
4つのドラム型の区域がクローバーのように並んだ外観で、広大な敷地を有し、通学用の鉄道が寮や校舎などの各施設を結んでいる。スクーターでの移動も一般的。
校舎の間の通路はモビルスーツが歩けるほどの広さもあり、敷地内では実機による演習も行われる。ビーム兵器の使用も想定されており、内部壁面にはビーム耐性のあるフィールドが貼られている。
爆風や飛散物等の対策については特に行われている描写は無く、付近でモビルスーツの戦闘行為が発生した際には、周囲の生身の人々は脇目も振らずに逃げることでこれに対応している。
決闘のための演習施設などの各施設や寮のハンガーなどはモビルスーツを格納したカーゴが運搬可能な地下レーンで繋がっている様子。
戦術試験区域
本格的な戦闘演習に用いられる区画。地形に樹木や風景を投影することで各種環境や天候を再現しており、決闘に使用されることも多い。モビルスーツは専用のMSコンテナに格納され、レールに乗せることで各区域へ迅速に輸送される。
区域内での温度上昇や火災には大量の水を散布する排熱処理で対応し、その光景は地球の降雨に似る。
決闘委員会によって定期的な点検が行われる模様。
環境一覧
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
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- | - | 砂漠 | 廃墟 | - |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
- | 密林 | - | - | - |
11 | 12 | 13 | ||
月面 | - | 荒野 |
ナンバー不明ではあるが、OPでは草原の区域も存在している事が示唆されている。
森林エリア(仮称)
ミオリネの温室が置かれたエリア。中には装備を持ち込んで野営する者も……。
寮
学生たちは寮から通学しており、今のところはジェターク寮、ペイル寮、グラスレー寮の御三家寮の他に、ブリオン寮やダイゴウ寮、地球寮の存在が明かされている。なお、保有するMSの改修や強化については寮(または管理する会社)で人員や費用を賄う必要がある様子。寮の規模によっては艦艇を運用する事も可能で少なくとも御三家は全て保有している。また、寮ごとに識別などの理由でイメージカラーのようなものも設けられておりデミトレーナーのハッチや決闘のオッズリストなどの生徒名の表示で用いられているようである。
- 地球寮
- 地球出身者(アーシアン)の学生たちが起居する生活空間。寮長はマルタン・アップモント。他の寮がベネリットグループの会社名を冠しているのに対して、「地球」で一まとめにされてしまっていることも、本作の地球圏と宇宙との勢力格差を表している。
- メンバーはメタ的には学園の“下限”の指標となっており、パイロット科で共に40番前後のスレッタやチュアチュリー、メカニック科で200番台のニカなど、各学科の在籍者数をおおよそ察することができる。
- ミオリネが「GUND-ARM Inc」を立ち上げるに当たり、さしあたっての社屋にされた上、学生数人が強制的に入社させられた。
- イメージカラーは不明。
- ジェターク寮
- ジェターク・ヘビー・マシーナリーの推薦で入学した学生が暮らす寮。寮長はグエル・ジェターク、後にラウダ・ニール。
- イメージカラーは赤(マゼンタ)もしくは赤褐色。
- ペイル寮
- ペイル・テクノロジーズの推薦で入学した学生が暮らす寮。道路を跨ぐ薄板のような外観で、御三家の名に恥じない白亜の威容を誇る。寮長はエラン・ケレス。
- イメージカラーは水色(シアン)。
- グラスレー寮
- グラスレー・ディフェンス・システムズの推薦で入学した学生が暮らす寮。決闘においては集団戦で無類の強さを示す。寮長はシャディク・ゼネリ。
- シャディクの部下である少女たちには熱烈なファンが多く、決闘の生中継が始まるとアイドルさながらの応援団が集結する。
- イメージカラーは濃い紫。
この他にもイメージカラーが白(シルバー?)や黄色の寮が存在し、各寮毎にカラーが割り振られている模様。
理事長室
中二階で区切られた2部屋からなる空間。理事長・デリングが学園に寄りつかないのをいいことに、娘であるミオリネが寮に入らず私室として占拠している。
機器・機械
- ハロ
- モビルクラフト
- 第1~3話にて登場。二対の腕と一対の足を持つ作業用途の機械と思われる。第1話では講義中の立体画像、第2話では生徒の電子端末内の画像として描写。”MOBILECRAFT FUTURETECHNOROGY SIZE 6.6m 18.8t”の表示が確認できる。第3話ではミオリネが乗り込み操縦を行った。
- 名称不明1(仮称)
- 荷役機械あるいは練習機と思われる平たい上半身を持つ二脚の機体。第1話でもモビルポッドのような形態で登場。
- 名称不明2
- 第1話で教官が演台のように用いていた小型機体。座席とコンソールに装輪四脚を持つ。第3話では連結したコンテナ車両を牽引し、第5話では不整地をホバー走行する様子が確認できる。後方に長いサドルが突き出ている事から複数人の搭乗も想定していると思われる。グエルが決闘場に駆けつけるときに用いた四輪バイクもこれと考えられる。
学生
制服は前面がファスナーになった詰襟のジャケットで、ネクタイを模した引手で開閉する。袖は二重になっており、ローブを思わせるゆったりしたシルエットを作り出している。
ボトムは男女とも基本的にハーフパンツだが、ある程度のカスタムは許されているらしく、丈を弄ったり大胆に着崩したりしている者もいる。
制服の下には学園のインナースーツを着込む。女性はオレンジ、男性はグエルから推測するに紫と思われる。
制服や学園パイロットスーツはデータを流し込むことで色が変わる素材であるらしく、特定の学生を引き立てるために使われる。
入学に当たっては犯罪歴や生体認証システムの登録が審査されるようである。
学籍番号は入学年・専科・個人番号の3つで構成される。入学年は3年生は「K」、2年生が「L」、1年生が「M」となり、専科は上述の略記号。個人番号は推薦企業のヒエラルキーによって決定される。例えばスレッタの場合は「パイロット科所属の2年生、041番」なので「LP041」となる。
学籍番号のアルファベットの法則から学年はアルファベット順とすると、ABC→BCD→CDE(中略)→IJK→JKL→KLMとなり、設立13年目の可能性がある。
生徒手帳などで表示される個人名のファーストネームは先述した通り所属寮などによって色付けされているようで、ホルダーの生徒は所属問わず金文字となり決闘の対戦者表示や手帳の通話機能での発信先表示で金の学園ロゴが表示されるようである。
生徒手帳
スマホ型のデジタル端末を「生徒手帳」としており、モビルスーツや学内の各設備を利用する際に用いられている。手帳の貸し借りは校則違反。
ブラウザ、メッセージ(メール)、メモ帳、学習教材といったアプリケーションが存在すると思われ、同時に4つまでのタスクを起動する事が可能なようである。一方でゲームなどのように全画面使用するアプリも存在する。
メッセージは連絡先を登録した者同士でなくとも送受信が可能だが、送信者の名前は表示されない。
学科・試験
筆記試験の他に、実機を用いた実技試験も存在する。特にパイロット科の学生はデミトレーナー運用のサポートを行うメカニックとスポッターが必須であり、人員を揃えることも評価対象となる。
通常の試験で不合格になった際は基本的に追試となり、そちらは合格するまで何度もリトライすることが可能。それでもやむを得ず不合格になった場合は再試験となる。
腐敗
“御三家”の名を冠した3寮をはじめとする複数の寮を有し、グループ内企業の推薦があればアーシアン、スペーシアンを問わず入学可能と思われる。
運営母体のパワーバランスが学内のヒエラルキーにも影響しており、特に底辺に位置すると思われるアーシアンへの悪感情や蔑視の態度は露骨。喧嘩や対立が絶えず起きており、ヘイトスピーチまがいの指導をする教職員すら存在する。更にスペーシアン同士も協調してるとはとても言い難く、水星出身のスレッタが田舎者扱いされるなど出身地による差別や分裂は甚だしい。
課題中の不正・妨害行為も横行しており、多くが学生の自己責任に転嫁されるなど、学園側で目に見える対策や処罰も行われていないという警備面の粗さも目立つ。
グループ内企業の子女が多数在籍しているため、下手に罰しようものなら学園の運営に関わる一大事に発展しかねないために、事無かれ主義に陥っているのではないかと指摘する声もある。
一方、学生同士の諍いに対して徹底した不干渉を貫く点は良くも悪くも公平であり、アーシアンの学生による校則違反には口頭での注意に留めたり、不正行為への報復としての暴力沙汰にもペナルティが与えられない様子や、学園の根幹たる校則すらも学生が自由に改訂してしまえるなど、かなりの部分で教職員の権限が制限されていると思われる点も見受けられる。
“力は絶対、弱肉強食”、力がなければ上位者からは圧力を受け続けるという、お世辞にも健全で居心地が良いとは言えない学校。非常事態が日常です。
決闘
モビルスーツを使用した一種の競技。上述の”力は絶対”という原則に基づいて布かれた、“ある意味”公平で平等な制度。承認された決闘で勝利しさえすれば敗者に自身の要求を通すことができる。中には「虫の言葉で謝る」という珍妙な要求を突き付けられた者も。
学内に置かれた決闘委員会の承認さえあれば授業を差し置いて突発的に始まることもあり、決闘の様子は学内でリアルタイムに配信される。
一部の学生間では賭け事の対象にもなっている。オッズリストは全校生徒に公開されており、例え授業中であっても確認する事が可能。倍率は競馬などのように直近の戦績や技能、後援企業などが加味されているものと思われる。
公平・平等とはいえそれは「機会」に限った話であり、用意できるモビルスーツの性能やバックについている企業の権勢、資金力などに加え、委員会では裏工作まで黙認されている。あくまでも決闘に臨む学生の総合力を問われるが故に「結果のみが真実」という前提があり、企業間抗争のミニチュア版といった様相を呈する、見た目以上に酷薄な実情がある(理事長であるデリングも強硬な結果主義者である)。
資金力、技術力で圧倒的な“御三家”以外が勝利することは困難と思われる節があり、実質的に「モビルスーツの性能」がものを言う場面も認められる。また「御三家同士の決闘は珍しい」という発言もあり、実質的には学園の頂点に君臨する御三家が横車を押すための都合の良い制度と見ることもできる。
扱っているモノがモノなので決闘中に誤って(あるいは故意に)相手パイロットやギャラリーを殺傷してしまう危険性も充分考えられるが、そのような事案が起こった際の罰則規定については現時点では言及されていない(参考までにガンダムファイトでは国際条約第一条補足において相手ファイターの殺傷は過失の場合のみ認められている)。
ルール、作法
- 決闘委員会の専用ラウンジにて委員会から選ばれた立会人が「双方、魂の代償を天秤(リーブラ)に」の前置きの後(前置きは省略される事も)対戦相手との顔合わせを行い、自分が勝利した場合の要求事項を届け出る。これを立会人が「ālea jacta est.(賽は投げられた)」の宣言と共に承認する事で正式な決闘が受諾され、日取りやルール、場所などが調整される。
- 後日要求事項を設定する事も可能であり、(セセリアの皮肉止まりと思われるが)要求を設定せずに決闘に臨む事も可能と思われる。乗機が整備中などの場合は委員会もしくは立会人に申請する事で利用可能になる予定日まで先送りする事も可能。
- 決闘開始時には対戦者またはチーム代表同士が「両者、向顔」の合図でお互いのコクピットに顔を写し合い、最後の宣誓として下記の口上を述べる。多数対多数の決闘の場合は、代表者が必ずしもパイロットである必要はなく、陣営の指揮官が代表であっても良い。
- 勝敗はモビルスーツの性能のみで決まらず。操縦者の技のみで決まらず。ただ、結果のみが真実。
- 立会人の「決心解放(フィックス・リリース)」の号令により決闘開始。
- 「相手機体のブレードアンテナを折損させる」ことで決着。機体の全体的な損傷度合いは考慮されない。団体戦では大将機の「撃墜」が決着となるルールの場合、僚機は「撃墜」されるまでは戦闘行為が可能で撃墜判定を下されたとしても機体の移動や味方間の通信、「生存者」へのサポートに関しては可能とみられる。アンテナが複数本ある場合は一本でも破壊された時点で撃墜判定。
- 決闘に使用出来るモビルスーツには一定のレギュレーションがあり、規定の長さ以上のブレードアンテナや要件を満たしたコクピットなどを備えている必要がある。アンテナは先述したように複数本でも問題なく折り畳み式や後頭部の配置、リトラクタブルも認可されているようで、それぞれ折り畳み式はディランザ グエル専用機、後頭部配置はグラスレー系、リトラクタブルはデミトレーナーに採用されている(決闘前に展開出来なかったり決闘中に格納すると反則負けになると思われる)。
- 機体コンテナに格納出来ない大型の武装などは予備パッケージに格納し機体とセットで射出する必要があると思われる。
補足
- 個人戦は(表向きは)一対一での戦いが原則。複数対複数の集団戦が採用される事もある。
- 使用されるビーム兵器は決闘用の弱装出力で用いられる(緑色の光で表現される)。
- 決闘の最優秀者である“ホルダー”を撃破した際はホルダーの称号を兼ねている専用の白制服と、「ベネリットグループ総裁令嬢ミオリネ・レンブランとの暫定的な婚約関係」が渡る。
- 立会人の裁量や相手の許可次第では多対一での挑戦や決闘中の対戦相手の変更なども柔軟に行われる。
教員・生徒
※名前のみ登場した学生も記載
理事長
パイロット科
3年生
- グエル・ジェターク(KP001・ジェターク)※前ホルダー
- エラン・ケレス(KP002・ペイル)
- シャディク・ゼネリ(KP003・グラスレー)
- ラウダ・ニール(KP013・ジェターク)
- サビーナ・ファルディン(KP014・グラスレー)
- エナオ・ジャズ(KP015・グラスレー)
- パーカー・イーストコット(KP029・所属寮不明)
- 一瞬だが顔が確認出来、有色人種と思われる。
- ハムレット・レーコ(KP033・グラスレー?)
- 第4話。実技試験の一番槍を務めた。乗機のハッチカラーが紫である事からグラスレー所属と思われる。
2年生
- メイジー・メイ(LP011・グラスレー)
- イリーシャ・プラノ(LP012・グラスレー)
- レネ・コスタ(LP013・グラスレー)
- JONAS MOUWEN(LP022・所属寮不明)
- 第8話。オッズリストに掲載時点で個人戦8番人気。
- オルタ・シューバッカ(LP029・所属寮不明)
- 第4・8話。実技試験に一発合格した。個人戦6番人気。
- フェルシー・ロロ(LP・ジェターク)
- スレッタ・マーキュリー(LP041・地球)※現ホルダー
1年生
- RAGNAR DOLES(MP028・ジェターク)
- チュアチュリー・パンランチ(MP039・地球)
学年不明
- ワンジー(学籍番号不明・ダイゴウ)
- ウーメイ(学籍番号不明・ダイゴウ)
- オッシュ(学籍番号不明・ダイゴウ)
メカニック科
3年生
- カミル・ケーシンク(KM・ジェターク)
- ティル・ネイス(KM231・地球)
- アリヤ・マフヴァーシュ(KM・地球)
2年生
1年生
- ロウジ・チャンテ(MM・ブリオン)
経営戦略科
3年生
- マルタン・アップモント(KS223・地球)
2年生
- ミオリネ・レンブラン(LS001・所属寮なし)
- セセリア・ドート(LS・ブリオン)
- EARLTON WELLS(LS079・ペイル)
- 第6話。スレッタと通信し、寮内放送でバースデーソングを流した。
1年生
- リリッケ・カドカ・リパティ(MS119・地球)
モビルスーツ
タグ使用における注意
「アス“ティカ”シア」であって「アス“カティ”シア」ではない。
関連タグ
ジェターク寮 / ペイル寮 / グラスレー寮 / ブリオン寮 / 地球寮
(架空の)関連学園
重複点が多い為、内情は各記事やスクールカーストも参照。いずれも方針レベルで格差や殺伐が目立つ学校であり、劇中それが嵩んで校そのものが傾く作品も多い。