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軽自動車の編集履歴

2019-03-05 02:53:09 バージョン

軽自動車

けいじどうしゃ

日本における小型自動車の規格。

概要

日本における小型自動車(サブコンパクトカー)の規格。排気量は660cc、車体サイズは全長3.4m、全幅1.48m、全高2m以下と一般的なコンパクトカーより一回り小さい大きさが設定されている。


小さくて取り回しやすく、ランニングコストが安い上に、交通法上、普通乗用車との差異がない(普通乗用車が走れるところは軽自動車も走れる)ため、多くの家庭で日常の足として愛用されている。


規格

軽自動車の規格が初めて設定されたのは昭和24年で、当時はサイズ・排気量ともにもっと小さいものだった。その後幾度かの改訂を重ねて、昭和29年に排気量360cc、平成元年に660ccに拡大され、現行の規格は平成8年に制定された。


この規格に当てはまる輸入車はケーターハム・カーズ(イギリス)セブン160、エクサム・マルチトラック(フランス)くらいしかない(かつてはスマートKやCT&T・eZoneなどもあった)。日本に輸入されていないものでは中国のチェリー・QQ、フランスのエクサム300などもあるが、これらは軽自動車よりさらにサイズが小さい、キャビンスクーターに毛の生えたようなものである。


と、言うか日本の軽自動車規格もそもそもはそういうクルマを作るための規格だった。

そこに本格的乗用車を押し込んだ壮大な変態がいたためこうなった


類似の超小型車の規格としては他にフランスのクワドリシクル(日本では「四輪原付」などと訳される)などもあるが、免許がなくても乗れるかわりに車両重量400kg以下、最高時速45km以下など極端に制約が多く、軽自動車よりむしろミニカーに近い規格である。


クラス的な位置づけは超小型車というより欧州のAセグメントに近く、欧州で販売されている軽自動車はAセグメントに分類されているが、欧州仕様の軽自動車をはじめAセグメント車の排気量は1000cc程度のものが多い。また、欧州で開発されたAセグメント車の多くは軽自動車より車幅が広くなっている。


特筆すべきは他国の超小型自動車とは違い本格的な四輪車のジャンルとして地位を確立し、ハッチバックトールワゴンミニバンクロスオーバーSUVトラックSUVオープンカー・・・と、スペース効率に劣るセダンクーペを除き一般的な自動車として考え得る大抵のボディ形状をそろえていることである(ただし軽セダンは2002年までオプティが生産されていたほか、360cc時代にはR360など軽のクーペもあった)。これに本質的に類似した規格は、韓国の軽車(キョンチャ)くらいしかない。


ただし、日本の軽自動車もエンジンのみ1000cc〜1300ccに拡大して世界各国でも売られており、海外でも日本の軽ベースの車を見かけることがある。

燃料

車に詳しくない人が「軽自動車っていうぐらいだから軽油で走るんでしょ?」と勘違いして、ガソリンスタンドで軽油を入れてしまい、エンジンを壊すという冗談のような話が時おり発生する。ガソリンスタンドの社員が注意を促したり張り紙をしたりする対策をとっていたのだが、それでも説明を理解していない人(張り紙を見て、軽自動車なんですが軽油がダメなら何を入れればいいんですかと聞いた例もネットには報告されている)が軽自動車に軽油を入れようとするためか、最近ではセルフの軽油給油機に注意書きがデカデカと書かれたカバーが付けられているところも出てきている。


軽油を入れるのはディーゼルエンジンの車であるが、現行車両においてディーゼルの軽自動車は存在しない。


技術的には660ccのディーゼルエンジンを製作することは十分可能だが、ディーゼルには高コストでエンジン自体が重く騒音と振動が多いうえ排気ガスが汚いという欠点がある。これを解消するため高度な機構を盛り込むと、ますます高価で重い車両になってしまい、軽には向かない。ディーゼルの低燃費の強みが生きるのは加減速が少ない長距離走行であり、これまた軽の一般的な利用パターンにはマッチしない。


スズキは排気量0.8リットルのE型ディーゼルエンジンをインド向けに生産しているが、直列2気筒で騒音と振動はお察しレベルであり、インドのような新興国市場では通用しても日本市場では通用しない(そもそも環境規制をクリアできない)とみられる。日本でもまったく前例がないわけではなく、1960年には農機具メーカーのヤンマーがディーゼルの軽トラを販売していたが、360ccで9馬力と、当時の基準で見ても圧倒的に非力であったため、わずか2年で生産終了に追い込まれている。


日本国内における現状

日本における四輪車のうち1/3は軽自動車が占め、乗用車の最量販クラスである。

特に中四国以西だと福岡県以外でシェアは40%以上、広島県以外では全県45%オーバーであり、大半が過半数になるのも時間の問題である。ってか現状でも鳥取県島根県高知県愛媛県長崎県宮崎県鹿児島県沖縄県はもう既に過半数である。


軽自動車の普及率が高い県は、総じて鉄道バスなどの公共交通機関がほぼ壊滅状態まで追い込まれた地域である。

バスも1時間に1本くれば良い方で、酷い場合は1日1~2往復しか走らないなど、住民の足としてまともに機能しない場合が珍しくない。ゆえにそのような地域では"家に成人の数だけクルマがある"ということも珍しくなく、住民にとって軽はもはや生活必需品である。つまり、軽の税金を上げると言うことは、言ってみればスニーカーやサンダルに重税を課す、酷い言い方をすれば肢体不自由者から車椅子を取り上げてしまうようなものなのである。


また軽トラック/軽1BOXはもはや町工場や商店、農林漁業の必需品であり、これが無くなってしまった際の負担増には恐ろしいモノがある。(商用車は登録車が毎年車検、軽は2年に一度)。またそもそも日本の農道は軽トラックの車幅を基準に作られており、普通車のトラックには対応できない(日本の軽自動車が欧州のAセグメントなどより車幅が狭い一つの理由)。

さらに農道どころか市町村道レベルの道であっても、軽自動車以上のサイズの自動車は通行困難(または不能)な道路はまだまだ全国に点在している状況なのである(カーナビ頼りに狭い道に迷い込み、身動きが出来なくなる普通乗用車も決して少なくない)。ついでに言うと、地方どころか23区内にも死ヌ程多い


……しかし政府はこの現状を無視し、2015年4月以降新車登録された車両に対して税金を上げた。


ちなみに、TPPに関連してビッグスリーが軽自動車規格に関し非関税障壁だとイチャモンを付けてきたことがあった。しかしながら、実際はフランス車やドイツ車、韓国車、イギリス車の軽自動車も存在している(していた)。

ようは規格に基づいたクルマを売ればいいだけの話で、軽自動車市場は外国メーカーにも開かれているのである。


また軽規格の衰退は長い眼で見ると市町村の財政を圧迫するということも考えよう。登録車の自動車税は国税だが、軽自動車税は地方税(市町村税)である。末端の道路を整備しているのは市町村だし、国道も実は高速道路以外は地方自治体が整備の一部を負担している。したがって軽自動車は地方財政の貴重な財源なのである。上記の税金引き上げも、2014年4月に自動車取得税(都道府県税、ただし3分の2は市町村に配分される)が引き下げられ(、そして将来の廃止が決まっ)たことによる市町村の税収減を補うためのバーターであることに留意されたい。

その構造上、新車を買えない層には納得の行かない話……でもない。要は2014年以前に登録された車両は低税率のままなのだから。それこそ30年選手だろうが動いてしまうのが日本車である。(ただし、一度廃車扱い(ナンバー抹消)した車両を再度登録した場合は、新税率となる。逆に、登録抹消さえしなければ、たとえ釧路ナンバーから那覇ナンバーに変えることになろうが旧税率のままである)


また、スズキ自身が軽を含むコンパクトカーを主力製品としていることが関係しているかは不明だが、鈴木修会長は軽増税に否定派である。それに関する発言は以下の通りである。

  • 「軽の税金を上げるだけでなく、リッターカーの税金を下げるという話ならいくらでも協力するのに」
  • (軽の品質向上で登録車と差が無くなった事による不平に)「軽自動車は寸法も排気量も厳しく制限されている。そのなかで素晴らしい4人乗りのクルマができているのは、軽メーカー各社の努力のたまもので。いわば芸術品のようなものだ。その努力を見ないで普通のクルマと同じようなものと言うのはいかがなものか」と反論
  • キャリイ(12代目)発表時、「軽自動車は比較的低所得の人が生活・仕事に使っているとして(軽自動車の増税は)「弱いものいじめと感じる」「こういう考え方がまかり通るということになると、残念というより、悲しいという表現が合っている」と発言。
  • また、下請けの仕事量、ひいては雇用にも影響があるとの考えを示した。(実際、安価な自動車を中心に逆輸入車を投入する流れが一部にある。)
  • 「どっかで恨みを晴らしてやる」

メリットとデメリット

軽自動車のメリットはなんと言っても維持費の安さである。

燃費も良く税金も安いのである。また、狭くて渋滞の多い日本の道での使い勝手の良さ、下手なコンパクトカーを上回る広々とした車内も魅力である。

近年の登録車は輸出に傾倒する余り海外向けでのニーズばかりを重視した車が多くなっているが、日本市場のみの販売を前提に開発される軽自動車は日本でのニーズのみに特化されているので、一般の日本人にとっての使い勝手は非常に良好である。


中低速走行に最適化されているため、街乗りでの軽自動車の燃費は一般に(ハイブリッドではない)コンパクトカーより優れている。

ただエンジン自体はさすがに排気量が小さすぎて高回転寄りになっているため、加減速の多いシチュエーションでは無理が生じてきている。

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【各社の軽及びコンパクトカー(1400ccクラス未満)主要エンジンの最高出力・トルクの比較】

※いわゆる新規格660車以降に搭載されていたもの。

※基準を満たす設定がない場合を除き、ハッチバック系・FF・MT・NA車とする。


・スズキ

F6A:46ps/5800rpm、5.8kgm/4500rpm(GF-HA12S アルト セダンL'EPO)

K6A:54ps/6500rpm、6.2kgm/4000rpm(LE-HA23V アルト バンVs)

R06A:49ps/6500rpm、5.9kgm/4000rpm(HBD-HA36V アルト バンVP)

K12B:91ps/6000rpm、12.0kgm/4800rpm(DBA-ZC72S スイフト XG)

・ダイハツ

EF-SE:48ps/6400rpm、5.7kgm/4800rpm(TA-L250S ミラ セダンD)

KF:58ps/7200rpm、6.6kgm/4000rpm(HBD-L275V ミラ バンTX)

1KR-FE:69ps/6000rpm、9.4kgm/4400rpm(DBA-M700S ブーン X【CVT】)

・三菱

3G83:50ps/6500rpm、6.3kgm/4000rpm(GF-H42A ミニカ セダンPj)

3B20:49ps/6500rpm、6.0kgm/5000rpm(DBA-B11W eKワゴン E【TW、CVT】)

4G19:90ps/5600rpm、12.3kgm/4250rpm(UA-Z25A コルト スタンダード【CVT】)

・スバル

EN07:45ps/6400rpm、5.7kgm/4000rpm(GF-RA1 プレオ ネスタG)

※コンパクトクラスは該当なし

・ホンダ

P07A:52ps/6700rpm、6.2kgm/3800rpm(UA-JB5 ライフ C【TW】)

S07A:58ps/7300rpm、6.6kgm/4700rpm(DBA-JG1 N-ONE G Lowdown【CVT】)

L13B:100ps/6000rpm、12.1kgm/5000rpm(DBA-GK3 フィット13G Fパッケージ)


・・・とまぁ、総じて最高出力6000~7000rpm、トルク4000~5000rpmとなっており、全体的にコンパクトクラスよりも高めの数字となっている。

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ただし、長距離高速巡航においてはCセグメント(※)の登録車に比して燃費が悪くなる場合がある。

※車種例:カローラインプレッサランサーゴルフ等。


これは、軽自動車のパワーでは昨今の軽トールワゴンブームや規格改訂によって重く大きくなった車体を駆動する余裕が持てず、アクセルを踏み込むからである。


またイニシャルコストに関しても最近ではメーカーが調子に乗ってきて車両本体価格130万円は当たり前、それどころか145~160万円という「おい、誰がカローラの見積もりを出せと言った!?」とツッコミたくなってしまうようなとんでもない高額グレードを平然と用意するようになってしまった。

  • これでもバブル絶頂期よりは安くなった。当時は200万円近い高級仕様車が存在したのだから……

特にターボ車を検討している場合は…B/Cセグメント車も選択肢に入れることをお勧めする。ターボ車は車両価格が高額になりやすい(総じて高額グレードにのみ設定される傾向がある)上に、メンテナンスコスト(特にエンジンオイル周り)がかさみがちである。

  • 扱いやすさについてはアクセルを押し込んだ時にドッと開くターボの方がむしろいいという人もいるので個人差だろう。そもそも昨今の小型ターボは敢えてそう(ブースト圧と引き換えにタービンの稼働必要圧が大きくなる所謂“ドッカンターボ”)しない限り大したラグはない。
  • 燃費についてだが、スズキの燃費不正問題が出た時に抜き打ち実測した際いくつかの車種でプリウスより低燃費という結果が出てしまった。まさか修ちゃん、こういうことじゃないだろうな?

もっとも、軽トールワゴン(例:ワゴンRムーヴ)では150~160万円程度となるターボも1BOXやハッチバックになると話は違ってくる。実際2013年2月11日現在、エブリイバンJOINやハイゼットカーゴ クルーズ、ミニキャブバン ブラボーアルト(ラパン、RSターボ)はターボでも120~130万円程度で購入できることに注意が必要。(アルトワークスが150万円強なのも、その装備内容を考えるとワークスの購買層にしてみれば充分なバーゲンプライスである)


また、同年式の登録車が捨て値で売られていても軽は結構な値段が付く事が多い。これはつまり、車両本体価格で言えば軽は割高であるということである。特に、軽トラならどんなポンコツでも走れば数万円の値段が付くと言った状況である。


というわけで、「登録車並みに車体が高い」のはあくまでアッパーミドル~ハイエンド車でのお話である。

ローエンド車はやはり車両本体価格が安く設定されており新車でエアコンと一通りの安全装備がついてコミコミ100万以内というのもザラにある


例えば、アルト F(乗用最低グレード)の2WDの場合は...


  • 快適装備
    • エアコン(マニュアル式)
    • CDラジオ&2スピーカー(AUX端子付き)
    • 前席パワーウィンドー
    • アクセサリーソケット
    • 前席UV/IRカットガラス
  • 安全装備
    • プリテンショナー・可変フォースリミッター付きシートベルト&デュアルエアバッグ
    • トラクションコントロール機構付きABS
    • ESP(横滑り防止装置)
  • セキュリティ関連
    • 集中ドアロック(バックドア連動)
    • キー抜き忘れ/消灯忘れ警告ブザー
    • セキュリティアラーム

…が付いて84.8万円(税8%込み。税抜78.5万円)である。諸経費を入れても、値引きなしで100万円以内に収まる(AGS・MT同額)。


アルトFには後席ヘッドレストがないため4人乗りのクルマとしては若干問題はある(ヘッドレストが付くのは「S」以上のグレードとなる)ものの、1〜2人で乗るクルマのメーカー純正装備としては、もうこれで十分ではないだろうか


さらに、ABSがないなど安全装備の面で問題はあるが、軽ライトバン軽トラで一番安いものは70万を切る。近年まで販売されていたH42Vミニカバンなど、最安値グレードはエアコン付で車両本体価格60万円を切っていた。


またEyeSightなどを皮切りに話題となっているASV(先進安全自動車)も、ダイハツがスマートアシスト(それもムーヴを皮切りにミライース、タント、ウェイクなど売れ筋車種に)を世に送り込んだことにより軽自動車での普及が登録車(特にCセグメント以下)と比べても異常な速さで一気に進み2014年末までには軽4社の主力乗用車種に設定されている。


さらに近年では、ASV技術の商用車への普及も進んでいる。2014年末、スズキはアルトのバンを含む全グレードにレーダーブレーキサポート装着車を設定、軽商用車初のASVが登場した。そしてその後を追うかのようにダイハツも「ウェイク・バン」ことハイゼットキャディーで軽商用ASVを市場投入した。2017年1月現在本格的な軽トラでのASVの実例はまだないが、ついにエブリイ(スクラム/NV100クリッパー/ミニキャブ)がレーダーブレーキサポートを搭載、軽1BOX初のASVとなった。(ただ、エブリイ4兄弟のうちスクラム以外は上級グレード(実質の乗用グレード)にしか設定がないのが残念なところである・・・。)

2015年1月現在最も安いASVはアルトで、約83万円(税8%込み、VP(バン)。乗用グレードでも約87万円(上述の「F」のオプション装備)からある。)である。今はまだまだ限界の低い「お試し版」状態ではある(NASVAのテストでも30km/hからマトモに止まりきれていないケースがほとんどであるし、歩行者認識機能は付いていない)ので過信は禁物である。(もっともこれは軽だからというより初期の自動ブレーキはEyeSight以外のほとんど、それこそLS以外のレクサスですら止まる気がないかのような挙動を見せてしまうのが現実である。)


とはいえ軽自動車は低所得者や地方住民の貴重な足、あるいは社用車として日常的に使われている。結果上述の通り中四国・九州で半数、全国でも4割、地域によっては既に過半数を占める状況を考えれば、軽ならではの低価格でASVが売り出されること自体に社会的意義が大きいといえる。よってここに関してはこれからの進化と採用車種の拡大に期待したいところである。


実際、その後の技術進化や採用車種の拡大に伴って

・採用車種に関しては低価格帯車両への採用が著しい。アルトバンに続いて「ウェイクバン」にあたるハイゼットキャディー、そしてついに本格1BOXのエブリイ4兄弟に自動ブレーキ搭載。この分だと、今は設定のない軽トラに搭載されるのも時間の問題であろう。特に軽トラにセミAT載せちゃった鈴菌あたり(※)やりそう…と思っていたら、実際に軽トラ初搭載したのはハイゼットだった。

(※2017年6月現在新車販売されている軽トラのうち、同系1BOXに自動ブレーキの設定があるのはキャリイ4兄弟のみである。と言うか、アクティ・ハイゼットに関してはトラックだけフルチェンジして1BOXは置き去りである。)

  • スペーシア・ハスラーの「デュアルカメラブレーキサポート」やタント(※)の「スマートアシストIII」が歩行者検知機能も搭載し「ASV++」ランクの評価を受けるなど、性能面においても日進月歩である。

(※SAⅢに関しては2代目ミライース、10代目ハイゼットにも搭載されているが、デビュー時期の関係で同年6月現在NASVAによるレーティングはなされていない。)

  • そして両面の象徴的な出来事として、ミライースのビジネス向け最廉価モデル「B」へのSA III搭載(本体税込91万円)がある。その性質上その他の装備面に関しては問題もあるが交通安全のみならず労働環境改善という意味でも、また地方では廉価な移動手段を求めてビジネスグレードを購入するパーソナルユーザーも一定数存在する事実を考えても、BizカーのASV化は意味が大きい。
    • (この手の安全装備は高額グレードでは標準装備を謳う車種でさえ廉価グレードにおいてはオプション追加すらできないのが常であり、これは交通安全上の問題であるといえる。)

と言った状況があり、もはや解決も時間の問題と言える。


さらに維持費のことも考えよう。

  • 自動車税が安い(乗用で7200円、貨物で4000円。普通乗用は最低でも29500円。ただし市町村によって若干異なる)
  • 車検費用の相場は2/3(関東でカローラクラスだと格安車検屋でも大体\15万コース。軽だとディーラー車検でも大体\10万)
  • 貨物車でも車検は2年ごと(登録貨物車は1年車検)
  • 貨物車なら任意保険料が安い(ただし、貨物では年齢制限が適用されないことがあり、一概に安くなるとは言えない)
    • ただし、総じて軽自動車は任意保険料の規定係数(車両形式ごとに決まる)が低く保険料が安い。これは軽自動車が他者に損害を負わせる可能性とその度合いが軽いと言われているが、近年は軽自動車が絡んだ事故が増えてきた事、イモビライザー未搭載車が多い事から盗難が多くなっている(海外需要の少ない軽自動車は比較的盗まれにくいと言われてきたが、盗難車の国内流通もあるからであろう)もあり、保険料も上昇傾向が続いている。軽ではAZ-1(CARA)とカプチーノコペンは高い部類なので特に注意する事。ちなみに乗用車で最悪なのはFD(RX-7最終型)と言われている。

また、軽自動車のバンパーはもはや衝撃吸収のことなど一切考えていないと思った方がいい。そのため、アメリカ仕様に見られる「5マイルバンパー」装着車なら軽傷で済む衝撃でも軽だと致命傷、と言うことにもなりかねない。もっとも登録車でも日本仕様車では衝撃吸収材としてはまるで機能しないバンパーというのは特段珍しいことではないのだが。

あと、5マイルバンパーのクルマに追突されても平気で相手を破壊する軽自動車が存在する。ついこの間、新型が発売されてしまった。


規格

四輪車の場合、全長3.4m×全幅1.48m×全高2.0m、排気量660cc、定員4名、貨物積載量350kg以下。

ナンバープレートは黄色地に黒文字(自家用車)、黒地に黄文字(事業用車)。

字光式ナンバーは現在のところ自家用車用しかなく、登録車と異なり文字の輪郭が透過して発光する形式となっている。


※2019年ラグビーワールドカップ及び2020年東京オリンピック特別仕様ナンバープレート(図柄無し)の場合は白地に緑文字、右上に大会ロゴ(自家用車のみ、事業用車は対象外)。


二輪車(軽二輪)の場合、排気量125cc~250cc。


製造メーカー

現時点で軽自動車を独自開発するのはスズキ・ダイハツ・ホンダ・三菱の4車。現状でスズキはマツダと日産にOEM供給、三菱も日産に供給する。一方のダイハツもスバルとトヨタにOEM供給する。一方、スズキ・ダイハツの2強を追うホンダは独自開発の「N」シリーズでシェアを伸ばし、「3強」体制が視野に入ってきた。取り残された形の三菱は、日産と折半で軽の企画・開発を行う合弁会社NMKVを設立。


以下の通り、(光岡自動車を除く)日本の乗用車メーカーで軽四を販売していない企業はない(光岡も過去に自社ブランドの軽自動車を販売していた時期がある)。


自社生産

  1. スズキ
  2. ダイハツ工業
  3. NMKV(三菱自動車工業日産自動車の合弁企業)・・・3代目eKワゴンおよび(日産)デイズの開発を行っている。なお、両車とも2013年6月に発売された。製造は従来通り三菱の水島製作所であり、製造事業者も三菱とされている。なお、日産は市販車としては軽の自社生産を行ったことがないが、軽自動車よりさらに小型で簡素な2人乗り超小型車(超小型モビリティー)の提案を行っている(これもルノーのOEMだが)。
  4. 本田技研工業

と、この通り日本では軽自動車を開発・製造しているメーカーは(かつてのスバル・マツダを含め)どいつもひとクセある連中である。特に市場に鉄壁の王者として君臨するのは鈴菌……

若者の自動車離れの中で何故軽は売れるのか? それは単に価格や維持費が安いからだけだろうか?



他社からのOEMのみ。

  1. マツダ(スズキ、ただし1960年からスズキと提携した1989年するまでは自社生産を行っていた(ただしエンジンは三菱製)ほか、キャロルに関しては1998年までアルトとは全く異なるボディを使用していた。)
  2. 富士重工業(ダイハツ、ただしスバル360で軽自動車を一躍大衆車の主流に押し上げた1958年から、2012年2月までは自社生産を行っていた)
  3. トヨタ(ダイハツ)

国外メーカー

  1. ベンツ - 外車としては初となる軽自動車(SMART-K)を発売。メルセデスブランドではないが、販売チャンネルは一緒。
  2. エクサム CT&T- いずれも電気自動車を国内代理店に供給。
  3. ケータハム - セブン160の日本仕様は軽規格で販売される。

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