ラキシス(競走馬)
らきしす
生年月日 | 2010年1月31日 |
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英字表記 | Lachesis |
性別 | 牝 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | ディープインパクト |
母 | マジックストーム |
母の父 | Storm Cat(USA) |
生産 | ノーザンファーム(北海道安平町) |
馬主 | 大島昌也 |
調教師 | 角居勝彦(栗東) |
主戦騎手 | 川田将雅、クリストフ・ルメールなど |
戦績 | 17戦5勝 |
獲得賞金 | 2億9598万円 |
母マジックストームはアメリカ合衆国生産・調教。現役時はアメリカで12戦3勝、3歳牝馬G2・モンマスオークスの勝ち鞍がある。引退後アメリカで繁殖牝馬となった後に日本の社台グループが購入し、北海道安平町のノーザンファームに移った。日本でデビューした産駒6頭はいずれも勝ち上がり、このラキシスとサトノアラジン(2011年生・父ディープインパクト、2017年安田記念勝ち馬)の2頭のGⅠ馬を産む優秀な成績を残した。
母父ストームキャットは1999年・2000年北米リーディングサイアー。海外ではストームキャット系と呼ばれる大きな父系を形成している。一方日本における産駒ではシーキングザパールとの間に残したシーキングザダイヤの活躍が目立つが、全体として海外ほどの成績はない。
しかし母父としては、ディープインパクト×ストームキャットの組み合わせでラキシス・サトノアラジン姉弟以外にもラヴズオンリーユー、キズナ、エイシンヒカリ、ダノンキングリー、リアルスティールなど大成功。その他にもロードカナロア、ファレノプシス、メイショウボーラー、ダノンレジェンドなど、母父としての日本への影響力は大きなものがある。
2010年のセレクトセールに上場され、馬主の大島昌也氏に3150万円で落札された。
大島氏は、永野護『ファイブスター物語』にちなんだ馬名をよく用い、本馬も同作の主要登場人物ラキシスからの命名。
余談だが、同年セレクトセール出身のもう1頭のGI馬もラキシス同様、アニメ・漫画のキャラクターに因んだ命名をされている。
デビュー~3歳
栗東の名調教師・角居勝彦厩舎に入厩したものの、その頃のラキシスは痩せて体質が弱く調教もなかなか進まず、ゲート試験は和田竜二が手を尽くし何とか受からせたという。
また食が細く、体重管理・調整の難しさは競走生活を通してつきまとった。
それでも、2012年12月の新馬戦(阪神芝2000m)を川田将雅の騎乗で勝利。
しかし、2013年(3歳)初戦のすみれステークス(OP)は食欲不振で-14kg、6着に敗れて桜花賞への道は閉ざされる。4月、オークスへの出走を目指してフローラステークスに出走するが、馬体重は戻らず11着敗退。牝馬クラシックへの出走は果たせず、夏にかけて約5ヶ月体調回復に充て巻き返しを図ることになった。
9月に復帰すると体調も戻り、500万下甲武特別、1000万下鳴滝特別と2連勝。
2013年エリザベス女王杯
2連勝の後、ラキシスは初GⅠとなるエリザベス女王杯に格上挑戦。この年のヴィクトリアマイルを制したヴィルシーナが1番人気(3.3倍)、同世代の二冠牝馬メイショウマンボが2番人気(3.9倍)と人気を分ける中、未だ条件馬の立場にもかかわらず直近2連勝の内容が評価されて6番人気(16.7倍)に推された。
川田の駆るラキシスは大外18番枠から3番手につけ道中を展開。最終直線で外から上がり最速の末脚でメイショウマンボが差し切り勝利したが、ラキシスはその後ろでアロマティコの追撃をクビ差凌いで2着に粘った。大金星こそならなかったものの、この2着でオープン入りを果たした。
4歳(2014年)
古馬始動戦の京都記念は4着。中日新聞杯2着で収得を加算し、5月に二度目のGⅠ挑戦となるヴィクトリアマイルに挑む。しかし、この時は前走比-12kg、かつデビュー以来の最軽量となる448kgと体調が整わず、15着惨敗。
夏の休養を経て、秋初戦のオールカマーは2着と盛り返した。
2014年エリザベス女王杯
次走は2年連続出走となるエリザベス女王杯。あれから1年経っても重賞未勝利の身は変わっていなかったが、前年の2着馬ということもあり、1番人気のオークス馬ヌーヴォレコルト(3.3倍)、前年覇者メイショウマンボ(5.6倍)に次ぐ3番人気(6.8倍)に推された。
大外枠だった前年とは逆に1枠1番を引いたラキシスは、7・8番手付近につけ内で脚を溜める展開。最終直線で前が塞がりかけたところ、ヴィルシーナとメイショウマンボの間に馬体をねじ込み壁を突破。先頭を行くヌーヴォレコルトを必死に追い、ゴール板直前かわしてクビ差の勝利。重賞初制覇をGⅠで挙げた。
(ちなみに、この2014年秋のGⅠ戦線は、スプリンターズSがスノードラゴン、秋華賞がショウナンパンドラ、菊花賞がトーホウジャッカル、天皇賞(秋)がスピルバーグと、4戦連続で重賞未勝利馬がGⅠを獲得しており、ラキシスで5戦連続となった。)
5歳(2015年)
この時の騎手はクリストフ・ルメール。ルメールがJRA所属騎手に身分を変更してからの初勝利であった。
その後は勝ち鞍を挙げられず、連覇を狙ったエリザベス女王杯は接触もあり11着敗退。次走は有馬記念予定だったが、左前脚球節の腫れで登録を見送り、そのまま引退が決定した。(角居厩舎ではラキシスとほぼ同時に、チャンピオンズカップを制した牝馬サンビスタも現役を退いた。)