概要
大まかに、次のような属性の状態をいう。
- 1. その作品・設定中に存在する属性すべてをまとめた呼び方。また、属性の総称。
- 2. 1.のすべてを操れる存在。
- 3. それそのものが「すべて」の属性に対応するもの。
身近なものとしては「トランプのジョーカー」をはじめとしたワイルドカードがある。これは上の3にあたる。
無属性とは字面で見れば対極にあるように見えながら、ほとんど同じものであるとする見方も可能という、まさに紙一重の関係にある。
ただし「無い状態」そのものである無属性が白・黒・灰・透明などで描かれることが多いのに対し、「すべて」を含む・またそのものである全属性は虹色などカラフルな彩色をされることが多い。
メイン画像は色相環を表しているが、区分けごとにそれぞれの属性を表現できるという理由で色相もモチーフとして利用しやすく、明度や彩度によってさらに細かく表すことも可能。
そもそも、属性数が10を超えるものだと並べるとどうしてもカラフルになってしまう。また、ソーシャルゲームの属性はパズドラを筆頭にした「火水木」・四大元素モチーフの「地水火風」と光・闇を合わせた5・6属性のものが非常に多く、こういったゲームでは「火→赤、水→青、木・風→緑、地(土)→茶か橙、光→黄、闇→紫」で描かれることがメジャーであるため、繋げるとやはり虹色になるのである。光が雷だったり風林火山とかだったり様々なパターンがあるが、大体似たものである。
創作物において
神話や伝承にも「無属性」に繋げられるものはギリシャ神話のカオスを筆頭に多くのものを挙げられるが、「全属性」と言い切れるものを探すのは非常に難しい。そこに「全」という言葉の重みがあるといってもいいだろう。
神話の最高神はゼウスやラーのように天空や太陽をつかさどるものが多い。また、原初の神といっても前述のカオスのように無寄りのものも少なくなく、聖書の「神の霊が水の面を動いていた」という表記やメソポタミア神話のティアマト・アプスのように水に縁強いものも多くみられる。
全とはいったい……うごごご
一例
- 遠坂凛…Fate/staynightのヒロイン。地水火風に空(エーテル)まで加えた5属性を高レベルで操る「五大元素使い(アベレージ・ワン)」。ちなみにここでいうエーテルは無属性ではなく、TYPE-MOON世界では虚属性や無属性が架空元素というカテゴリで別に存在する。あくまで一般的な五大元素としての全属性である。エーテルが一般的かはそれはそれで怪しいが……。
- また、彼女に関係する設定が多く被る別世界線の人物にして史実での四大精霊論の元ネタも、同様に使える。
- オティヌス…とある魔術の禁書目録に登場する、魔術を極めた人間が「魔神」となったもの。名前自体は北欧神話の神オーディンの別名で、『デンマーク人の事績』に見られ、弩もそれが由来のようである。元ネタのオーディンも最高神なのだが、それに輪をかけて「全能」性が強調されている。しかし、本当に全て能うために失敗の可能性のすべてをも同時に持ってしまう50:50のジャンケン状態であったため、この天秤を100に傾けようと動いていた。
- 聖邪の天使…爆ボンバーマン2の真ラスボス。全64ゲー最上位とも呼ばれる強さを持ち、キーアイテムであるエレメンタルの力を、ボンバーマンが使える7種のうち、闇を除いた6種類を使用してくる。むしろこの作品においてはボンバーマンのほうが全属性な気もする。
- ミラクルマター…星のカービィ64の仮のラスボス。真ラスボスよりも強いとされる。この作品に登場する基本コピー能力7種すべてに対応した攻撃を仕掛けてくる。その形態に対応するコピー能力(またはそれを含むパーツ)で反撃する以外の攻撃は効かない。ただ、「敵にしては」全ての属性を使ってくるのは珍しいくらいで、カービィ本人は四六時中全属性みたいなものである。
- クリティカル…Sa・Ga2秘宝伝説に登場する攻撃。本シリーズには特定の属性・種族などに対して決定的に有効な「特効」という要素が古くからあるのだが、本作におけるこの攻撃は「全属性に特効」であり、すなわち「攻撃対象が誰であっても特効」というありえない特徴を持つことから、特効という言葉の定義を行方不明にしている特徴がある。
それ以外の作品だと「全属性に耐性もちの防具」といった、属性を一括りにしただけの呼び方をされることも少なくない。
しかし、とあるゲームは「万能性」としての全属性の出番が非常に多い。
ポケモンにおいて
ポケットモンスターの世界には、属性に相当する「タイプ」が現在18種類(初代でも15種類)もあることも踏まえ、多種多様なポケモンがいる。その中にはブイズやロトムなど、同種でも幅広い進化・形態を持つものもある。そして、一部「幅広い」という表現では生温い多様性をたった一要素で持ってしまうものがいる。以下にその例を示す。
- アルセウス…ポケモン世界の創造神に当たるとされる。通常時はノーマルタイプで、専用特性「マルチタイプ」によって、「プレート」または「Zクリスタル」を持たせることで対応するタイプに変化し、これによってノーマルを含め18すべてのタイプになれる。また、それに応じてタイプの変わる専用技も所有。
- ミュウ…ポケモンの始祖と言われている。アルセウスを神的存在と置くのであれば矛盾しない。すべてのわざマシンを使え、それによって全てのタイプの技を出せる。なお自身はエスパータイプ。
- メタモン…ノーマルタイプ。技「へんしん」または特性「かわりもの」によって相手と同じ姿に変身する。つまり、どんな姿にもなれる。メガシンカやウルトラネクロズマにまでなれる。
- めざめるパワー…デフォルトだとノーマルタイプの技。ポケモンの個体値によってノーマル、フェアリータイプを除いた16タイプのいずれかになる。Zワザだとノーマル判定。アンノーンはこれしか覚えないがエスパータイプ。
- へんげんじざい…技を出す直前に、その技と同じタイプになる特性。これを覚えるカクレオンとケロマツ系統はどちらもフェアリー、ドラゴンタイプの技を覚えないが、ドラゴンタイプはめざめるパワーで、フェアリータイプはサイコフィールドとほごしょくでなれる。
- ミラータイプ・テクスチャー・テクスチャー2…状況によって自分のタイプを変える技。テクスチャーは両方ともポリゴン系統の専用技。
やたらとノーマルタイプが多い。やはり無は全に通じるということだろうか。
関連タグ
無属性…対極にして最も近いもの