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「お客様がお望みなら、どこでも駆けつけます。

自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」

CV:石川由依

概要

C.H郵便社で代筆屋を務めている、自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)の少女。

物語の世界から飛び出てきたかのような美しさを誇る金髪碧眼の麗人で、どことなく憂いをはらんだ物静かな佇(たたず)まいをしている。

元々は親の顔も知らない孤児であり、身寄りのなかったところをライデンシャフトリヒ陸軍少佐ギルベルト・ブーゲンビリアに拾われ、彼とともに少女兵として戦場を渡り歩いた過去を持っている。大戦の勝敗を決定づけたとある作戦のなかで瀕死の重傷を負い、ギルベルトと離れ離れになってしまったヴァイオレットは、大戦の終結後にギルベルトの旧友であるクラウディア・ホッジンズに保護され、彼の協力のもとでライデンシャフトリヒの名家エヴァーガーデン家の養子となり、そこで淑女としての教育を施される(なお、TVアニメ版ではホッジンズの会社に住み込みで働き、自動手記人形の養成学校で教育を受ける形となっている。エヴァーガーデン家は後見人ではありつづけたものの、兵士の性質が全く抜けなかったヴァイオレットを手許に置いて養育することを断念してしまったため)。

孤児として育ち、軍人としての生き方しか知らないヴァイオレットは、人の気持ちを感じ取ったり、自身の気持ちを表現して人に伝える術(すべ)をまだ知らない。代筆屋として世界中を巡り、行く先々で出会う依頼人たちのそれぞれの想いに触れるうちに、彼女はかつて戦場で離れ離れになる前にギルベルトから告げられた「最後のメッセージ」の意味へと近づいていくことになる。

人物

容姿

柔らかに編み込まれ、ダークレッドのリボンで飾られた金糸の髪と、海の底の輝きを秘めた青い瞳を持つ、とりまく人や時も自然と息すら潜めてしまうほどの美しさをたたえた少女。(原作上巻、15ページ、原作下巻、178ページ)

涼やかに響く玲瓏(れいろう)な声音と相まった優雅な振る舞いは、時として同性さえも見惚(みと)れさせるほどであり(原作上巻、61ページ)、人に「気後れ」という感情を意識させるような物静かな雰囲気をまとっている。

代筆屋として依頼人のもとへ向かう際には、プルシアンブルーのジャケットと純白のリボンタイワンピース・ドレス、使い込まれたココアブラウンのロングブーツに身を包み、淑女としての品のいい奥ゆかしさを演出している。(原作上巻、53ページ、132ページ)

なお、ヴァイオレットの両腕は生身のそれではなく、肩口から取りつけられる形で機械仕掛けの義手が装着されている。

普段は黒手袋に包まれているエスターク社製のその義手は、戦場での使用にも耐えうる耐久性と人体では出し得ないほどの高出力、そしてタイプライターの細やかなブラインドタッチをも可能にする精密さを兼ね備えた、戦闘特化の仕様でありながら機能性を損ねていない優れた逸品である。(原作上巻、20~21ページ)

少女兵として戦場を渡り歩いた過去を持つため、ヴァイオレットの柔らかな身体にはいくつもの古傷が残されている(原作上巻、40ページ)。TVアニメ版では、シャツをまくった際に右脇腹、右肋骨下および左腹部へその辺りの古傷が現れている。(TVアニメ版1話)

性格

孤児や少女兵として育ってきた生い立ちゆえに感情の表現とそれを語る言葉を知る機会に恵まれず、傍目(はため)には喜怒哀楽の色の変化のない、無機質でどこか寂しげな性格の持ち主として映る。

仕事内容に関わる話であれば流暢(りゅうちょう)に交わすことができるものの、人の持つ感情の機微についての話になると、途端にどこかから借りてきたかのような、うまく実感のこもっていない言葉を並べるようになってしまう(原作上巻、173ページ)。「楽しい」「悲しい」などといった想いを自身の感情として理解できず、また、その感情が自身に生じているのかすらもわからないと語るヴァイオレットの姿は、「まるで身も心も作り物めいた人形のようだ」などといった印象を関わった者たちに与えている。(原作上巻、175ページ)

なお、TVアニメ版では、ヴァイオレットが一人前の自動手記人形として育っていくなかで、喜びや悲しみといったさまざまな感情を身につけて表情が豊かになっていくような側面が描かれている。

技能

代筆を生業とする職業柄、仕事道具であるタイプライターの取り扱いには目を見張るものがある。

両腕が義手というハンディキャップをまったく感じさせないほどのタイピング速度に加えて、少女兵時代に磨かれた超常的な聴力と集中力を活かして、いかなる話し言葉も聞き洩(も)らさない完璧なまでの記述を恐るべき速さで打ち出すことができる。(原作上巻、145~146ページ、TVアニメ版6話)

また、自動手記人形の仕事を始めた当初は、持ち前の軍人気質が抜けずに無機質で人間味のない文章しか起こせないでいたものの(TVアニメ版2話)、自動手記人形養成学校での教育やほかのドールたちの仕事に同伴した経験などを積み重ねて、いまでは多彩な表現の引き出しをもとにした依頼人への助言、および読む者の心を惹き込むような美しい文章を綴(つづ)るまでに成長を果たしている(TVアニメ版5話)。あわせて、代筆の現場にタイプライターがなくともタイピングする動作で指の動きを覚え、のちに出力する際にきちんとその通りの内容を再現するような離れ業も披露している。(TVアニメ版11話)

元少女兵ということで経験で積まれた戦争の知識と後述する戦闘技術があり、地形や戦場の状況予測や戦傷者に対する応急処置、武器を用いずに武装した兵士を無力化するといったような技術も備えている。依頼主が戦場の真っただなかであっても駆けつけたり(TVアニメ版11話)、徹夜しても訓練を積んでいるためにほとんど疲れた様子を見せることはない。(TVアニメ版外伝『永遠と自動手記人形』)

携行品

トロリーバッグ(旅行鞄)

代筆屋の仕事に向かう際、旅のお供として携行する革製のトロリーバッグ(旅行鞄)には、さまざまな国の通関証が貼り付けられている。(原作上巻、60ページ)

主な中身としては、仕事道具である万年筆レターセット、依頼人からの手紙などを入れておくための小物入れ、替えの服や手拭きなどがしまわれている(原作上巻、208ページ、原作下巻、139ページ)。また、時には依頼先の危険度に応じて護身用の拳銃をしまっておく場合もある。(原作上巻、60~61ページ)

例えば凶悪犯の依頼で刑務所に赴いた際は銃やナイフや暗器など数多の武器を所持していて看守を驚かせた。

そのずっしりとした見た目に違わず重量もかなりのもので、屈強な体格の男でさえもつんのめるほどの重さを持つ(原作上巻、207ページ)。しかし、ヴァイオレットはそのトロリーバッグを何のこともないように片手で持ち歩いている。

日傘

ゲネトリクス国のロズウェル地方に暮らす劇作家、オスカー・ウェブスターからの依頼を受けた際に、彼から貰った日傘。元々は彼の娘であるオリビアの所有物であった。

(なお、原作小説では作品の展開に悩んだオスカーが、イメージ作りのためにヴァイオレットにモデルを頼んだ際に購入したものとなっている。※原作上巻、26ページ)

水色の生地にリボンと白いフリルがあしらわれたその傘は、ヴァイオレットも「綺麗で可愛らしい傘」として気に入っており(原作上巻、26ページ、TVアニメ版7話)、彼の依頼を終えてからもしばしばトロリーバッグと一緒に持ち歩いている。(原作上巻、53ページ、原作下巻、175ページ)

ブローチ

ヴァイオレットの胸元につけられている、エメラルドグリーンに輝くブローチ

ギルベルトの瞳の色に似ているためヴァイオレットが気に入って購入した。

青い瞳を持つ彼女が付けるには少し色味の合わない一品であるが(原作上巻、53ページ)、彼女は事あるごとに胸に輝くブローチに視線を落としたり手を添えたりして、その所在を確かめている。

戦後のどさくさに紛れて紛失して闇市に流出したが、陸軍病院に見舞いに来たホッジンズによって闇市から買い戻された。

そのようなヴァイオレットの様子を日頃から見ているC・H郵便社の同僚からは、そのブローチは彼女にとっての「お守り」のような、とても大切なものなのではないかという憶測を抱かれている。(原作下巻、207ページ)

アニメ版ではギルベルトから贈られた唯一のプレゼントであり、二人を繋ぐ絆の証かつ象徴。また、そのブローチの色はギルベルトの瞳の色である。(TVアニメ版1話)

戦闘技術

かつて身寄りのない孤児であったヴァイオレットは、両親の顔や自身の本当の名前などについてははっきりと覚えていないものの、その代わりとして常軌を逸した身体能力と「殺し」における天賦(てんぷ)の才を備えていた。(原作上巻、250ページ)

ライデンシャフトリヒの海軍士官ディートフリート・ブーゲンビリアに拾われ、その弟のギルベルトの下に渡って以降は、彼女のなかに秘められた戦いの才能を見出したギルベルトの手によってより高度で専門的な訓練を施され、純粋な殺しの才能はやがて卓越した戦闘技術へと昇華することになる。

名簿には陸軍兵士としては登録されず「ギルベルトが使う武器」として登録されていたため軍の階級はない。

前線の一兵士としてはあまりにも並外れたその戦いぶりは瞬く間にライデンシャフトリヒ陸軍全体に知れ渡ることになり、敵味方の双方から『ライデンシャフトリヒの戦乙女』『ライデンシャフトリヒの戦闘人形』などといった二つ名を冠されるまでに至っている。(原作上巻、285ページ、TVアニメ版12話)

射撃術

ギルベルトの「武器」として戦っていたヴァイオレットは、部隊を構成する他の兵士たちと同様に小銃を携行していた(なお、原作小説では後述する戦斧を担いでいた関係から拳銃を携行している)。

屈強な成人男性が使用することを前提に設計された小銃は、十代前半の小柄な少女であったヴァイオレットが構えるにはいささか大きすぎる代物であるが、彼女はその大きさと重さをまるで感じさせないほどの鮮やかな取り扱いを見せるばかりか、全速で駆け抜けながら射撃して目標に命中させるなどの卓越した腕前を披露している。(TVアニメ版8話)

また、(原作小説における)サイドアームである拳銃の射撃技術も並の兵士の比ではなく、戦斧に仕込まれた鎖の収縮機構を利用して高速で敵陣に乗り込むかたわら、すれ違った敵兵士数名の脳天を立て続けに撃ち抜いたほか(原作上巻、280ページ)、地面に突き刺した戦斧を足場代わりにして飛び上がり、着地するまでに空中で身を翻(ひるがえ)して敵兵士2名を射殺するなど(原作上巻、322ページ)、常人離れした体捌(さば)きと一体になった正確無比な射撃術を発揮している。

格闘術

銃剣ナイフ、徒手格闘などによる近接戦闘の場面においては、筋肉量などのパワーでは成人男性に劣るものの、十代前半の小柄な少女という特性を最大限に活かして、俊敏な身のこなしからの鋭い一撃を見舞うことを得意としている。(原作上巻、268ページ)

その軽々とした体捌きから放たれる銃剣刺突や銃床打撃、蹴り上げなどの体術はすべてが一撃必殺の威力を持っており、対峙する者を容赦なく打ち伏せる恐ろしいまでの練度を誇っている。(TVアニメ版1話)

また、持ち前の小柄な身体は敵の不意を突く際にも大いに役立っており、夜闇に乗じて敵の死角から忍び寄り、一瞬で背後に飛びついて喉元をかき切るなどの卓越した暗殺術も披露している。(TVアニメ版8話)

戦斧「ウィッチクラフト」

原作小説においてヴァイオレットが主武器として使用していた、人の背丈ほどもある巨大な戦斧(ハルバード)。

武勲を上げるヴァイオレットのために軍部が特注で製作した唯一無二の武器であり(原作上巻、288ページ)、斧と刺突槍のほかに、柄の先端部分に収縮機構付きの鎖分銅を備えている。(原作上巻、103ページ)

白銀に輝く斧部は人間の胴体程度であれば容易く両断しうるほどの厚みと重さを持ち(原作上巻、335ページ)、ヴァイオレットはその分厚い斧部で銃弾を弾き返しながら敵に肉薄する攻防一体の戦術を身につけている。(原作上巻、108ページ)

また、柄の先端に仕込まれた鎖分銅には収縮機構が備わっており、敵兵士の足を絡め取って引き寄せたり、逆に固定物に巻き付けて高速で機動したりと、柔軟な戦術運用に一役買っている(原作上巻、278~280ページ)。あわせて、分銅本体にも機械仕掛けの刃付きアームが備え付けられ、刃付き分銅を振り回しての攻撃のほか、アームの収縮機能を利用して捕らえた敵の顔面を握り潰すといった使い方も見せている。(原作上巻、278ページ)

ヴァイオレット自身、使い慣れた武器として愛着もあるらしく戦後は彼女の私物となっているが、諸々の事情を鑑みて、普段はC・H郵便社の秘密倉庫に保管されており、ホッジンズの許可がないと持ち出すことができない。依頼者の兵士エイダンを救出する際に使った。

主要キャラクターとの関係

ギルベルト・ブーゲンビリア

ライデンシャフトリヒ陸軍の少佐(後に大佐に昇進)。

ライデンシャフトリヒ特別攻撃部隊隊長。

身寄りのなかった幼少期のヴァイオレットを引き取り、当時まだ名前のなかった彼女のために「その名が似合う人になるように」という願いを込めて『ヴァイオレット』と名付けている。(原作上巻、273ページ、TVアニメ版4話)

部隊を率いるかたわら、ヴァイオレットの親代わりとなって彼女に言葉や規律を教え込んだほか(原作上巻、289ページ)、彼女のなかに秘められた戦いに対する天賦の才を見出し、上層部からの正式な許可のもとに少女兵として自らが率いる部隊とともに行動させていた。

ヴァイオレットにとってのギルベルトは、「彼女の世界のすべて」と言っていいほどの存在を占めており(原作上巻、177ページ、195ページ、TVアニメ版6話)、単なる敬意の念とするだけでは到底足りない、どこまでも一途で純真無垢な忠誠心を捧げている。

彼とともに臨んだ最後の作戦のなかで深手を負って離れ離れになってしまって以降は、彼から貰った思い出深いエメラルドブローチを、片時も曇らせることなく大切に持ち歩いている。

クラウディア・ホッジンズ

ヴァイオレットが現在勤めている、C・H郵便社の社長。元陸軍少佐。

かつて陸軍に所属していたころ、親友のギルベルトからヴァイオレットの後見人を託され、大戦の終結後に彼女を保護してエヴァーガーデン家に養子として紹介する。あわせて自身が経営するC・H郵便社を新しい勤め先として勧め、ヴァイオレットを新たな社員として迎え入れる。

かつてギルベルトと行動をともにしていたヴァイオレットは、彼の旧友であるホッジンズとも何度か顔を合わせており、終戦後に再会した際にもその時々のことを彼に述べている。(原作下巻、50~51ページ、TVアニメ版1話)

また、ホッジンズもギルベルトと行動をともにして華々しい戦果を挙げるヴァイオレットの話はよく聞いており、そのような彼女がこれまでの戦いの道から離れて新しい人生を歩むことを「機会」と捉え、「これから多くのことを学んでいくなかで、自らの過去とも向き合わなければならない」ということを彼女に諭(さと)している。(原作下巻、80~82ページ、TVアニメ版1話)

部下や友人の大切な存在と言うよりは自身の娘のように可愛がっている。

ベネディクト・ブルー

C・H郵便社で働いているポストマン(配達員)。

入社間もないヴァイオレットに対して郵便物の仕分けなどの業務内容を教えたほか、自動手記人形の仕事が上手くいかず落ち込むヴァイオレットをなだめたりと、彼女の「兄貴分」として面倒見の良さを見せている。(TVアニメ版1~2話)

カトレア・ボードレール

C・H郵便社の代筆部門で働いている、花形の自動手記人形。

代筆屋である自動手記人形の仕事を希望したヴァイオレットにタイプライターの使い方や実際の職場に立たせた研修、自動手記人形養成学校の紹介などを行い、彼女が一人前の自動手記人形になるための一助となっている。(TVアニメ版1~2話)

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『京アニ映画year2019-2020』コラボレーションイラスト

関連動画

髪型を実際に再現した動画

関連タグ

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 永遠と自動手記人形

ギルベルト・ブーゲンビリア - ライデンシャフトリヒ陸軍の少佐。ヴァイオレットにとって何よりも大切な存在。

クラウディア・ホッジンズ - C・H郵便社の社長。ヴァイオレットの後見人でもある。

ベネディクト・ブルー - C・H郵便社で働くポストマン。ヴァイオレットの兄貴分的な存在。

カトレア・ボードレール - C・H郵便社で働く自動手記人形。ヴァイオレットを見守る先輩ドール。

イザベラ・ヨーク/エイミー・バートレット - ヴァイオレットの友人。

テイラー・バートレット - エイミーの妹。

ギルヴァイ - ギルベルトとのカップリングタグ。

金髪碧眼 金髪 碧眼 クラウンブレイド 義手 ブローチ カーテシー

タイプライター トランク 日傘

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