一見正しいように見えた今の攻撃、だがそれは大いなる間違い
CV:田村淳 (ロンドンブーツ1号2号)
人物
『劇場版 遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜』に登場する未来からやって来た決闘者。
自身の住む未来では世界が崩壊しており、その原因がデュエルモンスターズにあると考えた為、創始者であるペガサスを抹殺してデュエルモンスターズの存在を消去しようと企む。
変形する巨大なD・ホイールを駆り、「Sin」と名のついたカードを使用する。
↑こんなのに乗って颯爽と不動遊星のスターダスト・ドラゴンを奪っていきます。
キャラクター発表当時は奇抜なデザインと芸人声優起用のため、ファンからの期待は殆どなく、
寧ろ、何故そんな声優を当てたのかと反感の声も少なくはなかった(それとは逆に彼を一年以上レギュラーで演じていたことから演技の心配はないという声も多かった)
しかし、実際に公開されると意外にもその生い立ちの不遇さや名(迷?)演技、
そして非常に人気の高い作監の加々美氏による数々の指芸や顔芸により一部の遊戯王ファンから熱狂的な支持を得た。
名前の由来は『過去・未来の改変が現在の自分や周囲の存在に矛盾を与えてしまう』という概念『タイムパラドックス』。
劇中での活躍
5D'sの時代で遊星達の前に現れ、ライディングデュエルをしかける。遊星がスターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚したのを確認すると謎の力でカードに封印。「この時代と共に消えゆくがいい」と捨て台詞を吐いてワープした。
GXの時代ではヴェネツィアで各時代で奪ってきたドラゴンモンスターを実体化させ、E・HEROネオスを実体化させた遊城十代と壮絶なリアルファイトを繰り広げる。十代を始末しようとしたところを、赤き龍の力でタイムスリップしてきた遊星に邪魔されたので再びワープ。
DMの時代ではデュエルモンスターズのイベントにゲストとして招かれていたペガサスを、実体化させたモンスター襲撃し会場の客ごと殺害。しかし、追ってきた遊星と十代に、武藤遊戯は救出されてしまう。そして、会場襲撃前の時間にワープした3人(正確にはユベル)によって客が避難したところに現れる。
邪魔をする3人を始末するべく、1対3という状況でデュエルを行う。(主人公側はライフを3人で共有)
開始早々、発動下で負けた方が死亡する 「Sin World」というフィールド魔法を発動。数々のSinモンスターを操り3人を苦しめる。が、3人の猛攻により自身の名を冠した「Sin パラドクス・ドラゴン」を破壊されてしまう。
しかしその瞬間、記事冒頭の台詞を言い放ち罠カード「Sin Paradigm Shift」を発動。
デッキから「Sin トゥルース・ドラゴン」を特殊召喚しさらに自身と融合。効果で3人の場を全滅させ再び形勢逆転し圧倒的な力を見せつける。
遊星を絶望させるまで追い込むも、先輩の風格を漂わせまくりな闇遊戯や破天荒デュエリスト十代までは御せなかった。そして遊星が操る、遊戯と十代によって攻撃力が10000まで上昇したスターダスト・ドラゴンの一撃により敗れ去った。その後「Sin World」の効果によって死亡したと思われる。
5D's本編にて
『遊戯王5D's』135話のアポリアの回想シーンで最後の生き残りの1人である事が判明した。なお、年老いているからなのか、若干の見た目の違いが上げられる。
第146話にて、アポリアと同じく本人は一度死亡しており、死後にZ-ONEによって若い姿のロボットに記憶や精神を移植する形で復活し、
未来の破滅の原因となったデュエルモンスターズを抹消するためにZ-ONEによって過去に送られた事も判明した。
映画出身のキャラということもあってか、長らくゲーム等の別作品には出演しなかったが、22年4月21日よりデュエルリンクスにて登場した。
デッキ
「Sin」と名の付くカードで構成されている。
各時代から最強を代表するモンスターカードを持ち主から奪取し使用していると推測される。
シリーズ中で所持者が複数いるカード(真紅眼の黒竜)、若しくは時期によって持ち主が変わっているカード(サイバー・エンド・ドラゴン)もあるので、作中で明確に持ち主が判明しているのはレインボー・ドラゴンと実際に奪うシーンが拝見出来るスターダスト・ドラゴンのみである。
レインボー・ドラゴンは宝玉獣と心を通わせられる遊戯王GXのヨハンのみが所持している設定だったことと、実際に十代が「ヨハンのカードを!」と明言しているため。
「青眼の白龍」に関してはアニメでも漫画でも基本的に「カードの精霊」である正義の味方カイバーマンを除くと海馬瀬人以外がデッキに入れている場面は無かったが、「青眼の白龍」がいつ誰から奪われたものかは明言されていないため不明。
Sinレインボードラゴンに対する十代のような言葉を遊戯が全く口にしていないこともあって、海馬瀬人から盗まれた「青眼の白龍」かどうかはわからない。
乱暴な言い方をするならば、時間移動ができるパラドックスにとってKC社長としての能力やデュエリストとしての力等から奪うことが容易ではなさそうな海馬瀬人相手ではなく、海馬瀬人によって破られた武藤双六が持つ「青眼の白龍」を破られる前の時代にて奪った。もしくは海馬瀬人が手に入れる前に所有していた頃の3人の元所有者の誰かから、まだ海馬瀬人に所有権が移る前の時代に奪ったという可能性すらありえてしまう(そこまで言いだしたらGXの時代以降のどこかの時代でヨハン以外の者へと所有権が移ったレインボードラゴンを奪った、なんて可能性すらありえてしまうわけだが)。
なお、『デュエルリンクス』にて彼が登場した際には、「青眼の白龍」は海馬瀬人から、
「真紅眼の黒竜」は城之内克也から、「サイバー・エンド・ドラゴン」は丸藤亮から、
「レインボー・ドラゴン」はヨハン・アンデルセンからそれぞれ強奪したものとされており、強奪された当人達がその旨を言及している。
その様は誰が言ったかパラドックス被害者の会のごとしである。
特に海馬のキレっぷりは爆笑必至
(当然ながら実際に行うデュエルではこちらもちゃんと強奪されたとされるカードを使用できる)
一方で天城カイトの銀河眼の光子竜、榊遊矢のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、リボルバーのヴァレルロード・ドラゴンは被害を受けてはいないようだが、実際に対戦するとパラドックスが奪う価値のあるドラゴンとして狙いを定めているようなセリフがある。
また、隠し要素としてパラドックスが映画本編で命を狙っていたペガサスと対戦した際に、興味深い応酬が見られる。
以下、一部抜粋
パラドックス「論より証拠。その千年眼で見るが良いペガサス。このデュエルモンスターズとモーメントが未来に起こした悲劇を」
ペガサス「オー……これは酷い……ユー達はワタシ達の想像を絶する世界を生きてこられたのですね……」
パラドックス「そうだ。ここで貴方が天命を終えれば、この悲劇は、未来は変えられる」
ペガサス「……果たしてそうでしょうか?ワタシはそうは思えません。何故なら、本来の歴史(原作の遊戯王)においてワタシは既に死んでいるのデース」
パラドックス「何だと!?だがお前は今こうして生きているではないか!?」
ペガサス「そう、ワタシが生きている歴史(アニメの遊戯王)も存在する……、このデュエルリンクスの世界は、様々な世界の矛盾が混ざり合っていマース」
パラドックス「マルチバース理論か……そんな事が……」
ペガサス「さあ未来から来たデュエリストよ……。ユーは殺せますか? 既に死んでいるワタシを……」
余談
奪ったモンスターはそれぞれの時代の最強格の強力なモンスターであったが、不動遊星からは「シューティング・スター・ドラゴン」ではなく通常の「スターダスト・ドラゴン」を奪っている。
映画の公開時期、放送中のアニメ的にネタバレになってしまうためにそうしたのだろうというメタな見方はできるが、本来イリアステルのメンバーである彼が「セイヴァー・スター・ドラゴン」「シューティング・スター・ドラゴン」「コズミック・ブレイザー・ドラゴン」といったスターダスト・ドラゴンの進化系とも言える遊星の切り札の数々を知らないとは思えない。
また彼を過去へ送ったのがZ-ONEである事や、Z-ONEが未来で「シューティング・スター・ドラゴン」を使っていたという事実もあり、全貌を見たあとだと「それぞれの時代の最強カードを集めた」というパラドックスが何故クリアマインドにたどり着いていない時代の遊星に接触したのかはいささか不思議なことである(なお、「シューティング・クェーサー・ドラゴン」に関してはZ-ONEすら知らない新たな未来の可能性とも言えるカードなので知らなくても仕方が無いことではある)。