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古い車両を大切に末長く使いましょうの編集履歴

2023-05-02 20:03:37 バージョン

古い車両を大切に末長く使いましょう

ふるいしゃりょうをげんかいなんかむししてこきつかいたおしましょう

タイトルそのままのとおり、古い車両を大切に末永く使う計画。

概要


初出はニコニコ動画にある迷列車で行こうシリーズの『通勤電車103系 新たなる伝説【迷列車列伝#08】』という動画。「既存の資源を有効活用すべく、旧型車両に延命工事を施してさらなる活躍の場を与えよう」、つまり「既存車両を補修しながら長く使おう」という意味・計画を表す鉄道ファン用語。


一例

※「更新車」の記事でも延命工事の一例が紹介されている。


JR西日本の場合

  1. JR西日本は経営基盤が弱い一面もあり、規模のわりに大規模な車両更新には及び腰である。
  2. しかし、私鉄王国関西で生き残る為には画一的で陳腐化の激しい国鉄車両では競争力に欠ける。
  3. よし、競争の激しい路線には新型車両を投入しよう!ある程度利用者が見込める路線にはリフォームした国鉄車両を走らせればいいや!
  4. これはいい!採用だ!

・・・延命工事の内容だが、

  • 窓まわりや屋根周りを新車同然にスッキリさせたもの。
  • 内装を新型車に合わせたもの。
  • 台車だけ旧型のものを使い回し、車体は新造したもの
  • ガムテープで補修
  • チクビーム搭載

・・・など、じつに多彩である。


この計画の発動例

JRグループ

  • 103系201系
    • もちろんJR西日本で発動した典型的な例。中には新車同然の状態になったものも活躍している。これらは製造後40年を超えても第一線で活躍したが、さすがに老朽化には勝てず、置き換えが進行中で残存車両は少ない。
  • 113系115系
    • JR西日本、JR四国JR東日本で発動。JR西日本は上記の通り。JR四国は顔面を別物に作り替えるという芸当を行い、印象が大きく変わった(メイン画像)。
    • かの有名なサンパチ君はJR西日本で行われた。ただし長期使用は見越しておらず、改造から7年で消滅した。
  • 485系
    • JR東日本で発動。東北地方を中心に活躍した3000番台は新車のような大規模なリニューアルが施された他、種車が分からないほど見違えるジョイフルトレインが多数作られた。そのジョイフルトレインが2023年に全廃されて形式消滅。
  • 381系
    • JR西日本で発動。特急「やくも」用の全車がリニューアルを施され、最新の特急型車両と遜色ない車内設備を有する。他線区では非振り子式の後継車両に置き換えられて2015年までに廃車されたが、伯備線の複雑な線路形状から「やくも」のみそれが出来ず、長く生き残ることになった。
    • 結果として最後の国鉄型特急車両による定期列車として注目を浴びることになったものの、2024年から273系の投入により廃車される予定。
  • キハ40系
    • JR北海道、JR東日本、JR西日本、JR九州で発動。エンジンの換装やジョイフルトレインへの改造による延命が盛んで、中には後発の車両より長生きしている例もある。
    • 廃車後も中小私鉄や海外への譲渡が盛んに行われており、今後しばらくは国内外での活躍が続く見通しである。
  • EF65DD51DE10などの国鉄型機関車
    • JR東海を除く各社で発動。現在の旅客鉄道においては機関車そのものの需要が極端に低く、工事やイベント列車のためだけに新造する必要がないため、国鉄時代の旧型機関車を補修しながら長く使っている。JR貨物でも、少数ながら国鉄型機関車が今なお活躍している。
    • 現在は車齢40年を超えるのが当たり前となっており、20年足らずでの廃車が珍しくなかった国鉄時代とは比べ物にならないくらい長寿命化している。

東武鉄道


京阪電気鉄道

  • 600形700形
    • 昭和から平成にかけて新造。・・・ということになっているが、車体は1959年から使用していた旧型車の流用

南海電気鉄道

  • 南海6000系
    • ステンレス車黎明期に登場した形式で、製造から50年以上経過にわたり1両も廃車されることも転属されることもなく冷房化・台車交換を経て南海高野線で走り続けた。メディアから「錆びない鉄人」と称されたこともある。2019年から廃車が始まったが、2020年には残存車両に自動放送化の工事が施されており、まだ走り続ける模様。
    • ちなみに後輩の6200系には製造後30年以上が経過してからリニューアルとVVVF化がなされた車両もいる。

箱根登山鉄道

  • モハ1形
    • 車籍上は定期旅客運用に用いられる日本最古の車両(1919年製)。ただ魔改造のしすぎで原型の面影はないに等しい。一部車両は廃車。
    • ちなみに後輩のモハ2形も1927年登場であり、こちらも魔改造

阪堺電気軌道

  • モ161形
    • 軌道線用車両としては日本最古。1928年登場。

高松琴平電気鉄道

  • 全車両
    • ことでん中小私鉄であるため大手私鉄からの転入車が多いほか、琴平電鉄時代の自社発注車が一番古いにもかかわらず今でも80キロは出せる。

上毛電気鉄道

  • デハ100型101号
    • 1928年の電化開業時以来在籍中の生え抜き車両。動態保存車。

広島電鉄

  • 650形
    • 1942年製の生え抜き車両。製造された5両のうち3両が現役だが、これは1945年の原爆投下に被災した経緯から、平和学習の資料として延命されているため。2022年からは、戦前製でありながらシングルアームパンタグラフへの交換が行われた。

長崎電気軌道

  • 160形168号
    • 1911年製の動態保存車。現役稼働年数は100年を超えており、車籍を持つ動態車としては日本最古の木造ボギー車

その他中小私鉄

  • 各地の中小私鉄では、大手私鉄からの中古車が長らく使われることは珍しくない。自社製の新車であってもこの傾向は変わらず、必然的に「古い車両を大切に末長く使いましょう」状態となっている。

イギリス

  • HST
    • 日本の新幹線に触発されたイギリス国鉄(現在はやはり分割民営化)が開発したプッシュ・プル式高速ディーゼル列車。後継車に不具合があったりなどして、業を煮やしたイギリスの鉄道各社が発動。非電化運転で世界初の200km/hを成し遂げた栄光の車両を使い続けたいという面もあるのかも知れない。
    • 最近は日立製の新車に置き換えられて撤退する線区が出ているが、余剰車が出ると「おっ、使わないんならウチにくれよ」という会社が多く廃車は進んでいない。

アルゼンチン

    • ブエノスアイレス地下鉄に丸ノ内線で走行していた営団300形・500形・900形電車が、同地下鉄の線路軌道が同じことから譲渡され、出入り口の隙間を埋めるステップを追加されるなど一部改修をされた以外はほぼそのままの車両で走行していた。2015年頃から老朽化による故障が多発し、路線延長による車両不足もあってスペインの払い下げ車両と交代し、補修点検された上で東京メトロの社員教育のための走る教材として2017年に帰国した。

東南アジア

    • タイではブルートレインが紫色に再塗装されて再び寝台特急として利用されている。国内製の車両よりも高性能とされており、料金は割高。
    • ミャンマーでは日本の中古気動車がヤンゴン環状線を走っている。しかしインドネシアと違って整備技術に難のあるミャンマーでは、使えなくなると放置状態になって朽ち果てる車両も…

関連イラスト

東武8000系おおさか東線夏の風物詩のビール電車


関連項目

鉄道 鉄道車両 魔改造 迷列車で行こうシリーズ 更新車

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