ジャック(ONEPIECE)
じゃっく
「……はっきり言っとこう…!! “侍”がいれば攻撃はやめる!! いねェのは…“罪”だ!!!」
「もう一つ言っとこう!! おれァ 破壊が好きだ」
概要
四皇“百獣のカイドウ”を支える3人の「災害」と称される腹心の一人。一本角のプレジャーズや体の一部を動物に変形できるギフターズを率いており、ワノ国では真打ホールデムの後ろ盾こと「九里」の元締めを務めている。
モンキー・D・ルフィに敗れたインペルダウンへ護送中のドンキホーテ・ドフラミンゴ奪還を目論む場面で初登場し、ゾウ編及びワノ国編では因縁が生じたミンク族の敵として立ちはだかった。
プロフィール
人物
容姿
8mを超える筋骨隆々の大男。人型で比較するならばカイドウより巨漢で、大看板でもっとも大柄。
眉毛の無い血走った鋭い眼の強面な表情、二つ結びにした三つ編みの金髪の長髪に、大きな2本角と口を覆う金属のマスクが特徴。百獣マークのバックルが付いたベルトに茶色い毛皮のコートを着用。
全体的に見ると尊敬するカイドウや他の大看板たちの特徴をリスペクトしているような外見である。
また、タマカイ(ハタの仲間の海水魚)の魚人であるため水中での皮膚呼吸を可能とし、能力者の最大の弱点である海底でも、動けずながらも溺死することなく意識を保ったまま耐え続けることができる。
性格
凶暴性
「バカ野郎 やるに決まってんだろ おれを誰だと思ってる!!!!」
彼の通った後は干魃が起こったかのように朽ち果て滅びることから「旱害のジャック」の異名をとり、懸賞金は破格の10億ベリー。これは戦闘力のみならず、多くの被害を齎してきた凶悪性も加味されていると考えられる。
そして目的の為には戦力差も鑑みず突っ込み、ミンク族を皆殺しにするために島並みの大きさを誇る象主(ズニーシャ)を殺そうとするなど、頭のネジが飛んでいると評されている。
自分の懸賞金には全く興味がないようで、ジャックの賞金額を誇る部下に対して「ペラペラとうるせェ部下だ」と不快感を露わにしている。
頭脳
言動が粗暴で一見すると脳筋のように見えるが、性格は非常に真面目で機転も効く。
ミンク族について、その生命力の高さや「月の獅子(スーロン)の持続時間は短い」ことまで知っているなど20代ながら知識は豊富。
象主を襲った際は皮膚が老朽していることを見抜き、足を攻撃することで転倒を狙った。
「殺しかけたら息の根を止めろ!! 情けは“厄介な”復讐を生む」と語るなど、残虐さを見せながら「復讐者」を決して侮らない慢心のなさとも言える。
いざと言うときには、部隊をすぐ編成してカイドウの元にかけつける頭の回転の速さを見せる。
破壊についても自分達にとっても損になると判断した破壊は自粛し、ゾウでは雷ぞう探索のために殲滅作戦を行い、ワノ国ではあくまで「見せしめ」の場合でのみ破壊を行った(労働力がいなくなって困るのは自分たちのため)。
作中初登場の、脳筋・無益とも思えるゾウでの破壊活動も情報源に基づく、威圧と脅迫を兼ねたものだった。
ジンラミー等の部下からは恐れられているが、バジル・ホーキンスの機転を効かせた独断も、その考えを聞いた後は素直に聞き入れている。
人に従うようには見えない男である彼がどういう経緯でカイドウの部下となったのかは不明。
忠誠心
そんな彼でも冷や汗を流す存在がカイドウ。
特に酔っている場合は、“酔った勢いで”その地域一帯を壊滅させて百獣海賊団にも甚大な被害を及ぼしかねないため、ジャックをして「メチャクチャだぜ」と評している。
しかしカイドウに嫌々従っているわけではなく、その忠誠心が高く、自分の任務の失敗でカイドウに危害が加えられたことに責任を感じたり、非常時にはカイドウのためにすぐ行動を起こした。
カイドウからの任務を達成するのであれば、戦闘・蹂躙も厭わず、自分の意思を曲げることは皆無と言って良い程に無い。
また、百獣海賊団の最高幹部に位置する大看板キングとクイーンの弟分のような存在で彼らを「兄御」と呼び慕っているが、たびたび彼らから叱責を受けることがあり、「ズッコケジャック」と呼ばれることも。
一方、いざというときにはすぐ部隊を編成し行動するその判断力をキングから評価されてもいる他、クイーンもジャックがいない場では、「おれ達ァカイドウさんを守る三つの災害!!倒せねェから大看板よ!」と認めている。
カイドウもジャックを大切な部下として丁重に扱っており、ジャックがミンク族に敗北しても敗北を責めることはせずにその強さと戦果を褒め称え、治療に入るように言うなど、カイドウからの評価は極めて高い。
戦闘能力
悪魔の実
シープスヘッド「ジャック様の通った土地はまるで旱バツでも来たかの様に朽ち果て滅ぶ!!」
動物系古代種の能力者で巨大なマンモスに変身できる。
獣型では巨大な鼻による薙ぎ払いと、巨体を活かした突進を主な攻撃手段としており、単純ではあるがミンク族が月の獅子に変身した状態でも防ぐことは難しい。
人獣型はマンモスの胴体に人の上半身が生えているというケンタウロスのような姿になり、マンモスのパワーと突進力を残したまま両腕で武器を使用することも可能にしている。頭部にはマンモスの長い鼻や牙が備わり、獣型と同じく武器として使用されており、突進力を持たせつつ、鼻と二刀流による“三刀流”を仕掛けてくる。
また、マンモスの打たれ強さもあり、ジャックが能力を発動している際には生半可な攻撃が一切通じない。また、一度倒れても時間を置けば復活できる回復力も持っている。
基礎戦闘力
戦闘に長けたミンク族が五日間に及ぶ連日連夜の戦いでも倒すことが出来なかった怪物。
通常時では両肩にマンモスの牙のような刀袋をつけており、その刀袋からマンモスの牙のように非常に曲がりくねった専用の刀(ショーテル)を取り出して戦う二刀流剣士である。
その剣術はワノ国の侍に傷を与えられる程で、酒天丸との戦いでも、彼を勧誘しようとして宣戦布告代わりの一太刀を受けながらも、その後の斬り合いで酒天丸に逆に一太刀いれる技量を見せ、アニメでは更に飛ぶ斬撃を嵐のように振るい続けていた。
特筆すべきは他の強者たちとも一線を画す持久力で、昼夜途切れることなく続いた五日間の闘いでは、ミンク族の二人の王イヌアラシやネコマムシが昼夜交代で戦い続けたのに対してジャックが休息をとることはなかった。
他にも体力は凄まじく、1日ミンク族を拷問した後そのままドフラミンゴ奪還のために海軍の艦隊を襲撃できる。生命力も海軍本部大将クラス3名が乗る艦隊に挑んで敗れこそしたものの、大将を相手に五体満足で生き残る程のものを持つ。
そして象主(ズニーシャ)から船ごと粉々にされる一撃を受けるも海底で治療なしに意識を取り戻す、酒天丸の一太刀を受けて血を流しても一切動きに乱れが生じないなど、回復力は悪魔の実の能力を抜きにしても高い。
また、海賊らしく正面対決に拘らず、必要ならば毒ガスを使用する、相手の地盤たるゾウを殺そうとする等、相手を破壊するために一切の容赦はしない点も非常に厄介。
尚、ジャックは名前付きの技を本編で披露することはなかった。
経歴
第2部 最後の海 新世界編
ゾウ編
「さァ すぐに差し出せ!!! この国に“雷ぞう”というワノ国の武人がいるハズだ…………!!!」
麦わらの一味がドンキホーテ海賊団と死闘を繰り広げている数日ほど前、ワノ国の忍者・霧の雷ぞうの捜索のためギフターズやプレジャーズを率いてゾウのミンク族が治めるモコモ公国を襲撃した。
イヌアラシ公爵からは「この国中!!いや島中!! その侍を好きなだけ捜すといい 抵抗はしない!!だから破壊をやめろ!!」と破壊活動を止めるよう求められるが、「”侍”がいれば攻撃はやめる!! いねェのは…“罪”だ!!!」と語り、全てを破壊しようとしたためミンク族との全面戦争に突入。
ジャックがゾウに来たのは情報源の存在による確信があったものだが、ジャックは必要以上に語らなかったため、イヌアラシ達も「ジャックはイカれている」とは思っても内通者がいるとまでは思い至らなかった。
大量に部下を投入し続けるも、エレクトロを扱う等基礎戦闘力も高く地の利もあるミンク族達に阻まれ、自身もイヌアラシ公爵とネコマムシの旦那を仕留めきることができず、5日間昼夜問わず戦闘は続いた。
しびれをきらしたジャックはついにシーザー・クラウンが開発した毒ガス兵器を用いる事でミンク族たちを戦闘不能に追い込み、クラウ都を攻め落とした。
イヌアラシやネコマムシをはじめとする者達に苛烈な拷問と破壊を続けるが有益な情報は何一つ得られず、その1日後にドフラミンゴが討たれたという事態を知り、ドフラミンゴ奪還の為、シープスヘッド等わずかな部下を残してゾウを離れる。
その3日後、ドレスローザからインペルダウンへ向けてドフラミンゴを護送していた海軍本部大将藤虎、中将つる、大目付センゴクが率いる船団を襲撃。軍艦2隻を沈めるも、三大将クラス3名がいる船団を相手に流石に敵わず返り討ちに遭う。
新聞には死亡したとの報道がなされるも、ジャック及び彼の率いる船団は生き延びていた。
さらにその1週間後、戻ってきたシープスヘッドが「雷ぞうはいなかった」と報告したのに対し、「(たとえ雷ぞうがいなかったとしても、殺しかけた以上(ミンク族への)情けは厄介な復讐を生む」として、ミンク族を皆殺しにするためにゾウへと戻る。
そして街ごとミンク族を殺害する為に、誰も考えもしなかった船団による象主殺害のための攻撃を開始する。
その作戦も途中まで上手くいっていたものの、モモの助に攻撃を「命じられた」ゾウの巨木の如き質量を誇る鼻によるまさに「規格外」の一撃で、本人も動揺したまま船団全てが吹き飛ばされて粉微塵となり、ジャックも一度は戦闘不能となって海底深く沈んでしまった。
しかし魚人ゆえ海底でも呼吸ができ、動物系の能力者であるため、海底でも意識を保ったまま生存し続け、部下によって引き上げられるのを待っていた。
ワノ国編
第一幕
ビブルカードによる探索がされたのか無事に引き揚げられたようで、ルフィたちが赴く数日ほど前にはワノ国に戻っていた。ナワバリで暴れたルフィを捕らえるため、おこぼれ町に赴くがそこで酒天丸と交戦することになる。
空を覆う形でカイドウが現れ酒天丸との戦いが中断されてからは、ホーキンスと共に酔ってめちゃくちゃに暴れるカイドウを眺めた。
第二幕
鬼ヶ島にてクイーンの連れてきたビッグ・マムの様子を確認するため、キングと共に登場する。
流石にリンリンの襲来は想定外であり、落ち着きつつもクイーンに文句を言っていた。
第三幕(金色神楽)
大宴会「金色神楽」にカイドウの首を狙う赤鞘九人男が奇襲。
鬼ヶ島の頂上へ上がったカイドウを守るべく、迅速にナンバーズ「七鬼」を含む部隊を編成し、頂上へと駆けつけた。
赤鞘九人男のイヌアラシとネコマムシが毒ガスから生き延びたことやミンク族が雷ぞうを口を割らずに隠し切ったことには驚いた様子。
ミンク族を壊滅させられなかった自分の失態を恥じつつ、カイドウには指一本触れさせないと意気込むが、ネコマムシの部下達であるミンク族の精鋭戦士達がカイドウへの道を切り拓くため月の獅子に変身。
「"月の獅子"の寿命は短い」と部下達を鼓舞してジャックは戦闘に突入。
しかし、若いキャロットですら"月の獅子"になれば四皇の大艦隊を翻弄できるほどに強くなる"月の獅子"は手強く、ミンク族の戦士達の猛攻でジャックの部隊は瞬く間に壊滅していき、ジャック自身もゾウの時と違い、苦戦を強いられる。
それでもカイドウのために一歩も引かずに孤軍奮闘し、ミンク族の"月の獅子"を時間切れに追い込んで戦闘不能にし始めるが、それを見たイヌアラシとネコマムシが"月の獅子"に変身。変身した二人には力及ばず敗北するが、イヌアラシとネコマムシを除くミンク族はほとんど撃沈しており、カイドウからはその戦果を賞賛された。
その後、治療を受けてバオファンからの報告でカイドウに敗れた赤鞘九人男が瀕死ながら存命と知り、ダメージが残る体で赤鞘九人男の元に向かう。
それを止めようとする疲れ切ったミンク族の戦士達を手こずりながらも蹴散らし、赤鞘九人男と対面する。その後、足止めを買って出たイヌアラシと最終対決を行う。
元々ボロボロだった所を屋外に誘い込まれ、“月の獅子”と化したイヌアラシに追い詰められるも、皮一枚で月が陰ったことでスーロン化が解けたために形成が逆転し、「もう一撃受けたら立てなかったかもしれない」と健闘を認めつつもイヌアラシにトドメを刺そうとするが、復活したルフィとカイドウの激突によって再び姿を現した月を見て驚愕し、最後は再びスーロン化したイヌアラシの"犬斬威矢(イヌスパイヤー)"によって倒された。
余談
- 大海賊
原作漫画においては四皇以外で初めて大海賊と呼ばれた人物。
ジャックが登場するまで、大海賊と表現されていた海賊はシャンクス、エドワード・ニューゲート、シャーロット・リンリン、カイドウのみであり、いずれも四皇であった。
なお、それ以前ではアニメ版においてゲッコー・モリアが初登場回で大海賊と表現されている。
- 破格の懸賞金
懸賞金10億ベリーはゾウ編時点で判明している懸賞金額の中でも最高であり、ジャック登場まで最高懸賞金額だったポートガス・D・エースの5億5000万ベリーを大きく更新した(原作の作中描写に限れば当時はチンジャオが全盛期には5億越えと明かされたのが最高で、その倍近く跳ね上がった額で登場した)。
また、彼の登場を皮切りにカタクリやマルコ等四皇の大幹部クラスの高額な懸賞金が次々と明らかになった。
四皇の脅威度や、ルフィやエースのようなルーキーが十数年以上活動して来た場合の懸賞金のレベルを示していると考えられる。
- 実は苦労人?
無能な部下にイライラしたり酔っぱらった上司や圧の強い兄貴分たちに振り回されて労災のジャックというあだ名をファンからはつけられている。
尚、同盟を組んだビッグ・マム海賊団のスイート3将星ではない最高幹部クラスの彼も一部では苦労人(?)と言われており、奇しくもお互いミンク族にほぼ同じタイミングで撃破された。
- 声優