「それは良い命令?悪い命令?どっちだっていい。命令なんて聞かない。僕は狂った機械だから」
「これから僕は……善と悪との葛藤に苦しみ続けるだろう!!」
CV:関智一(2001年版アニメ)
概要
光明寺博士によってダークの魔の手を止めるために造られたが、良心回路(ジェミニィ)が不完全なためにプロフェッサー・ギルの超音波笛に苦しまされる他、数々の悲しみを背負った人造人間(アンドロイド)。
両肩のスイッチを作動させることで戦闘形態キカイダーにチェンジする。
常に黒手袋をはめ、青いGジャンの上下に黄色いインナー(アニメ版など一部の媒体では赤)がトレードマーク。腰のベルトはキカイダーと同じである。特撮版では白いヘルメットが、漫画版ではゴーグルを着用している(アニメでは暗視センサーが内蔵されている)。
松岡圭祐氏による小説『人造人間キカイダーTheNovel』では、人命救助用ロボット「ゼロダイバー」と戦闘用ロボ「フュージティブ・フロム・ヘル」という用途が全く異なるロボット(ちなみに、この2体はキカイダーの番組構想時の案)の半身を組み合わせることによって人間の個性である二面性を実現した、と言う設定で、『キカイダーREBOOT』でも同様の設定が取り入れられている。
変身に用いるツールはスマートフォン状の端末で、音声でミッションコードを入力することによりジローの擬態が解けてキカイダーにチェンジする。
小説、REBOOT版の決めゼリフは「ここからは機械的に行こうか」。
ジロー(次郎)と言う名前は死亡した光明寺の長男で自然警備隊のチーフだった光明寺一郎(特撮版では太郎)になぞらえて名付けられており、その姿も彼をモデルに作られた。
尚、光明寺の息子の死は原作では「悪徳企業による暗殺」、特撮版では「ダークの悪事に巻き込まれた」とそれぞれ異なっている。
原作では零・キカイダー00を制作(アニメでは光明寺の師であった風天和尚)。
映画『レッツゴー仮面ライダー』でキカイダーが客演した際は、アニメでジローを担当した関智一が声優を務めた。
TV特撮
登場時は真っ赤なアコースティックギターを弾いて現れる。
変身時には「チェインジ!」と高らかに先制し右手の3本の指を立ててから、両肩のスイッチを作動させ「スイッチオン!! ワン・トゥー・スリー!!」の掛け声で変身する。
なお、EDでは「ギターのパンチで打ち倒す~♪」などという歌詞があるが、本当に作中でもアンドロイドマンをギターぶん回して殴り倒したりしている。このギターの内部にはある仕掛けが存在する。
原作やアニメでは覚醒したばかりで常識が欠落していたり良くも悪くも子供のような純真な性格だが、特撮版では外見相応の知性を有している。
当初は原作のようにゴーグルを付けた姿だったが、途中から常にヘルメットを被るようになった。
原作及びアニメ
「ピノキオは人間になって本当に幸せだったのだろうか?」
「ジローはまだ旅を続けていると思う。幸せに暮らしていることはありえない」(伴大介氏)
REBOOT
人間体の姿はボディ表面の「ナノ結晶ディスプレイ」に映し出された立体映像という設定がされており、そのため触れると冷たく金属のような音がする。戦闘時には映像をオフにし本来のキカイダーの姿となる。好きな漫才はドリフ、好きな音楽はYMOという設定だが、これは製作者の趣味を反映したもの。
所持している楽器はエレキギター。
『仮面ライダー鎧武』第30話「赤と青のキカイダー」でゲスト出演。
街中で動きが停止してしまった所に落雷の直撃を受けて記憶を失ってしまう。
ジローという名前だけは覚えており、奇しくも葛葉紘汰が保護していた犬の名前と同じであった。
一時葛葉宅に居候し、学習能力を活かして家事の手伝いをしていたが、ヤギインベスに苦戦する紘汰を見て何か思い出したらしく、人間体の姿で圧倒し、一時撤退に追い込む。
ハカイダー/戦極ハカイダーとの戦闘でも本当の姿に戻るのを躊躇っていたが、リブートスイッチを入れられた事で本来の記憶を取り戻し(この際には周囲の車に影響を及ぼしている)、ヤギインベス討伐後はどこかへ去っていった。
このエピソードは本編の前日譚となっている他、ラストはピノキオを題材にした「REBOOT」の名を冠する映画のチケットが映る所で終了するなどの小ネタが多い。
なお、キカイダーの姿を見てプロフェッサーは彼を「伝説のヒーロー」と呼んでいるが、本エピソードの光明寺博士の設定が「REBOOT」準拠であるため、それでは矛盾が生じる(昭和版キカイダーとREBOOTキカイダーが別に存在するのかもしれないが…)。
HEROSAGAの『S.I.C. HERO SAGA KIKAIDER REBIRTH 電気羊の夢を見るか?』でもReboot版が登場するが、こちらでは鎧武とのコラボ回からの直接の続編となっているためREBOOT版の出来事は経験していない(REBOOTのラストでキカイダーは機能停止している)。こちらでの設定は石ノ森漫画版をベースにしていて、キカイダー01やビジンダーとも共演している。
小説版
原作や特撮版よりも機能が増えており、無線LANでインターネットに繋ぐことで様々な情報を瞬時に検索することができる。無論、通信料金は全く払っていない(そもそも通信料金が発生したところでどこに請求が行くのかも不明)。また、電波を傍受することも可能でETCなどの簡単な機械なら指一本触れることなくハッキングすることができる。
世間一般の常識にはやや疎く、2010年代が舞台なのに「小学生の好きなアニメの歌」と称し『誰がために』(1979年)を弾こうとするなど、杓子定規な一面もある。
余談
日本の特撮史において楽器を弾いて現れるさすらいのヒーローという一種の様式美を作ったヒーローの一人であり、後代のヒーローにもこの様式美が受け継がれた。
関連タグ
芥川慈郎 - ジロー違い。しかしpixivのタグとしてはぶっちゃけそちらの方に多数使われているため、当項目のジローを検索の際は「ジロー キカイダー」などで検索することを推奨する。