※この記事には単行本未収録のネタバレが含まれます。
「俺は”熱”を愛している」
概要
呪術高専東京校の3年生。現在は他の3年と共に停学中で、2018年の交流会にも不参加。
夏油傑が起こした百鬼夜行では、京都に出向する形で参戦するが、保守派の人物と揉め、ボコボコにする問題行動を起こしたため一年近く停学処分を受けている。
プロフィール
年齢 | 18or19歳 |
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生年月日 | 不明 |
所属 | 東京都立呪術高等専門学校三年(本編開始時点では停学中) |
高専入学方法 | 不明 |
等級 | 不明 |
ストレス | 不明 |
一人称 | 「俺」 |
身長 | 180弱の乙骨より少し高い |
出身地 | 不明 |
術式 | ギャンブル |
領域展開 | 坐殺博徒 |
反転術式 | 一時的に使用可能 |
CV | アニメ未登場 |
人物
口髭の剃り残しが特徴的な老け顔で強面の男。3分割するように切れ目を入れた特徴的な眉毛をしている。
現在は、栃木県で呪術師や呪詛師同士が殴り合うのを見て非術師の客が賭け合う賭博場「ガチンコファイトクラブトーナメント」の胴元をやって金を稼いでいる、筋金入りの博打打ち。
「人生を変えてやろう」という欲求のエネルギーを”熱”と表現し、この”熱”に対して人一倍の執着を持っている。”熱”をダイレクトにやりとりする手段こそがギャンブルであり、ゆくゆくは自身が開催する賭け試合の事業を広げ日本中の”熱”を支配したいという野望を抱く。
ただ自分の利益のためだけに行動するような人間ではなく綺羅羅から「人助けしてる金ちゃんが一番輝いていた」と言われている他シャルルをシメたあと肯定しているので本性は人助けの人である。そういう面でも呪術師なのだろう
東京校の上層部である夜蛾正道や五条悟に対しては悪感情を抱いておらず、夜蛾のことは「オッサン」付けで呼び、五条の事は「さん」付けで呼び、この二人を指して「恩のある人」と発言していた。
その為、五条が封印され夜蛾が上層部に粛清され死んだことにはショックを受けていたが、保守派と揉めていたからか、その情報は虎杖悠仁やパンダから教えられるまでは知らなかった。
3年であるためか五条のヤバさは把握しており、五条が獄門疆から解放された後、錯乱して暴れる可能性を聞いた際は汗をかいてその可能性を肯定していた。
保守派と揉めた理由は、秤の生得術式が新しいものだったから。
保守派の「保守」とは組織や体制の在り方だけでなく、”呪術とはどうあるべき”と言う術式にまでその考えが及ぶが、呪術には新しいテクノロジーを通して発動する新しい術式も存在する。
まさに秤はそのタイプの術式を保有しているため、保守派と揉めた、と言うわけである。
賭け試合の存在を公に認めさせるため呪術規定の改定を目論んでおり、禪院家当主となった伏黒恵に友好的な態度を示すなど、割と現金な面もある。
術師としての実力は、五条が「自分と並ぶ術師になる」として、特級呪術師の乙骨憂太と同等の格付けをし、その乙骨も「ムラっ気があるけど乗ってるときは自分より強い」と評価するほど(禪院真希は「それはない」と否定していたが)。
ファンブックの呪術高専生スキルグラフでは座学が10段階中2と、高専生の中でもダントツで成績が低い。劇中でも「鉄は熱いうちに」を「熱は熱いうちに」勘違いしている(熱を重視する性格からしてわざとの言い回しかもしれないが)。
更に、星綺羅羅によると中学を留年しているそうである。義務教育期間の留年というのはよっぽどのことがないかぎり行われないものであり、彼の性格を考えると暴力沙汰による停学などで出席日数が足らなかった可能性が高い。
活躍
作中では前述した五条の回想などから存在は仄めかされていたが、禪院家編終了後にて初登場。栃木県の立体駐車場跡地で呪術師を見せ者にした賭け闘技場を同じく高専3年の星綺羅羅と共に胴元として主催している。
虎杖悠仁との戦いで彼から「熱」を感じ取り、彼らに協力することを決める。
死滅回游においては東京第2結界に参加。遭遇したシャルル・ベルナールを撃破し、そのままパンダを戦闘不能に追い込んだ鹿紫雲一と交戦。領域展開を駆使した戦術で過去の術師である彼と互角以上の戦いを繰り広げるが、ボーナス状態の穴をつかれて何度も重傷を負わされてしまう。だが持ち前の豪運によって何とか戦闘を継続し、激闘の末、呪力切れを起こした鹿紫雲が降参する形で勝利を収める(秤は戦闘の中で鹿紫雲が術式を使っていないことを見抜いており、それを理由に秤自身は勝負に勝ったとは思っていない模様)。
戦闘後は点を譲渡させる代わりに宿儺討伐を手伝わせることを条件として鹿紫雲と(多少揉めたようだが)協力関係を結ぶ。
※この先は第236話以降(単行本最新26巻未収録)のネタバレを含みます。
「約束なもんでね 悪りィが行かせねえよ」
その後は五条と宿儺の決戦を虎杖達と共に観戦していたが、五条の敗死を確認すると真っ先に飛び出して行った鹿紫雲に続いて戦地に投入され、自身は裏梅と対峙。すぐさま領域を展開し、宿儺の加勢に向かう裏梅を足止めする。裏梅によると現代の呪術師らしくないタイプとの事。
そしてなんと268話の決戦決着まで、単独で裏梅を止め切った。
「運が良かっただけ……か。俺にとっては最大級の褒め言葉だ!!」
最終回では復学したと思われ制服を着ている綺羅羅と共に行動を共にしている。
能力
虎杖曰く呪力がざらついてるとのことで、呪力自体がヤスリのような性質を有している模様。秤の攻撃は単に呪力を込めただけの打撃でも異常な激痛を与える。
更に、肉弾戦においては攻撃を防御するだけでも多大なリスクを背負う事になる対戦相手と正面からの真っ向勝負を敢行する胆力又はイカれ具合の精神力を有する。
術式
賭博(名称不明)
恐らく、作中に実在するパチンコ台「CR私鉄純愛列車」内の演出を具現化する能力だと思われる。
虎杖との戦闘では電車のドアのようなものを出現させ虎杖を挟んだ。
後に日下部篤也の口から、日車寛見の誅伏賜死と同じように「領域展開がデフォルトで組み込まれた術式」であることが語られた。
反転術式
意識的には使えず、後述の領域展開で大当たりが出た場合のみ発動する。欠損した身体の再生や、本来は時間がかかる毒物の特定除去を全自動・無意識下で行える。その再生速度は五条や宿儺を凌駕する程。
領域展開
坐殺博徒(ざさつばくと)
パチンコ台をモデルにした領域。
日車と同じく、術式にデフォルトで備わっている領域。
このパチンコは領域内に巻き込んだ相手には止められず、領域内ではパチンコの図柄三つによる役が成立するかしないかの演出(能力)が進行し、パチンコの役が成立したら術者である秤にボーナスがかかる。
必中効果で相手に術式と領域のルールが開示されるが、開示情報のほとんどがパチンコ演出の情報という無意味なもので、対戦相手にとって重要な部分は「大当たりの確率は約1/239」と「確変突入率は約75%」くらい。情報の開示によって相手はほぼノイズにしかならない「私鉄純愛列車」の情報を強制的に理解させられる。
大当たりを引くと、ボーナスとしてラウンド中(大当たり直後、私鉄純愛列車主題歌『あちらをタてれば』が流れている4分11秒間)無制限に呪力が溢れ続ける。その凄まじい呪力量と出力により、単純な呪力の身体強化では防ぎづらい呪力特性や術式効果さえもほぼ無視できる。秤自身は反転術式を習得していないが、無限に溢れる呪力で肉体が壊れないように反射で肉体が反転術式を発動する為、大当たり直後の4分11秒間はどんな傷を負っても忽ち回復する完全な不死身となる。
そしてラウンド中に呪力と焼き切れた術式が回復するため、大当たりを引き続ける限り何度でも連続して領域展開が可能。また必中効果が無害で相手への干渉も最小限(術式開示のみ)である事と引き換えに、領域同士の押し合いに強く、更に術式の発動速度も、領域を食らった相手が領域を認識して領域対策を発動しようとするより先に術式が完遂されてしまう程。
ちなみに展開時の印は弁財天の手印となっている。
詳しくはこちら→CR私鉄純愛列車1/239ver.
余談
- 秤の術式は登場前から「保守派から嫌われるニューテク」「コンプラ的にヤバい」ものであると明かされてはいたが、いざ登場してみると前評判に違わぬクセの強い術式であったため、読者からは保守派に同情する声も多く見られた。
- また、本作には「生得術式」の名が表すように、術式は生まれながら身体に刻まれ、後天的に習得することはないという設定があるが、このことに照らし合わせると、秤は生まれながら……。(「坐殺博徒」自体は昔からある術式で、秤がそれを解釈によってパチンコ風にブラッシュアップした可能性もある。それはそれでどうなんだという話だが)
- ちなみに、現時点で彼の階級は明らかになっていない。上層部と喧嘩中らしいので、1級ですらない可能性がある。
- しかし、五条からは「自分に並ぶ術師になる」と言われたことがあり、乙骨もその実力を評価していることから、術師としての実力は特級相当だと思われるが、特級の条件が「単独で国家転覆が可能」なので、それを満たすのは彼の術式では困難だろう。