概要
1965年に生まれ、1968年にクラシックを争った競走馬の世代。昭和43年組。
牡馬クラシックを三強が争った「元祖三強」の世代で、後の花の47年組とも比較される程に花があった。
世代の代表馬は空前絶後のオールラウンダーとして名を馳せたタケシバオー。クラシックこそ無冠(全て2着)に終わったが、国内では距離、芝ダート、斤量、馬場状態、更には騎手をも問わず、27戦26連対(16勝)、複勝率100%という強さ。第3回スプリンターズステークス(英国フェア開催記念)にダート1700m、ダート2100m、芝1600mでレコードをマークしたうえ、春の天皇賞までも制し、史上初の1億円ホースとなった。また、海外挑戦の先駆けでもあり、タケシバオーの遠征経験は後世の教訓となっている。
そのタケシバオーとクラシック三冠を争い、三強を形成したのが皐月賞馬マーチスと菊花賞馬アサカオー。いずれも古馬になってからはタケシバオーに圧倒されたが、旧4歳時代は三強が常に好勝負を繰り広げていた。なお、東京優駿は伏兵タニノハローモアが三強を出し抜いて穴を開けた。
牝馬クラシックは桜花賞がコウユウ(ガーサント産駒。吉田善哉氏の初の八大競走勝利)、オークスは抽籤馬ルピナスが制した。
その他、宝塚記念を制したダテホーライ、安田記念レコード勝利のハードウエイ、名牝イットーを産んだ“華麗なる一族”マイリー牝系中興の祖ミスマルミチ、その美しい葦毛にスピードシンボリが恋したと言われる“白い美少女”ハクセツなどがいる。
変わり種としては、サラ系の無敗馬キタノダイオー(7戦7勝)もこの世代。
代表的な競走馬と主な勝ち鞍等
太字は八大競走
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍等 |
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タケシバオー | 牡 | 天皇賞(春)/朝日杯3歳ステークス/英国フェア開催記念 ※顕彰馬 |
マーチス | 牡 | 皐月賞/阪神3歳ステークス |
アサカオー | 牡 | 菊花賞 |
タニノハローモア | 牡 | 東京優駿 |
コウユウ | 牝 | 桜花賞 |
ルピナス | 牝 | 優駿牝馬 |
ダテホーライ | 牡 | 宝塚記念 |
ハードウエイ | 牝 | 安田記念 |
ハクセツ | 牝 | 牝馬東京タイムズ杯/金杯(東)/七夕賞 |
ミスマルミチ | 牝 | 青函ステークス(OP) |
キタノダイオー | 牡 | 函館3歳ステークス(OP)/北海道3歳ステークス(OP) ※サラ系 |
主な海外馬
- ヴェイグリーノーブル……アイルランド馬。英愛仏3ヶ国で育てられ、3歳で凱旋門賞に挑んで勝利。種牡馬としてもKG&QES連覇のダーリア等を輩出。
- サーアイヴァー……アメリカ生まれの英二冠馬。タケシバオーが出走した68年ワシントンDC国際でも勝利。引退後はサーゲイロード系の大種牡馬となった。
- ロレンザッチオ……チャンピオンステークスでニジンスキーを破った。種牡馬として輩出した産駒アホヌーラの系統が、バイアリータークの系譜を今に伝えている。
- ゼダーン……グレイソヴリン産駒の葦毛馬。イスパーン賞など勝利。種牡馬として来日しキョウワサンダー、ヤマニンアピールらを輩出。
- リュティエ……フランスのクラリオン系名種牡馬。ノーリュートやダンディルートら産駒が日本に輸入され、孫のビゼンニシキやその子孫等が活躍。
- ベストインショウ……大牝系ベストインショウ系の牝祖。日本ではフサイチパンドラ&アーモンドアイ母娘がこの牝系の代表格。
- リマンド……種牡馬として日本で活躍した英国馬。産駒としてオペックホース、タレンティドガール、アグネスレディー等を、母父としてもメジロデュレン&メジロマックイーン兄弟やアグネスフローラ等を輩出。
- ダンサーズイメージ……ケンタッキーダービーで史上初となる1着入線馬の最下位降着処分(薬物検出による)を受けた。後に種牡馬として日本に輸入されている。
- レッドラム……英国の障害馬。障害競走100戦24勝。グランドナショナル3勝をあげた史上唯一の馬。