「フッフッフッフッ…俺達、ギャングラーの世界だよ!」
「見つけたぜエルロック。今度こそ終わりだ!」
データ
身長/193cm(巨大金庫身長/48.3m)
体重/227kg(巨大金庫体重/568.0t)
犯罪歴/誘拐、快盗戦隊及び警察戦隊襲撃
犯罪技/トックリボルバー釜焼き撃ち
ルパンコレクション/「密林へようこそ~Bienvenue a la jungle~」
概要
来日した名探偵のエルロック・ショルメを抹殺しようと目論むギャングラー怪人。
大きなヒゲを蓄えた様な顔立ちで全身を強固な外装で固めており、胸部がタヌキの顔になっているのが特徴。両足は非対称で左脚は極端に肥大化しており、怪獣の足を彷彿とさせる力強い形状をしている。
帽子のツバを触るような仕草を時折取り、まるで熟年のガンマンの様である。
左手に装備した大福帳に似た巨大な盾『ダイフク超シールド』で敵の攻撃を凌ぎつつ、徳利に似た形状のリボルバー銃『トックリボルバー』で攻撃するカウンター戦法で戦う。
更に、構えたダイフク超シールドの真上にトックリボルバーを置いた防御体勢から連射する犯罪技『トックリボルバー釜焼き撃ち』も持つ。
更にシンボルのルパンコレクション「密林へようこそ~Bienvenue a la jungle~」の力で腹部の顔の口の部分から蔦を伸ばして対象を捕らえる事が可能。ただし前述の戦法上、自身はあまり動かず敵を引き寄せる事からコレクションの力を使う頻度は低い。
ルパンコレクションを納める金庫は特徴的な左脚にあり、暗証番号は「618」。
エルロック来日に際して男性マスコミ記者の化けの皮を被り、密かにエルロックを狙っていたが行動の不審さをエルロックに看破された上に、ルパンレンジャーに化けの皮を剥され早々に正体が露見してしまった。
戦いの最中、アクシデントで取り乱したルパンレッドとパトレン1号をギャングラーの世界に連れ去ってしまう。
ネタバレ注意
ドグラニオ「ほう。既に快盗と警察の赤いのを倒したってのか?」
「はい。後は人間界で、エルロックが残りの4人を始末すれば計画は大成功です」
実はギャングラー怪人の一人でもあるエルロックの相棒。
前述のやり取りは口裏を合わせた演技であり、真の目的であるルパンレンジャーとパトレンジャーの両戦隊を一網打尽にして、エルロックと共に異世界犯罪者集団ギャングラーの後継者になろうと画策していた。
エルロックからは『君』付けで呼ばれている。
本性を現したエルロックとのコンビネーションが戦闘での最大の持ち味であり、犯罪技の体勢で相棒が生み出す狐火のエネルギーをトックリボルバーにチャージ、より強力な銃撃を放つ事も可能。
本人はエルロックに忠実かつ作戦に実直なのだが、レッドと1号が死んだと確信したにもかかわらず何も確認しなかったりと詰めの甘い所があり、その事を知ったエルロックに叱られて、たじたじになる一面も。
前日談である『究極の変合体』にも登場し、自身の舎弟であるマグーダ・ポーンに人間界で金を集めさせてそれを上納させようとしていたのだが、彼を泳がせておき密かに両戦隊の実力を調べる為でもあった模様。
またゴーシュが「あの」付けで呼んでいた事から、ギャングラーの中でも指折りの実力者である事が窺える。
活躍
舎弟であるマグーダがルパンレッドとパトレン1号に撃破された所を建物の上で目撃、2人を危険視すると、エルロックにそれを伝えるべくギャングラーの世界へと戻り、自身達の計画を進める準備を始める。
後日、化けの皮を被ってエルロックの記者会見場に潜り込んでエルロックが名探偵である事をアピールする三文芝居を行う。
ところがはぐらかす演技の最中、自身のルパンコレクションを狙ってルパンレンジャーが登場、魁利が投げたカードで化けの皮を破られてしまったのでポーダマンも呼び出して抵抗、更にエルロックの護衛役として記者会見場に居たパトレンジャーも参入し三つ巴の乱戦に。
すると、この状況を打破する為元の姿に戻ったエルロックが高所から犯罪技をで援護してくる。これで場が混乱した隙を突き、手直に居たルパンレッドとパトレン1号をルパンコレクションの力を使って拘束。そのまま空間移動を行い二人をギャングラーの世界へと連れ去った。
そしてそこで待ち構えていたデストラ・ゴーシュと合流、彼等と共に一斉砲火を仕掛けて身動きが出来ないレッド/魁利と1号/圭一郎を崖下に突き落とす。死亡したと確信してデストラとゴージュと共にギャングラーの本拠地の洋館へと向かうが、手負いのレッドが岸壁にワイヤーを引っ掛けて圭一郎を救助していた為に無事だった。
ギャングラーの本拠地の洋館に戻ってドグラニオにレッドと1号をこの手で始末し、エルロックが残る4人を抹殺したら計画が完遂する事を報告するが、そこで助かっていた魁利と圭一郎が忍び込んでいたのにデストラが気付き攻撃。デストラの指示のもと、ウィルソンはデストラとゴーシュに2人の始末を後を任せて自身はエルロックの元へ空間移動する。
そして、美那森博物館で予定通りに移動しエルロックの手により集められていた残りのルパンレンジャーとパトレンジャーがルパンレンジャーの送った予告カードを見て一時休戦し、彼に攫われた2人を助ける為に共闘する様子を見て「まさか、快盗と警察が手を組むとは」と驚いていたが、本来の姿に戻ったエルロックが狐火を放って生身の4人に攻撃を仕掛けてそのまま止めを刺そうとする。
しかし、ここでジャックポットストライカーに操られたゴーシュに捕まる形で魁利と圭一郎が空間移動をして戻って来てしまい、始末できていなかった事をエルロックに叱られてしまう。
これにより快盗と警察の両戦隊が揃った事で、今度こそ亡き者にしてやろうとウィルソンはルパンブルー・パトレン2号と交戦するも二人の連携に押された所でワイヤーで雁字搦めにされて身動きが取れなくなってしまう。
何とかワイヤーを取り外すもエルロックと一所に纏められ、レッドと1号に先程の例と言わんばかりの追撃を畳み掛けられる。これで隙が出来た所へルパンイエローが金庫に取り付きダイヤルファイターで解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。これに怒りコンビネーションアタックで反撃するも、シザーシールド&ブレードブーメランを装備したレッドにその一撃を防がれて1号の投げたブレードブーメランを受けて追い詰められてしまう。
そしてその勢いのまま、両戦隊はジャックポット・グッドストライカーの力を使いルパントリコロール・パトレンU号にチェンジし両戦隊の放つイチゲキストライクを撃ち込まれて敗北する。
直後、ゴーシュの手で相棒と同時に復活・巨大化し、エルロックの掛け声で「オッケー、エルロック!」と返答するとエルロックと共に特殊な力で周辺を夜の様な暗闇へと変化させる。これに対し両戦隊はルパンレックスとパトカイザーを繰り出して対抗する。
エルロックがルパンレックスと戦う中、ウィルソンは犯罪技でパトカイザーと戦うが、相手の高速滑走で銃撃を掻い潜っての反撃に防御を破られてしまい、エルロックと共にコンビ技で対抗を図るも相手には通じずルパンレックスの放つバズソーを受けて怯んでしまう。
最期は再びエルロックと一所に纏められた所に、複数の翼と共に突っ込むルパンレックスの剣による渾身の一撃をすれ違いざまに叩き込まれ、相棒と同時に爆散した。
余談
名前がファーストネームのみの初のギャングラー怪人で、これはアルセーヌ・ルパンシリーズに登場する同名キャラクターの名をそのまま引用している為である。
ギャングラー共通の骨の意匠は頭頂部にある。
武器のトックリボルバーとダイフク超シールドは、その名の通り信楽焼のタヌキの置物が持っている徳利と大福帳をモチーフにしており、緑色の頭頂部はタヌキが化ける時に使う葉っぱをイメージした物。
モチーフの件は久正人氏本人がTwitterで明かし、モチーフが判明する前はフォルムや特徴的な胸部と左脚からサイやルパンコレクションの能力からカメレオン等が案に挙げられていた。なお左足はまるでギプスが付いた様な外見だが、これはエルロックと同じポジションにいるシャーロックホームズの相棒・ジョン・H・ワトソンの片足に戦場で受けた古傷がある事へ由来する。
狸モチーフなのは「コンビ怪人」と聞いて、デザイン担当の久正人氏が狐と狸のコンビを連想したため。
また、狸の毛並を表現するため、かつて盛んに使用されていたツインメリットコーティングのような細部デザインが取り入れられている。
更に胴体をよく見ると探偵服によく描かれるチェック模様を彷彿させる意匠があり、その名前やモチーフと共に謎のギャングラー怪人=エルロックと関連性がある事が分かる。
劇中ではエルロックに対して忠実だったり、叱責されて恐縮するなど上下関係があるような対応だったが、巨大化後はエルロックの呼び掛けに対して「オッケーエルロック!」「分かってるよ、エルロック!」などの軽い返事で返しており、エルロックもそれに対して特に指摘していない。
声を演じる茶風林氏は『天装戦隊ゴセイジャー』のブロブの膜イン以来、8年ぶりの出演である。また映画版のゲストではあるが、一般格の戦隊怪人を演じるのは今回が初。
ルパンコレクションのモチーフは星獣戦隊ギンガマンのギンガブレスで、説明文にはギンガマンの名乗りのワンフレーズが入っている。
なおギンガマンの敵役である宇宙海賊バルバンの幹部の一人、樽学者ブクラテスは茶風林氏が戦隊シリーズで初めて演じたキャラである。
スーツはマグーダの物をリペイントしたと思われる。
関連タグ
快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー_en_film
目暮警部:声の人の代表役である、長期連載探偵漫画の登場人物。探偵の協力者でもある刑事で、ウィルソンに対し皮肉を含んだ立ち位置にいる。因みに部下の刑事の声の人はTV本編に出演している。
輝き撃ち:犯罪技のポーズの元ネタ。と言うか、後に明かされた技名で堂々とパロっている。
ゲース・インダベー→エルロック・ショルメ/ ウィルソン→ヴァルマ