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曖昧さ回避

  1. 1957年2月6日に公開された日本の映画
  2. SNSで広まった理想郷本稿で説明
  3. アニメ・ゲーム等に存在する文字通り「女だけの街」。本稿で説明

2の概要

2018年頃よりTwitter内で議論になった言葉であり、文字通り住人が女性だけの街を指す。表記ゆれとして「女性だけの街」等がある。


2018年における流布と炎上の起点となったツイートは、以下のものである。

『女性だけの街』ヲ作ろう

批判派・否定派側からは「女性だけの街」というアイデアに対し「全員が女性なら性犯罪も男社会女性差別も無い豊かな社会になるという理屈ではあるが、人間が複数以上いれば男女問わず争いが起きるのは必然であり、仮に実現したとしても遅かれ早かれ『弱い女性』が『強い女性』に差別されるのは火を見るより明らかである」といった声が上がっているが、議論・炎上の起点となったツイートをした人物は、「加害する男性がいない。そのことによって安心が得られる」以上のユートピア性を挙げてはいない(該当のツイートの冒頭部分)。


実現の可能性

インフラを含めた力仕事に関しても「女性でも作業できるシステム」を作る事自体は(金と人員を投入するならば)可能だろう。

しかし、街の規模の拡大に比例するカースト制度を維持するためには生贄にしても構わない女性が犠牲にされかねない。女性全員が安心できるようやりたくない仕事を男性に任せるなら「女だけの街」というコンセプトは破綻している。

そもそも支配階級の女性は人間性がどうあれ常に誰よりも優遇されなければならず、男禁制の社会となると女性全員の人権を尊重するのは困難と言える」といった形でカルト化や崩壊のシナリオを想定する人もいる。


ネットでは何度かマンガに書き起こされているが、

男性不要論を訴えるツイフェミが女性だけの街を認可させ喜色満面

→インフラ整備や建築を行う肉体労働やゴミ処理などの衛生管理の仕事をやりたがらない女性が不満を訴える

→生活環境が改善されない(しようとしない)ため陰日向を問わず不満や悪口を言うようになり人間関係が悪化

→結果外の男性に泣きつくも「貴女方が望んだ理想の街でしょう」と突き放されるのが定番化している。


現実には自治体クラスの規模の「女だけの街」となるとアニメやゲームでしか存在しないのではないか(3で説明)と思われるが、現実にも近い形ではあるが事例もある。存在する「女性だけのコミュニティ」について以下で説明する。


発端と広まり

2018年1月にツイッターに投稿され、議論と炎上の起点となったツイートは「もしも女性専用の街があったら」という夢想ないし妄想のような形であり、実際の運営や実現性に踏み込んだものではなかった。

上記の「もし作った場合の運営・運用」という部分はあくまで仮定の話である。


「女だけの街」の概要を見て、女子校女子寮に在籍した経験のある女性は「そんな滅茶苦茶な事態にはならない、自分たちはちゃんとやってきた」と言う人もいるだろう。

だが、そう言った場所がそのような惨事になっていないのは、既存のインフラ設備がある建物にきちんとしたルールを設けているからこそであり、つまるところそう言った予め用意された物や規則等によって現実の「女の園」は成り立っているのである。「街」として成立するためには単に建物を建ててそこに住むだけではなく、そうしたインフラや警察機能も含めて構築しなければ街とは言えない。


現実に存在する「女性だけのコミュニティ」

この話題が広まり、炎上もした当時、前例やモデルケースとして以下の事例が挙げられた。

ケニアの「ウモジャ」、ブラジルの「ノイヴァ・ド・コルデイロ」、サウジアラビアの「ホフーフ(フフーフ)」等である。


「女性だけの町」支持者が挙げるウモジャやノイヴァ・ド・コルデイロの事例では「恋人や配偶者が外部にいる」「男児ももうけるが、成人すると出ていく(少なくとも定住者であることはやめる)」という形になっている。

  • ウモジャ

ケニアのモプコリ村に築かれたコミュニティで、その名は「結束」を意味する。女性の教育機会が奪われる社会情勢にあって、さらに男性からの暴力被害を逃れた女性たちが結束して生まれた場所である(DVや女性器切除から逃れ、自治に成功した女性たち ケニアに実在する「男子禁制村」)。

イギリスの軍人からの性的暴行事件、そして彼女達を経由して性感染症になる事を恐れた現地男性達による追放が大きなきっかけとなり、1990年にコミュニティの土台が出来上がった。

住民は工芸品、ジュエリー類をつくって生計を立てており、観光業も営む。男性はここに訪れることはできるが、定住することはできない決まりになっている。

一方で、ウモジャが成立しているのは政府の援助が大きく、真の意味での自立と呼べるか疑問とする意見もある。また、警察等の実力組織がないため、万一武装集団がやってきた際どう対応するのかが問題となる。


  • ノイヴァ・ド・コルデイロ

ブラジル南東部にある小さな村である。男性の住人はいるが、週末のみここで過ごすことができ、それ以外は出稼ぎを行う。ここで男子が生まれた場合、彼が18歳になった時点で母と村を出る事になる(ほぼ女性しかいないブラジルの村では、Facebookで夫を募集している)。

コミュニティが築かれる切っ掛けとなった事件は1890年代に遡る(ブラジルの女性だけの村、ノイヴァ・ド・コルデイロで夫募集!条件や連絡方法は?【どエライさん】)。強制結婚を逃れた女性が恋人と駆け落ちし、似た境遇の女性達が集まる事でコミュニティの土台が出来上がった。

カトリック教会から白目視され、1940年代には生活を厳しく縛る牧師がここで影響力を振るった。当時は男性のみ、という所まではいっていなかったようだが、彼が1995年に亡くなった事がきっかけで、それまでに溜め込まれていた不満が男子禁制という形で結実した。

  • フフーフ(ハフーフ)内の町

ウモジャとノイヴァ・ド・コルデイロとは異なり、伝統宗教の厳格な解釈を背景とする。イスラム教の厳格な解釈では、女性と男性の生活・行動の場そのものを完全に分ける。

近親者や夫などを除けば、男性が接近する余地はない。これは、男性がいる場では女性の労働がしにくい、という事でもある。

そこで既存の都市(フフーフ)の中にさらに「女性だけの町」を作り、女性が制限なく働ける場所としたものである。

提案者は女性であり、この町の中の企業も女性が経営する(【サウジアラビア】女性のための「女性だけの町」を建設中!)。


まとめ

これらの事例からも分かるが、旅行者や配偶者という形で男性も社会に関わっており、完全な形で「女だけの街」を成立させている例はまず無い事が分かる。また、この事例の中のサウジアラビアは女性の権利を大幅に制限してきた事でも知られ(2018年にやっと女性が車の運転をする事が認められる程)、この事例の国および地域が女性を大切にしているかと言われると疑問点は多い(女性の権利が保護されていないからこそ女性だけのコミュニティを作らざるを得なかったとも言える)。


実現性と課題

法的側面

「街(町、都市)」の規模の「女性だけのコミュニティ」を作る場合、憲法や法律に抵触するおそれがある。正確には「女性だけ」を強制しようとする場合、法的な正当性を確保する事ができない可能性が高い。女性専用車両も乗客側に任意で「協力を依頼する」という形になっている。


日本より遙かに女性の社会進出が進んでいる国においても女性だけの音楽フェスが法律違反扱いになったりもしている(スウェーデンで開催予定だった女性だけの音楽フェスが性差別だとして法律違反に)。


日本の法でいえば、例えば地方自治法244条3項では「普通地方公共団体(都道府県や市町村を指す)」は住民が利用する「公の施設」をもうけるものとしているが、「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」となっている。女子トイレ等ではないスペースを男性が使用する事を拒む事ができる「公の施設」を存在させることはできない。


居住や一般的な道路の通行などで男性を排除しようとすれば日本国憲法第14条に抵触すると考えられる。


実在するコミュニティのケースで言えば「女性たちがその土地を所有している為、私有地内でなら可能なルールを適用できる」「出ていく事を指示する相手が家族(夫や息子)であるので相手に聞き入れられる事ができる」(ウモジャとノイヴァ・ド・コルデイロ)

「宗教が法よりも上位にあり、信仰を源泉とする男女の徹底分離(男性の立ち入り禁止)が差別とされない」(フフーフ内の町)という事情によって「女性だけのコミュニティ」が成立している。


「公道」や「公共施設」を大規模に含まざるを得ない「自治体(街)」単位で「女性だけのコミュニティ」を成立させる事は政教分離原則に基づく世俗国家においてはまず不可能と考えられる。

あるいは自治体クラスの面積の広大な私有地を「女性だけのコミュニティ」に解放する方法もあるが、理論的にはともかく資金的に実現性は極めて厳しい。

  • 逆説的には日本で最も大きい「女性だけのコミュニティ」は女子校が限界とも言えよう。これも男女雇用機会均等法がある以上男性教職員の就労を廃することはできない。

そもそも「性加害」が本当に起きないのか

言うまでもないが、仮に完全な形で「女だけの街」が成立した場合、男性による性加害は起きようがない。これをもって理想郷としているわけだが、実際は同性同士でも性加害が起こり得る問題がある(該当記事)。同性同士の性加害は声を上げにくい(あるいは上げても理解されづらい)事もある。


加えて、LGBTの人々、つまり「心が女性」であり肉体的には「男性」の人々を加えるかどうかという問題点もある。そうした人々を受け入れるのかどうかというのも課題として挙げられる点である。


安全面・セキュリティ面

女性専用の賃貸物件(マンション、アパート)が日本にも存在しているが、料金は割高な傾向にある(女性専用マンションは一般物件と何が違う?メリット・デメリット)。その要因の一つとなっているのがセキュリティのための費用である。


また、「街」規模である以上、存在や位置を秘密にしておくことは不可能なため、治安維持は当然必要になる。

前述したウモジャのケースでは指導者のレベッカ・ロロソリが元夫からの襲撃に遭っている。さらに、女性同士でも盗難などのトラブルは起こり得るだろう。

こうした背景がある以上、敵対勢力が「遠征」に来るケースや内部での事件の対策として資金や人員といったリソースを割かざるを得ない(逆に言うなら、それらの警察機能も女性だけで固めれば「女だけの街」が成立しなくもないと言える。そこまでしてやる意味は不明だが)。


総括

一部のフェミニスト達が夢想する「女だけの街」が実際に出来たらどうなるか?を実験する術はなく、我々が知る機会はない。そもそも「女だけの街」とはいじめや格差がない理想郷になる可能性は、人数が多ければ多いほど困難になる事が予想される上、必要性があるのかも不明瞭である。


3の概要

アニメやゲーム、小説等のフィクション作品では自治体クラスの規模の「女だけの街」が存在する。

理想郷ディストピアかは作品による。男性が存在しない理由として疫病等の要因で男性が絶滅等といった設定がなされてる。)


例として『ドラゴンクエストⅣ』では「女だけの街(城)」ガーデンブルグがある。教会のじいさんだけは男性だが。


小説版では元々は女神を祭る巫女達が暮らす神殿であったが、夫や父親に酷い目に合わされた女達の駆け込み寺となり、今の巨大な国になったと言われている。傭兵が多く女の少ないバトランド(ライアンの故郷)とは古くから「種」を目的とした「交流」があり、女児が生まれた場合はガーデンブルグが引き取り、男児が生まれた場合は里子に出されているらしい。








以下、小説版ドラゴンクエストⅣの重大なネタバレ









実はガーデンブルグ女王の妹…いや弟は、両性具有であった。

女装してガーデンブルグを来訪した勇者ユーリルにその事実を指摘され、女王達は動揺する。

上述の通りガーデンブルグは女児が生まれた場合はガーデンブルグが引き取り、男児が生まれた場合は里子に出すことで国体を保ってきた。

女王の弟の正体は決して知られてはならず隠されてきたのである。


真実を明かしたガーデンブルグが良い方向に向かう事を望んで、勇者ユーリル一行は天空の盾を貰い受ける。








関連タグ

女性 理想郷 楽園


女子校女子寮女子刑務所大奥・女子修道院・尼:女性のみの社会だが、インフラ整備等は男性を含めた外部の人間も関与しているため「街」ではない。


ドラゴンクエストⅣ:「女だけの街(城)」ガーデンブルグがある。教会のじいさんだけは男性。

メルトランディ:女性だけで構成された種族。

ヴァンドレッドシムーン:女性だけの社会が登場する作品。

クイーンコスモ:女性だけの帝国を作る事を目論んだ女性キャラ。

ヒメノスピア:特殊なハチ由来の異能力によって、ほぼ女性のみの共同体が作られる作品。

西遊記:女性だけの国が存在する話がある

中王区ヒプノシスマイクに登場する区域。女性は出入り自由だが男性は許可証が必須。


ようこそ!恋ヶ崎女学園へ:『女性1000人に対して、男性1人しかいない程に男性が極めて少ない』という世界観である為、主人公の住む街は(男性である主人公を除けば)『女性だけの街』を完璧に体現している。


ツイフェミ:「女だけの街」を望む者達。もっとも、その大半が自分や自分に都合の良い女性のみを優遇する自分本位な者で占められているため、自分からは積極的に作らない傾向が強い。


ヒーロー不在/恋愛禁止/処女厨:「女ばっかの作品」が多いが未就学児向けか男性向けが多く、ツイフェミに叩かれている。


ブレスオブザワイルド:作中内に「ゲルドの街」という女性だけの街が登場する。


アンチフェミちゃんねる:ある意味、現実世界における女性だけの街の縮図。こちらを参照。


外部リンク

以下はTwitterやまとめサイトでの反応である。やや扇動的な部分もあるため注意。


肯定派、共感派

否定派、揶揄派

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