概要
正式名は「全国高等学校クイズ選手権」。元々は、参加資格が大学生以上だったアメリカ横断ウルトラクイズに参加できない高校生のために企画され、1983年から放送が始まった。2017年大会で第37回を迎える。ギネスブックに、「世界一参加人数の多いクイズ番組」に認定された。
「知力・体力・チームワーク」をコンセプトに、同じ学校に通う3人が1チームとしてクイズに挑戦し、地区大会から優勝を目指す。優勝チームには優勝旗と、メインスポンサーのライオンから海外研修費として賞金が、旅行代理店より海外旅行が送られる。(しかし、ライオンが2022年度からスポンサーからの撤退を表明したため、その影響が及ぶ可能性もある。)
参加条件
同じ高校に通う生徒であれば3人1チーム(第34回から第37回は2人1チーム)で参加できる(高等専門学校、定時制高校も可)。
年齢も上記の通り高校生であれば制限はない。(過去に70歳の高校生も出場。その時は41歳の高校生だった大仁田厚も出場している。〈詳細はこちら。〉)
高等専門学校生の場合5年まで出場できる。
(松江工業高専が2021・2022年の2回決勝大会出場した時は4・5年生だった。)
参加には申し込みが必要で、飛び入り参加は絶対に認められない。また、家族や親類に日本テレビか日テレ系列局に勤務している者がいる高校生も参加できない。
大会の変遷
番組の始まり
第1回大会~第27回大会までは、「ウルトラクイズ」のコンセプトでもあった「知力・体力・時の運」をキャッチフレーズに、独自の演出と壮大な規模で大会が開催されていた。クイズ形式としては一般的な早押しクイズだけでなく、「ドロンコクイズ」や「バラマキクイズ」などといったウルトラクイズ名物のクイズも行われていた。
回を重ねるごとにクイズ内容も変化し、番組独特のクイズも多数導入されていった。特急列車に乗りながら各地を転戦する回や富士山頂で決勝を行った回、さらには海外まで飛び出してクイズを行った回もある。
「知力の甲子園」への転換と頓挫
しかし、回を重ねるにつれて視聴率が低迷したため、第28回大会(2008年)にこれまでの方針を転換。「知力の甲子園」と銘打って、開成、灘、ラ・サールなどといった難関進学校同士が難問を解くハイレベルな大会になり、一部の視聴者から本格的なクイズ番組の到来を歓迎する声が上がった。
ところが、難関進学校ばかりにとらわれた演出、その中でも特定の出場者だけがヨイショされることもあり、これまでの『高校生クイズ』ファンから批判が殺到。視聴率の上昇という点では一定の成果を上げたものの、結果的に参加校の激減を招いてしまった。TVチャンピオンなどのような一部のマニアには楽しめるタイプの超難関クイズとも違い、いたずらに難問化したクイズは視聴者がついてこれないものとなってしまい、野球ファンがこぞって間違えた有名な正岡子規事件もこの頃起きた。
原点回帰へ
その結果、第33回大会(2013年)に原点回帰する形で再度方針が転換され、11年ぶりに海外で行なわれることになった。第33回(フランス・タイが舞台)では原点回帰とは程遠い内容だったものの、翌年の第34回大会(2014年)からの4年間は2回戦以降をアメリカを横断する形で行うなど番組開始当初のようにウルトラクイズの要素を存分にインスパイアしたクイズスタイルで実施。旧来のクイズファンからは原点回帰を高評価する声が多く見られた。
一方、「知力の甲子園」時代からしか見ていなかった視聴者からは「大会の質が落ちた」「知力を競うのに体力や運は要らないはずだ」などといった批判の声もある。元々高校生クイズが「ウルトラクイズ」に参加できない高校生のために企画されたものであることを考えればこういった批判は筋違いであろうが、一方で「知力の甲子園」が一定の評価を得ていた裏返しとも言えよう。なお、日本テレビでは「知力の甲子園」時代のコンセプトを受け継いだ「頭脳王」を2011年より開催しており、「知力の甲子園」時代の参加者も多く出場している。
アメリカ横断形式では2人1チーム形式だったため、アメリカ本土まで勝ち上がってきた男女ペアもしくは交際中のカップルをクローズアップする傾向が強かった。特に桜丘高校(三重県の全寮制私立校)のカップルは大きな注目を浴びた。36回ではベスト8(ロッキー山脈)で敗退したが、努力を積み重ねて翌年の37回では開成や灘などの強豪との激戦の末優勝を果たした。
地頭力
2018年は再度コンセプトを一新。「地頭力」をコンセプトに、ひらめきを重視する方式に変更された。また、リニューアルに伴い決勝戦は従来の読み上げ式のクイズから与えられた難問の課題を最初にクリアしたチームが優勝という形式に改められた。
ちなみに2018年の38回優勝校は三重県の桜丘高校で、連覇を達成している。尚放送当時決勝戦の時間は最速である。(ただしメンバーは全く違ってクイズ研究会の天才双子と支えるパートナーの3人である)
第40回は新型コロナウイルスの影響で完全リモート形式で行われた。
だが、この方式は「高校生の本来の知識が発揮できないのでは?」といった声があり、また問題の一部に公式サポーターである乃木坂46、日向坂46のメンバーを使った問題もあったため、純粋にクイズが大好きなファンにとっては違和感のある構成となっていたのは事実である。
再び路線変更へ
2022年は、メインスポンサーであるライオンが上記の通り撤退を表明したため、その影響もあってか「地頭力」をコンセプトとするひらめき重視の方式からかつての難問を解く方式も混ぜ合わせたハイブリッド型の方式へと変更した。
歴代司会者
- 初代(第1回~第10回):福留功男
- 2代目(第11回~第20回):福澤朗
- 3代目(第21回~第30回):ラルフ鈴木(鈴木崇司)
- 4代目(第31回~第40回):桝太一
- 5代目(第41回~第42回):安村直樹(第43回は顔出し出演は行わず実況で参加)
- 6代目(第43回〜):木村昴
大どんでん返し
特にこの番組の名物となっているのが「大どんでん返し」。結果発表の際に勝者(敗者)をあたかも敗者(勝者)のように発表し、高校生を喜怒哀楽の混乱に陥れることで有名。
その間のナレーションには「勝者」「敗者」の言葉があまり使われていない。
例
・第1回(1983年冬)…ペーパークイズの結果、高校名呼ばれて壇上に上がったチームが敗者、席に座ったままのチームが勝者。
・第2回(1984年夏)…ペーパークイズの結果、東京ディズニーランドに入れたチームが敗者。入れなかったチームが勝者。
・第4回(1985年夏)…ペーパークイズの結果、発表時に名前がある高校はホテルでフレンチのフルコースを楽しめたが実は敗者だった。
名前が載ってなかった高校は、カツ弁当のみだが勝者だったことがわかった瞬間、大歓喜だった。
・第9回(1989年)…ペーパークイズの結果を伊豆大島へ向かう船が停泊する埠頭のタラップで行い、ファンファーレが鳴ると乗船可能、ブザーが鳴ると乗れなかった。乗船したチームが乗れなかったチームに対して紙テープを投げるとそこには「君たちが勝者」と書かれており、船に乗ったチームが敗者だった。
・第11回(1991年)…九州大会にて行われたペーパークイズの結果発表にて、「新幹線の車体に書かれた高校・チーム名が洗車機を通っても消えなければ」新幹線に乗ることが出来たが、乗車記念撮影の時に背後に「敗者御一行様」という幕が現れた。つまり車体の校名が消えたチームが勝者だった。
・第26回(2006年)…全国大会2回戦の結果発表にて渡された封筒に「東京行きのきっぷ」が入っていたチームはバスに乗り東京に向かうが、バスに乗り込んだあと司会のラルフから「さようならするのは君たちだ。このバスに乗れなかったこのチームが勝者だ!」とネタバラシをした。
高校時代に出場した事のある芸能人・有名人
1991年の第11回に岡山県代表として全国大会に出ていた。
北野高校時代に地区大会(第4回の近畿大会)に参加した事があると語っていた。(第24回大会にゲストとして参加した時に話していた)
第30・31回に出場。30回の時はあまり目立たなかったが、31回ではリーダーとして活躍。
個人としては高校生クイズ2連覇の肩書をもつ。
第32回に出場。
どちらかといえば東大に入ってからの東大王や頭脳王での活躍の印象が強い。
第35回に地区大会決勝まで進んだ。全国大会には出られなかったが直後に欅坂46に加入してクイズ番組で活躍する場面が見られた。
2017年の第37回に福島県の代表として出場。
一回戦で敗退したが、福島に帰る前に原宿で買い物している時にスカウトされてモデルになった。
(ちなみに東大王の岡本沙希、猪俣大輝とは同じ回だったこともあり、面識があった)
好きな化粧を成分から学ぶために東京理科大学に通い、2023年に卒業。
コラボ
クイズマジックアカデミー(外部リンク)
2009年にコラボ。本番組の過去問題が、本作の形式に再編された上で配信された他、4コマ漫画も連載されていた。
魔法使いと黒猫のウィズ
2016年にコラボイベントが開催。詳細は「真夏のグレート・クイズ・ウォー」を参照。
関連項目
日本テレビ アメリカ横断ウルトラクイズ
スカパー!..第29~32回まで全地区大会が放送されていた。
ナナマルサンバツ:クイズを題材にした漫画。アニメ化に際し、日テレで放送された。
乃木坂46:第35回~第40回まで公式サポーターを担当。毎年テーマソングを歌っていた。
日向坂46:第41回から公式サポーターに就任。しかし、第42回は上記の路線変更も相まって松田好花と影山優佳のクイズ大好きコンビがサポーターとして就任することとなった。