概要
作者の秋本治がスランプになったのをいいことに主人公の両津がこち亀の漫画をやりたい放題描いて漫画の世界をハチャメチャにしてしまうカオス回の一つである。
内容は部長が機関車に轢かれて死亡、中川が妖怪田ブタ子と結婚、麗子が自身の会社が倒産して自殺未遂等不謹慎極まりない内容も満載である。
ストーリー
連載開始から6年(当時)が経つこち亀だが、遂にアイデアが尽きてスランプに陥ってしまう。そんな作者は連載が10年も進む『ゴルゴ13』に感銘し、恥も外聞も捨てて盗作しようとするが、その直後に漫画から両津が現れ、咎められる。彼のスランプ実情を知った両津は一緒に新たなアイデアやネタを考えるよう協力してくれた。
だが、両津のアイデア内容は上記の内容に加え、
・部長の家が全焼し火災保険も前日で期限切れで下りず、逃げ出したところに消防車に跳ねられ重体。
と主人公としてあるまじき非道そのもので、逆に両津自身に関しては何気ない場所で1兆円を拾い、直後に警視総監から署長に任命されて葛飾署の署長の座に着いて裕福に暮らしていくという自分だけが幸せになって物語が終わるという傍若無人さを炸裂する。
無論、こんな物語に秋本は納得するはずがなく両津がトイレに行っている間に描き変え、上記のワンマン出来事はかき消され、部長、麗子、本田も無事に生還した。一方の張本人の両津は
拾った1兆円は偽札であり、それを使用したことから世間からの顰蹙を買い、署長の座も下され、警察官の職からも干される。その後は渋谷のガード下に寝泊まりしながら団地の生ごみまで漁って生活する程落ちぶれ、最期は水死体となって発見される。
という設定となっており、それを見兼ねた大原一同はで成仏し地獄へ堕ちたと悟り、彼の遺影を拝み冥福を祈りながら物語は終わった。
…のはずだったのだが、その一部始終を見ていた両津は当然大激怒し、作者を竹刀で叩きのめし、マシンガンで抹殺した後にまたしても物語を描き変えてしまう。そして両津は
水死体となった彼の生命力はゾンビの如く強く生き返ったのであった!
という強引すぎる設定に描き直し、ジャンルも現代物からバイク、プロレス、野球、釣り、ラブコメ等多数満載のSF宇宙大作物にするというもはや何が何だか分からない漫画になり、題名もこち亀から『宇宙パイロット両さん』に変え、作者も秋本改めジェームズ両津という名前にまで変えてしまう暴挙にまで出てしまう。
そして案の定、世界観の統一性が全く無く、絵柄も幼稚向けとなり内容が全く意味不明の漫画となり、なぜか某野球漫画のキャラクターまで出る始末。
そんなやりたい放題にも程がある行動に遂に我慢が出来なくなったのか、オチに大原一同が漫画から現れ、一斉に両津の一連に渡るワンマン行為を咎めたところでストーリーが本当に終わる。
ちなみに秋本はオチの隅で「こんな事なら19ページ白紙で出した方がよかったよ」と嘆いていた。
関連タグ
ボボボーボ・ボーボボ、銀魂:作風とクオリティが上記の漫画と今回と全く同じジャンプ作品
永島慎二:青年漫画の教祖。代表作に同名タイトルがある。本来は様々な漫画家達のオムニバスドラマであるが秋本治はこれをサブタイトルに流用したとも考えられる