概要
Pixivにおいて、今安ロキ氏が連載していた、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の非公式続編小説である。全18話。
あらすじ
C.E.76年。
世界はコーディネイターとナチュラル両陣営による二度の大戦を経た今も、混乱の終息は見込めないままでいる。
オーブ連合首長国は地球連合諸国を主導する立場として、地球圏の紛争解決に尽力していた。
そんな中、モルゲンレーテ社にテストパイロットとして出向していた「アカネ・コードウェル」は辞令を受け、オーブ国防軍の新型機・M2アストレイと共に不沈艦の二つ名を持つ「アークエンジェル」に配属され、戦いに身を投じることとなる。
本作の登場人物
- アカネ・コールドウェル
オーブ国防軍所属のMSパイロットの少女。17歳。ヤキン・ドゥーエ戦役時、クサナギに乗り込んだM1アストレイのパイロット「アサギ・コードウェル」の妹。
M1Aアストレイの後継機種として開発が進められている、ストライカーパックシステムを採用したM2アストレイのテストパイロットとして、本機の試験運用に当たっている。
実戦テストを兼ねてアークエンジェル隊に機体ごと配属された後、C.E.76年に発生した反体制派によるテロ活動への対応に追われることなる。
性格は真面目で正義感が強く、困っている人を見捨てられない。
信念を突き通す努力を惜しまず、フィア・ベルナーを実家へ養子縁組する際も心配する周囲を押し切り進めた。
- フィア・ベルナー(コードウェル)
旧連合軍が開発したエクステンデッドの生き残りの1人。自称14歳。
エクステンデッドとして開発されたものの、その処置は不完全であり、薬物による影響は小さい。
そのため、無口な性格は本来のものと推察される。
政治工作によりテロリスト勢力に参加させられ、専用機として調整されたウィンダムを愛機としていた。
オーブ軍に投降した後はアカネの薦めでコードウェル家に引き取られ、オーブ軍の准尉としてM2アストレイ2号機のテストパイロットを担当する。
射撃戦能力に長けており、M2アストレイ2号機開発時に搭載された射撃専用ストライカーパック"ナスノヨイチ"の機能をフル活用し、エールストライカーと合わせた高機動精密射撃戦を可能としている。
- リンナ・ハスフォード
オーブ国防軍の女性パイロット。中尉。21歳。
ユニウス戦役前にオーブ軍へ入隊し、ムラサメパイロットとして戦い抜いている。
オンオフがハッキリした性格で、アカネやフィアの姉貴分として公私に渡って交流を持つ。
パイロットとしては優秀で、戦闘指揮能力も認められている。
後に試験機ムラサメ改のパイロットを務めたほか、最終決戦では別働隊所属MSの臨時隊長を担い(本人はイヤイヤだったが)、緊急とはいえ前線を維持するなど、縁の下の力持ちとして活躍している。
ユニウス戦役時はオーブ本国での戦闘後、アークエンジェルに配属されたため、最終決戦であるメサイア攻防戦にも参加している。
元プラント最高評議会議員で、ヤキン・ドゥーエ戦役時に戦死したニコル・アマルフィの父。
パトリック・ザラ戦死後のプラント政権には登用されず、表舞台から姿を消していた。
自身が開発に大きく貢献した技術が、戦場で多大な力を発揮するのを内心では喜ぶ一方、ニコルや妻のロミナ・アマルフィを失った悲しみやラクス・クラインを始めとした穏健派政権の掲げる矛盾を憂慮していたことから、テロリスト勢力とコンタクトを図り決起する。
しかし、ユーリ本人は勝利するつもりはなく、残存するザラ派を始めとした武装勢力を自身の元に集め無力化することと、如何によい敗北の仕方を喫するか考えていた。
元ミネルバ隊のメカニックだった青年。
終戦後は予備役となっていたが……メサイア攻防戦時、ヨウラン・ケントの死を目の当たりにしてPTSDを発症していたことから、自分達を傷付けたクライン派を中心とする穏健派の新政権に疑問を持ち、ユーリ・アマルフィ率いるテロリスト勢力と合流した。
テロリスト勢力へ合流後は、高性能機を多数整備した経験を活かして火器運用試験型ゲイツ改・改への核動力搭載改修に尽力した他、パイロットとしての訓練を積んだ。
上述の経緯ゆえに、かつての上司にしてミネルバ隊を裏切ったアスラン・ザラを憎悪している。
だが同時に、かつての同期だったシン・アスカとルナマリア・ホークには非情になれないのか、キラ・ヤマトとラクス・クラインがアプリリウス市内で爆弾テロに遭った際、シンを襲撃して重傷を負わせるも殺せなかった。
本作オリジナル機体
オーブ国防軍
- M2アストレイ
オーブ連合首長国が旧式機化したM1アストレイと置き換えるべく、ユニウス戦役後に開発した量産試作MS。
戦後の軍縮政策から一国が保有する機動戦力に上限が定められたため、1機あたりの高性能化を目指しており、汎用性を高めるためにストライカーパックシステムを採用している。
“オオトリ”を基本兵装とし、ムラサメとの連携運用を想定している。
連合製ストライカーパックも装備出来る他、後に狙撃戦用装備として”ナスノヨイチ”が開発され、オーブ帰順後のフィア・コードウェル准尉が搭乗する2号機に装備される。
※ナスノヨイチ
ロングレンジビームライフルを装備。速射性を高める、単発の威力を高める、貫通性を高めるなどの打ち分けが可能。
“オオトリ”と同様、ストライカーパックをさらに増設できるプラグが設置されている。
- ムラサメ改
オーブ国防軍がムラサメをベースに、次期主力可変MS開発に向けたデータ収集を目的とした試作機。
M2アストレイと同様にストライカーパックシステムを採用し、オオトリまたはオオワシをベースとした専用ストライカーパックの開発も並行して行われている。
リンナ・ハスフォード中尉がテストパイロットを担当し、なし崩し的にアークエンジェルへ配属、実戦投入された。
ザフト
- ゲルググ・キャヴァリアー
ザフト軍の次期主力MS。
ウィザードシステムを採用したザクウォーリアの後継機で、インパルスの運用データを元に開発された高性能量産機。
- ガルバルディ・グラディエーター
ザフト軍の次期主力MS。
ウィザードシステムを採用し、デスティニーの運用データを元に開発された高性能機。
ガルバルディをエースパイロット向け、ゲルググを一般機とする運用を目指している。
テロリスト勢力
- ドラッツェ・アンデッド
ユーリ・アマルフィを首領とするテロリスト勢力が運用した簡易MS。
A,B,Cの3タイプが存在し、それぞれジン、ゲイツ、ザク・ウォーリアの頭部および胴体部を素体としている。 脚部として高機動スラスターを装備していることから、MSというよりMAに近い外観を持つ。
・ドラッツェ・アンデッドA
ジンを素体としており、その兵装は基本的に全て使用できる。量産機の高性能化が進む中、MSとしての運動性を犠牲としており、戦闘能力は低い。
ヤキン・ドゥーエ戦役時に中破された機体の応急処置、再利用計画の一環として計画されたものの実行されず、図面だけの存在になっていた。
・ドラッツェ・アンデッドB
ゲイツまたはゲイツRを素体としており、右腰部にエクステンショナル・アレスターEEQ7R、左腰部にポルクスIV レールガンを装備している。
シールドは装備されているものの、兵装として統一されておらず、素体の物を基本としている。
素体となったゲイツは戦後軍縮による廃棄数、戦時中に撃破/放棄された数が多く、もっとも配備数が多い。
Aタイプの改造データを元に生産された。
・ドラッツェ・アンデッドC
ザクウォーリアを素体としており、ウィザードシステムを使用出来る。
しかし、ザクは近代化改修が施されて継続運用が決定されており、テロリスト勢力へ素体として出回ることは少なく、運用数は極めて少ない。
- 火器運用試験型ゲイツ改・改
ヤキン・ドゥーエ戦役時にジャスティス、フリーダム用の各種火器の評価試験を目的に製造された火器運用試験型ゲイツ改の動力を、バッテリーパックからニュートロンジャマーキャンセラー搭載型核エンジンに換装した機体。
原型機は最長でも10分間しか稼働出来なかったが、秘密裏に製造された核エンジンへ動力源を変更したことで稼働時間の制約を解消している。
関連タグ
『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』:公式における機動戦士ガンダムSEEDDESTINYの続編にして、完結編。