怪獣娘
かいじゅうむすめもしくはかいじゅうがーるず
概要
地球で怪獣災害が根絶された後に確認されるようになった、怪獣たちの魂「カイジューソウル」を受け継いだ少女たち(いわゆるミュータント)。「かいじゅうむすめ」若しくは「かいじゅうがーるず」と読む。
元になった企画が『ウルトラ怪獣擬人化計画』という名称なのでしばしば勘違いされがちだが、彼女たちは「怪獣が人間の姿に化けた」だとか、「怪獣と人間を掛け合わせて誕生したハイブリッド」だとかそういった類の存在ではない。
生物学的にはヒト=ホモ・サピエンスそのものであり、元を辿れば人間社会でごく普通の少女として生活を送っていた者が殆どである。ある程度成長するまで自分の体や能力の特殊性に気づかなかったという者も多い。
怪獣娘への覚醒は概ね第二次性徴(思春期)頃に起こり、カイジューソウルに目覚めると、人間の姿でも「突然叫びたくなる」「軽い外傷ならすぐに治る」「力が増し、加減できずに物を壊してしまう」といった異変が現れるようになる。
さらに覚醒が進むと獣殻(シェル)と呼ばれる皮膚でも衣服でもない不思議な物質で身体を覆われた怪獣と人間の中間のような異形の姿(?)に変身できるようになる。
基本的に「怪獣娘」と言えばこの姿を指すことが多い。
怪獣娘は一様にかなり露出の多い格好をしていることが多い(ガッツ星人の様に露出が増えない例外もいるが)が、変身すると羞恥心が薄れるので、あまり恥ずかしいとは感じなくなるらしい。しかし、変身者が思春期の少女である以上、感じ方には当然個人差もあり、中には恥ずかしく感じている者もいるようである(例えば、レッドキングは足のフリルを恥ずかしいと感じている一方、ゴモラは特に何も考えてないとのこと。小説版では、アギラは露出の増加で太る事を危惧した)。
ちなみに、小説版によると、獣殻は変身者を保護する役割を持っているが、深刻なダメージを受けると変身者を衝撃から守るために剥離するという一種の防衛システムがあるらしい。また、獣殻に覆われていない部分(素肌)も通常時と比べて格段に強度が増しているとのこと。
アニメ版の変身シーンを見ていればわかるが、変身前の衣服は消失するが、変身を解けば元の衣服に戻る。そのため、小説版でレッドキングは普段と印象の異なる服を試着したことを誤魔化すために変身しており、また消失した訳ではないのでそのまま出れば、万引きや窃盗行為に当たるため、変身解除しないと店を出るに出られない状態に陥った。
どのような経緯で誕生したのか、過去に地球に出現した怪獣たちと具体的にどういった関係にある存在なのか、なぜ女性にしか変身できないのか、などは現時点では一切が不明である(ザンドリアスのように母娘そろって怪獣娘であるケースもあるが、遺伝性があるものなのかも不明)。
小説版では、「怪獣たちの魂の不滅性」に関する論文があったり、「怪獣がこんなにぱったり出現しなくなることの方がピンと来ない」といった発言があることから、かつてウルトラ戦士たちに倒された怪獣たちの残留思念のようなものが何か影響を与えているものとも考えられる。ファンの間では、「地球に残留していた怪獣の魂が人間に取りついて誕生した存在」「ウルトラ戦士に倒された怪獣の生まれ変わり」等色々な説が出されている(ちなみに、アニメ版では「アキがモロボシ・ダンと思われる人物の声を聞く」という描写がある)。
能力
この姿では、通常の人間と比べて身体能力が劇的に上昇し(ただし、ピグモンの様に例外も存在する)、岩や道路を木っ端微塵に粉砕する、軽乗用車のフレームが歪むほどの握力で握った挙句放り投げるといったことまでできるようになる(受け継いだ怪獣の能力によっては、光線を放つ、バリアを張る、空を飛ぶといった超常的な能力も行使できるようになる)。
しかし、この変化によって一般人との間に過度に身体能力の隔たりが生じて、スポーツ競技に参加できなくなってしまうという弊害も生じている。
暴走の危険性
一方で、怪獣娘は通常の人間と比べて闘争心が強いともされており(ただ、宿している怪獣の因子による影響もある程度は受けるようで個人差があるらしく、一概にすべての怪獣娘が攻撃的な性格をしているわけではない)、負の感情の増幅(アニメ版では「心に大きな穴が開いた時」とされている)などが原因で怪獣の凶暴性に心を支配されてしまうと、力を制御できずに暴走してしまう危険性も孕んでいる。
万が一暴走してしまうと、目が赤く染まってハイライトが無くなり(初期症状の段階では目は赤くはならないがやはり理性を失ったかのようなつり目になる)、声もドスが利いた野太いものに変化する。性質も、周囲に見境なく攻撃を加えるなど格段に凶暴化してしまう。こうなってしまうと、最早通常の人間や経験の浅い怪獣娘には手出しができず、暴れている怪獣娘に攻撃を加えて意識や戦意を失わせるなどしない限り、破壊活動を止めることは不可能となる。
このため、人間たちの中には当然、怪獣娘に対して「自分たちに危害を加えかねない危険な連中」として恐れや偏見を抱いている者も大勢存在しており、小説版では、そんな彼女たちの性質・境遇を悪用して、意図的に怪獣娘を暴走させることで社会的な信用を失墜させようと画策している組織が存在しているらしいことが明かされている。
こうした事態に対処すべく、作中では国連の指導の下、国際怪獣指導組織「GIRLS」という組織が発足し、怪獣娘たちの保護や教育・更生等を行っている。
GIRLSに所属すると、「ソウルライザー」という専用のデバイスが配布されるが、これには暴走させることなく怪獣娘に変身できるようにするための特殊なセーフティー機能が備わっており、基本的にはこのデバイスを介して変身することを義務付けられる(ただし、ソウルライザーを使用して変身しても完全に暴走を抑えられるわけではなく、変身後に精神面が不安定になるなどすると暴走する危険性がある)。
また、彼女たちの闘争心のはけ口として「大怪獣ファイト」という怪獣娘による格闘大会が開催されているほか、小説版第4話では競技に参加できなくなった怪獣娘のために陸上競技の大会が開催されるという措置が取られている。
大怪獣ファイトの興行やトークショーイベントの開催等は、怪獣娘への好感度や理解を得ること、未だに根強く残っている怪獣娘への恐怖心を解消してもらうという目的もあるようだ。
名前
基本的に、名前は苗字は漢字で、下の名前はカタカナで表記される(これは作中に登場する他の一般人も同様だが)。
また、苗字か下の名前のどちらか(人によっては両方)に、元になった怪獣の名前や姿などを連想させる言葉が含まれることが多い(例外アリ)。
なお、基本的に作中でこれらの本名が登場するケースはほとんどない。これは、怪獣娘は本能的に相手のことを本名ではなく元になった怪獣の名前で呼んでしまうためらしい。
名前一覧
キャラクター名 | 元になった怪獣の名前 | 名前の由来 |
---|---|---|
宮下アキ | アギラ | アギラ→アキ |
牛丸ミク | ミクラス | M78星雲バッファロー星(ミクラスの出身地)→牛丸、ミクラス→ミク |
白銀レイカ | ウインダム | M78星雲メタル星(ウインダムの出身地)→白銀 |
??? | ゼットン | |
岡田トモミ | ピグモン | 別名の“友好珍獣”→トモミ |
歌川ベニオ | レッドキング | レッド(紅)キング(王)→ベニオ |
黒田ミカヅキ | ゴモラ | 黒田→兜の形状がゴモラの頭部のモチーフになった戦国武将 黒田長政、ゴモラの後頭部の三日月形の角 |
湖上ラン | エレキング | エレキングの初登場エピソード「湖のひみつ」、“Lightning”(ライトニング)?→ラン |
道理サチコ | ザンドリアス | ザンドリアス→道理 |
印南ミコ | ガッツ星人 | ??? |
クララ・ソーン | キングジョー | ??? |
鳴無ミサオ | ノイズラー | 無音(東京サイレント作戦?)→音無→鳴無 |
風巻ヨウ | マガバッサー | 別名の“風ノ魔王獣”+竜巻→風巻、揚力?→ヨウ |
竜波ユカ | マガジャッパ | タツノオトシゴ+波→竜波 |
道理サチコの母親(本名不明) | マザーザンドリアス | |
滑川シイナ | シーボーズ | 骨→滑川、シーボーズ→シイナ |
百地メル | メトロン星人 | メトロン(Metron)星人→メル(Meru) |
天城ミオ | ベムラー | ??? |
アデリーナ・海堂 | ペギラ | アデリーペンギン |
國枝アサミ | ブリッツブロッツ | ??? |
火野ユリカ | バードン | バードンの得意技の火炎放射→火野 |
柴崎ラン | ガーディー | 柴犬→柴崎 |
黒柳ナミ | ブラックキング | ブラックキング → 黒柳 |
仁科エミリ | メフィラス星人 | ??? |
仁科カレン | メフィラス星人二代目 | ??? |
沢中イズミ | ペガッサ星人 | ??? |
晴海ソラ | スカイドン | 晴海 → スカイドンの出現地、東京都中央区晴海、ソラ → スカイ(Sky)の日本語訳:空 |
下舘マドカ | モゲドン | ??? |
??? | ノーバ | |
??? | キリエロイド | |
アンジェリカ・サーヴェリタス | マグマ星人 | サーヴェリタス → マグマ星人の別名:サーベル暴君 |