概要
スプラトゥーンシリーズに登場するキャラクター。シリーズ史上初となるタコのプレイアブルキャラクターである。
別名「ハチ」、「No.10008」。
『スプラトゥーン2』の追加コンテンツ『オクト・エキスパンション』、および『スプラトゥーン3』の追加コンテンツ第2弾『サイド・オーダー』の主人公を務める。
物語中では
オクト・エキスパンション
主人公として初登場。
もとはタコ軍団「オクタリアン」の優秀な戦闘員の一人だったが、2年前にあたる前作にて、New!カラストンビ部隊とDJタコワサ将軍の決戦をシオカラ節を聞きながら見ていたことで、魂にシオカラ節のグルーヴを宿す。
数年後、タコツボバレーで3号とアタリメ司令と遭遇し、タコ軍団の尖兵として交戦するが、その最中に3号やアタリメごと何者かに襲われて地下深くへと連れ込まれた。その際、謎の企業『ネル社』が運営する地下実験施設をつなぐ地下鉄・深海メトロへと連れ込まれ、同時に気を失って記憶喪失となってしまう。
しかし気絶中、無意識にシオカラ節を口ずさんでいたことで、ともに迷い込んだアタリメ司令から「魂にシオカラ節のグルーヴを宿しているタコ」であると気が付かれ、アタリメから3号をけしかけたことを謝罪された上でともに地上を目指すことで合意、協力関係となる。
さらに、たまたま地上から無線の繋がったテンタクルズのヒメ・イイダの協力のもと、地上へ脱出すべく深海メトロの各駅を攻略していくこととなる。
深海メトロのツアーアドバイザーを称する謎の機械「デンワ」からは、8号は地上を目指す10008番目のチャレンジャーとして認識されており、「No.10008」と番号で呼ばれている。アタリメ司令からはこれを略した8号という呼び名を授かり、以後この名前で呼ばれるようになる。
それぞれの呼び方はアタリメ司令が「8号」、ヒメが「ハチ」、イイダが「8号さん」。
オクト・エキスパンションをクリアすると、地上のハイカラスクエアに脱出し、ハイカラスクエアでのバトルでタコを使用できるようになる。ギアやブキ、お金などはイカと共通なため安心されたし。
サイド・オーダー
続編『スプラトゥーン3』の有料追加ダウンロードコンテンツ第2弾『サイド・オーダー』にて、再び主人公として登場。
いつの間にか8号は、住人が消え、色を失ったハイカラスクエアのような世界「秩序の街」に迷い込んでいた。襲いくる不気味な敵を撃退しつつ、ドローンになってしまったヒメとともに事の真相を探るべく、街の中心に聳え立った「秩序の塔」の最上階を目指すことになる。
今作では基本的に8号と呼ばれず、ヒメが愛称として用いていた「ハチ」の名で呼ばれるようになり、イイダも今作では「ハチさん」と呼ぶようになる。サイド・オーダー紹介映像でも「ハチ(8号)」表記である。
人物像
外見
外見はガールとボーイの2種類。それぞれに髪型が2種類あり、ガールはカーリーヘアとポニテ、ボーイはモヒカンとアフロ。
オクトではどちらも黒ベースでレザー質の左袖がないへそ出しフクで、機動性を重視した恰好をしている。左腕と右足には蛍光テープの黄色い輪っかを装着している。クツは長靴とハイヒールを混ぜたようなもの、インクタンクはしっかりとしたバックパック型。
ファンアートが描かれる際はPVやパッケージに登場したカーリーヘアのガールか、amiiboになったモヒカンヘアーのボーイで描かれる事が多いようだ。またガールはリッター4K、ボーイはホクサイを持っていることもある。これはどちらもamiibo化されたときに持っていたブキである。
サイド・オーダーではガールとボーイに関係なく、前作で選べた4種類に加え、今作で追加された4種類の計8種類の髪型が選択できる。
装備は全体的に白と銀を基調にしている。オクトではガールがタイトスカート、ボーイがレギンスであったが、今回は性別に関係なくハーフパンツである。ニンドリのインタビューによると、「電脳世界にダイブするイメージ」からダイビングギアが元ネタになっているらしい。左腕にだけ透明なアームカバーのようなものも着けている。
クツはボビーソックスとブーツを掛け合わせたようなもの、インクタンクはバンカラ街で一般的に使われているものを銀色にしたものである。
インクカラーは白くなっているが、カラーチップを用いて自身を強化することでパステルカラーのインクを使用できるようになる。ブキは「オーダー〇〇」と称される専用のブキを使用する。
目元はタコゾネス系と同じ縁取りだが、耳の形は丸く、左右で非対称となっている。
これはインクリングがエンペラから由来してるのに対し、こちらは漏斗から由来しているため片側だけ窪んでいるのである。
歯のデザインもインクリングやヒメ、イイダと異なり、左上と右下に尖った歯がある。
種族
種族は「オクトリング」。
タコの種族であるオクタリアンのうち人型になれる種族である。
タコゾネスやイイダ、ミズタ(Dedf1sh)、DJタコワサ将軍と同じ種族であり、人為的に生み出された生物という説は否定されている。
インクリング達はオクトリングを見ても「なんか変わった髪型のヤツが居るな」くらいにしか思わず、オクトリングであることには気がつかない。
『スプラトゥーン3』ではゲーム開始時のキャラメイクの時点でオクトリングを選ぶことができる関係から、舞台となるバンカラ地方はインクリングとオクトリングが共存している地になった可能性がある。8号以外のオクトリングも当たり前にいる、という世界観を強調したのかもしれない。
性格・特技等
性格はガールはおっとり、ボーイはしっかり者だがちょっと抜けていてお茶目なイメージらしい。
また、オクタリアン特有の生真面目な性格はそのままであり、日々のブキのメンテナンスはやらないと気が済まないそうだ。それ故、オクトクリア後はブキチの店からスカウトがきているとか、いないとか。
⇒ 公式SNSの投稿
ハイカラウォーカーによると、特技は無音かつ高速で歩行する事で、戦闘能力も抜きん出ているが、普段はのんびり過ごしている事が多いという。
表情にはほとんど変化が無く、また興味のあるものを見つめるクセがあるが、このせいで怒っている、睨んでいると周囲から勘違いされやすいらしい。ただし表情に関しては、エンディング等で僅かに微笑みを見せることがある。
基本的に無口なのか、サイド・オーダーではイイダから「ハチさんはシャイですもんね~」と言われる場面もある。
直接的なセリフを口にする場面は無いが、選択肢では「ソウダヨ!」「チガウカモ…」「イイカンジ!」「チガウ…」といったようにカタコトで話すことが諜える。ただし、これらの選択肢はイカであるアタリメ司令やヒメとの会話中のものとなるため、イカ語で話す時だけカタコトという可能性もある。
インタビューにてサウンドスタッフが語るところによると、ボイスはガールはお姉さんっぽい色気のある感じで、ボーイは声変わりの途中から完了の間くらいの少年の不安定さとクセのある感じを意識したという。
別のインタビューでは、年齢はオクトの時点で14歳くらいで(イカ達の年齢と同じ)、タコゾネスよりは少し年下らしいことも示されている。このせいなのかは不明だが、タコゾネスと比べると頭のゲソが短く、吸盤の数も少ない。
サイドオーダーの時点では20歳といったところか?(※)
(※)スプラ世界は現実世界と時間がリンクしており、オクト配信は2018年、サイドオーダー配信は6年後の2024年のため。ただし、オクトの作中時期は4号たちの活躍(2017年)とほぼ同時期ともされるので、オクトが2017年の場合は21歳となる。
記憶喪失
※以降、ネタバレ注意!
オクト・エキスパンション序盤で深海メトロに連れ込まれた時点から、8号は記憶喪失となっている。深海メトロを管理するネル社は「消毒」と称して被験者の想いや記憶を抽出する作業を行っていることから、8号もまた消毒されているとイイダは疑っている。
サイド・オーダーでは、イイダが8号や消毒されたタコ達の記憶を取り戻すための仮想現実「ネリバース」を制作し、8号を最初の被験者としたことが語られる(ただし8号はこれを快諾したという)が、最終的に8号が失った記憶を取り戻したのかは不明。
グルーヴ
8号は心にシオカラ節のグルーヴを宿していることが語られている。
そもそもグルーヴとは、具体的な定義はないが、音楽において「リズムに乗っている感覚や高揚感」(音楽でノリノリになる感覚)を意味する言葉であるが、8号に宿るグルーヴは一種の特殊能力のような性質を持っている。
例えば、オクトでは終盤のステージでプレイヤーの残り数が無くなっており、ここで8号はやられると本当に命を落とすが、同時にステージ開始時点へと時間が巻き戻されて復活する。
そして死亡と時間の巻き戻しを繰り返すことで8号のグルーヴがチャージされてゆき、グルーヴが満タンになるとステージをスキップすることが可能となる(時間をスキップしたのだろうか?)。なお、死後に時間が巻き戻される事もグルーヴが関係しているのかは不明。
また、サイド・オーダーでも最終決戦にて世界から色が失われ、動けなくなったハチがグルーヴによって世界から色を取り戻し、復活する描写もある。
このように8号を語る上で8号のグルーヴは重要な存在なのだが、グルーヴの正体が何なのか、グルーヴの具体的な能力が何なのかは一切説明されていない。
人間関係
ウェストサイドスタイルで決めたテンタクルズのふたり。
オクト・エキスパンションでは、深海メトロに迷い込んだ8号とひょんなことから無線で繋がり、8号の事情を聴いたことで地上からの無線通信で8号の地上脱出をサポートする。
サイド・オーダーではヒメがドローンの姿になってしまった。また、イイダがどこかへ消えてしまったらしく、8号の相棒として冒険や戦闘をサポートしつつ、8号とともにイイダを探すことになる。
イイダとの関係は戦闘員時代からあり、ネリメモリーとインタビューから8号もかつては前作での3号とDJタコワサ将軍の決戦を目撃していたことが分かっている。その中でエリートとして知られていたイイダは、前作の決戦からシオカラーズに影響を受けて部隊を抜け出していた。
イイダも8号もシオカラ節のグルーヴを心に宿しているほか、8号のネリメモリーの俳句でも「声だけですぐ気づいたよ」と、イイダを以前から知っていたことを仄めかす文がある。ただし、地上を出るまではお互い面識は無かった(尤もイイダは一方的に注目の的になっていただけで、後輩にあたる8号を認識していたという確証はないが)。
サイド・オーダーで入手できる『イイダの開発日記』によれば、ファイナルフェス後、8号はヒメの提案でテンタクルズのワールドツアーに手伝い役として同行したらしい。マネージャーみたいなものだろうか。8号もそれに乗り気だったとのこと。
また、8号が主に「ハチ」の名で呼ばれるようになったのも、サイド・オーダーの事件の10か月前にイイダが「8号さん」と呼ぶことによそよそしさを感じ、「ハチさん」と呼び方を変えたのがキッカケらしい。
なお、「ハチさん」と呼ばれた8号はイイダに笑顔で答えてくれたそうだ。
シオカラーズのおじいちゃんにして、旧カラストンビ部隊で活躍した大ナワバリバトルの英雄。
オクタリアンの脅威からイカ世界を密かに守るNew!カラストンビ部隊の司令。
オクト・エキスパンションにて緑色のトラックスーツにヘッドホンという出で立ちで登場。
老後の趣味でラップを始めており、ヒメとラップバトルに興じる一幕も。
当初は8号と敵対していたが、8号共々何者かに襲われて地下実験施設に迷い込んでしまい、さらに8号が気絶中にシオカラ節を口ずさんでいたため、敵ではないと判断。協力関係を結んで共に地上を目指す。
人物相関図では、地上脱出後もふたりの親交は続いている事が示唆されている。
初代『スプラトゥーン』ヒーローモードの主人公。前作のヒーローギアに加えてマントを羽織っている。
オクト・エキスパンションにてアタリメ司令とパトロールに出ている所、タコ軍団の戦闘員である8号と遭遇して交戦。しかしその途中で何者かに襲われ、以後はアタリメ司令と8号の前から消えて音信不通となる。
オクトの2年前、DJタコワサ将軍と3号の決戦を見ていた8号にとっては憧れの存在であり「■■■」の強さからもそれが諜える。
同じナンバリング作品の出身である『スプラトゥーン2』ヒーローモードの主人公。
ゲーム中での接点自体は一切無い(見た目の切り替えになるので画面上にはどちらか一方しか出てこれない)のだが、どちらの姿でもブキ及びギアやお金が共有されている事や、発売1周年イラストで4号と8号らしきイカタコが一緒に写っていたり、4号と8号と思われるイカとタコが同じ部屋で過ごしている公式イラストの存在から、地上へ出た後にアタリメの紹介で知り合い、その後同棲しているのでは?という考察がされている(もっともイラストの方は正史ではない可能性もあるが……)。
サイドオーダーではアタリメの紹介によりテンタクルズの二人と面識がある事が判明しているため、この時に出会っている可能性はある。
サイド・オーダーにて登場。
8号とヒメが秩序の塔のエレベーターで出会ったタコガール。
オクトのBGMを手掛けたDJ、Dedf1shその人。
ネル社によって消毒された過去を持つが、なぜか自我をはっきりと保っている(理由は当該記事を参照)。8号とヒメと同じく事件に「巻き込まれた側」で、イイダの昔の知り合いだと語り、イイダを探すためふたりに協力する。
『スプラトゥーン3』ヒーローモードの主人公。
4号同様、ゲーム中での接点自体は一切無い。しかしサイド・オーダーの冒頭にて、ハイカラスクエア行きの列車で寝落ちした新3号が、秩序世界で8号として目覚めるという奇妙な演出(下記動画を参照)がある。さらに新3号をイカに設定していると、サイド・オーダー中で8号がやられた際にタマシイがイカになるといった、8号の中身が新3号になっている……とでも言うかのような描写や演出がみられ、何かしらの接点があるのかもしれない。8号と意識を共有したのだろうか……?
余談
- 『2』にて、ハイカラスクエアにいるテンタクルズをズームして眺めていると、二人が視線に気づいてリアクションを取ってくれるが、タコとイカではリアクションが異なる。
- ファイナルフェスでは秩序派だった。上記のようにオクタリアン特有の生真面目な性格が理由らしい。サイド・オーダーで主人公として続投したのはそのためであろう。もし秩序派が勝利していれば、混沌派の4号が「サイド・カオス」の主人公として続投していたかもしれない。
- オクトとサイドオーダー、どちらでもクリアすると、エンディング後に8号が後ろを振り向いて微笑むのだが、その時視線は「こちら側」へと向いている(プレイヤーキャラではなく、画面を見ているプレイヤーそのものと目が合う形になる)。我々プレイヤーの存在を認知しているのだろうか……?
- この描写から8号の「グルーヴ」とは我々プレイヤー自身のことでは?と考察するプレイヤーもいる。
他のプレイヤーが使っているタコと8号の関係
「8号」というのはあくまでストーリーの主人公である1体を指すものであり、街に集まる他のオクトリング達は全員が8号ではなく別々の個体である。
つまるところインクリングたちと変わらない。ハイカラスクエアのタコについては、公式のインタビューでも「恐らく深海メトロに迷い込んだりもしていない」らしい。それでも、彼らもハイカラスクエアまでに辿り着くのにかなり苦労してるんだとか。
メタ的に見ると「どのプレイヤーも自分が操作しているタコだけが8号で、他のプレイヤーのタコは8号ではない」という、オンライン上を1つの世界として見るなら矛盾した状態になっていると言える。
これはヒーローモードとナワバリバトルの関係と同じなのだが、タコの使用条件が「クリアして地上に出ること」なのでタコ=8号のイメージが強くなりがちで、pixiv上でも「ヒーローでないという設定のイカ」は普通に多数いるのに対して、例えばオクタリアンから脱走してきたなどの「8号以外の出自・経歴を持つタコ」のイラストは少数であった。
スプラトゥーン3発売以降は普通に8号以外のタコが描かれるようになった。バンカラ地方では昔からイカとタコが当たり前に共存していたためである。
外部出演
詳細はハチくんを参照。
関連タグ
関連イラスト
オクト・エキスパンション
サイド・オーダー