概要
主力チームである1軍の下におかれる。
まだ1軍レベルに達していない者が実戦を通して経験を積んだり、怪我、疾病、不調などからの調整をしたりする場となる。
チームやクラブによってはさらにその下の3軍・4軍がある場合がある。
日本のプロ野球「NPB」における「2軍」
東日本の球団で構成されたイースタン・リーグと、同じく西日本のウエスタン・リーグが存在する。
2004年にそれまでウエスタンだった大阪近鉄バファローズ(大阪府)が球団合併で消滅、同年オフに新設された東北楽天ゴールデンイーグルス(宮城県)がイースタンに所属したことで、この時点での球団数はイースタンが7、ウエスタンが5と両リーグでチーム数が異なる状況になった。
イースタン7ウエスタン5と共に奇数のため試合をしない球団が1つ余る状態が続いたが、NPBでは球界の裾野を広げるべくイースタンウエスタン共に偶数に是正。2023年7月に、2024年シーズンからNPBの2軍戦のみに参加する新規参入球団の公募を行い、同年9月に2球団の参加が認められた。
参加チーム一覧
(※2024年3月時点)
イースタン・リーグ
球団名 | 2軍の公式戦本拠地球場 | 1軍のリーグ | 1軍の保護地域 |
---|---|---|---|
東北楽天ゴールデンイーグルス | 利府町中央公園野球場(宮城県) | パ・リーグ | 宮城県 |
埼玉西武ライオンズ | 西武第二球場(埼玉県) | パ・リーグ | 埼玉県 |
千葉ロッテマリーンズ | ロッテ浦和球場(埼玉県) | パ・リーグ | 千葉県 |
東京ヤクルトスワローズ | ヤクルト戸田球場(埼玉県) | セ・リーグ | 東京都 |
北海道日本ハムファイターズ | ファイターズスタジアム(千葉県) | パ・リーグ | 北海道 |
読売ジャイアンツ | 読売ジャイアンツ球場(神奈川県) | セ・リーグ | 東京都 |
横浜DeNAベイスターズ | 横須賀スタジアム(神奈川県) | セ・リーグ | 神奈川県 |
オイシックス新潟アルビレックスBC | 新潟県立野球場(HARD OFF ECOスタジアム新潟)(新潟県) | 2軍のみ参加 | - |
ウエスタン・リーグ
球団名 | 2軍の公式戦本拠地球場 | 1軍のリーグ | 1軍の保護地域 |
---|---|---|---|
中日ドラゴンズ | ナゴヤ球場(愛知県) | セ・リーグ | 愛知県 |
オリックス・バファローズ | 舞洲バファローズスタジアム(大阪府) | パ・リーグ | 大阪府 |
阪神タイガース | 阪神鳴尾浜球場(兵庫県) | セ・リーグ | 兵庫県 |
広島東洋カープ | 広島東洋カープ由宇練習場(山口県) | セ・リーグ | 広島県 |
福岡ソフトバンクホークス | タマホームスタジアム筑後(福岡県) | パ・リーグ | 福岡県 |
くふうハヤテベンチャーズ静岡 | 清水庵原球場(ちゅ~るスタジアム清水)(静岡県) | 2軍のみ参加 | - |
取り扱い
敷地の確保や遠征での他の2軍球場との行き来、親会社や誘致した地元自治体による土地活用などの問題から必ずしも1軍と同じ都道府県に本拠地を置いているわけではなく、2軍施設でも寮、練習場、公式戦を行う球場が離れている球団(広島を例にとると、広島市南区の猿猴川近辺に一軍球場と一軍選手向けの独身寮、廿日市市の宮島口・大野浦近辺に二軍選手向けの寮兼練習場、二軍球場は岩国市由宇の山中)も多く、ソフトバンクは一軍の選手から「筑後は遠い」と指摘されたり(ただしこれまでの施設が福岡市内の海の中道にあったのが筑後に移転した一年目に出た発言であることに留意)、北海道移転後の日本ハムにおける中嶋聡の実働29年の記録は「鎌ヶ谷と北海道が離れているため、一軍の捕手に緊急事態が起きた際に出場する控え捕手兼任のコーチとして一軍に帯同したことで達成できた」と指摘されることがあり、FA復帰後の鶴岡慎也にも同様の指摘が出ることがある。
2軍に対する考え方は球団により様々で、公式戦球場は球団の自前もあれば公営施設の借用、形状は「地方球場」並には観客席のあるスタジアムから、プロの試合を行うにあたって最低限クラスの設備のみがあるグラウンド型など様々である。たまに地方開催を行ったり、一軍本拠地で試合を行うこともある。入場料も2軍戦は「練習試合」だとしてこれを取らない球団(阪神や広島など)がある一方で、料金を取りながらも充実した来客用設備やビニールプールの開設などのサービスを提供する球団もある。アクセス面も中日やソフトバンクのように駅近でアクセス面が比較的いい球場もあれば、広島や楽天のように観戦するなら車必須と言ったところも多い。基本的に公共交通の便はどこも一軍ほど良くはなく、電車やバスの増便もないことが多いため観戦の際は注意。
1軍と同様、一年間をリーグ戦で戦い優勝したチーム同士で日本一を決める仕組みとなっており、夏期には監督推薦など選ばれた選手によるフレッシュ・オールスターゲームも開催される。年に数カードほどだが1軍の本拠地で試合を行う事もあり、他にも独立リーグの球団や、社会人、大学チームとの交流戦や練習試合も多く行われる。
1軍の試合に出場するにはその出場登録が必要であるが、2軍の試合にはそういった制度がなく育成選手も出場できる。しかしながら、その球団で支配下登録されている全ての選手も含めると一度に1軍に登録されない人数の方が多いため、3軍以下のチームがなければ試合の出場機会すら難しい状況下の選手も少なくない。
2軍だけの参加球団の編成対象選手は、ドラフト会議で指名されなかった選手と、NPBに所属経験がある選手、外国人選手合わせて40名程度。新規参入球団に所属する元NPB選手、外国人選手については金銭トレードでシーズン中の移籍は可能(ただし、同一球団からは上限1人などルールも設けられる)。また、その他の選手を獲得したい場合はドラフト指名が条件。
戦力維持と育成の観点から、当該チームへの育成選手の派遣ルートも設けられ、1球団4人まで派遣が可能。1球団が受け入れられる人数は最大5人までとする。
その他
アメリカのプロ野球機構MLB傘下のマイナーリ-グや、日本の大相撲の下位部門である幕下などとは似ている要素があるが、組織や法人上の立ち位置などが異なる。
またサッカーのJリーグのJ1に対するJ2の概念とは全く違うので(サテライトリーグが2軍に近い)、混同しないように注意が必要である。