概要
原作:日下秀憲
1997年にゲーム『ポケットモンスター』の小学館での学年誌版コミカライズ作品として連載がスタート。
当初は原作ゲームタイトルのまま『ポケットモンスター』と題されていたが、コミックス化の際に先行して発刊されていた穴久保幸作版『ポケットモンスター』との混同を避けるため、単行本レーベル名の『てんとう虫コミックススペシャル』に因み『ポケットモンスターSPECIAL』と命名された。
連載開始当初は日下秀憲氏のシナリオと真斗氏のイラストで描かれていたが、3章の連載途中に体調不良が原因で真斗氏が作画担当を降板。(交代の経緯などの詳細はこちら)
以後の作画は全て山本サトシ氏が担当している。
(作画担当者交代時の様子について日下と山本がTwitterで発言した内容によると、当初は1年限定の短期連載の予定であったようだ。)
なお、同作者が手がけた『ポケモンレンジャー』シリーズのコミカライズ版として『ポケモンレンジャー_the_Comic』と『ポケモンレンジャーバトナージ_the_Comic』の2作がポケモンだいすきクラブで連載されており、本シリーズの外伝作品となっている。
Pixiv上のタグとしては「ポケスペ」の方が一般的に用いられる。
複数の『ポケモン』派生作品について語る場合などには更に略されて『スペ』、『SP』と呼ばれる事もしばしば。
連載の変遷・単行本
連載の変遷
主に学年誌の『小学四年生』『小学五年生』『小学六年生』の三誌で縦断連載されていたが、小学四・五・六年生の休刊に伴い『コロコロイチバン!』『ポケモンファン』の二誌での連載へと変更された。
月刊三誌に跨って連載していた頃と比べ、月刊誌と不定期発行誌の二誌連載となり、連載ペースが低下する傾向がみられるようになった。それにより単行本化に際しての描き下ろしも増えてきている。
その後は『ポケモンファン』での掲載も終了し、『コロコロイチバン!』のみの連載となったため、連載ペースが更に低下してしまった。これを問題視してか、ORAS編以降はウェブコミック配信サイト『サンデーうぇぶり』(旧『クラブサンデー』)でも連載されるようになった。
また、第4章途中からは複数の章を並行して連載するようになったが、各章の長編化と連載ペースの低下によって、原作ゲームの新作発売までに前作の章のが完結できず、前作の章の連載を中断して新作の章を始める場合がある。特に、『HG・SS』発売以降のエピソードについては、原作ゲームの発売に追いついていけない状態が続いている。
単行本
1~64巻(以下続刊)。
モデルとなったゲームごとに章に分かれているが、これが巻毎に綺麗に区切られていたのは2章までであり、3章以降は1つの巻の中で章の移り変わりが起こるようになった。このため、古い章が連載終了しても、新しい章の物語の連載分が充分量貯まるまでは単行本が刊行されない。
また逆に古い章が完結しなければ新しい章も収録できないため、複数章の縦断連載時は新章の単行本化が連載から年単位で遅れる。さらに前述の掲載誌がらみの事情もあるため、単行本発売はかなり不定期になっている。
この点については作者や出版社(小学館)側も「2年待ちが常識だった『新章のコミックス化』」と現状を認めており、また内部でもこの状況は問題視されていたらしく、最新章の第12章(X・Y編)は前章に先行して『てんとう虫コロコロコミックス』からこれまでとは別ラインで単行本化されることが決定している。これまでの『てんとう虫コミックススペシャル』版の単行本にも将来的に第12章以降の通巻収録は行われるので、フォーマットを揃えて集めたい人も安心である。
2010年に累計発行部数1000万を突破し、2011年にそれを記念した第二回人気投票が開催され2014年には累計発行部数1200万を突破した。
主な特徴
原作ゲームに登場するものはジムリーダーなどの主要キャラをはじめ、ポケモンや技はほとんど登場している。
ポケモンの技やアイテムの効果に関しては、ゲームでの描写の枠にとどまらない展開が多く、単純なターン制バトルとは違って複数の技を組み合わせるなどさながら『ジョジョの奇妙な冒険』などのように工夫や機転を凝らしたバトルや探索の描写が多い。
図鑑に記されているポケモンの生態や特徴、ゲーム中の小ネタや裏設定などに重要な役割を持たせて作中で使用する事が多く、その時点で発表されている最新作の内容を先取りして隠しネタとして取り入れることもある。
また以前の章で出したネタが最新作で関連付けられそうな場合は後付けとして機能させる場合もある。
また、最初は小学館の学年誌の主に『小学四年生』『小学五年生』『小学六年生』に連載していたように小学校中学年以上を主眼としているだけあって、相手トレーナーへのダイレクトアタックなど描写に過激なものを含むことがある(1章でのポケモンタワーや氷付けブーバーのバラバラ死体、2章でサワムラーに蹴り上げられるレッドなど)。
ストーリーについて
※各章の説明については負荷軽減のために『ポケスペ』の記事に掲載してるので、そちらを参照。
ストーリーはポケモン原作ゲームの設定を下敷きにした独自のもの。
章にもよるが原作ゲームのポケモン主人公、ライバルのデザインを元に独自の設定を加えたキャラをポケモン図鑑を託された主人公に据え、それぞれ目的を持った図鑑所有者たちの旅がやがて一つの大きな戦いへと収束していく……というのが物語の基本的な構図になっている。
また、ゲームと違い、所有者の目的は必ずしもポケモンジムの制覇というわけではない。
連載が進むごとに、歴代の図鑑所有者達の共闘なども何度か描かれている。
また、章と章の間での伏線回収が年単位の間隔で行われることもあるなど、約四半世紀連載しているだけあって、その物語の広がりは半ば大河作品ともいえるレベルに達している。
原作ゲームの本シリーズ及びリメイク版で新作が出るたびに主役や舞台を一新した新章に突入するのが恒例となっているが、全てはある程度時間の経過した同一の世界として描かれており、章をまたいだ伏線も多数存在する。
そして当然ながら登場キャラクターの年齢もシリーズが進行するごとに上がっている。
登場人物
人物に関する各一覧項目が存在するため、そちらを参照。
- 登場キャラクタ一覧ー⇒ポケスペの登場キャラクター一覧
- 組み合わせ(コンビ・トリオ・グループ等)⇒ポケスペコンビ・トリオ・グループタグ一覧
- カップリング⇒ポケスペカップリングタグ一覧
主人公サイドの特徴
図鑑所有者のほぼ全員に、パートナーポケモンを手にする以前から手持ちにしている幼馴染のポケモンがおり、所有者達と特別な絆を持つ一匹として描かれる事がしばしばある。
一部の図鑑所有者やサブキャラクターには、日下と山本のオリジナルデザインの人物がいる。
各章 | 主人公 |
---|---|
第1章 | レッド、グリーン、ブルー |
第2章 | イエロー |
第3章 | ゴールド、シルバー、クリスタル |
第4章 | ルビー、サファイア |
第5章 | レッド、グリーン、ブルー |
第6章 | エメラルド |
第7章 | ダイヤモンド、パール、プラチナ |
第8章 | プラチナ |
第9章 | ゴールド、シルバー、クリスタル |
第10章 | ブラック、ホワイト |
第11章 | ラクツ、ファイツ |
第12章 | エックス、ワイ |
第13章 | ルビー、サファイア、エメラルド |
第14章 | サン、ムーン |
第15章 | 剣創人、盾・シルドミリア |
第16章 | スカーレット、バイオレット |
敵サイド・その他の人物の特徴
原作にジムリーダーや四天王、チャンピオン、フロンティアブレーンと非常に数多くのキャラクターが登場する関係上、それら全員に活躍の場を与えると必然的に群像劇としての側面が強くなり、それを活かして展開する様々なドラマと壮大なストーリーが作品の売りの一つになっている。
その為、ロケット団になっているジムリーダーをはじめ、設定やキャラクターの役どころが原作と全く違う場合も存在する(特に初期の頃はゲーム版の登場人物が限られていることもあって顕著だった)。
ただし、本家であるゲーム版『ブラック・ホワイト』に該当する第10章「ブラック・ホワイト編」以降は原作ゲームの段階で設定が作り込まれていることもあり、それによって図鑑所有者以外は本家に習う設定になってきている。
注意点
ポケモンの人気長寿漫画の一角的な存在のポケスペだが、より多くの人々と楽しむため、以下のような点に注意をする必要がある。
棲み分けについて
どんなコンテンツにも、そのものを好む者がいれば当然苦手とする者もなかには存在する。
特に、ポケスペ独自の展開や凝った(凝りすぎた)設定を「鼻に付く」と感じたり、原作ゲームからの設定の改変(憎めない悪役が悪役になっていたり、味方キャラでも性格がきつくなっていたり)を受け入れられないポケモンファンも確かに存在するため、所かまわず話題に出すのは避けたい。
また、「原作ゲームや他のポケモン関連のメディアミクスの設定」と「ポケスペの設定」を(勘違いならまだしも中には)無理やりこじつけて他者に押し付けたり、原作設定等を「ポケスペのパクリ」と早まって指摘する者も存在するが、当然論外である。
(過去には、実際に両者の間の深い溝が原因となり、とある人物の出自設定にまつわる大論争に発展した例もある。)
登場キャラクターについて
最近では人間キャラクターを用いたコンテンツ展開が広く行われており、それらのキャラクターをポケスペのそれと混同することは避けなければならない。
原作ゲームの登場人物、ポケスペの登場人物、その他のメディアミックス作品の登場人物はすべて別のキャラクターであることを肝に銘じておきたい。
特に『金・銀・クリスタル』の男主人公とポケスペのゴールド、『クリスタルバージョン』の女主人公とポケスペのクリスタルなど、名前や愛称が被っている人物については要注意。
Pixivマナーについて
登場人物の外見が(場合によっては名前も)同じであるからといって、原作ゲームキャラや他のポケモンコンテンツのキャラクターを描いた作品に「ポケスペ」のタグ登録などを勝手にしてしまい、イラスト投稿者などに迷惑がかかることもある。
逆に、ゲーム版の人物に使用されるタグ(名前+(トレーナー)or(ポケモン)の形が多い)をポケスペのキャラを描いた作品に付けないようにすることにも注意されたい。
関連イラスト
関連タグ
三次創作
ポケスペ非公式オリジナル:ポケスペ公式キャラおよびポケスペ公式オリキャラとの棲み分けタグ。
ブクマ数評価タグ
イラスト
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小説
ポケスペ小説10users入り→ポケスペ小説30users入り→ポケスペ小説50users入り→ポケスペ小説100users入り→ポケスペ小説300users入り→ポケスペ小説500users入り→ポケスペ小説1000users入り
表記揺れ
ポケットモンスタースペシャル:作品名全体のカタカナ表記。
ポケットモンスター☆SPECIAL:2001年度、クリスタルが単独で主役を張っていた時期のタイトル表記。