天王路「アンデッドは全て滅びなければならない。生き残るのは、究極のアンデッドただ一人。そして私は、神の声を聴くのだ」
データ
(出典:『仮面ライダー剣 超全集』p.53、東映公式『仮面ライダー図鑑』より。)
概要
天王路博史が全てのアンデッドの細胞を融合して造り上げた究極のアンデッド。
天王寺が自身とその配下の科学者達の手で作り上げたラウズカード「チェンジケルベロス」を統制者の意思を伝える黒い石版「モノリス」に投げ入れた事で誕生した。
仮面ライダーギャレンを始めとするライダーシステム、トライアルシリーズやティターンは、ケルベロスを作り上げるための実験の産物だった。
ただし、トライアルと異なり通常のアンデッドと同じようにアンデッドサーチャーには反応する(ティターン同様カテゴリー不明で処理される)。
その性格は凶暴で、天王路すら制御できず解き放たれた時は天王寺の配下を全滅させるほどであった。
ケルベロスの名の通り、右肩が金・左肩が銀の頭蓋骨状になっており、3つ首のデザインとなっている。
左腕に備えた爪状の武器で敵を寸断し、左掌より放つ火炎弾や光弾で粉砕する。
またライダーシステムやジョーカーのように、アンデッドをカードに封印出来る他、背中から生えた蛇の頭でラウズカードを吸引することが出来る。
誕生した後、手始めにカリスのハートスートカードを全て吸収し、ジョーカーの姿に戻った彼を敗走させた。その後レンゲルが解放したエレファントアンデッドを封印し、彼の持つ全てのクラブスートカードごと吸収した。
レンゲルの救援に駆け付けたギャレンのジャックフォームの変身に必要なカードを吸収し、追撃を加えて変身解除させた。
ブレイドキングフォームの必殺技ロイヤルストレートフラッシュも1回は破り、究極のアンデッドにふさわしい暴れっぷりを見せてつけた。
しかし、天王寺が仲間たちを傷つけ、始を封印しようとしている事を知った事による怒りで融合係数が更に上昇し、力を増したブレイドの怒涛の二刀流攻撃とロイヤルストレートフラッシュを受けて倒れた。
その後、戦いを傍観していた天王寺が投げたプロパーブランクに封印された(彼が吸収した始達のラウズカードはこの時に戻った)。
……しかし、これは天王路の布石でしかなかった。
ケルベロスⅡ
「いいや、私はアンデッドになったのだ!!ハハハハハッ……!」
「全て幻……フハハハハハッハッハッハッハ……!」
(出典:東映公式『仮面ライダー図鑑』より。)
天王路の左腕に移植されたカードリーダーにケルベロスが封印されたラウズカード「チェンジケルベロス」をラウズし融合した姿。
天王路がバトルファイトへの参加権を得て、「万能の力」を手にするために準備した器である。
両肩の髑髏が金色に変色して顔は口で骨を咥えたような見た目になり、胸中央から天王路の顔半分が現れている。
両肩の双犬から敵を瞬時に消滅させる「ディバインウェーブ」という更に強力な火炎弾を放つことが可能となった。
カードを狙って近付いてきた金居/ギラファアンデッドを圧倒し、封印しようと追跡するが、ギャレンとレンゲルの妨害で封印し損なう。その後、自らの手でアンデッドを封印してバトルファイトの決着をつけるべく、4大ライダーと対峙した天王路は再度ケルベロスⅡへと変身し、彼らを圧倒するが、駆け付けた金居に助けられたレンゲルの必殺技「ブリザードベノム」によってダメージを受ける。
なおも抗うが、ブレイドキングフォームのロイヤルストレートフラッシュと、ワイルドカリスのワイルドサイクロンによる斬撃の挟み撃ちを受け彼らに敗北。
雨の降りしきる夜の雨天の下、カードリーダーが破損し人間の姿に戻った後、ギラファアンデッドに殺害され、チェンジケルベロスを奪い取られた。
ラウズカード
ケルベロスが封印されたラウズカードはスートの無い5枚目のカテゴリーA「チェンジケルベロス」。
天王寺によって製作されたラウズカードで、モノリスに投げ入れることでケルベロスを誕生させる。
また、天王寺がカードリーダーにラウズする事でケルベロスと融合してケルベロスⅡに変身する。
カード単体でもアンデッドを封印し、ラウズカードを吸収する能力は健在で、ギラファアンデッドはこのカードを使ってジョーカーを封印してバトルファイトの勝者になろうと画策した。
ライダーシステムにも有効で、ジョーカーを庇ったブレイドのチェンジビートルを吸収して彼の変身を解いた。
また、ギャレンとの対決では追い詰めた後にカードの力で変身解除させようと岩場に座り込んだギャレンに接近したが、接射で反撃されてしまった。
因みに吸収したチェンジビートルはギラファアンデッドがギャレンに封印された後、ギャレンが所持していたダイヤスートカードと一緒に海に散らばっていた。
第46話「支配者の封印」のエンドカードに選ばれている。
劇場版『MISSING ACE』
本編から分岐したパラレルワールドが舞台の本作においても全てのアンデッドの細胞を元にケルベロスが造られてカードに封印されており、劇中では黄、緑、赤の三種が確認されている。
黄は本編のチェンジケルベロスと同じイラストで、緑と赤は首の位置が入れ替わっている。
他作品
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』ではアンデッド代表としてショッカー世界会議に出席。
元の変身者である天王路の目的があくまで「(自身の支配下による)争いのない平和な世界」だったのもあってか、ジャーク将軍が告げた人類の根絶という意見には否定的な見解を見せていた。
番組終了後に開催されたよみうりランドのヒーローショーでは、橘朔也が本編の発端となったBOARDの技術を用いて解放し、自らが融合してアンデッドの生き残りを増やすことで剣崎一真と相川始が顔を合わせられない事態の打開を試みるがコントロールできず分離させられる。胸の顔はカツラが被せられて橘に似せられている。
その後ケルベロスは統制者が乗り移るために天王路を操って作らせたものと設定されてバトルファイト中断をヒューマンアンデッドによる不正行為と見做した統制者の憑代となり、最終的には始から分離した人の心を持たないジョーカーと融合して胸にジョーカーアンデッドの顔のある「ワイルドジョーカー」となる。
余談
デザイン画では「ケルベロスアンデッド」という名称。顔面に3つ首をもっているのはカプリコーンアンデッドで既出のため、両肩に2つの頭部を正面に向けてマウントすることで差別化している。最強感を出すため、黄金の血管を全身に這わせている。
Ⅱへの改造案は、現場レベルの改造が可能なよう左肩の胸部の変更のみにとどめていたが、頭部も変えられるということで頭部も新たにデザインした(『UNDEAD GREEN BLOOD』pp.82-84)。
関連タグ
仮面ライダー剣 アンデッド(仮面ライダー剣) 天王路博史 ケルベロスⅡ
仮面ライダープラチナガッチャード:胸部に別の顔が付いた意匠やカードによる変身システム等が共通しているものの、ケルベロスⅡとは逆に平和のために戦う仮面ライダーである。